近隣・隣人トラブルに発展しやすい原因とトラブルを未然に防ぐには

トラブル

2020年2月28日更新

近隣・隣人トラブルに発展しやすい原因とトラブルを未然に防ぐには

気になる物件を内見し、心配な点を一つひとつ確認したうえで入居を決めたとしても、やはり住んでみなければわからないことは多いものです。とりわけ「近隣トラブル」については生活を始めてから問題化することもあり、入居前にすべてをクリアにするのは実際には難しい問題です。
しかし、トラブルの原因や対処法を知っておくと、未然に回避できる可能性はアップします。また、たとえトラブルに遭遇しても、悪化する前に手を打つことができるかもしれません。

この記事では、よくある近隣・隣人トラブルの原因や、その対処法について紹介していきます。これから引越しを控えている方はもちろん、近く新しい人が近隣に引越ししてくる場合にも役立つ内容ですので、ぜひ参考にしてみてください。

記事の目次

  1. なるべく避けたい隣人トラブル。よくある原因は?
  2. 隣人トラブルに悩んだらどうする?困った時の対処法
  3. 隣人トラブルを未然に防ぐためのチェックポイント
  4. まとめ

なるべく避けたい隣人トラブル。よくある原因は?

隣人トラブルを避けるにあたり、まずは「隣人トラブルとなり得る原因」を知ることが大切です。ここでは、隣人トラブルにおける代表的な例について見ていきましょう。

騒音がひどい、生活音がうるさい

集合住宅で起こりやすい隣人トラブルとして、第一に騒音があげられます。
騒音というと、「テレビや音楽を大音量で流している」「楽器を演奏している」「深夜に大声で話したり笑ったり騒いでいる」など、あきらかに騒音と捉えられる行動もありますが、何気ない生活音でも、程度や時間帯、受け取り側の状況によっては騒音と捉えられるケースも多くあります。

私たちの生活のなかには、子どもの声や走り回る音、掃除機や洗濯機の音、ドアの開け閉めの音、トイレを流す音、テレビの音、会話の声など、さまざまな生活音であふれています。これらも、度が過ぎれば騒音となりトラブルの原因となってきます。
どこまでが生活音として許容でき、どこからが騒音と感じるのか、捉え方は人それぞれ。本人に悪気がなくてもまわりが迷惑しているというケースはあります。

ペットやゴミなどの臭いがひどい

ペットと暮らす側には当たり前のことであっても、ペットを飼っていない住民に対しては不快感を与える場合もあります。
特に臭いに関するトラブルは多く聞かれるものです。飼い主側がトイレの始末などのルールを守らず、悪臭を発生させトラブルとなるケースも発生しています。

さらに、ゴミによる悪臭もトラブルとなりやすいものの一つです。生ゴミのような臭いが発生するゴミをベランダに設置するなどして悪臭を引き起こしているケースがあります。また、部屋の中がいわゆる「ゴミ屋敷」状態となっていて、そこから悪臭が漏れている場合も考えられます。

隣家の植物や私物が侵入してきている

ベランダなどから隣家の植物や私物が侵入しトラブルに発展するケースもあります。本人には悪気がなかったり気付いていないケースが多いものの、侵入されている側は気持ちのいいものではありません。

ゴミの出し方や分別のルール

ゴミ出しの分別やルールについてトラブルとなるケースも多くあります。
自治体やマンションでゴミを出す曜日や時間帯、分別方法が決められているにも関わらず、自分の都合で勝手に出してしまう住民もいます。
また、たとえ決められた曜日や時間を守って出していても、ゴミ袋の口がきちんとしまっておらず中身が散乱していたり、生ゴミの水気を処理しておらず悪臭が発生しトラブルの要因をつくりだしているパターンもあります。
さらに、粗大ゴミなど手続きが必要なゴミをそのまま放置している場合もトラブルに発展する可能性があります。

タバコの吸い方、マナー

ベランダでタバコを吸うことで近隣に悪臭の被害が及ぶこともあります。干している洗濯物に臭いがつくだけでなく、春や夏など窓を開ける季節は部屋の中にまで臭いが入り込んでしまう可能性があります。
また、共用部でタバコを吸ったりポイ捨てしたりするマナー違反もトラブルの原因です。マンションでは、管理規約に違反する場合もあります。

共用部分の使い方やマナー

共用部分の使い方やマナーもトラブルが起きやすい原因の一つです。たとえばエントランスや廊下、エレベーター大声で話している、駐輪場ではないところに自転車を放置する、玄関前に可燃物などを放置するなどがあげられます。
共用部は自分だけの場所ではなく、ほかの住民も使う場所です。その配慮が欠けてしまうと、トラブルに発展しやすくなります。

ご近所付き合いや挨拶

ご近所付き合いや挨拶も、トラブルを引き起こす原因となる可能性があります。上記に挙げるような暮らしの中のマナーに反する行動に加え、顔を合わせても挨拶をしなかったりすると、相手に不快感を与えてしまいます。

隣人トラブルに悩んだらどうする?困った時の対処法

では、実際に隣人トラブルに遭遇してしまったら、どうすれば良いのでしょうか? 考えられる対処法を紹介します。

冷静になって自分の生活を振り返ってみる

まずは、隣人トラブルの引き金となっている行動がないか、自分自身の生活を振り返ってみましょう。部屋に友人を招き深夜まで盛り上がっていたり、テレビの音量が大きかったりしていませんか?
自分の生活スタイル・習慣が他人から見てどうなのかは意外とわからないものです。自分の中で当たり前となっていることが、まわりの人に不快感を与える原因になっていないか、一度冷静になって考えてみましょう。

困ったらまずは管理会社や貸主に連絡を

トラブルで困ったときには、まずは管理会社や貸主に連絡するのが最善の方法です。自ら相手の部屋を訪問して苦情や意見を言うようなことは避けましょう。先方の出方によっては、さらなるトラブルに巻き込まれる危険性があります。

管理会社や貸主への連絡の際には、「5W1H」(誰が・いつ・どこで・なにを・なぜ・どのように)を整理したうえで相談すると、先方も理解しやすく、適切な対応を検討してもらえるはずです。

ひどい場合は弁護士や警察に相談をするのも手

万が一、トラブルが嫌がらせや脅迫、ストーカー行為などに発展し、身の危険を感じるような場合は、弁護士や警察へ相談するのも一つの手段です。まずは無料の法律相談で相談してみるのが良いでしょう。
また、警察が設置している相談窓口では生活全般に関わる相談を受け付け、アドバイスをおこなっています。ひどいトラブルに発展してしまった場合は、「警察相談専用電話 #9110」に電話してみましょう。

隣人トラブルを未然に防ぐためのチェックポイント

ここでは、隣人トラブルを未然に防ぐことに役立つ4つのポイントを紹介します。
ちょっとした行動で発生リスクが抑えられるので、ぜひ実践してみてください。

物件探しの段階で近所・隣人トラブルを確認

最初にできる対策は、物件探しの段階でトラブルに発展する原因がないかチェックしておくことです。そのためには、次のような内容を聞いておくと良いでしょう。

  • 過去にあったトラブルの内容、どのような方が関わっていたか
  • 現在の住民の性別、家族構成、生活スタイル

個人情報に関わる点はあまり詳細に聞けないかもしれませんが、上記については不動産会社の担当者へ確認しておきましょう。

内見の際は共用部分と掲示板をチェック

内見では物件の中ばかりに気を取られがちですが、共用部分や掲示板は必ずチェックしましょう。その物件の現状や問題点を、ある程度予測することができます。
たとえば、共用部分が清潔に保たれていない、ゴミ置き場や駐輪場が整理されていない様子などが見受けられた場合、ルールを守らない住人が多く管理が行き届いていない可能性が高いです。また、住民の中で何らかのトラブルがあった場合は、注意喚起の張り紙がされている場合があります。内見の際は、このようなポイントを見逃さないようにしましょう。

楽器やペットなど騒音になりそうな原因はないか

楽器可やペット可の物件の場合でも、騒音トラブルに発展するリスクはあります。
防音室が完備されている場合でも、楽器演奏は、基本的に時間帯が制限されているため、夜間に演奏することはないはずですが、仕事の関係で昼夜逆の生活を送っている方などは悩まされる場合もあるでしょう。また、楽器可の物件でもピアノはOK、ギターはNGなど楽器の種類によって異なるので注意が必要です。
一方、ペットは鳴き声などが騒音トラブルにつながる場合も考えられます。既に飼育している状態で物件を探す場合は飼えるペットの種類や物件の防音性をチェックしましょう。新たに飼育を考えている場合は、今の物件で飼育した場合に問題がないかを考えてみることをおすすめします。

入居前後や顔を合わせたときに挨拶を

トラブルを防ぐのに有効なのは、日ごろから隣人と挨拶をかわし、接点をもっておくことです。挨拶がなく「感じが悪い」と捉えられ、トラブルに発展しているケースもあります。内見の段階であっても、住民と顔を合わせた際には挨拶をしましょう。

そして、実際に引越しした後は、隣人や上下の住民に簡単に挨拶に行くことをおすすめします。簡単でもコミュニケーションを取り、顔見知りになることで、お互いに少なからず安心感が得られるはずです。
また、女性の一人暮らしで「直接部屋に挨拶にいくのは怖い」という方は、エントランスやゴミ置き場などの共用部で顔を合わせた際に挨拶すれば、悪い印象は抱かれないでしょう。

まとめ

可能な限り回避したい近隣・隣人トラブル。できる限りトラブルを回避できるよう、上記の内容を参考にしてみてください。それでもトラブルに巻き込まれてしまった場合は、早い段階で管理会社や貸主に相談することをおすすめします。

そして、自分が加害者側にならないための配慮も必要です。「このくらい大丈夫だろう」という安易な認識がトラブルに発展する場合もあります。常に客観的な視点をもつように心がけましょう。