このページの一番上へ

引越しで補助金や助成金を受け取れる?対象者や金額 、申請方法まとめ

引越しや住宅関連の補助金や助成金について、具体的な対象者や受け取れる金額、申請方法をご紹介します
転勤や就職、進学など引越しをする理由はさまざまです。家族構成が変わったり、家が手狭になったりして引越しをする人もいるでしょう。
引越しでは、荷物の運搬や転居先で新生活を始める準備に費用がかかります。こういった負担を軽減するために、引越しで利用できる補助金や助成金はあるのでしょうか。

そこで今回は、引越しや住宅関連の補助金や助成金を解説。具体的な対象者や受け取れる金額、申請方法をご紹介します。

記事の目次

条件を満たすと引越し時に補助金や助成金を受け取れる

どのような条件を満たせば助成金を受け取れるのか解説していきます
どのような条件を満たせば助成金を受け取れるのか解説していきます

国や自治体では、企業や個人に対して補助金や助成金を交付する場合があります。数ある補助金や助成金のなかには、条件を満たすことで引越し費用や家賃の負担を軽減するものも。

ちなみに補助金と助成金の違いは以下のとおりです。

補助金とは
国や自治体が実施する事業の推進に向けて、企業や事業者などの取り組みを支援するために交付される資金のこと

助成金とは
国や自治体が特定の事業で事業者や個人を支援するため、一定の条件を満たした場合に提供される資金のこと

なかでも、家族構成や収入の状況により、経済的な負担の大きい世帯が補助金や助成金の対象となる傾向にあります。

では具体的にどのような世帯が対象となっているのでしょうか。

補助金・助成金の対象になりやすい人とは?

前述のとおり多くの補助金には受給条件が付いています。特によく見られる条件を見ていきましょう。

  • 子育て世帯
  • ひとり親世帯
  • 高齢者のいる世帯
  • 障がい者のいる世帯
  • 収入に不安がある世帯
  • 親世帯との同居、近居を考えている世帯
  • 地方移住を考えている世帯

子育て世帯やひとり親世帯は子どもの成長につれ、かかるお金が増えるため、補助金や助成金の対象となることが多いようです。

またコロナ禍以降、リモートワークを取り入れる企業が出てきました。それがきっかけとなり地方に移住する人も増加。最近では、積極的に移住者を受け入れる地方自治体が出てきたことで、移住者を支援する補助金が登場しています。

単身者向けの補助金はあるの?

個人が利用できる補助金や助成金は、ファミリー層や高齢者世帯、ひとり親世帯に対するものが主流です。しかし、なかには単身者が利用できるものもあります。

ただ、利用するにあたり世帯構成の他に要件を満たさなければならない場合もあり、ハードルが高いと感じるかもしれません。

引越しで受け取れる補助金や助成金の種類

実際にどのような補助金や助成金があるのかご紹介していきます
実際にどのような補助金や助成金があるのかご紹介していきます

引越し費用を補助する補助金や助成金にはどのような種類のものがあるのでしょうか。ここでは、引越し費用や家賃を支援するために国や自治体が実施する補助金をご紹介します。

結婚にともなう引越しなら「結婚新生活支援事業」

結婚新生活支援事業とは、こども家庭庁が交付する「結婚新生活支援事業費補助金」を各自治体が活用して実施する支援です。
結婚して新生活を送るために住む住宅への引越し費用や住宅購入費、家賃などの一部を補助します。
内容について下記の記事でもご紹介しています。より詳細に知りたい人はぜひご覧ください。

補助金を受け取る条件

【対象者】

  • 夫婦ともに婚姻日の年齢が39歳以下の新婚世帯
  • 夫婦合わせた世帯所得が500万円未満

【住宅】

  • 新婚生活を送るために購入する住宅、もしくは賃貸住宅

補助費用の対象

  • 新居の購入費
  • 新居のリフォーム費用
  • 賃貸住宅の家賃、敷金、礼金、共益費、仲介手数料
  • 新居への引越し費用

上限金額と期間

【上限金額】

  • 夫婦ともに婚姻日の年齢が29歳以下の世帯:最大60万円
  • 上記以外の世帯:最大30万円

【補助期間】

  • 一時金として支払われる

申請方法

結婚新生活支援補助金交付申請書に必要書類を添えて市町村役場へ提出します。

※必要書類は、自治体のホームページで確認してください。

申請期間は自治体ごとに決まっています。また、この事業は先着順で、予算に達した時点で申請受付が終了となります。

2023年度のこの事業は、2024年3月31日までの婚姻を対象としています。現時点で申請が可能かは自治体へ問い合わせてください。ただし、すでに予算に達し申請受付を終了している場合もあります。

離職、廃業にともなう「住宅確保給付金」

「住宅確保給付金」とは、家庭の生計維持者が離職または自営業の廃業などで収入が著しく減少し、住居を喪失または喪失するおそれのある人に対し、要件を満たしている場合、一定期間の家賃相当額が支給される制度です。

参考:厚生労働省「住居確保給付金

補助金を受け取る条件

【対象者】

  • 主たる生計維持者が離職・廃業後2年以内である場合、もしくは個人の責任や都合によらず、給与が離職や廃業と同程度まで減少している場合
  • 直近の月収合計額が基準額と家賃の合計額(上限あり)を超えていないこと
  • 世帯の預貯金合計額が各市町村の定める額を超えていないこと
  • ハローワークで求職の申し込みをして求職活動をおこなっていること

【住宅】

  • 住居用の賃貸住宅
  • 住居兼店舗の場合は、住居部分のみが対象

補助費用の対象

  • 住居用賃貸住宅の家賃

上限金額

【上限金額】

  • 生活保護の住宅扶助額が上限
    ※世帯収入額が基準額以下の場合は家賃額を支給
    ※世帯収入額が基準額を超える場合は、以下を支給

  基準額+家賃額-世帯収入額

東京特別区(23区)の場合、支給上限額は下記のようになります。

  • 世帯人数1人:53,700円
  • 世帯人数2人:64,000円
  • 世帯人数3人:69,800円

【補助期間】

  • 原則3カ月間(延長2回まで。最大9カ月間)

申請方法

市町村役場の担当窓口へ相談して、申請書と必要書類を提出します。
住宅確保給付金は自治体から直接、賃貸住宅の賃貸人などへ支払われます。

マイホーム購入者向け「すまい給付金」

不動産の建物は消費税の対象となるため、消費税が引き上げられると住宅を取得する際の負担がかなり大きくなります。
その際、住宅ローンを利用して住宅を取得すれば住宅ローン控除を利用できます。ところが低所得者は住宅ローン控除による負担軽減効果が十分に得られません。

そこで、低所得者も消費税引き上げによる住宅取得の負担軽減を図れるよう設けられた制度が「すまい給付金」です。
2014年4月、消費税が5%から8%に引き上げられたタイミングで創設され、2021年12月31日までに引き渡し、入居が完了した住宅までが制度の対象でした。

しかし制度が改正され、下記の期間に契約した住宅は、2022年12月31日までに引き渡し、入居が完了すれば制度の対象となります。

  • 注文住宅の新築の場合
    2020年10月1日から2021年9月30日まで

  • 分譲住宅・中古住宅の取得の場合
    2020年12月1日から2021年11月30日まで

現時点では制度は終了していますが、申請期限は引き渡しから1年3カ月後まで(※当面の間)となっています。

契約のタイミングが条件に該当し、2022年12月31日の制度修了間近に引き渡しと入居が完了していれば、2024年3月まで申請できる場合があるかもしれません。もし該当する場合は、申請期限が迫っているので早めに申請をしましょう。

参考:国土交通省「すまい給付金

補助金を受け取る条件

【対象者】

  • 不動産登記上の持分保有者で、取得した住宅に住んでいること
  • 年収の目安が775万円以下
  • 住宅ローンの償還期間が5年以上
  • 住宅ローンを利用せず現金で購入した場合は、50歳以上

【住宅】

  • 消費税引上げ後の税率が適用されること
  • 床面積が50平方メートル以上
  • 第三者機関の検査を受けた住宅であること

補助費用の対象

  • 新たに建築した新築住宅
  • 購入した新築の分譲住宅、中古住宅

上限金額

【上限金額】

  • 最大50万円

【補助期間】

  • 一時金として支払われる

申請方法

給付申請書に必要書類を添えて、すまい給付金事務局へ郵送または持参します。

※必要書類はすまい給付金Webサイトで確認してください。

東京圏から地方へ移住する人向け「移住支援金」

地方移住者向けの制度も多くの自治体で実施されています
地方移住者向けの制度も多くの自治体で実施されています

移住支援金とは、東京23区内に在住または通勤する人が東京圏外へ移住し就業または起業する場合、都道府県と市町村が共同で支給する交付金です。地方創生移住支援事業を実施する地方自治体が主体となって制度を実施しています。

また、自治体によっては移住者を募るために独自の移住者支援をおこなっていることがあります。

参考:内閣官房・内閣府総合サイト 地方創生「移住支援金

補助金を受け取る条件

【対象者】

  • 移住直前の10年間で通算5年以上かつ直近1年以上、東京23区内に在住、または東京圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)から東京23区へ通勤している人
  • 移住先に転入後1年以内であること
  • 申請日から5年以上、継続して移住先に住む意思があること
  • 下記1~4のいずれかに該当していること
    1.地域で中小企業等へ就業すること
    2.テレワークによる業務を継続していること
    3.移住先の市町村独自の要件を満たすこと
    4.地方創生起業支援事業を活用し1年以内に起業支援金の交付決定を受けていること

【住宅】

  • 東京圏外または東京圏の条件不利地域の市町村にある住宅

補助費用の対象

東京23区から移住して、移住先の企業に就職、起業、テレワークをする単身または世帯

上限金額

【上限金額】

  • 2人以上の世帯の場合、100万円
    (18歳未満の子も一緒に移住する場合、18歳未満の者1人につき最大100万円を加算)
  • 単身の場合、60万円

【補助期間】

  • 一時金として支払われる

申請方法

移住先へ転入後、移住支援金交付申請書に必要書類を添えて申請します。自治体によっては仮申請のあと、本申請が必要な場合もあります。

※必要書類は移住先の自治体で確認してください。

ファミリー向け「特定優良賃貸住宅」

ファミリー世帯であれば特定優良賃貸住宅もおすすめ
ファミリー世帯であれば特定優良賃貸住宅もおすすめ

特定優良賃貸住宅とは、国と自治体が建設費などの一部を補助して建てられた、民間の優良賃貸住宅のことです(東京都では都民住宅と呼ばれています)。特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律に基づき供給されています。

所得が一定の範囲内である中堅所得者のファミリー世帯が利用でき、家賃の一部が補助されます。また特定優良賃貸住宅では、入居の際に礼金・更新料・仲介手数料などは必要ありません。

補助金を受け取る条件

【対象者】

  • 自らが住む住宅を必要としている人
  • 同居する親族がいること
    (単身者の申し込みは不可)
  • 世帯所得が所得基準内であること

例えば東京都施行型都民住宅では、家族数に応じて世帯所得の基準が変わります。

  • 家族数2人の場合、
    世帯所得は年額2,276,000円~6,224,000円
  • 家族数3人の場合、
    世帯所得は年額2,656,000円~6,604,000円
  • 家族数4人の場合、
    世帯所得は年額3,036,000円~6,984,000円

参照:東京都施行型都民住宅│東京都住宅供給公社

所得基準は自治体により異なります。詳細は各自治体のホームページで確認してください。

【住宅】

  • 審査基準を満たした特定優良賃貸住宅

補助費用の対象

特定優良賃貸住宅の家賃

上限金額

【上限金額】

  • 世帯全員の所得金額により家賃補助金額が変わる

【補助期間】

  • 原則として管理開始月から15年または20年間

申請方法

本人確認書類、住民税課税証明書など必要書類を揃えて、特定優良賃貸住宅へ直接申し込みをします。

空室がない時は申請できません。また、空室は住宅供給公社や住宅の管理者などのホームページで確認できます。

自治体独自の助成金

自治体によっては、独自に引越しや住宅に関する助成金制度を設けているところがあります。条件や助成内容は自治体によって異なりますので、気になる人はお住いの自治体やこれから住む予定の自治体のホームページなどで確認してみましょう。
今回は一例として、東京都新宿区の助成金をご紹介します。

参考:新宿区

子育て世帯向け「民間賃貸住宅家賃助成」

新宿区が実施する民間賃貸住宅家賃助成とは、新宿区内の民間賃貸住宅に住む子育て世帯が負担する家賃を助成する制度です。年に一度、期間を決めて制度の利用を希望する世帯を募っています。

助成金を受け取る条件

【対象者】

  • 新宿区の民間賃貸住宅に住む、義務教育修了前の子どもを育てている世帯
  • 世帯全員の前年中の総所得合計が520万円以下 など

【住宅】

  • 新宿区内の民間賃貸住宅で、月額家賃が22万円以下(管理費・共益費は含まない)
助成費用の対象

民間賃貸住宅の家賃

上限金額

【上限金額】 月額3万円
【助成期間】 最長5年間

申請方法

毎年1回、新宿区が期間を決めて利用希望者を募集します。指定された募集期間に区役所へ申込書を郵送します。
募集時期になったら新宿区のホームページで募集案内をダウンロードできるので、利用する際は確認しましょう。

なお2023年度の募集期間は10月2日~10月16日で、10月31日に公開抽選がおこなわれました。募集数は50世帯でした。

子育て世帯の住み替え向け「次世代育成転居助成」

次世代育成転居助成は募集期間が決まっています。気になる人は早めにチェックしましょう
次世代育成転居助成は募集期間が決まっています。気になる人は早めにチェックしましょう

新宿区が実施する次世代育成転居助成は、子育て世帯が新宿区内の民間賃貸住宅に住み替える際、家賃の差額や引越し費用を助成する制度です。年3回、期間を決めて募集をおこなっています。

助成金を受け取る条件

【対象者】

  • 義務教育修了前の子どもを育てている世帯
  • 転居前も新宿区内の民間賃貸住宅に1年以上住んでいる世帯
  • 前年中の世帯の総所得が一定金額以下
    (扶養親族数により異なる)
    扶養親族1人:5,400,000円以下
    扶養親族2人:5,780,000円以下
    扶養親族3人:6,160,000円以下 等

【住宅】

  • 新宿区内の民間賃貸住宅で、転居後の家賃が次の金額以下
    世帯人数が4人まで:家賃180,000円
    世帯人数が5人まで:家賃215,000円
    以降6人以上の場合は1人につき3万5千円を加算
  • 建築基準法に規定する新耐震基準に適合している住宅
  • 転居後住宅の住戸専有部分の面積が一定以上
助成費用の対象

転居前後の家賃差額および引越し費用

上限金額

【上限金額】

  • 転居前後の家賃差額は最高35,000円
  • 引越し費用は最大10万円

【助成期間】

  • 家賃差額の助成は最長2年間、引越し費用は一括支給
申請方法

転居先の賃貸借契約を締結する前、かつ引越し前に予定登録申請が必要です。予定登録申請書に必要書類を添えて、新宿区役所へ提出または郵送しましょう。

転居後に本申請をおこないます。助成申請書と必要書類を新宿区役所へ提出または郵送します。

令和5年度の募集期間と世帯数は以下のとおりでした。

  • 第1期 2023年4月3日~6月30日:15世帯
  • 第2期 2023年7月3日~10月31日:15世帯
  • 第3期 2023年11月1日~令和6年3月29日:20世帯

取り壊しなどによる転居を支援する「住み替え居住継続支援」

新宿区が実施する住み替え居住継続支援とは、居住中の新宿区内の民間賃貸住宅が取り壊しにより立ち退きが必要となり、余儀なく転居することになった人に対し、転居費用の一部を助成する制度です。

助成金を受け取る条件

【対象者】

  • 高齢者世帯、障害者世帯、ひとり親世帯で、新宿区内の民間賃貸住宅が取り壊しや賃貸事業の廃止などのために家主から立退きを求められている世帯
  • 転居前の民間賃貸住宅に1年以上住んでいる世帯
  • 前年度の世帯の総所得が一定金額以下
    単身世帯:2,668,000円以下
    2人世帯:3,048,000円以下
    3人以上の世帯は世帯員1名増えるごとに38万円を加算した額以下
  • 受け取る立退き料が、2,568,000円以下であること
  • 生活保護の住宅扶助を受けていない世帯 等

【住宅】

  • 転居先も新宿区内の民間賃貸住宅で、家賃が以下の金額以下
    単身世帯:120,000円
    2人以上世帯:150,000円
助成金の対象
  • 転居により家賃が上昇した場合、家賃差額の一部
  • 引越し費用の一部
上限金額

【上限金額】

  • 家賃差額の限度額:単身世帯 360,000円、2人以上世帯 540,000円
  • 引越し費用の限度額:150,000円

【助成期間】

  • 一時金として支給
申請方法

転居先の賃貸借契約書を締結する前に、支援予定登録申請が必要です。支援予定登録申請書に必要書類を添えて新宿区役所へ提出しましょう。実際に転居したのち、支援申請書と必要書類を新宿区役所へ提出します。

補助金や助成金を利用する際の注意点

補助金や助成金を利用する時に注意することを解説します
補助金や助成金を利用する時に注意することを解説します

補助金や助成金は実施期間が決まっている場合があるので、事前に確認しておきましょう。

民間の賃貸住宅の補助金や助成金は、対象となる賃貸住宅が決まっている場合があります。入居希望者が多ければ抽選がおこなわれることも……。そのため、応募しても必ず入居できるとは限らない点は留意しておきましょう。

また、補助金や助成金には所得制限が設けられているものがあります。自分の所得は対象になっているか確認する必要があります。

加えて、補助金や助成金を利用する際は住民税の滞納がないこと、生活保護の住宅扶助を受けていないことなど、要件が細かく設定されています。利用する前に補助金や助成金の要件や内容を注意深く見ておくことが重要です。

助成金は課税所得となるため、利用した時は所得税の確定申告が必要になる場合があります。確定申告を忘れずにおこないましょう。

補助金・助成金以外にチェックすべきポイント

補助金・助成金以外にも使える制度などはあります
補助金・助成金以外にも使える制度などはあります

補助金・助成金以外にもチェックすべきポイントをご紹介します。

控除もあわせて検討するのがおすすめ

会社員の場合、会社都合による転勤にともなう基本的な引越し費用は、福利厚生の一環として会社が負担してくれることがありますが、会社負担とならなかった場合、引越し費用は給与所得者の特定支出控除という控除の対象となります。該当する場合は確定申告をするとよいでしょう。

特定支出控除とは、給与所得者に特定支出(通勤費、転勤時の引越し費用、単身赴任時の帰省費用など)の合計が一定金額(その年の給与所得控除額の2分の1)を超えた場合、超えた分が給与所得から控除される制度です。会社からの補助がない場合に利用できます。

また、個人事業主でも引越し先が住宅兼事務所になる時は、引越し費用の一部が経費になる場合もあります。例えば、20万円までの礼金、仲介手数料、荷物の運搬費など基本的な引越し費用、交通費は経費として処理が可能です。

ただし、住宅兼事務所の場合、引越し費用は事務所として使う割合に応じて按分し計上することになるので注意しましょう。

勤務先の手当も確認する

会社によっては福利厚生の一環として、住宅関連や転勤にまつわる手当を支給してくれるところがあります。

例えば、次のような手当です。

  • 住宅手当(家賃補助)
  • 単身赴任手当
  • 帰省手当
  • 引越し費用の補助
  • 転勤支度金 など

ただし、すべての会社で上記の手当を支給しているわけではなく、扱っているかは会社によります。自分の勤め先が支給する手当にはどのようなものがあるのか、会社に確認しておくとよいでしょう。

まとめ

子育て世帯や新婚世帯、著しく収入が減少した世帯に引越し費用や家賃を支援する補助金や助成金制度が、国や自治体によって設けられています。

ただ、補助金や助成金には、住宅要件や所得要件、家賃の上限金額が設定されている場合があるので、事前に内容をよく確認することが大切です。

また、実施する補助金・助成金制度は自治体により内容が異なり、実施期間が決まっています。自分の住む自治体ではどのような補助金・助成金があり、いつ頃募集が始まるのかを自治体のホームページで確認しておきましょう。

前佛 朋子

執筆者

前佛 朋子

整理収納アドバイザー、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者 家計コンサルティングZEN 代表

元々はライターだったが専門分野を持とうと考え、興味のあった金融知識を活かせるファイナンシャル・プランナーの資格を取得。その後、お金と片付けはつながっていると考え、整理収納アドバイザー1級も取得。Webコラムやメルマガなど金融関連記事を執筆するかたわら、安心とゆとりのある暮らしができる人を増やすために、家計見直しやライフプランなど相談業務をおこなう。保険や金融商品を売らないファイナンシャル・プランナーとして活動中。

関連する記事を見る
不動産お役立ち記事・ツールTOPへ戻る