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【実例】専門家に聞く 庭ドッグランの作り方、費用・基本設備について解説

【実例】専門家に聞く 庭ドッグランの作り方、費用・基本設備について解説
愛犬が思い切り走り回れる、ドッグランのようなお庭に憧れる飼主さんは多いのではないでしょうか。近年は自宅の庭を活用して、プライベートドッグランを設けるご家庭も増えています。庭にドッグランがあれば、時間や混雑を気にせず愛犬を遊ばせることができ、運動不足やストレス解消にも役立ちます。

しかし、安全性や近隣への配慮、メンテナンスのしやすさなど、計画段階で検討しておきたいポイントが少なくありません。この記事では、庭にドッグランを作る際に押さえておきたい設計のコツや設備、費用相場、実例を紹介します。

庭のドッグランは「広さ」よりも「設計」が重要

庭にドッグランを作る際に重要なことは?
庭にドッグランを作る際に重要なことは?

「広い庭がなければドッグランは作れない」と思われがちですが、必ずしもそうではありません。犬にとって大切なのは、単純な面積ではなく安全に動き回れる環境が整っていることです。

例えば、小型犬なら数坪程度のスペースでも十分に運動できますし、中型犬や大型犬でも設計を工夫することで快適な遊び場を実現できます。特に重要なのは、以下の3点です。

  • 犬が走れる動線を確保すること
  • 脱走の危険がないこと
  • 飼主がドッグラン自体を管理しやすいこと

庭のドッグランで考えるべき3つの設計ポイント

庭にドッグランを作る際、単にフェンスで囲うだけでは十分ではありません。愛犬が安全かつ快適に過ごせることはもちろん、日々の管理のしやすさや近隣への配慮も重要です。長く使い続けられるドッグランにするために、設計段階で押さえておきたい3つのポイントを紹介します。

愛犬が安全に遊べる

庭のドッグランでもっとも重視したいのが安全性です。フェンスや柵は、犬の体格やジャンプ力に合わせて高さを決めましょう。小型犬でも興奮すると予想以上に高く飛び上がることがありますので、逃げてしまわない高さにすることが重要です。

また、地面に穴や段差があると足腰への負担やケガの原因になります。庭にドッグランを作る時は、滑りやすいコンクリートのみの仕上げも避けたほうがよいでしょう。

日々のお手入れがしやすい

毎日使う場所だからこそ、庭のドッグランではお手入れのしやすさも重要です。排泄物の処理や掃除がしやすい床材を選ぶことで、衛生的な環境を維持しやすくなります。雨が降った後にぬかるみやすい土地では、水はけ対策も検討しておきましょう。

近隣に配慮する

犬の鳴き声や敷地から飛び出した砂・土などが近隣トラブルにつながるケースもあります。ドッグランに目隠しフェンスを設置したり、道路に面した庭なら遊び方に配慮したりすることで、周囲への影響を軽減できます。

狭い庭でもドッグランは作れる?

狭い庭でもドッグランは作れるのでしょうか?
狭い庭でもドッグランは作れるのでしょうか?

結論から言うと、狭い庭でもドッグランは十分可能です。例えば住宅密集地の細長い庭のドッグランでも、人工芝とフェンスを組み合わせることで安全な運動スペースになります。

犬によっては運動量よりも、飼主とのコミュニケーションを重視するケースもあります。そのため、広さにこだわりすぎるよりも、安心して遊べる環境づくりを優先するとよいでしょう。

庭のドッグランで基本となる設備

ドッグランをつくるのに基本となる設備とは?
ドッグランをつくるのに基本となる設備とは?

庭のドッグランを快適で安全な空間にするためには、いくつかの基本設備を整えることが大切です。特に床材やフェンスは、愛犬の安全性や使い勝手を大きく左右する重要な要素です。

また、足洗い場や日陰スペースなどを設けることで、より快適に利用できるドッグランになります。ここでは、庭のドッグランづくりで押さえておきたい基本設備について、メリットとデメリットを中心に紹介します。

床材

床材の種類に応じたメリット・デメリットを、下記にまとめました。

天然芝 メリット
・自然なクッション性があり、犬の足腰への負担を軽減できる
・見た目が自然で美しく、夏場も熱くなりにくい
・クッション性が高い
デメリット
・定期的な芝刈りが必要
・排泄による傷みが起こりやすい
人工芝 メリット
・一年中きれいな状態を保ちやすい
・雑草対策になるメンテナンス
・負担が少ない
デメリット
・夏場は表面温度がやや上がりやすい
・初期費用がかかる
ウッドチップ メリット
・足腰への負担が少ない
・水はけがよい
・見た目がおしゃれ
デメリット
・定期的な補充が必要
・強風で飛散する場合がある

フェンス・柵・扉

ドッグランの安全性を左右する重要な設備です。犬種によって適切な高さは異なりますが、小型犬であっても120cm以上、中型犬以上であれば150cm程度を目安にすると安心です。また、出入り口には確実に施錠できるゲートを設置しましょう。

あると便利な設備

必須ではありませんが、快適なドッグランを作るために以下の設備があると便利です。

足洗い場

足洗い場は、ドッグランをより衛生的に使うために役立つ設備です。散歩後や雨上がりに遊んだ後でも、その場で足や体の汚れを落とせるため、室内へ泥や砂を持ち込むのを防げます。

特に天然芝や土の庭では足が汚れやすいため、ドッグランの出入り口付近に設置しておくと便利です。また、トイレスペース排泄場所を決めておくことで清掃がしやすくなります。

日陰・休憩スペース犬は人より暑さに弱いため、日陰は欠かせません。タープやパーゴラ、屋根付きテラスなどを活用すると、夏場も快適に過ごせます。

トイレ

ドッグラン内にトイレスペースを設けておくと、排泄場所をある程度決められるため、日々の清掃や管理がしやすくなります。砂利や人工芝など掃除しやすい素材を選ぶことで、庭から運んでしまうにおいや汚れの広がりも抑えやすくなります。

また、愛犬が庭で安心して排泄できるよう、落ち着けるドッグランスペースに設置することもポイントです。

日陰や休憩スペース

犬は人よりも暑さに弱く、夏場は熱中症のリスクが高まるため、日陰や休憩スペースは欠かせません。タープやパーゴラ、屋根付きテラスなどを設置しておけば、日差しの強い日でも涼しい場所で休憩できます。

また、飼主が座って愛犬を見守れるスペースを確保しておくと、より快適にドッグランを利用できるでしょう。夏場は暑さ対策のために、庭のドッグランに子供用のビニールプールを設置するのもおすすめです。

庭にドッグランを作るにはいくらかかる?

庭にドッグランを作るにはいくらかかるのでしょうか?
庭にドッグランを作るにはいくらかかるのでしょうか?

庭にドッグランを作る費用は、庭の広さや採用する設備、施工内容によって大きく異なります。簡易的なものであれば数万円程度から設置できますが、フェンスや床材にこだわった本格的なドッグランの場合は数十万円以上かかることもあります。

特に費用を左右するのは、人工芝や天然芝などの床材、フェンス・門扉の設置、排水設備の有無などです。また、既存の庭を整地する必要がある場合は、その分の工事費も発生します。愛犬が安全に遊べる環境を整えることを優先しつつ、予算に合わせて必要な設備を選ぶことが大切です。

ちなみに、大型犬が十分走り回れる広さのドッグランの場合、足洗い場所、フェンス工事、水道の取り付け、人工芝など全て含めて、180万円程度かかるケースもあります。

近隣トラブルにならないための注意点

庭ドッグランを作る際に近隣トラブルにならないための注意点とは?
庭ドッグランを作る際に近隣トラブルにならないための注意点とは?

自宅の庭にドッグランがあれば、愛犬を自由に遊ばせることができます。しかし、自宅敷地内だからといって、周囲への配慮が不要になるわけではありません。快適に利用し続けるためには、近隣住民との良好な関係を維持することも大切です。

特に注意したいのが、犬の鳴き声です。庭で遊んでいる最中に興奮して吠え続けたり、通行人や近隣の犬に反応して吠えたりすると、思わぬ騒音トラブルにつながることがあります。道路や隣家が見えやすい環境の場合は、目隠しフェンスや植栽を活用することで愛犬が外部の刺激を受けにくくなり、無駄吠えの予防にも役立ちます。

また、排泄物の管理も重要なポイントです。排泄物を放置すると臭いの原因になるだけでなく、衛生面でも問題が生じます。こまめに処理をおこない、必要に応じて消臭対策を取り入れることで、周囲への影響を抑えられるでしょう。

さらに、フェンス越しに近隣の人や犬と接触できる環境では、思わぬ事故やトラブルが発生する可能性があります。フェンスの高さや隙間にも配慮し、愛犬が飛び出したり顔を出したりできない設計にしておくと安心です。

加えて、利用する時間帯にも気を配りましょう。早朝や夜間は周囲が静かなため、犬の足音や鳴き声が想像以上に響くことがあります。近隣への負担を減らすためにも、利用時間には一定の配慮が必要です。

こうした点を意識して庭のドッグランを管理することで、愛犬だけでなく周囲の人にとっても快適な環境を維持しやすくなります。長く安心して利用するためにも、安全性と同じくらい近隣への配慮を大切にしましょう。

【実例】参考にしたい!愛犬も喜ぶ庭ドッグラン5選

ここでは、実例をもとに参考にしてほしい愛犬にも飼主さんにもうれしい庭ドッグランを紹介します。

愛犬の生活動線も意識

愛犬の生活動線も意識
愛犬と暮らす大人の平屋。ドッグランのある広い庭も叶えた家(出典:(株)クラフトコーポレーション

約106坪の広い敷地を活かし、愛犬が思い切り走り回れる庭ドッグランを備えた平屋住宅です。リビングや専用のワンちゃんルームから庭へスムーズに出入りできる動線や、掃除のしやすい床材・壁材を採用するなど、人と犬の暮らしやすさを両立した設計が特徴です。家事効率にも配慮された間取りで、愛犬と快適に暮らせる住まいづくりの参考になる実例といえます。

愛犬と子どもを同時に見守り

愛犬と子どもを同時に見守り
-ALBION-ウチとソトが繋がる大開口の家(出典:トモノ建築設計事務所

大開口のリビングから庭全体を見渡せる設計で、庭ドッグランで遊ぶ愛犬と子どもの様子を室内から同時に見守れる住まいです。フェンスで囲まれた庭は安全性にも配慮され、ウッドデッキを介して家族が自然に集まる空間となっています。開放感のあるLDKと庭が一体につながることで、愛犬も子どもものびのびと過ごせる、家族との時間を大切にした住まいづくりが実現されています。

目隠しフェンスでプライバシーも確保

目隠しフェンスでプライバシーも確保
ゴルフを楽しむ趣味部屋に広々ドッグランがあり愛犬と暮らす理想の家(出典:辰巳住研(株)

約210坪の広い敷地にドッグランを備えた平屋住宅で、愛犬が毎日安心してのびのびと運動できる環境が魅力です。室内には掃除がしやすい愛犬専用スペースを設けるなど、ペットとの暮らしやすさにも配慮されています。また、趣味部屋や回遊動線、大容量の収納を取り入れることで、家族の趣味や家事のしやすさも両立。愛犬との快適な暮らしと、デザイン性・機能性を兼ね備えた住まいづくりの参考になる実例です。

「犬に優しい住まい」をコンセプトに

「犬に優しい住まい」をコンセプトに
ペットと暮らす、ドッグランや広々テラスのあるお家(出典:(株)アイダ設計

庭には愛犬が自由に走り回れるドッグランを設け、滑りにくいフローリングや足洗い場など、犬が快適に暮らせる工夫を取り入れた住まいです。さらに、広々としたテラスでは愛犬のプールも設置。愛犬が遊んだりくつろいだりできる空間を確保し、室内外を行き来しながら家族みんなで楽しい時間を過ごせる設計となっています。

2階に設けたアウトドアリビング兼ドッグラン

2階に設けたアウトドアリビング兼ドッグラン
広々としたドッグランと2階リビングがつながる、空を間近に楽しむ家(出典:ハウスクラフト(株)

リビングからそのままつながる庭をドッグランとして活用し、愛犬が自由に遊ぶ様子を室内から見守れる住まいです。バルコニーとの一体感を生かした開放的な設計に加え、家事動線や収納計画にも配慮されており、愛犬との時間と暮らしやすさを両立しています。庭がない家でも、バルコニーとリビングをつなげてアウトドアリビングにすることでドッグランを設置することが可能です。2階から愛犬が落下しないよう、細部まで徹底的に愛犬のことを考えて作られています。

まとめ

庭にドッグランを作る際は、単純な広さよりも安全性や使いやすさを重視することが大切です。フェンスや床材を適切に選び、日頃のお手入れや近隣への配慮も考慮することで、愛犬が安心して遊べる空間を実現できます。

限られたスペースでも工夫次第で快適なドッグランは作れます。愛犬の年齢や体格、ライフスタイルに合わせた理想のドッグランづくりが大切です。

普通の庭とドッグランの違いは?

普通の庭が人の利用を前提としているのに対し、ドッグランは犬が安全に走ったり遊んだりできるよう設計された空間です。脱走防止のフェンスや足腰に配慮した床材など、愛犬が快適に過ごせる工夫が施されている点が大きな違いです。

家にドッグランがあればどう便利?

自宅にドッグランがあれば、時間や天候、人混みを気にせず愛犬を遊ばせることができます。毎日の運動不足やストレス解消にも役立ち、飼主も移動の手間なく気軽に愛犬との時間を楽しめます。

愛犬が安全に遊べるドッグランの特徴は?

安全なドッグランには、十分な高さのフェンスや飛び出し防止の門扉が設置されており、地面も滑りにくく足腰に負担をかけにくい素材が選ばれています。また、日陰や休憩スペースが確保されていることも、愛犬が快適に過ごすための重要なポイントです。

庭にドッグランを作ることで、愛犬が毎日安心して運動できる環境を整えられます。広さだけにこだわるのではなく、安全性やお手入れのしやすさ、近隣への配慮を意識して計画することが大切です。

また、床材やフェンスなどの設備選びによって、愛犬の快適さや使い勝手は大きく変わります。愛犬の年齢や体格、ライフスタイルに合わせて最適な環境を整えることで、家族みんなが快適に過ごせる空間になるでしょう。これから庭にドッグランを作ろうと考えている方は、ぜひ今回紹介したポイントを参考に、愛犬が思いきり遊べる理想のドッグランづくりを目指してみてください。

望月 紗貴

執筆者

望月 紗貴

一般社団法人愛玩動物健康管理協会 代表理事。ペットの通信教育事業、ペット用品やペットフードの受託設計を中心に自社の売上を主軸に動物保護シェルターを運営。2026年6月時点で、48頭の保護犬・保護猫と暮らしています。

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