猫が快適に暮らせる部屋づくりとは?猫の習性に配慮して良好な環境を整えよう

しかし、これまでのままの部屋で猫を新しく飼おうとすると、「失敗した」と後悔してしまう可能性があります。そこで、本記事では、猫を飼おうと考えている方に向けて、猫が快適に暮らせる部屋づくりについて解説します。猫に適した環境を整えて迎え入れられるよう、ぜひ参考にご覧ください。
参考:読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/national/20220114-OYT1T50057/
記事の目次
猫にとって快適なお部屋をつくろう
まずは、猫にとっての快適な部屋について確認しましょう。猫は狭い部屋だと、ストレスで問題行動を起こしてしまうことがあります。場合によりこれが原因で病気に繋がることもあるため、十分なスペースの確保が欠かせません。そのため、思いっきり運動できる広さがあるか確認してください。
また、猫はキレイ好きな動物だといわれます。汚い部屋は同様にストレスの要因となりかねませんので、清潔な状態に保てるかも大切なポイントです。特にトイレは清潔に保ち、こまめに部屋全体を掃除しましょう。
ただし、すべて猫に寄り添った部屋にしてしまうと、自分自身が暮らしにくくなるかもしれません。一緒に暮らすわけですから、やはり猫と人との双方にとって快適な部屋作りが重要です。先に挙げた広さは猫にとって重要ですが、部屋のすべてを自由に開放すると、猫が好き放題して後悔するかもしれません。例えば大切なものを壊されたり、散らかされて掃除ばかりに追われたりしては、自分の方がストレスを抱えてしまうでしょう。猫は上下にも自由に動き回るので、棚の上に乗った際にモノを落とされることもあります。場合によって猫の入れない空間を設けたり、生活空間を一部分けたりという工夫も求められます。
トイレのにおいも、人にとっては不快に感じるかもしれません。窓の近くなど風通しの良い場所にトイレを置き、換気できるような環境も必要です。トイレの場所は途中で変わると猫が混乱しますし、立ち入り禁止区間に入らないしつけも最初からおこなうことが大切です。そのため、飼い始める前から計画的にレイアウトを決めておくとよいでしょう。
猫のための部屋づくり15のポイント
猫を飼うための部屋づくりで、確認しておきたいポイントを15個ご紹介します。

猫にとって快適な部屋づくり
安心できる場所をつくる
猫は 自分が安心できる場所を求めて、部屋を移動しています。例えば野生に暮らす猫は、その多くがノミやダニがおらず、天敵から身を守れる木の上をねぐらにしています。また、猫は狭い隠れ家のような場所も好むもの。その習性から、高い場所に居心地のよい空間を設けたり、周囲から見えない静かで安心できる場所を作ってあげたりするとよいでしょう。ベッドを置いておけば、自然とそこが寝床になるはずです。
上下運動できる場所をつくる
猫は水平方向だけでなく、上下にも自由に移動します。そのため、キャットタワーなど上に登れるアイテムを設けたり、登っても構わない棚などがあれば、移動できるよう足場を設けてあげたりするのもおすすめです。
外が見えるよう工夫をする
猫は窓から外を眺め、鳥、虫などの動くものを眺めて好奇心を満たします。陽の差し込むような窓際に、外が見えるスペースを設けてあげましょう。お留守番の際も、外を眺めながら時間を過ごしてくれます。
温度管理をする
猫は寒さと暑さ、どちらも苦手な動物です。そのため、常に快適でいられるよう温度管理を徹底しましょう。特に夏場は、猫も熱中症になりやすくなります。家を空けて留守にする際も、エアコンは止めず一定の温度を保つようにしてください。
爪をとぐための場所をつくる
爪とぎするための場所を設け、猫用の爪とぎグッズを用意しましょう。そうしないと、床や柱、壁、あるいは家具などで爪をといで傷つけられてしまいます。ただし、ちゃんと爪とぎする場所として覚えるまでは他の場所でといでしまう可能性があるので、十分な注意が必要です。
食事の場所はトイレと離す
猫が食事する場所とトイレとの距離は、1m以上を目安として離しましょう。猫はにおいに敏感なので、トイレが近いと食欲がなくなってしまう可能性があります。猫にとって十分な栄養摂取は大切ですので、落ち着いて食事できる環境を整えましょう。
マンションならば、低層階を選ぶ
マンションで猫を飼うなら、どこの階に住むかも重要なポイントです。1階は外の猫に対して縄張り意識を持ち、強いにおいのおしっこをするスプレー行為をしてしまうかもしれません。逆に、あまり高い階だと、もし逃げ出して落ちてしまった場合は命に関わります。また、1階や高層階では、猫の好きな外の人や鳥、虫などがあまり見えません。猫を飼うには、2~5階程度の低層階がおすすめです。
LED照明を選ぶ
猫は蛍光灯が苦手だといわれています。その理由に考えられるのが、蛍光灯の「ちらつき(点滅)」。猫は暗闇でも目が見えますが、逆に光の変化を感じ取りやすく、この点滅が刺激となります。この刺激を嫌がる猫もいるそうです。そのため、部屋の照明にはLEDを選ぶといいでしょう。
猫を危険から守る部屋づくり
部屋は常に整理整頓する
好奇心の旺盛な猫は、すぐ部屋にあるものに興味がわきます。ただ遊ぶだけなら構いませんが、ものによってはケガしたり、誤飲したりする可能性があるので注意しましょう。例えば針を飲み込んでしまったり、アイロンに触れて火傷したりすることも考えられます。そのため、基本的に部屋はいつも片付けておくことが大切です。
危ないものは隠す・遠ざける
猫が触れたり噛んだりして危険が及ぶものは、手が届かない場所に置くか隠しておきましょう。例えば噛んで感電する危険性がある電源ケーブルなど、隠せないものはカバーを取り付けておきます。
なお、食べ物の中にも、猫にとって有害なものがあります。例えば生肉で大腸菌中毒を起こしたり、チョコレートは不整脈の原因になったり。よく牛乳を猫に与えるのを目にすることがありますが、実は牛乳も下痢を起こすことがあるのです。こうした飲食物も、保管している場所へ立ち入れないようにするか、猫に見つからないよう隠しておきましょう。
観葉植物は種類と置き場所に気を付ける
観葉植物のなかには、猫にとって有害なものがあります。例えばユリ科の植物やクワズイモなどのサトイモ科、サボテンなどの多肉植物など。これらは、できるだけ猫のいる家では置かないようにしてください。また、大きな植木鉢は猫がトイレと間違えてしまうことがありますが、その際は起き場所を変えてみましょう。
アロマやルームフレグランス、柔軟剤は要注意
猫は人間に比べて、とても鋭い嗅覚を持っています。そのため、人にとって癒しとなる香りでも、猫は嫌がってしまうかもしれません。例えば猫の布団に柔軟剤を使って洗濯した後、その香りで布団に寄り付かなくなってしまうことも考えられます。また、アロマやフレグランスなどの香りは成分が毒になる可能性もあり、使用する際は十分に注意してください。
脱走対策をする
ふとしたタイミングで、猫が外へ脱走してしまうことがあります。玄関ドアやベランダなどから飛び出せば、落下して怪我したり交通事故に遭ったりする危険があるでしょう。そのため、猫が脱走しないよう隙間を塞ぎ、玄関などを空ける際は猫がいないか周囲に注意してください。脱走防止の柵などもあるので、必要に応じ利用するのも一つの方法です。
人と家を守る部屋づくり
人と猫の居住区を分ける
猫と快適に暮らすためには、猫と人とでエリアの棲み分けを考えましょう。例えば包丁やガスコンロのある台所は猫が入れないようにしたり、階段下に柵を設けてプライベート空間のある2階に上がれないようにしたり。猫が暮らすのに十分なスペースを確保しつつ、人も同様に快適でいられるよう工夫しましょう。
床や壁がキズつかないよう工夫する
猫が爪とぎで傷つけないよう、壁には保護シートを貼るのがおすすめです。床にもクッションフロアを敷いておけば、傷が防げるほか、汚れた際にすぐ掃除できます。特に賃貸物件では、たとえペット可の物件でも傷などが退去時の問題となることも。できるだけ、床や壁はきれいな状態を保てるよう工夫することが大切です。
家具の選び方を工夫する
家具も汚されたり傷つけられたりする可能性があるので、選ぶ時点から工夫しましょう。例えばソファは、カバーを掛けられるタイプだと汚れた際にすぐ洗えます。一方、布製だと爪とぎしてしまった際、すぐボロボロになってしまうかもしれません。座面のみクッションになっていて他が木製のソファなら、傷は付いても使えなくなることはないでしょう。
また、木製のタンスだと爪とぎされる可能性がありますが、プラスチック製のチェストなら心配ありません。プラスチックは安価ながら、猫に傷を付けられにくく、汚れも拭き取りやすいのでおすすめ。同じ機能の家具でも、素材を変えるだけで猫と暮らしやすくなります。
ペット可物件に住もう!物件探しのコツ

猫を賃貸物件で飼うなら、ペット可(相談可)物件を選びましょう。もし現在の住まいがペット不可なら、引越しを考えなければいけません。大きなトラブルに発展する可能性があるので、決して隠れて飼うことのないようにしてください。ここでは、ペット可(相談可)物件を探す際のコツをご紹介します。
ペット可(相談可)物件は少ない?人気条件は妥協も視野に
ペット可(相談可)の物件は多くありません。なぜなら、ペットを飼うと部屋ににおいが残ったり傷がついたりするから。それだけ修繕が必要になりますし、ペットの苦手な人は入居対象から外れてしまいます。
そのため、物件探しは難航するかもしれません。もし物件が見つからなければ、物件選びの条件を書き出して優先順位を付けてみましょう。一部の条件を妥協するだけで、物件が見つかる可能性があります。特に「駅近く」「バス・トイレ別 」「築浅」などの人気条件を必須にすると、ペット可(相談可)物件は見つけにくくなります。できれば、こうした人気条件の妥協も視野に入れて検討してみましょう。
ペット可(相談可)物件でも猫はダメ?細則を確認しよう
ペット可(相談可)の物件でも、飼える動物が限られるなど細則が設けられていることがあります。ここで猫が飼育対象から外れていれば、残念ながら猫は飼えません。また、猫を飼えても1匹までと制限するケースもあり、将来的に多頭飼いを考えている方は十分に注意してください。なお、同じ物件でもペットを飼う場合には敷金・礼金が高くなることもあるので、あらかじめ確認することが大切です。
動物病院に近いマンションを探そう
猫を飼うのなら、動物病院に近いマンションが安心です。万が一のことがあっても、近所なら猫をキャリーケースに入れてすぐ病院へ向かえます。病気やケガ以外でも、予防接種などに動物病院に行く機会は少なくありません。
距離が遠いと不便ですし、猫の入ったキャリーケースは重く、持って歩くのはなかなか大変です。また、猫も長い移動はストレスになってしまいます。できれば物件から動物病院まで、実際に歩いてみてください。たとえ車があっても、緊急時を考えれば、動物病院が近いに越したことはないでしょう。
まとめ
猫が快適に暮らせる部屋づくりについて解説しました。猫には思いっきり動き回れる広いスペースが必要ですし、常に清潔を保てることも大切です。しかし、何もかも猫優先にすると、自分が暮らしにくくなってしまうかもしれません。猫と人、お互いにとって快適な環境がどのようなものか十分に考えましょう。
部屋には猫が安心して過ごせる場所、そして上下を含めて運動できる場所を設けることも大切。危険なものは手が届かない場所に置くか、隠しておきましょう。食べ物や観葉植物、あるいはアロマなどの香りも猫にとって有害となることがあります。また、交通事故などの恐れもありますので、脱走しないような工夫も欠かせません。猫に危険が及ばないよう、部屋の隅々までチェックしてみてください。
そして、猫を飼うならペット可(相談可)物件を選ぶこと。細則で猫が飼えないケースもあるので、事前の確認が大切です。まずは、問題なく猫と一緒に住める家を探すこと。そのうえで、猫が危険なく快適に過ごせる部屋作りに取り組みましょう。
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