竣工検査とは?流れとチェックポイント・費用、事前準備など基本を解説
今回は、竣工検査の目的やチェックポイント、当日の流れを詳しく解説します。事前準備や費用なども紹介します。ぜひ参考にして、安心して引き渡しを迎えられる家づくりにお役立てください。
記事の目次
竣工検査とは

竣工検査とは、施主と施工会社が完成した建物に不具合がないかを確認し合う検査です。「施主検査」と呼ばれることもあります。
竣工は建築工事の工程がすべて終わることを指します。竣工検査は、すべての工程が完了し引き渡し直前におこなう最終確認の場だと考えてください。現場監督などの工事責任者とともに、設計図面のとおりに仕上がっているか、設備の不具合やキズがないかをチェックしていきます。
不備が見つかった場合、施主は手直し(修補)を要求できます。引き渡し後では対応してもらいにくい項目もあるため、竣工検査の場で気になる点をしっかりと伝えましょう。
竣工検査の目的

ここでは、竣工検査をおこなう目的を3つに分けて解説します。
契約内容との整合性を確認するため
竣工検査の大きな目的は、契約したとおりに家が仕上がっているかを確かめることです。指定した建材や設備が使われているか、コンセントの位置が打ち合わせどおりかなどは、図面と見比べなければ判断できません。当日は設計図面や仕様書を持参し、ひとつずつ確認しましょう。
品質と安全性を確保するため
竣工検査は、建物の品質と安全性を確保する場でもあります。図面どおりに仕上がっていても、壁のキズや設備の初期不良、防水処理の不備などが残っているケースがあるかもしれません。実際に水を流したりスイッチを操作したりして、暮らしはじめてから気づく不具合がないかを確かめておきましょう。
施主と施工会社の間のトラブルを未然に防ぐため
竣工検査は、施主と施工会社の認識のずれをなくし、トラブルを防ぐ役割も担っています。引き渡し後に不具合を伝えても、いつ生じたキズなのか判断がつかず、対応をめぐってもめるおそれがあります。気になる部分は写真やメモで記録し、いつまでに直すのかを担当者と共有しておくと安心です。
竣工検査と施主検査・完了検査の違い

建物が完成したあとにおこなう検査には竣工検査の他に「施主検査」や「完了検査」もあり、混同されがちです。ここからは、それぞれの違いを見ていきましょう。
竣工検査と施主検査の違い
竣工検査と施主検査の違いは、検査の中心となる立場にあります。竣工検査は施工会社や監理者が主体となり、設計図書や仕様書どおりに工事が終わっているかを確かめる検査です。一方で施主検査は、施主が利用者目線でキズや汚れ、設備の動作をチェックします。
ただし、実務では竣工検査と施主検査を同じタイミングでおこなうケースが増えており、両者をほぼ同じ意味で使う会社も少なくありません。呼び方だけで判断せず、自分が立ち会う検査はどちらなのかを担当者に確認しておきましょう。
竣工検査と完了検査の違い
竣工検査と完了検査は、目的も実施者も異なります。完了検査は、建築主事(建築副主事)または指定確認検査機関が建築基準法への適合を確認する法定検査です。
一方で竣工検査は、契約に基づいてキズや汚れ、不具合の有無を調べるもので、法律で義務づけられた検査ではありません。完了検査は建物の工事完了日から4日以内に届くよう申請し、申請を受理した日から7日以内に検査がおこなわれます。
合格すると検査済証が交付されます。検査済証は建物が建築基準法に適合していることを示す書類で、将来の売却やリフォーム(増改築時の確認申請)でも必要になるため、保管しておきましょう。
竣工検査のチェックポイント

竣工検査では、外観の仕上がりや設備の動作などを確認します。見落としを防ぐためにも、押さえておきたい6つのチェックポイントを解説します。
建物外部(外壁・外構・バルコニー)
建物の外部は、雨漏りや将来の劣化に直結するため、明るいうちに確認しておきたい部分です。
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- 外壁や基礎表面にひび割れ、キズ、欠けがないか
- 塗装のムラや汚れ、屋根材の浮きがないか
- 門扉やフェンスが正しく設置され、門灯・庭灯が点灯するか
- 駐車場やアプローチの仕上がりに問題はないか、外構に残工事がないか
- 土地の境界が明示されているか
- バルコニーの防水・排水処理は適切か、手すりの強度は十分か
- エアコン室外機の設置場所は希望どおりか
手すりは実際に揺らしてみる、バルコニーは水を流して排水を見るなど、目で見るだけで終わらせないことがポイントです。
内装・仕上げ
内装は毎日目に入るだけに、キズや汚れが残っていると住みはじめてから気になりやすい箇所です。
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- 床にキズやへこみ、汚れ、きしみがないか
- 壁紙(クロス)の剥がれや継ぎ目の浮き、糊の拭き残しがないか
- 天井や壁に汚れ、塗装のムラがないか
- 巾木や見切り材の納まりに隙間やずれがないか
- 和室がある場合、畳縁の合わせ部分に段差がないか
気になる部分にはマスキングテープで印をつけておくと、あとから施工会社と共有しやすくなります。
設備(水回り・電気)
設備は実際に動かしてみなければ不具合を判断できないため、当日は遠慮なく操作してみましょう。
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- キッチンや洗面所、浴室、トイレの水が出るか、きちんと流れるか
- 給湯器の設定温度どおりにお湯が出るか
- 換気扇や空調が正常に運転するか、異音がしないか
- 照明が点灯するか、ダウンライトの数や位置は図面どおりか
- コンセントやスイッチの数、位置、色、形に間違いがないか
- 電子レンジや洗濯機を置く場所にアース端子があるか
- インターホンや防犯設備が作動するか
なかでもアース端子は設置し忘れているケースも多いので、図面と照らし合わせて確認してください。
建具(ドア・扉)
毎日開閉する建具は、不具合があると日々のストレスにつながります。
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- 引き戸と開き戸が図面どおりか
- 扉の開く方向(内開き・外開き、右吊り・左吊り)に間違いがないか
- 鍵付きの建具は、施錠と解錠がスムーズにできるか
- 窓を閉めた際、隙間ができないか、窓の種類が図面と一致しているか
- 収納扉の開閉や建付け、隙間に問題がないか
ドアの吊元や開く向きは家具の配置にも関わるため、ひとつずつ動かして確認しましょう。
水回りの防水性
防水の不具合は雨漏りや木材の劣化につながるため、特に念入りに見ておきたい項目です。
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- バルコニーや屋上の防水施工、ドレン(排水口)まわりに不具合がないか
- サッシまわりや外壁のシーリングに切れや打ち忘れがないか
- 天井や壁に雨染みのような跡がないか
- 床下点検口から見える範囲で水漏れが起きていないか
- 床下にゴミや水たまりが残っていないか
点検口の確認にはドライバーや脚立が必要になる場合があります。床下や天井裏も見たい旨を、事前に担当者へ伝えておくとスムーズです。
法令の適合性
法令に適合しているかは、書類を通じて確認します。手元に残る資料は将来のリフォームや売却でも必要になるため、引き渡し前に揃っているかを見ておきましょう。
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- 完了検査に合格した証である検査済証を受け取れるか
- 竣工図書(工事中の変更を反映した最終版の図面)が用意されているか
- 保証書や設備の取扱説明書がそろっているか
- 試験成績書や検査記録、施工写真が保管されているか
- 消防や省エネなど、関係法令に適合しているか
竣工図書は、会社によっては作成していなかったり渡してもらえなかったりするケースもあります。受け取れるかどうか、担当者に早めに確認しておくと安心です。
竣工検査の流れ

竣工検査は、日程の調整から是正事項の確認まで、一定の流れに沿って進みます。当日の動きをイメージできるよう、5つのステップに分けて解説します。
事前準備(日程調整と書類準備)
竣工検査は、日程調整からはじまります。手直しの期間を確保するため、引き渡しの2週間以上前に設定しておくと安心です。開始時間は、自然光で細部まで見られる午前中を目安にしましょう。
あわせて、竣工図面や仕様書の用意を施工会社に依頼します。当日の参加人数も、事前に担当者へ伝えておくとよいでしょう。
集合
当日は、完成した現地に集合するのが一般的です。施工会社の担当者や現場監督、設計監理者などが立ち会います。
はじめに検査の範囲や所要時間、当日の進め方を共有してから、実際の確認へ移ります。一戸建て住宅の場合は2〜3時間かかるケースが多いため、時間に余裕を持っておきましょう。
検査の実施(建物内外の確認)
検査は、図面や仕様書と現場を照らし合わせながら進めます。屋外から屋内へと順に確認していくのが基本で、外壁や外構、バルコニーを見たあとに、内装や設備、建具をチェックしていきます。
この時、担当者から説明を受けながら、住みはじめてから困る部分がないかを具体的にイメージすることが大切です。
検査終了
ひととおり見終えたら、指摘した内容を関係者全員で確認します。どこに、どのような不具合があったのかを一覧にして共有し、認識のずれをなくしましょう。
竣工検査の当日は、外構が施工途中だったりガスが使えなかったりするケースもあります。その場で見られなかった箇所は、いつ確認できるのかも聞いておきましょう。
是正事項の確認
指摘した箇所は、施工会社が是正工事をおこないます。誰が、いつまでに、どのように直すのかを書面で残しておくと、あとからのトラブルを防げます。
是正工事が終わったら、直っているかをあらためてチェックします。引き渡しまでに終わらない箇所がある場合は、工事内容と完了予定時期を確認しておきましょう。
竣工検査のための事前準備

竣工検査の時間は限られているため、事前準備が欠かせません。当日を迎える前に、押さえておきたい4つの準備を紹介します。
必要な資料を準備する
竣工検査では、契約内容と現場を照らし合わせるためにも、以下のような資料を用意しておきましょう。
- 設計図面(最新版の竣工図面)
- 仕様書・仕上表
- 打ち合わせの記録やメモ
図面はコピーを持参すると、汚れを気にせず気になる点を書き込めます。図面に記載されていない打ち合わせ内容も、事前に振り返っておくとチェックしやすくなります。
道具を準備する
スムーズに竣工検査を進めるためにも、以下のものを準備しておきましょう。100円均一ショップで揃うものや、スマートフォンで代用できるものもあります。
【持ち物チェックリスト】
現場と照らし合わせて 施工内容を確認 |
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建材や設備が契約どおりかを確認 |
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図面に載らない要望の反映を確認 |
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気になった点を図面に直接書き込み |
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寸法が図面と合っているかを確認 |
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床や階段の傾きを確認 |
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キズや汚れの位置に印をつけて共有 |
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不具合箇所を写真で記録 |
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収納内部や点検口など 暗い場所を確認 |
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設備の裏側など 見えにくい部分を確認 |
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目視しにくい屋根や高所を確認 |
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長時間の検査での足の負担を軽減 |
スケジュールを逆算する
竣工検査の日程は、引き渡し日から逆算して決めましょう。指摘した箇所の手直しと、その仕上がりを確認する時間が必要になるためです。悪天候で工事が延びる可能性も踏まえ、予備日まで含めて日数を確保しておくと、希望の入居日に間に合わないリスクを避けられます。
環境づくりを施工会社に依頼する
当日きちんと検査できるかどうかは、現場の状態に左右されます。以下の内容を、あらかじめ施工会社の担当者へ依頼しておきましょう。
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- 水道・電気を使える状態にしてもらう
- 仮設照明をつけてもらう
- 床下や屋根裏を見たい旨を伝え、脚立を用意してもらう
ライフラインが止まっていると設備を動かせず、部屋が薄暗いとキズや汚れを見つけられません。数日前までに連絡を入れておくと安心です。
竣工検査の費用

竣工検査の費用は、検査する機関などによって変わります。ここでは、3つのケースを見ていきましょう。
行政・検査機関による完了検査
法律で定められた完了検査には、検査手数料がかかります。一般的な一戸建て住宅(延べ床200平方メートル以下)であれば、3万〜6万円程度が目安です。
2025年4月以降、原則すべての新築住宅で省エネ基準への適合が必要です。審査方法(仕様基準・性能基準)や機関によって数千円〜2万円程度が加算されます。手数料が工事費用に含まれているのか別途必要なのかは、見積書の内訳を確認しておきましょう。
第三者による住宅診断(ホームインスペクション)
竣工検査に第三者に同行してもらう場合は、施主が費用を負担します。完成物件の基本料金は5万から7万円程度が相場です。床下や屋根裏の調査を加えると、それぞれ1万から4万円ほど上乗せされます。
建物面積が大きい場合や、現地が遠方の場合は加算されることもあります。依頼する際は、複数の会社から見積もりを取って比べてみてください。
住宅ローン利用時の竣工検査
フラット35を利用する場合は、物件検査の手数料も予算に入れておきましょう。
フラット35は、住宅金融支援機構の技術基準に適合していることを示す適合証明書がなければ利用できません。この証明書は、工事完了後の竣工現場検査に合格すると交付されます。
手数料は施主の負担で、金額は依頼する検査機関によって異なります。フラット35を検討している方は、早めに建築会社へ相談しておきましょう。
なお、建設住宅性能評価書の取得で現場検査を省略できるケースがあります。
竣工検査に関するよくある質問

それでは、竣工検査の内容をまとめていきます。
竣工検査とは?
竣工検査は、完成した建物に不具合がないかを施主と施工会社が立ち会って確認する、引き渡し直前の検査です。図面どおりに仕上がっているかを確かめ、契約内容とのずれや不具合を引き渡し前に解消することが目的です。
竣工検査のチェックポイントは?
外壁や外構などの建物外部から、内装、設備、建具、防水、書類まで幅広く確認します。目視だけでなく、実際に水を流したりスイッチを操作したりすることが、見落としを防ぐコツです。
竣工検査の費用は?
法律で定められた完了検査には、3万から6万円程度の手数料がかかります。第三者のホームインスペクションを依頼する場合は5万から7万円程度が相場で、フラット35を利用するなら物件検査の手数料も別途必要です。
竣工検査は、これから何十年と暮らす住まいを、自分の目で確かめられる最後の機会です。本記事を参考に準備を整え、納得のいく状態で新生活のスタートを切れるようにしましょう。
注文住宅を建てる



