北欧インテリアとは?特徴や一人暮らしでできる部屋づくりのポイント、実例も紹介

記事の目次
北欧インテリアとは?
「北欧」とはヨーロッパの北部の地域のうち、北欧理事会(Nordic Council)に属すデンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、アイスランドの5国を指すというのがひとつの説です。冬の日照時間が6時間程度しかない北欧の人々は部屋で過ごす時間が長く、できるだけ快適に過ごせるようインテリアにこだわります。白い壁にナチュラルな白木など、淡い色味がベースの爽やかで温かみのあるインテリア。そして、シンプルかつモダンで飽きにくい上質な家具などを配置し、ゆったりと落ち着いて過ごせるインテリアが北欧インテリアの特徴です。
北欧インテリアの特徴
カフェや部屋のインテリアを「北欧っぽい」と表現することがあるでしょう。でも具体的に、どういったインテリアを「北欧っぽい」「北欧風」と呼ぶのでしょうか?その特徴についてご紹介します。
自然の温かみ
北欧では、夏は18時間以上の日照時間があるにも関わらず、冬は6時間程度しかなく、日本なら眩しいほど明るい15時には太陽が沈んでしまう日もあります。だからこそ、家の中では自然豊かな森に育まれる、北欧の風景のような温かみや明るさのあるインテリアが好まれます。とくに壁や床など面積の多い部分は、光を思わせる白や白木を使うと北欧っぽいインテリアに近づきます。
シンプル
北欧では家にいる時間が長いため、ずっと見ていても飽きない、要素を削ぎ落としたシンプルなデザインが好まれる傾向があります。素材についても、木やファブリックなどナチュラルなものがよく利用されるようです。
淡い色合い
壁や床など面積の広い部分には、白を中心にペールグレーやベージュなど淡い色合いを使うことが多いようです。
北欧インテリアをつくる5つのポイント
実際に自分の部屋を北欧風にするためには、どんな点に気をつければよいのでしょうか? 5つのポイントにまとめてご紹介します。
素材は木材、コットン、リネン
家具は木製のもの、明るい色味のものを選ぶとより北欧らしくなります。ベッドカバーなど肌に触れるものは、コットンやリネンなど天然素材のものを選びましょう。藤のカゴなどを置くと、ナチュラルな雰囲気になります。
壁や床は白や明るい色でフローリング
壁や天井は白、床は明るい色味のフローリングがベストです。面積の広い部分を白にすることで、北欧インテリアがつくりやすくなります。
配色はアースカラー
全体的に淡い色で統一すると、北欧インテリアっぽくなります。おすすめの配色は、白、ベージュ、グレー。それだけだとナチュラルシンプルな部屋と違いが出にくいので、次にご紹介するアクセントカラーを加えましょう。
差し色にアクセントカラー
ベースは白を基調とした淡い色使いでまとめつつ、鮮やかな色またはパステルカラーのどちらかで効果的にアクセントをつけることで、より北欧インテリアらしさを演出できます。観葉植物の緑も、アクセントカラーとして有効的です。
ファブリックや小物に動物や植物のモチーフ
北欧インテリアをつくるのに欠かせないのが、花・鳥・動物などの自然をモチーフとしたデザインを取り入れること。北欧といえば名前があがるマリメッコ、ボラスコットン、アルテック、クリッパンなどのファブリックを使ったカーテンやクッション、壁紙などを取り入れると一気に北欧っぽさが増します。
一人暮らしで北欧インテリアを取り入れるコツ
住んでいるのが持ち家であれば、好みの壁紙に張り替えたり、床を白木のフローリングにしたりと自由にアレンジして、部屋を北欧風に変更することができます。しかし、賃貸物件の場合は退去時に原状回復する義務があるため、思いどおりに部屋の印象を変えることはできません。しかし、賃貸物件でも工夫次第で、今の部屋を北欧風に変更することができます。簡単にできて、原状回復可能な北欧風リメイクのコツをご紹介しましょう。
リメイクシートを活用する

賃貸住宅でも部屋のリフォームが楽しめる、壁紙シートやリメイクシートと呼ばれる商品があります。これは、壁やシステムキッチンなどに好みの色・柄のシートを貼って、イメージを変えることができる商品です。貼ってもきれいに剥がせるので、退去のときには簡単に原状回復できます。
耐熱性や防水性に優れた機能性が高いもの、さまざまな色やデザインのものが販売されているので、選んだ柄によって部屋の雰囲気をガラリと変えられます。北欧風にするなら、淡い色合いのものや、植物や動物をモチーフにした柄、タイル柄などを選ぶとよいでしょう。
ただし、貼って剥がせるタイプのものであっても粘着のりが残ってしまうもの、粘着力が強力すぎて剥がしづらいものもあります。できればサンプルを取り寄せるか、現物を小さくカットして目立たないところに貼り、数日後に剥がしてみるなどして試してみるとよいでしょう。
貼るだけで、大きく雰囲気を変えてくれるリメイクシート。しかし、凹凸のあるビニールクロスや壁などには不向きです。凹凸のないビニールクロス、ベニア合板、石膏ボードなどであれば、きれいに貼ることができます。
クッションフロアを敷く
床の色を変えたい場合は、クッションフロアを敷くことで簡単に解決できます。床にマスキングテープを貼ってから(両面テープを剥がしたときに元の床の表面まで剥がしてしまうことを防止するため)両面テープでクッションフロアを敷くタイプ、接地面が吸着素材になっていてそのまま敷いてもズレないタイプがあり、色や柄もさまざまです。リアルなフローリングの質感を感じたい人は、はめ込み式や置くだけタイプのフローリングもあります。
北欧風にするなら、白やオフホワイトの他、木の温かさを感じる木目柄もよいでしょう。クッションフロアを敷かない場合は、淡い色のラグを敷くのもおすすめです。
2×4(ツーバイフォー)材でラックをつくる

人気の2×4(ツーバイフォー)材を使った傷をつけないリフォームは、北欧風インテリアにも有効的です。なぜなら、2×4材に使われるSPF材は色が薄くて北欧風インテリアによく馴染むから。棚で大きな面を作って北欧雑貨を並べれば、カフェのような雰囲気を作ることができそうです。
穴が目立たないピンやフックを使用する
これは北欧インテリアに限ったことではありませんが、賃貸住宅をDIYするときは傷をつけないことが大前提です。例えば、北欧っぽい雰囲気の時計や絵などを白い壁に飾ればかなり北欧っぽい雰囲気になりますが、賃貸の壁に傷をつけてはいけない……。とはいえ、画鋲程度の穴であれば大丈夫です。
国土交通省の『原状回復をめぐるトラブルとガイドライン』によると、「壁等の画鋲、ピン等の穴(下地ボードの張替えは不要な程度のもの)」の修復については貸主の負担とされています。国の指針があるので、安心して使用できるでしょう。ただし、下地の石膏ボードにまで影響を及ぼすクギやネジはNG。画鋲程度の穴を目安に、傷が最小限で済むピンやフックを選んで使いましょう。
北欧インテリアで失敗しないためのコツ
部屋を北欧風にするコツについてご紹介しましたが、ディテールで失敗しないように以下についてもチェックしましょう。
照明をやわらかい色にする
蛍光灯の青い光よりも、電球色のような温かい灯りのほうが北欧インテリアによく馴染みます。もともと無機質なシーリングライトが付いている場合でも、中の電球を電球色に変えるだけで雰囲気を変えることができるでしょう。ただし、LEDタイプのシーリングライトは、電球のみ変更することができません。こだわりたい場合はシーリングライトを外してどこかに保管し、ペンダントライトに変更するか、シーリングライトを使わずに間接照明を取り入れるとよいでしょう。
北欧のインテリア・雑貨を取り入れる
北欧のデザイナーズ家具は高価格のものが多いので、予算的に厳しい方も多いかもしれません。しかし、印象的な雑貨を取り入れるだけでも、北欧の雰囲気を演出することができます。少しずつ買い足していけば、部屋を育てる楽しみもあります。
もちろんIKEAをはじめお手頃価格の北欧インテリア・雑貨を取り揃えたお店も今や多くあります。部屋の全体的な雰囲気に合うものをチョイスしましょう。

無機質なテイストを入れない
スチールのオフィスチェアやスチール棚など無機質で都会的なデザインのものが入ると、ナチュラルな雰囲気が崩れやすいものです。また、アンティークの和箪笥や濃い色の革張りのソファなど、重厚すぎるアイテムも北欧風の雰囲気には合いません。
北欧インテリアの一人暮らし事例を紹介!
おしゃれでこだわりのある部屋作りをご紹介する『こだわり部屋FILE 』から、一人暮らしで「北欧インテリア」を取り入れている方の実例をピックアップしました。ぜひ、実際のお部屋づくりの参考にしてみてくださいね。
手づくり家具に囲まれたシンプルROOM

白い壁に白い天井。大きなテーブルにも白いクロスを敷いて、部屋の中を占める白の面積が多く、モダンな椅子で鮮やかな赤をアクセントカラーに取り入れた北欧風インテリア。無機質になりがちなキッチン周りにも、木を取り入れてナチュラルにアレンジしています。また、自作した間接照明のほのかで暖かい灯りも、居心地のよさを重視した北欧の雰囲気を醸し出します。
こだわりの北欧雑貨で作るシンプル空間

部屋全体を淡い色、アースカラーでまとめたやさしい雰囲気の部屋。フィンランド生まれのムーミンの手ぬぐいポスター、スウェーデンの小さな村で創業したというIKEAの家具を取り入れるなど、北欧雑貨をポイントで使用することで北欧風のインテリアに仕上げています。
北欧風インテリア×ホワイトの心地良い空間

大型の家具はもちろん、テレビや鏡のフチまで白。ハンガーポールやチェストも白ですが、すこし黄色味を帯びたクリーム色をチョイスするなど、色味にグラデーションがあるところが部屋の雰囲気をやさしくしています。ポイントで飾られている小物やアートのポップな色味も、北欧風インテリアの気分を盛り上げてくれます。
ナチュラルな空気が流れるガーリーROOM

ミッドセンチュリーを代表するイームズチェアやイタリアのカルテルコンポニビリなど、ポイントになる家具も曲線を生かしたやわらかいイメージのものをチョイス。床の色もナチュラルカラーで、全体の雰囲気を明るくしています。
クリーンにまとめた 大人の北欧ROOM

壁、天井の三面が白、フローリングの上に敷いたラグとカーテンはペールグレーと淡い色味で統一された室内。青のソファ、大きく成長した観葉植物の緑が差し色になった、ナチュラルになりすぎない大人の北欧ルームです。
白のアイテムでまとめた北欧スタイルのシンプルROOM

真っ白な壁と天井はもちろん、掃き出し窓にかけられたカーテンとレースカーテン、掛け布団カバーも白と広い面がすべて白。次に、大きな面のラグとソファはニュアンス系のベージュを選び、すっきりとした清潔感の中に温かみも感じられます。天井から吊るしたモビールはフィンランド伝統のヒンメリ(himmeli)を選ぶなど、ディテールに伝統の北欧雑貨を取り入れるところが上級ポイントです。
まとめ
いかがでしたか? みんなが憧れるインテリアに、カフェっぽい雰囲気の北欧インテリアがあります。しかし、実際にどういうインテリアが北欧風なのか、どうすれば部屋を北欧風に変えられるのかわかりませんよね。北欧に住んでいる人の趣味も多様ですが、15時で空が暗くなる冬、家に帰れば明るい雰囲気で迎えられたいはず。そう考えると光を楽しめる、白が基調の明るくてくつろげる部屋が北欧風といえるでしょう。北欧雑貨やファブリックを取り入れると、北欧らしさはアップしますので試してみてください!
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