子ども部屋のレイアウトはどうする?広さ・年齢に応じた部屋づくりのポイント
そこで今回は、お子さんの成長に合わせた子ども部屋づくりのコツをご紹介します。
記事の目次
そもそも子ども部屋は必要?
年齢を重ねるうちに、ランドセル・教科書・制服など、お子さん自身のモノがかさむようになってきます。そうなると、リビングの収納だけでは足りなくなり、お子さん専用のスペースが必要になるでしょう。
また、人にはそれぞれ守りたいプライバシーがあり、もちろん家族間でも同じこと。お子さんも年齢とともに自我が芽生えてくるので、なるべく干渉されずに過ごせる空間がほしくなるのは当然です。
さらに、大人と子どもでは生活リズムにも若干の違いがあります。大人が起きている時間でも、静かにぐっすり眠れるスペースがあることは、子どもの成長のために重要です。
こうして考えると、住まいを選ぶ際には、子ども部屋を確保することも視野に入れて検討しておくのがおすすめです。
では、実際に子ども部屋をつくる場合には、何歳頃から考えておくべきなのでしょうか。
【アンケート】子ども部屋は何歳から与える?
子どもには何歳から部屋を与えるべきか、悩む人も多いでしょう。
そこで今回、お子さんがいる人に対し、「お子さまが何歳の時から子ども部屋を与えましたか?」と、アンケートを取りました。その結果がこちらです。
小学校入学時~小学生の間に子ども部屋を与えるご家庭が多いという結果でした。次いで、中学生になってからというご家庭も多いことから、やはり、勉強を集中しておこなえる環境を整えてあげたいと考える親御さんが多いようです。
その他、「自分の部屋が欲しいと言ってきたら」や、「家を建てた・引っ越したタイミングで」とのコメントも見られました。
子ども部屋を与えるメリット・デメリット
では、子ども部屋をつくることで、具体的にどのような影響があるのか、以下からメリットとデメリットに分けて見ていきましょう。
子ども部屋のメリット
子ども自身のプライベート空間を確保することで、自分で自由に過ごせると同時に、スペースをいかにうまく活用できるか自ら考える力を養えます。例えば収納なら、どこに何があると使いやすいのか、自分で工夫することが可能。自ら柔軟に使える子ども部屋を与えることで、自己管理能力や自立心も育っていきます。
さらに、お子さんの荷物が子ども部屋に集められるため、リビングも散らかりにくくなるでしょう。また、受験などの際にも、個室があれば家でも勉強に集中しやすくなるなど、さまざまなメリットがあります。
子ども部屋のデメリット
子ども部屋に自分の好きなおもちゃやグッズが集まっていると、どうしても個室にいる時間が長くなり、親の目が届きにくくなる一面も。ある程度の年齢になっていれば、さほど問題ないかもしれませんが、まだ親が見ていないと心配な年ごろには注意が必要です。また、「個室があることで家族団らんの時間が減ってしまいそう」などの不安がある場合には、みんなで過ごせるタイミングをつくるなどの工夫をするとよいでしょう。
子ども部屋づくりのポイントと注意点
今後長く使いやすい空間にするためにも、以下の点も考慮して、子ども部屋をつくっていくとよいでしょう。
家具は成長を想定して選ぶ
高校生や大学生などの青年期を迎えても使いやすい部屋を考えるなら、家具のサイズやデザインも、先を見据えたものを選ぶのがおすすめです。
例えばキッズ用のデスクやベッドなどは、見た目もかわいらしいですが、すぐに体格に合わなくなってしまう可能性も。また、デザインもなるべくシンプルなほうが、年齢を重ねてからも活用しやすく、将来的に買い替えの必要もなく便利です。
収納は片付けやすさを重視する
なるべく簡単に整理整頓ができるようにしておくと、お子さん自身で片付ける意欲にもつながりやすく、部屋もキレイに保てます。
どこに何があるかわからないような、雑然とした部屋では、出かける前の支度にも時間がかかってしまいます。他にも、部屋が片付いていないと、ゴミが溜まって虫が出る・ごちゃごちゃしていて勉強に集中できない、といった悪影響になる可能性も。
片づけやすい子ども部屋の収納のポイントについては、後ほど詳しくご紹介します。
勉強に集中できるレイアウトにする
家具の配置を考える際には、学習机の置き場を中心に考えていくと、きちんと勉強に集中しやすい部屋にできます。
学習机は、余計なものが目に入らないように、部屋の角で壁付けにするのがおすすめ。学習机のそばには、本や教材などの収納スペースがあると勉強に使いやすいでしょう。
また、ベッドは学習机の近くにないほうが、途中でゴロゴロしてしまうなど、集中力が途切れることも防ぐことが可能。
さらに、集中力が高まるように、学習机周辺は寒色系の配色や照明などにしておくのも効果的です。
子ども部屋までの動線に気を付ける
子ども部屋の場所が、家族の目が届きにくい位置にある間取りになっていると、特に自立心が強くなる思春期などは、コミュニケーション不足になる可能性があります。
例えば玄関からリビングを通らずに、子ども部屋に直行できる動線になっていると、家を出入りする様子がわかりにくく心配です。
できるだけ子ども部屋は、リビングに近い場所にある個室にしておくと、家族とのふれあいもしやすく安心できます。
部屋の使い方についてルールを決めておく
まだ自己管理能力が備わっていないうちは、大まかにルールを決めておくのもいいかもしれません。例えば、ゲームは○時間まで・掃除は週1回自分でするなど。もし「カギがほしい」となった場合も、親もスペアキーを持っておく・無断では入らない・食事はリビングでとるなど、お互いに安心できる使い方をきちんと決めておくとよいでしょう。しっかりと自分で考えて自制できるようになるまでは、親が見守りできる状態にしておくとよいですね。
【パターン別】子ども部屋レイアウトのポイント
子ども部屋のレイアウトは、広さ・年齢・使用方法を考えながら決めていくと、お子さんにとってもより快適な空間づくりができます。
次からは具体的に、取り入れたい家具や配置方法のコツなどを詳しく解説していきます。
部屋の広さに応じたレイアウトのポイント
子ども部屋のレイアウトは、部屋の面積によっても大きく変わります。では、広さごとに、何に気を付けるべきなのか、以下から見ていきましょう。
5畳未満の部屋
5畳未満の部屋は、部屋自体の面積が限られているので、家具類はなるべく最小限にするのがおすすめです。例えばベッドはやめて布団にする、家族の収納を1カ所に集めたファミリークローゼットにする、ロフトベッドやシステムベッドでデッドスペースを減らすなど。その他にも、リビング学習にして子ども部屋のデスクを省いたり、壁面収納で空間を有効活用したり、なるべく広くスペースが使える工夫が必要です。
5畳~6畳の部屋
5~6畳あれば、一般的な一人暮らし用の部屋程度の広さであるため、ある程度のスペースは確保できます。学習机とベッドを置いても比較的ゆとりはありますし、その他の収納家具なども背の低いタイプでそろえると、より広々見えます。もし荷物が多い場合には、収納付きのチェストベッドを使う方法もよいでしょう。
また、複数の家具が置ける分、それぞれの配置には工夫が必要。窓・エアコン・出入口などの位置も考慮しながら、どうすれば動線が確保できて過ごしやすいのか、しっかりとイメージしてレイアウトしていきます。
7畳以上の部屋
7畳以上の部屋は、子ども1人で使うには非常にゆとりのある部屋なので、ソファやテレビなどのリビング用品があっても余裕ですし、学習机以外にもお友達が遊びに来る用のテーブルなども置けます。もし子ども1人で使用するのであれば、部屋の一角を趣味スペースにするなど、こだわりの空間にするのもいいかもしれません。
または、きょうだいで部屋を共有したり、これから子どもが増えたりする可能性があるなら、部屋の仕切りができるように考えておきましょう。
きょうだいで部屋を共有する場合のレイアウトのポイントは、後ほど詳しくご紹介します。
年齢別のレイアウトのポイント
お子さんの年齢によっても、部屋のつくり方には違いがあります。子どもの時期ごとに、部屋ではどう過ごすのかイメージしながらレイアウトしていきましょう。
乳幼児期
乳幼児期は、お子さんが室内でも思う存分に遊べるように、おもちゃを広げられるようなスペースを広く取るとよいでしょう。また、滑ったり転んでケガをしたりも防げるように、ラグやプレイマットを敷いておきましょう。
その他にも、荷物が上から落ちてきたり倒れたりしない収納や、角のない家具など、安全面には十分に配慮します。
さらに、子どもの手に届きやすい高さの棚や、簡単に出し入れできるカラーボックスなど、さっと片付けがしやすいようにしておくのがおすすめ。「○○は青の箱に入れよう」というように、子どもが収納場所を覚えやすい仕組みにしておくと、自分から整理整頓する習慣も身につきやすくなります。
小学生
小学生になると、学校から宿題が出たりテストがあったりするので、勉強場所をきっちり確保することが大切です。例えば、おもちゃは取り出しにくい収納の奥に片付けたり、テレビやタブレットはリビングだけに設置するようにするなど。また、子ども部屋を学習メインのスペースにするなら、マンガは別の書斎スペースにしまう・ゲームは親の目が届く場所に収納するなど、気が散らないための工夫をするのがおすすめです。
思春期
思春期になると、子どもはだんだん自立して反抗期にも入ってくるので、部屋のレイアウトは、基本的にお子さん自身に任せましょう。本人のこだわりも強くなってくるため、自分自身で部屋の使い方は考えてもらい、掃除や片付けなどは様子見くらいでもいいかもしれません。
また、思春期のお子さんは、「なかなか親を部屋に入れさせてくれない」など、難しい時期でもあります。だからこそ、外出時は声をかける・ご飯はリビングで食べるなど、家で過ごす際の約束事はよく話し合っておくとベストです。
きょうだいで部屋を共有する場合のレイアウトのポイント
もしきょうだいで同部屋にするなら、お互いのプライバシーを守れるように、それぞれの個別スペースの確保が欠かせません。次のような部分を意識したレイアウトにするとよいでしょう。
プライベートスペースを確保する
子どもたちは、小さいうちは気にならなくても、成長するにつれてお互いに自分だけのスペースがほしくなります。顔を合わせると喧嘩するなど、仲がこじれてしまう時期もあるかもしれません。なるべくいい距離感を保てるように、それぞれに個別の空間があると認識できる部屋づくりをするのがおすすめ。
例えば各自のロフトベッドを用意して、ベッド下を個々のプライベート空間にするなど。なかにはカーテン付きのタイプもあるので、それぞれのスペースを目隠しする工夫もできるとベストです。
収納を工夫する
収納は、きょうだいで個別に分けてあったほうが使いやすくておすすめです。荷物が混ざってしまうと揉め事の原因にもなりかねませんし、お互いにこだわりも違うので、整理整頓もしづらくなってしまいます。それぞれにラックやチェストを用意するなど、きっちり分けられるようにしましょう。
もし収納が足りないようなら、ファミリークローゼットや親の寝室を使うなど、家族全員で使いやすい共有空間を利用するのもいいかもしれません。
家具で部屋を仕切る
部屋の面積が広くて分けられそうなら、きょうだいで空間を分断させる仕切りをつくる方法もあります。
例えば2段ベッドを使用する場合、各サイドに互い違いのパネルが付いたタイプにすると、部屋の仕切りにもなりおすすめ。それを部屋の中央に置けば目隠しにでき、左右の空いたスペースをそれぞれの個別空間にできます。
その他にも、部屋の中央にハンガーラックやオープンシェルフなど大きめの収納を配置する、カーテンやパーテーションを取り付けるなどの工夫も可能。学習机を向かい合わせに置いて、仕切り代わりにするといった方法もあります。
両親の声から考える、理想的な子ども部屋の収納は?
お子さんがいる人に対し、「子ども部屋で困っていることはなんですか?」とアンケートを取りました。その結果がこちらです。
子ども部屋で困っていること | 回答人数 |
---|---|
部屋が汚い、すぐに散らかる | 96 |
子どもが自分で掃除・片づけをしない | 53 |
収納場所が少ない、物が多い | 30 |
部屋数が足りない | 19 |
狭い | 19 |
空調 | 8 |
子どもが部屋にこもる | 7 |
成長に応じた対応 | 5 |
その他 | 37 |
回答サンプル数:274(複数回答可)
ほとんどの人が、掃除や収納のことで困っているとの結果に。そこで、子ども部屋が片付く収納のコツを紹介します。
収納は子どもの目線に合わせてシンプルに
そもそも収納が不便だと、荷物の出し入れが面倒に感じやすく、どんどん散らかってしまいます。子ども部屋の収納は、なるべくわかりやすく、そして手の届きやすいようにしておくのがおすすめ。特にお子さんが小さいうちは、見た目のおしゃれさよりも、箱にどんどん入れていくだけなどのシンプルなタイプのほうが使いやすいでしょう。
物の定位置を決める
片付けの方法はルール化しておくと、お子さんにとっても覚えやすく、スムーズに整理整頓もできます。自分でどこに何があるか理解しておけば、出かける前の支度なども、自ら進んでしやすくなるでしょう。
例えばぬいぐるみ・ゲーム・本・洋服というように、各収納場所を色分けしたりマーク付けしたりしてカテゴライズしておくなど。「これはどこだったかな?」とお子さんに聞きながら一緒に片付けをしていくうちに、自分から収納できるようにもなります。
学校で使うものは1カ所にまとめる
学校用品などの毎日使うものは、例えばカゴ付きのハンガーラックやポールハンガーなど、出し入れしやすい収納で1カ所に集めておくと便利です。
冬場なら、コートをいちいちクローゼットにしまうのも手間なので、さっとハンガーにかけるだけのほうが準備もラクでしょう。なるべく簡単に収納できることを意識するのが、キレイを維持するためのコツです。
工夫を凝らした、使いやすい子ども部屋の事例
ここからは、子どもと過ごしやすい部屋に工夫した実際の例をご紹介。いずれも家族とのふれあいを重視した工夫をしているので、ぜひ参考にしてみてください。
家族収納を活用
ウォークインクローゼットによる家族収納や、リビングの家族本棚を活用し、広々とみんなで過ごしやすいリビングと子ども部屋を確保している事例です。
各居室のドアをなくして、廊下側に袖壁をつくることで、外からの採光がしやすい明るい空間を演出。子ども部屋では2段ベッドやロフトなど、縦の空間を有効活用し、きょうだい全員で1つの部屋を使えるようにしています。室内の各所に窓があって顔も合わせやすく、また家族の共有スペースを多めに取ることで、お互いにふれあいやすい住まいになっているのが特徴です。
父と息子、母と娘で空間を共有
こちらは、親のワークスペースと子ども部屋を共有にしたことで、柔軟に空間を活用できる住宅になっています。
母と父それぞれで仕事部屋をつくり、母側には娘、父側には息子の勉強スペースも併設。さらにこの仕事部屋それぞれにロフトを設けたことで、屋根裏に子どもたち各自が個室として使える空間も確保しています。親子で一緒に作業に取り組むことも、家族全員が独立した部屋で過ごすことも両立しており、バランスよくコミュニケーションもできる点が魅力です。
リビングの一角に子どもスペースを用意
こちらでは、リビングダイニングの一角に子どものスペースをつくっているのが特徴です。
元々の押し入れを活用し、半分は学習机として、残りは収納に使用。襖(ふすま)をあえて取り除き、奥まったスペースを子どもたちが使いやすいようにアレンジし、空間を広く確保しています。
また、押し入れの上段と下段にポールを設置し、下段には洋服をハンガーで掛けて、子どもたちが自分で服を選べるようにしているのもポイントです。
子ども部屋に関するよくある質問
子ども部屋の広さは一般的に何畳くらい?
物件にもよりますが、5畳~7畳程度が一般的です。もし子ども1人で使うなら、6畳ほどあれば、学習机やベッドを置いても比較的余裕はあります。7畳以上になると、1人分の子ども部屋としてはかなり広めです。
子育てに最適な間取りについては、以下の記事を参考にしてみてくださいね。
子ども2人で部屋を使う場合、どのくらいの広さが必要?
少なくとも1人あたり4畳分のスペースは確保できるとよいので、8畳以上はあるのがベストです。8畳あれば、子どもそれぞれの学習机やベッドも置けて、家具などで仕切りを設けて各自の個別スペースもつくれます。
おしゃれな子ども部屋にするには?
インテリアの基本として、使用する家具の材質や色合いなどを統一させると、センスのあるおしゃれな空間にできます。子どもの好みにも合わせながら、例えばナチュラル系やマリン系など、テーマを決めてインテリアをそろえていくのがおすすめです。
まとめ
お子さんの成長を考えた時、自分の時間に集中できる子ども部屋をつくってあげたいと思う親御さんは多いでしょう。ただし、家族とのコミュニケーションも十分にできるように、個室にこもりっきりにならないための工夫も欠かせません。また、子ども部屋にする居室の広さや年齢に合わせて、家具の配置や収納方法などは、お子さんが過ごしやすいように工夫することが大切。さらに、きょうだい同室にするのであれば、お互いのプライバシーが確保できるように、空間の使い方にも配慮しましょう。
しかし、実際に子ども部屋を使うのはお子さんなので、親が勝手に決めてしまうのではなく、ある程度の年齢ならお子さんの意見も聞きながら空間づくりをしていくのがベストです。ぜひ本記事も参考にしながら、素敵な子ども部屋にしていきましょう。
<アンケート概要>
「子ども部屋に関するアンケート」
調査方法:インターネットリサーチ
回答サンプル数:本文内に記載
対象:10代~80代男女(全国)
調査時期:2023年7月
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