戸襖とは?襖との違いやメリット・デメリット、張り替える際の費用や注意点を解説
本記事では、戸襖と襖・障子・引き戸との違いをはじめ、メリット・デメリット、使われている場所、張り替えにかかる費用や注意点までをわかりやすく解説します。和室のある住宅を検討している方や、戸襖の張り替えを考えている方はぜひ参考にしてください。
記事の目次
戸襖とは?

戸襖とは、主に和室と洋室の間を仕切るために使われる建具です。一般的には厚みのあるベニヤ板などを下地とし、和室側には襖紙、洋室側にはクロスや木材などを使用します。そのため、1枚の建具で和室と洋室、それぞれのインテリアになじませることができます。
戸襖と襖の違いは?
戸襖と襖では、主に構造が異なります。一般的な襖は、木材を格子状に組んだ骨組みに襖紙などを張って作られているのに対し、戸襖はベニヤ板などを下地に使用しています。そのため、戸襖は一般的な襖より丈夫で耐久性がある一方、重量があるのが特徴です。
戸襖と障子の違いは?
戸襖と障子は、構造や役割に違いがあります。障子は木製の枠に桟を組み、障子紙を張った建具で、外からの視線を遮りながらやわらかい光を室内に取り込めるのが特徴です。一方、戸襖は板状の下地があるため光を通さず、主に部屋と部屋を仕切る目的で使用されます。
戸襖と引き戸の違いは?
戸襖も引き戸の一種として使われることがありますが、「引き戸」が開閉方法による分類であるのに対し、「戸襖」は構造や仕上げに特徴がある建具です。なお、戸襖には引き戸だけでなく、片開きタイプもあります。
戸襖が使われている場所は?

戸襖は、和室と隣接する空間を仕切る建具として多く使われています。住宅では、間取りに応じてさまざまな場所に取り入れられています。ここでは、戸襖が使われる代表的な場所を紹介します。
和室と洋室の間
戸襖がよく使われるのが、和室と洋室の間です。表裏で異なる仕上げにできるため、雰囲気の異なる2つの空間を違和感なく仕切れます。
例えば、リビングに和室が隣接している間取りでは、戸襖を開けて一続きの広い空間として使い、必要に応じて閉めて個室にするなど、暮らしに合わせた使い方ができます。
和室と廊下の間
戸襖は、和室と廊下の間を仕切る建具としても使用されます。和室側は襖らしい和のデザインにしながら、廊下側は壁やほかの建具に合わせた仕上げにすることで、双方の空間に調和させることが可能です。
廊下から見たときに一般的な襖ほど和の印象が強くならないため、洋風の内装を取り入れた住宅にも合わせやすいでしょう。
戸襖のメリットは?

戸襖には、和室と洋室の雰囲気を損なわずに空間を仕切れるなど、さまざまなメリットがあります。一般的な襖とは構造も異なるため、使い勝手や耐久性の面でも特徴があります。ここでは、戸襖の主なメリットを見ていきましょう。
和・洋それぞれのインテリアに調和できる
戸襖の大きなメリットは、表裏で異なるデザインにできることです。和室側は襖紙などを使った和風の仕上げに、洋室側は木目調などの洋風の仕上げにすることで、それぞれのインテリアに自然になじませられます。和室と洋室が隣り合う間取りでも、双方の雰囲気を損なわずに空間を仕切れます。
フレキシブルに利用できる
引き戸タイプの戸襖で和室とリビングなどを仕切れば、必要に応じて空間をつなげたり、分けたりできます。普段は戸襖を開けて一続きの空間として使い、来客時や集中できる個室が必要なときには閉めるなど、ライフスタイルや用途に合わせて使い分けられるのがメリットです。
襖に比べて耐久性に優れている
一般的な襖は木製の骨組みに紙などを重ねて作られていますが、戸襖にはMDFや合板などの板材を用いたものがあります。そのため、一般的な襖と比べると丈夫で、日常的に開閉する場所にも取り入れやすい建具です。
ただし、表面の襖紙などは傷んだり破れたりすることがあるため、状態に応じたメンテナンスは必要です。
開閉スペースを必要としない
引き戸タイプの戸襖は、左右にスライドさせて開閉するため、開き戸のように扉を手前や奥へ開くためのスペースを必要としません。その分、家具の配置もしやすく、限られた空間を有効活用できます。コンパクトな住宅にも適しています。
戸襖のデメリットは?

戸襖は和室と洋室の両方になじみやすい便利な建具ですが、一般的な襖やドアと比較すると気になる点もあります。設置してから後悔しないためにも、メリットだけでなくデメリットも把握しておきましょう。
ドアに比べて気密性が低い
引き戸タイプの戸襖は、開閉するために枠や戸の間に隙間が設けられているため、開き戸と比べると気密性が低くなる傾向があります。そのため、冷暖房の効率や音漏れが気になる場合には注意が必要です。設置する部屋の用途や、どの程度の気密性・遮音性を求めるのかを考えて選びましょう。
襖に比べて重い
一般的な襖は木材で組んだ骨組みを下地としていますが、戸襖はMDFや合板などの板材を使用したものがあり、重量が大きくなる傾向があります。そのため、開閉時に一般的な襖より重く感じるかもしれません。特に小さなお子さんや高齢者がいる家庭では、実際の操作性も確認しておくと安心です。
メンテナンス費用がかかる
戸襖は長く使用するうちに、表面の襖紙やシートが傷んだり、戸車などの部品が劣化したりすることがあります。そのため、張り替えや部品交換などのメンテナンスが必要です。また、製品によっては襖紙の張り替えを施工会社へ依頼する必要があるため、その分費用がかかることも考慮しておきましょう。
戸襖に向いている家の特徴は?

戸襖は、和室と洋室を違和感なく仕切れるほか、引き戸タイプであれば限られたスペースを有効活用できます。間取りや家族構成によっては、戸襖の特徴を生かしてより快適な住空間を作れるでしょう。ここでは、戸襖に向いている家の特徴を紹介します。
リビングの隣に和室がある
リビングの隣に和室がある住宅は、戸襖を取り入れやすい間取りです。戸襖は和室側を和風、リビング側を洋風に仕上げられるため、それぞれのインテリアに自然になじみます。
引き戸タイプであれば、普段は開けてリビングと和室を一続きの空間として使い、来客時などには閉めて和室を独立させるなど、用途に応じて空間を使えます。
狭小住宅
限られた居住スペースを有効活用したい狭小住宅にも、引き戸タイプの戸襖は向いています。引き戸は横方向にスライドさせて開閉するため、開き戸のように扉を前後に動かすスペースを確保する必要がありません。
そのため、扉の可動域を避けて家具を配置する必要がなく、居住面積が限られる住宅でも間取りや家具配置の自由度を確保しやすくなります。
ペットや小さいお子さんがいる
ペットや小さいお子さんがいる家庭では、室内の建具に傷や汚れが付くこともあります。戸襖にはMDFや合板などの板材を使用したものがあり、一般的な襖と比べて丈夫な点が特徴です。そのため、家族が日常的に行き来する場所の建具としても検討しやすいでしょう。
ただし、表面に張られた襖紙は傷付いたり破れたりする可能性があります。ペットや小さなお子さんがいる家庭では、表面の状態をこまめに確認することが大切です。
戸襖を張り替える際の費用は?
戸襖の張り替えを施工会社に依頼する場合、1枚(片面)あたり4,000~8,000円程度が費用の目安です。ただし、使用する襖紙の種類やグレード、戸襖のサイズなどによって料金は異なり、高級な襖紙を選ぶと1枚1万円以上かかることもあります。
また、施工会社によっては出張費や運搬費、下地の補修費などが別途必要です。戸襖の状態や張り替える枚数によっても総額は変わるため、依頼する際は複数の会社から見積もりを取り、作業内容と料金を確認しておくと安心でしょう。
戸襖を張り替える時の注意点は?

戸襖は一般的な襖と構造が異なるため、同じ方法で張り替えようとすると縁や本体を傷める可能性があります。DIYで張り替える場合は戸襖の構造を理解し、慎重に作業することが大切です。仕上がりに不安がある場合は、無理をせず施工会社への依頼も検討しましょう。
無理に縁を外さない
一般的な襖は縁を取り外して襖紙を張り替えられますが、戸襖の縁は接着されており、取り外せない場合があります。無理に外そうとすると、縁や戸襖本体を傷める原因になるため注意しましょう。張り替える前に戸襖の構造を確認し、縁を外せないタイプの場合は、そのままの状態で作業を進めます。
縁周辺の襖紙は丁寧に切る
縁を取り外せない戸襖では、襖紙を張ったあと、縁に沿って余分な部分をカットする必要があります。このとき切り口が乱れると仕上がった時に目立ってしまうため、丁寧に作業しましょう。
製品によって施工方法は異なりますが、襖紙を張ったあとに、扉パネルの溝に沿って端部を切り取るタイプもあります。きれいに仕上げるのが難しい場合は、施工会社へ依頼するのも一つの方法です。
状態によって交換も検討する
襖紙の汚れや破れなど、表面だけの劣化であれば張り替えによってきれいにできます。しかし、戸襖本体や戸車などに不具合がある場合は、張り替えだけでは解決できないこともあります。
長年使用している戸襖は、本体や部品の状態もあわせて確認しましょう。劣化や不具合が大きい場合は、修理や部品交換、戸襖自体の交換を検討することも大切です。
戸襖に関するまとめ
最後に、戸襖の特徴やメリット・デメリット、張り替え時期について、これまで紹介した内容を簡単にまとめます。
戸襖の特徴は?
戸襖は、主に和室と洋室などを仕切るために使われる建具です。一般的な襖とは構造が異なり、ベニヤ板などを下地に使用しています。和室側を襖紙、洋室側をクロスや木目調などに仕上げることで、それぞれのインテリアに調和させられるのが特徴です。
戸襖のメリット・デメリットは?
戸襖のメリットは、和室と洋室の双方になじみやすく、一般的な襖と比べて丈夫で耐久性に優れている点です。また、引き戸タイプであれば開閉スペースを取らず、限られた空間を有効活用できます。
一方、一般的な襖より重いことや、張り替えなどのメンテナンスに費用がかかる点はデメリットです。引き戸タイプの場合は、開き戸と比べて気密性が低くなる傾向があることも把握しておきましょう。
戸襖を張り替える時期は?
戸襖の襖紙に汚れや変色、破れ、剥がれなどが目立ってきたら、張り替えを検討するタイミングです。使用環境によって劣化の進み方は異なるため、年数だけで判断せず、襖紙の状態を確認しましょう。
また、戸襖本体や戸車などに劣化や不具合が見られる場合は、張り替えだけでなく修理や交換が必要になることもあります。状態を確認し、判断が難しい場合は施工会社へ相談すると安心です。
戸襖は、和室と洋室それぞれの雰囲気になじみやすく、空間を自然につないでくれる建具です。住宅を選ぶ際は、デザインだけでなく、使い勝手やお手入れのしやすさなども確認しておくとよいでしょう。
また、すでに戸襖がある住宅では、襖紙や本体の状態を定期的に確認し、必要に応じて張り替えや修理をおこなうことが大切です。本記事を参考に、住まいやライフスタイルに合った戸襖の取り入れ方を検討してみてください。
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