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アメリカンインテリアとは?特徴や部屋づくりのポイント、実例も紹介

アメリカンインテリアの作り方とは?
古いハリウッド映画のなかに入ったような雰囲気が楽しめる、どこかレトロで個性な印象にできるアメリカンインテリア。さまざまな文化が入り交ざった歴史や土地柄もあり、アメリカならではの独特のムード感があるのも魅力のひとつです。

そこで本記事では、アメリカンインテリアによるおしゃれな部屋づくりの方法を徹底解説!センスのある部屋にしたい場合には、ぜひチェックしてみてくださいね。

記事の目次

アメリカンインテリアとは?

「アメリカン」とは、和訳して「アメリカ合衆国風の~」という意味があります。このことから、「アメリカンインテリア」とは、まさしくアメリカに倣ったスタイルの内装や家具などを指す言葉です。かつてアメリカは西洋諸国の植民地だった背景もあり、ヨーロッパ各地のさまざまな建築様式が取り入れられてきました。その後アメリカ合衆国として独立し、西部開拓が進んだ19世紀後期頃から、独自のアメリカンインテリアを確立していきます。こうした欧州のあらゆるカルチャーを吸収して誕生したのが、アメリカンインテリアです。

アメリカンインテリアの特徴

今までにも出てきているように、アメリカンインテリアのルーツは、17世紀から19世紀のヨーロッパ式の建築にあります。特にこうした初期頃のテイストはアーリーアメリカンとも呼ばれており、元々は欧風カントリーのような雰囲気でした。そこから少しずつアメリカ流に派生したのがアメリカンインテリアで、次のような特徴があります。

歴史がある

アメリカはイギリスやフランスなどの植民地だったことから、ヨーロッパの建築物やインテリアの様式を取り入れていきましたが、アーリーアメリカンは、植民地時代の「コロニアル(植民地)様式」と、独立後の「フェデラル(連邦)様式」の大きく2つに分かれます。

コロニアル様式

兵庫県神戸市にある「神戸北野異人館街」など日本にも多くのコロニアル様式洋館があります

コロニアル様式とは、主にイギリス・スペイン・イタリア・フランス・ドイツなどの西洋列強国による建築様式をもとにしたスタイルです。基本的には実用的で簡素なデザインが多いですが、猫脚といったヨーロッパのクラシカルな装飾も部分的に施されています。

フェデラル(連邦)様式

フェデラル様式の代表的な建物といえば、アメリカのホワイトハウス。近年日本でも人気のスタイルです

フェデラル様式とは、アメリカの連邦制ができた時代に、コロニアル様式からの脱却を目指して確立されたスタイルです。コロニアル様式に似た部分もありますが、特にインテリアは直線的なデザインがベースとなり、より細やかな装飾がされたのも特徴。またガラスや革など、重厚感にある素材も使われるようになりました。

かっこいい

アメリカンインテリアでは、アメリカならではの自由な気風がデザインにも反映されています。やわらかく温かみのあるテイストというよりは、明るく重厚的で、スタイリッシュにまとまりやすいのもアメリカンインテリアの特徴です。

お店のような雰囲気

カフェや古着ショップのような、都会的でハイセンスな雰囲気がつくりやすい特徴もあります。ヨーロッパからの独立や開拓を目指した歴史があるからこそ、大胆で個性的なデザイン性が強く、お店のようにクールなイメージに仕上がりやすいのが魅力です。

ダイナーや、ヴィンテージ、ポップなどさまざまなテイストがある

アメリカンインテリアは、数々のスタイルが混ざり合ってできたものなので、テイストにも幅広い種類があります。例えば前述にもあるカントリー調のアーリーアメリカンをはじめ、ダイナー・ヴィンテージ・西海岸・モダン・レトロポップなど。どれもおしゃれに決まりやすいですよ。

アメリカンインテリアをつくる3つのポイント

ではアメリカンインテリアを代表するテイストでもある、特に人気のダイナーやヴィンテージスタイルを取り入れる場合のコツをご紹介します。

アメリカンダイナーをつくるポイント

アメリカンダイナーとは、ハンバーガーやサンドウィッチなどの比較的安価なメニューを提供する、アメリカの伝統的な大衆食堂を指します。全体的に派手でポップなデザイン性に特徴があり、にぎやかな雰囲気にできるのが魅力です。

     赤や黄色などビビッドカラーを大胆に取り入れることがポイントです!「ハッテミー・ リメイクシート すっきりタイルポップ」(出典:壁紙屋本舗)

素材はプラスチックやレザー

プラスチックやレザーのアイテムを使っていくと、1940年代~1960年代のアメリカのような、どこかミッドセンチュリーの雰囲気が出せます。当時よく使用された素材感を取り入れることで、古きよき時代のおしゃれな印象にできます。

配色はビビッドカラーやネオンカラー

アメリカンダイナーでは、カラフルで個性的な家具や小物が多く取り入れられています。パッと目を引くような原色や蛍光色を使うのが、アメリカンダイナーの雰囲気を出すためのコツ。例えば椅子なら、赤や黄色などのプラスチック製や革製にすると、かなりポップに仕上がります。

床は、白と黒のチェック柄

床が白黒の正方形の格子模様になっているのも、古いアメリカンダイナーの定番スタイル。当時のロカビリーテイストをまさに表したインテリアのひとつです。ハードルが高そうにも見えますが、モノトーンで部屋が引き締まって見えやすく、センスのある印象にできますよ。

ネオンサインやブリキの看板

アメリカンダイナーでは、店内に目立つネオンサインやブリキの看板を飾るのも王道のパターンです。例えば壁や床に、ポップアート調などの看板をいくつか置くだけでも、かなりアメリカンダイナー風のおしゃれな雰囲気が出せます。

ヴィンテージアメリカンを作るポイント

ヴィンテージアメリカンとは、年代物の古い家具などを取り入れたスタイルです。何年も使い込まれたような、くすみ感のあるアイテムをあえて使うことで、独特の味わいを出す特徴があります。

ヴィンテージアメリカンは、アメリカンダイナーとはうって変わって落ち着いた色合いで大人っぽい印象です「ブランド『NU WALLPAPER』ブリック・ミックスブラウン428063」(出典:壁紙屋本舗)

素材はウッドやレザー

古びたような革や塗装の剥がれたような木材など、素材感が出やすいアイテムを使っていくと、ヴィンテージ感のあるスモーキーな雰囲気が出せます。家具や床材などは、ラフで自然な見た目のものを使っていくのがおすすめです。

配色はダークブラウンやインディゴブルー

全体的に落ち着いたトーンでまとめていくと、重厚感のあるヴィンテージらしい印象にできます。アイボリーやベージュなどの明るい淡色系よりも、深みのある色合いをメインに使ったほうが、ヴィンテージならではの大人でシックな雰囲気につながりやすくなります。

壁は古木やレンガ

壁は部屋の雰囲気を大きく左右しやすく、むき出し感のある古木やレンガを取り入れていくと、かなりヴィンテージっぽさが増します。壁の一部に使うだけでも、おしゃれなカフェのような雰囲気にできますよ。

ファブリックはデニムやネイティブ柄

アメリカンヴィンテージといえば、まさにアメリカから一気に広まったデニムを使うのも定番のスタイルです。またネイティブ柄も、アメリカ先住民族から発祥した伝統的なデザインで、ヴィンテージ感が出やすいアイテムでもあります。クッションやラグなどの布製品に取り入れていくのがおすすめです。

賃貸でアメリカンインテリアを取り入れるコツ

戸建や分譲マンションなどのマイホームであれば、例えば床材や壁紙を張り替えるなど、自由にリフォームしながらインテリアが楽しめます。しかし原状回復義務のある賃貸物件の場合、退去時には元の状態に戻さなければならず、「自分の好きにアレンジするのは難しい」と感じている方も多いでしょう。

ですが最近では、自分で部屋をコーディネートするDIYが流行っていることもあり、賃貸物件でも使いやすい便利なアレンジグッズがいくつも出ています。そこで、賃貸物件でも自分らしいインテリアにする、ちょっとしたワザをご紹介していきます。

リメイクシートを活用する

壁紙のうえから貼って剥がせる、豊富なデザイン性のリメイクシートが数多く市販されています。例えばキッチンやリビングの一部など、全面でなくても部分的にリメイクシートを使うことで、ガラリと部屋の印象を変えることが可能。特にアメリカンダイナーなら無地のビビットカラー、アメリカンヴィンテージならレンガや木目というように活用すると、グッとおしゃれ感が増します。

とはいえ貼って剥がせるといっても、メーカーごとに糊の強度なども違うため、場合によっては跡が残ってしまうケースも。あらかじめ目立たない場所で数日試してみる・口コミまで確認するといった、十分な事前チェックもしておくとベターです。

クッションフロアを敷く

床を変えるだけで雰囲気がガラリと変わります「チェッカー SCF-9551」(出典:壁紙屋本舗)

フローリングのうえから敷けるクッションフロアを活用すれば、例えばアメリカンダイナーのチェック柄も手軽に再現できます。またクッションフロアは、両面テープとマスキングテープで貼り付けたり、接地面が吸着素材になっていたりと、その種類はさまざま。デザインも考慮しつつ、より使いやすいものを選んでいきましょう。

2×4(ツーバイフォー)材でラックをつくる

2×4(ツーバイフォー)材を使えば、突っ張り棒のような仕組みで壁面収納を設置できます。壁ラック専用の商品もあるので、それらを利用すれば、壁を傷付けずに飾り棚を取り付けることも可能。例えばアメリカンインテリアを演出する、コーラのビンやファイヤーキングのマグカップなど。おしゃれな小物を飾って、スペースをうまく活用しながらインテリアが楽しめますよ。

穴が目立たないピンやフックを使用する

例えば時計・写真・ポスターなど、直接壁にかけて飾りたい場合には、穴の目立たないピンやフックを使うのがおすすめです。特にアメリカンインテリアでは、ブリキなどの看板を壁にずらっと飾るのも定番。穴の目立たないピンやフックなら、取り外した跡が残りにくく、賃貸でも安心して利用できます。

アメリカンインテリアで失敗しないためのコツ

実際にアメリカンインテリアを取り入れる際には、次のような点にも注意しておくとよりスマートな部屋づくりができます。以下のポイントにも気をつけながら、おしゃれに仕上げていきましょう。

色を使いすぎない

特にアメリカンダイナーのテイストでは、カラフルでポップな色使いをしていきます。とはいえ色数を使用しすぎると、がちゃがちゃとした落ち着かない空間になってしまう可能性も。もちろん故意的に、おもちゃ箱のようなイメージでデザインするのもテクニックではありますが、かなり個性派になるため難易度は高め。なるべく3色程度に収めたほうが、すっきりとまとまりやすくなります。

抜け感を意識する

アメリカンヴィンテージの場合、全体的に重い暗めのトーンになりがちなので、抜け感を取り入れていくことも大切です。例えばやわらかい明かりの間接照明や、観葉植物を置くなど。また明るめの色合いのファブリック製品を使うのも、抜け感をつくるテクニックのひとつです。

お金をかけすぎない

アメリカンインテリアに使いやすい、1950年~1970年代にアメリカで製造されたアンティーク家具や小物などは、希少価値が高いものが大半です。インテリアとしてはかなりおしゃれですが、本格的にそろえようと思うと、それなりのお金がかかるので要注意。家具だけで予算オーバーになってしまう可能性もあるので、きちんとバランスを考えて取り入れていくのが無難でしょう。

アメリカンインテリアの事例を紹介!

おしゃれでこだわりのある部屋作りを紹介する『こだわり部屋FILE』から、「アメリカンインテリア」の実例を紹介いたします。実際のお部屋づくりの参考にしてみてくださいね。

カラフルに囲まれる アメリカンポップROOM

拓也さんのお部屋「カラフルに囲まれる アメリカンポップROOM

こちらは、カラフルな小物にあふれた、レトロポップ感満載のアメリカンインテリアです。アメリカのクリエイターであるエド・ロスが手がけた、ラット・フィンクの大きなフィギュアをはじめ、信号機や三角旗などのユニークなアイテムが多数。アメリカンダイナー風の個性派な部屋に仕上がっています。

猫と暮らすアメリカンなアンティーク部屋

直貴さんのお部屋「猫と暮らすアメリカンなアンティーク部屋

こちらは、爽やかな西海岸の雰囲気も漂うアメリカンインテリアの部屋です。レンガ調の壁やダークトーンの家具など、ヴィンテージ風のアイテムをうまく取り入れているのが特徴。またアンティーク感にあふれる時計をはじめとした壁装飾も、アメリカンインテリアのおしゃれな空気感につながっています。

アメリカン雑貨で作る 外国ロッジ風空間

ゆあサーマンさんとはぐちゃんさんのお部屋「アメリカン雑貨で作る 外国ロッジ風空間

こちらは、壁をたっぷり使った装飾や大きな星条旗のソファーラグなど、大胆なアイテム使いが特徴的なアメリカンインテリアの部屋です。ウッド調やアイアンの家具からは、ヴィンテージの雰囲気が漂っているのも魅力的。また個性的な照明や明るめのサイドボードで、抜け感をうまく出しています。

サーフアイテムで作る ワイルドな アメリカン部屋

ひろさんのお部屋「サーフアイテムで作る ワイルドな アメリカン部屋

こちらは、インパクトのある壁の装飾や見せる収納で、武骨で男前な仕上がりになっているアメリカンインテリアの部屋です。ベッド・カーテン・家具など、全体をダークトーンにまとめてヴィンテージ感を出しているのも大きな特徴。大きな星条旗からも、アメリカンな雰囲気が漂っています。

住みやすさを追求した アメリカンスタイル

こちらは、明るく開放感のある、カントリー×ヴィンテージな雰囲気が漂う部屋です。壁やベッドなど、くすみ感のあるウッド調を取り入れつつも、全体は淡い色合いにそろえているのが特徴。またネイティブ柄やアイアン家具もうまく使うことで、しっかりと抜け感のあるアメリカンインテリアになっています。

アメカジ×DIYでつくるコンパクトな趣味空間

こちらは、ダークブラウンのアイテムを活用した、ヴィンテージ感のあるアメリカインテリアになっています。ベッドにはネイティブ柄を取り入れ、壁面は観葉植物・雑誌・マグカップなどのおしゃれなアイテムで装飾。大きなE.T.のマスコットも、いいアクセントになっています。

まとめ

いかがでしたか?
アメリカンインテリアでは、アメリカ独特の文化がつくられてきた背景もあり、自由の国らしいスタイリッシュな雰囲気を出せるのが魅力。また、ブリキ看板を置いたりファブリックを変えたり、壁紙や小物を工夫するだけでも、アメリカンテイスト感を加えられる特徴もあります。ぜひ今回の記事も参考に、個性を活かした部屋づくりをしてみてくださいね。

執筆者

たけなつ

2019年よりフリーで活動しているWebライター。
広告会社でのコピーライターを経て、現在は幅広いジャンルのコラム記事などを執筆。 愛知・東京・北海道と各地を渡り歩き、19歳からの10年で7回引越しを繰り返す好奇心旺盛人。

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