犬のお留守番は何時間まで?お留守番させるときに注意すべきポイント

今回は犬を飼っている人にアンケートをおこない、どれくらいの時間で愛犬に留守番をさせているのか、留守番をさせるときに気を付けていることは何なのかを調査しました。
これから犬を飼おうと検討されている方はぜひ、犬が少しでもストレスなく留守番できるよう、お留守番時の注意ポイントなどを参考にしてみてくださいね。
記事の目次
犬のお留守番についてのアンケート
犬を飼っている・飼っていたことがある方に「犬に留守番してもらう場合、1回につき何時間くらいひとりにしておけるか」アンケートを取ってみました。結果は以下のとおりです。
犬にお留守番は何時間くらいさせている?

3時間以上6時間未満がいちばん多く、次に1時間以上3時間未満が続きます。半日近くひとりで留守番させるという回答は少なく、「留守番はさせない」という回答も数件みられました。
犬を留守番させるときの心配ごと
愛犬に留守番させる際、ちゃんとお留守番できるかどうかいろいろと心配になってしまうことが多いのではないでしょうか。例えば以下のような点が挙げられます。
いたずらをしてしまう
犬に留守番をさせていると、ストレスや好奇心からいたずらをしてしまうことがあります。例えば水やフードが入った容器をひっくり返したり、部屋を散らかしたり。あるいは、トイレ以外の場所で粗相してしまうこともあるかもしれません。
ゴミ箱を漁ったりすることで誤飲や誤食につながったり、重いものや割れ物を倒してケガにつながることにも注意が必要です。
吠えて近隣に迷惑をかけてしまう
飼い主が側にいない不安や寂しさから無駄吠えや遠吠えをして、近隣に迷惑をかけてしまうことも考えられます。
留守番をお願いする前にしつけをおこない、どの程度の時間で吠えるようになるのかペットカメラなどでチェックするなど工夫が必要です。
事故を起こしてしまう
留守番のストレスや、暇な時間の好奇心から電源コードをかじってしまったり、ガスコンロなど火気をいじってしまったりする可能性もあります。思わぬ事故や火災につながる恐れがあるので、犬に留守番をさせる際には電源コードを抜く、ガスの元栓を閉めておくなどの対策が必要です。また、公道など敷地外へ脱走してしまった場合、迷子になったり、交通事故に遭ったりする心配も。日ごろから脱走しないような環境づくりが必要になってきます。
病気になってしまう
留守番をすることが負担になり、ストレスから思わぬ病気になることがあります。例えば分離不安症などが挙げられます。
分離不安症とは、自分を置いたまま飼い主が出かけ離れてしまうことで強い不安を抱きトラブルをおこしてしまう、いわゆる犬の心の病気です。留守中に暴れて物を壊したり、長時間にわたって鳴いたり、パニックになってしまったりといった状態が見られます。
ひとりでいる時間の不安が強くならないよう、分離不安症の兆候が出ないうちに、家にいる間も犬と離れる時間を増やしたり、後ほどご紹介するクレートトレーニングなどをしておくことで病気を防ぐことが必要です。
犬をお留守番させるときに準備すること
犬にお留守番させる際に、準備しておきたいアイテムや方法をまとめました。
ケージやサークルを用意する

犬は自分のテリトリー(縄張り)を持ち、そこにいると安心感を覚える特性があります。また、狭くて暗い場所を好む動物でもあるので、留守番させるときにはケージやキャリー、クレートやサークルなどを用意して安心感を与えることがおすすめです。テリトリーがある安心感から、ストレスの少ない状態で留守番することができます。
その場所は自分が落ち着けるテリトリーだと認識できるよう、普段からケージやサークルなどを利用するようにしましょう。

- 夏や冬は冷暖房をつけたままにして、サークルに入ってもらっています。体調を崩さないようにの工夫と、万が一誰も見ていない状況で口にしてはいけないものを食べてしまったり、コンセントを噛んでしまうのが怖いので未然に防ぎたいからです。(30代/女性)
- サークルに入れる。犬にとって危険な物は置いていないけれど何かあっては困るので。(40代/女性)
- ケージに入れて、水と、室温が高くならないように気をつけています。(50代/男性)
水やフードを用意する
犬に留守番させるときには、水とフードを忘れずに用意しましょう。水やフードはひっくり返したりこぼしたりしにくいような、安定性の高い器に入れてください。壁際や部屋の隅などに置くと安心です。
犬によっては、たくさんの量を一度に食べてしまうことがあります。その場合は自動給餌器がおすすめです。タイマー付きの自動給餌器を用意して、何度かに分散して与えられるようにするといいでしょう。フィルターで水をろ過するためいつでも新鮮な水を飲むことができる、自動給水器も便利です。
自動給餌器や給水器は日ごろから使ってみて、誤作動はしないか、犬が実際に使えているかを確認しておきましょう。万が一の充電や電池切れ、停電などに備えて、自動給餌器と自動給水器以外にも予備の器を用意しておくと安心です。

- 帰りが遅くなりそうな時は多めのご飯とお水を用意しておきました。(40代/女性)
- お水はいつでも飲めるようにしてサークルに入れていました。(50代/女性)
- 飲み水用の器を2カ所以上置きます。(60代/男性)
おもちゃを準備する
犬に留守番をさせるときには、暇つぶしになりひとりで遊べるおもちゃを用意してあげるとストレス解消やいたずら防止につながります。自動で動くおもちゃや、フードやおやつを入れられるおもちゃなど、さまざまな種類が市販されています。また、犬ならではの鋭い嗅覚をいかしたにおい付きのおもちゃなどもあるので、愛犬が好みそうなものを選んであげましょう。
その際、おもちゃは誤飲や誤食しない大きさにしてください。また、噛んで遊ぶおもちゃは、犬の年齢にあわせて歯に過度の負担を与えないものを選ぶことが大切です。

- 知育おもちゃの中におやつをセットする。(20代/女性)
- 好きなおもちゃをいくつか寄せておく。ガムをあげる。(40代/女性)
部屋を片付ける
家を出る前に部屋をきれいに片付けておきましょう。また、その際は食べものの空容器などをゴミ箱に残さないようにしましょう。食材のにおいが染みついているため、ゴミ箱を漁って誤食してしまう可能性があります。
また、犬が倒したり割ったりしてケガにつながる恐れのある家具や小物は、倒れないように固定するか片づけておきましょう。
特に注意したいのはパソコンや暖房器具などの電気コードです。いたずらで齧ったりしてしまうと感電し、火災につながることがあります。しつけをしっかりする、不要なコードは抜いておくなど注意が必要です。

- 机の上の食品や床にものがあれば片付けておく。(20代/女性)
- 犬の手が届くところに食べ物などを置いておかない。(40代/女性)
- コンセントは抜いておく。(40代/女性)
- 噛みぐせがあるので電気コード類は届かない所に引っ掛ける。(50代/男性)
トイレシートを用意しておく
犬がトイレを我慢できるのは、個体や年齢、体調にもよりますが成犬で最長12時間程度といわれています。長時間の外出時には、念のためトイレシートも忘れず用意しておきましょう。
留守番に備え、普段からトイレシートを利用し、我慢できなくなった際に用を足す場所としてトレーニングをしておくことが大切です。散歩に連れて行かないと絶対にトイレをしない犬であれば、長時間家を空けることは避けたほうがいいですね。
また、犬は寝場所から遠い場所で排泄する習性があるため、寝る場所とトイレは離しておきましょう。

- 飼っていた当時は飲み水とトイレをしっかり置いてサークルに入れていました。(40代/男性)
- トイレシートを準備しておく。(50代/男性)
- トイレシートを取り替える。(70代/男性)
部屋の温度管理をする
犬は寒さには比較的強い動物ですが、汗腺が少なく体温調節をしにくいことから夏の暑さは苦手です。犬に留守番をさせるときには、部屋の温度管理と湿度管理に注意。エアコンを使い、犬が快適に過ごせる温度に設定しておくとよいでしょう。
外出先でもスマートフォンから操作できたり、ペット向きの室温に合わせられる「ペットモード」付きのエアコンも販売されています。自分と愛犬との暮らしに合ったものを選ぶとよさそうですね。

- 部屋の中に熱がこもらないように部屋のドアを開けておき、廊下を行き来できるようにさせています。猛暑の時期は愛犬が快適に過ごせるようにクーラーをつけっぱなしにしています。(20代/女性)
- 部屋が暑くなりすぎないようにカーテンをひいて影を作る。夏場はエアコンを入れる。(30代/女性)
- 暑すぎたり寒すぎたりしないようにエアコンをつけっぱなしにする。(40代/女性)
ドアや窓の戸締りをする
犬は、頭が入るくらいのちょっとしたすき間があれば簡単にすり抜けができてしまいます。家を空けるときには、ドアや窓の戸締りを入念におこないましょう。飼い主が外出している間に犬が家から脱走してしまうと、迷子になるだけでなく交通事故に遭うなど命の危険につながる可能性が高くなります。
他人の家の敷地に入って用を足してしまったり、誰かを噛んで怪我させてしまったりするなど、近隣に迷惑をかけることも考えられます。
そういった事態を避けるため、外出時の戸締りは徹底し普段から脱走対策をおこないましょう。

- サークルに入れ、万が一を考えて家中の施錠をしっかり確認する。(30代/女性)
- 床に物を置かず、ドアは閉めておくこと。(50代/男性)
ペットカメラをセットする
ペットカメラを利用するのもおすすめです。市販されているペットカメラはいつでも外出先で様子が見られるほか、飼い主の声を聞かせることもできるタイプなど機能もさまざま。様子を見てたまに声を掛けてあげれば、留守番している犬の安心感につながるでしょう。
多くのペットカメラはスマートフォンから操作でき、映像を保存しておくことができるので、防犯対策にも役立ちます。

- 高齢で病気持ちなので、ペットカメラをつけて出かける。(20代/女性)
- ペットカメラを設置して時々確認しています。(50代/男性)
- ペットカメラを置いていたずらしそうなものは隠す。(50代/女性)
- 餌のお皿付近に室内カメラを設置する。(50代/女性)
出かける前に、散歩や運動をする
そのほか、出かける前に散歩や運動をする、という方法もあります。外出する前に少し長めの散歩や運動をさせておくと、家を空けている間、お行儀よく留守番してくれる可能性が高まります。体力を使うことで適度に疲れるため、寝たりリラックスして休息してくれるようになり、留守番中に不安や寂しさを感じにくくなるでしょう。
留守番に慣れてもらうためにすべきこと
この章では、犬に留守番に慣れてもらうために必要なことを解説していきます。
安心できる環境を準備する
先ほども少しご紹介しましたが、犬は狭い場所を好む特性があり、その場所を自分のテリトリー(縄張り)とすることで安心して過ごせるようになります。ケージやサークルなどを用意し、そこにテリトリーと認識させるようにしましょう。安心できる場所があれば、よりストレスの少ない状態で留守番させることができます。
クレートトレーニング

クレートとは、全面が覆われた箱型の持ち運びができるケースのことをいいます。クレートトレーニングは、そのクレートの中が犬にとって安心できる居場所であることを認識させるための訓練です。
野生の犬は、洞穴など狭くて暗い場所を寝床にしています。そのため、広々とした空間で自分のテリトリーがはっきりしないことは、犬にとってストレスになりがちです。クレートはそうした洞穴などを模したもので、トレーニングによってクレートが緊張やストレスから解放され、安心できる居場所だと認識するようになります。
仔犬期からトレーニングしておけば、留守番の時だけではなく、病院などの移動や災害が起きた際の避難時などさまざまなシーンで役立ちます。
短い時間から徐々に慣らす
犬に留守番させるには、短い時間から徐々に時間を増やして慣れさせていくことが重要です。最初は3時間程度から、少しずつ6時間や8時間と長くしていきましょう。
ひとり遊びを覚えさせる
飼い主がいなくても、ひとり遊んで過ごせるようにトレーニングをしましょう。遊びやすい環境を作ったり好みのおもちゃを与えたりして、ひとり遊びができるようになれば、退屈せずにお留守番上手になります。
外出・帰宅の際は普段どおりにする
犬は飼い主の外出に敏感なので、声をかけたり玄関まで連れて行かず、できるだけさりげなく家を出るようにしましょう。
また、犬に構い過ぎると分離不安症などの要因になる可能性があるため、帰ってきたときも喜ぶ犬に過剰に反応するのではなく、普段どおりにするよう心がけることがポイントです。
長期間家を空けて犬に留守番してもらう場合は?
犬は長期間の留守番は苦手で、2日(一泊二日)が限界ともいわれています。とはいえ、どうしても長期間家を空ける必要も出てきますよね。その場合は以下のような方法を試してみましょう。
友人・知人や親戚に頼む
長期間で家を空けるときは、友人や知人、または親戚などにお世話をお願いするのも方法です。犬はエサや水の補充のほか、散歩させることが必要になります。普段の散歩ルートなども案内しておきましょう。慣れていないと体調を崩す可能性もあるので、犬と面識がある、また犬の飼育経験があるなど理解がある方に依頼すると安心です。
ペットシッターを利用する
急な出張などでペットホテルを予約する時間がない、あるいは高齢犬で自宅外に連れ出せない場合は、資格を持ったペットシッターに依頼するという方法があります。
ペットシッターのサービスは年々拡大してきていますが、どこでも受けられるわけではありませんので、自分の暮らしている地域を受け持つペットシッターがいるかどうか、事前に確認しておくと安心です。
動物病院やペットホテルに預ける
周囲に犬のお世話を頼める人がいなければ、動物病院やペットホテルに預かってもらいましょう。かかりつけの動物病院で、預かりサービスをおこなっている場合もあります。
ペットホテルの中には、預けている間にトレーニングをおこなったり、ほかの犬と遊ばせて人見知りをなくす訓練をしてくれたりするサービスをおこなっているホテルもあります。カメラを設置してリアルタイムで愛犬の様子がスマートフォンなどから見られるようにしているホテルもあるので、必要なサービスが揃う店舗が自宅周辺にあるかどうか調べておきましょう。
ドッグデイケアサービスを利用する
ドッグデイケアサービスは、ペット先進国であるドイツで注目が集まっているサービスです。ドイツには犬の飼育に関する法律があり、長時間にわたって犬に留守番させてはいけないことになっているため、長時間犬を一人ぼっちにしないためのデイケアサービスが広まっています。
デイケアというと高齢者向けの介護サービスのイメージがありますが、犬のための保育所や託児所のような役割を担っています。いろいろな犬種がいて、散歩やトレーニングなどもおこなってくれるため、協調性や社交性も高まりそうですね。
日本でも動物病院やペットホテルなどで、ドッグデイケアサービスの提供が徐々に広まりつつあるようです。
留守番上手といわれる犬種
しつけは必要になりますが、ある程度、お留守番に向いているといわれる犬種もあります。
大型犬の場合
おとなしい、冷静な性格の犬種が比較的お留守番上手といわれています。
- ラブラドール・レトリーバー
- 秋田犬
- オーストラリアン・シェパード
- セント・バーナード
など
小型犬・中型犬の場合
ひとり遊びが好き、独立心が強い犬種が比較的お留守番上手といわれています。
- チワワ
- キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
- シーズー
- 柴犬
- パグ
など
まとめ
こまめなお世話が必要な仔犬に留守番をさせるのは危険ですが、生後3カ月を過ぎたころから徐々にお留守番のトレーニングができるようになっていきます。
犬に留守番してもらうためには、ひとりで過ごすことに慣れさせたり、退屈しないような環境を作ったりすることが大切です。いきなり長い時間留守番させるのではなく、数10分、数時間から少しずつ家を空けて慣れさせましょう。また、家にいる時にも犬と離れている時間を作ると、不安を感じにくくなっていくようです。
犬の気質を理解したうえでクレートトレーニングなどをおこない、よりストレスになりにくい環境で留守番ができるよう住環境を整えていくことで、飼い主と犬との快適な暮らしにつながります。これから犬を飼おうと考えている方は、ぜひこの記事を参考にしてくださいね!
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<アンケート概要>
調査方法:インターネットリサーチ
対象: 18歳~80歳の男女
調査期間:2022年7月