不動産投資セミナーは怪しい?信頼できるセミナーを見極めるポイントを徹底解説

本記事では、怪しい不動産投資セミナーの特徴や信頼できるセミナーを見極めるポイントを解説します。不動産投資セミナー選びに迷われている方は、ぜひご参考ください。
記事の目次
不動産投資セミナーに参加するメリット

不動産投資セミナーに参加すると、さまざまなメリットがあります。有意義なセミナーにするために、参加するメリットをあらかじめ把握しておきましょう。
不動産投資の基礎知識が学べる
不動産投資セミナーに参加するメリットの一つは、不動産投資の基礎知識が学べることです。不動産投資で収益を上げるためには、専門的な知識や経験が必要となります。セミナーでは、専門家から不動産投資の仕組みや投資物件選びのポイントなどを学ぶことができます。
専門家に直接質問ができる
専門家に直接質問ができることも、不動産投資セミナーに参加するメリットの一つです。先述したように、不動産投資では税金や法律など、専門的な知識が必要となります。書籍やインターネットからの情報では、理解できない部分も出てくるでしょう。セミナーで直接専門家に質問することで、疑問点を解消し、より深い理解を得ることができます。
なかには、セミナーのあとに個別相談会を開催している場合もあります。セミナーに参加する前に、疑問点や不明点をまとめておくと、より有意義な時間にできるでしょう。
投資家同士の交流ができる
不動産投資セミナーは投資家同士が交流できる貴重な機会となることも、参加するメリットです。経験豊富な投資家から、具体的なノウハウを学べるでしょう。また、投資家同士で人脈を築くことにより、不動産会社や税理士など新たなパートナーが見つかる可能性もあります。セミナーは知識を得るだけでなく、人脈を広げる機会ととらえ、積極的に交流をしましょう。
最新情報を入手できる
不動産投資セミナーに参加することで、最新情報を入手できます。セミナーでは、不動産投資の専門家が最新の市場動向や税制改正などを解説してくれます。インターネットの場合、検索エンジンで上位に表示されている情報が最新のものとは限りません。不動産市場は常に変化しているため、最新の動向を把握すれば、より的確な投資判断ができるでしょう。
未公開物件の情報を入手できる
不動産投資セミナーに参加すると、未公開物件の情報を入手できることもメリットの一つです。すべてのセミナーではありませんが、一部のセミナーでは参加者への特典として、未公開物件の情報が提供されることがあります。未公開物件は一般に公開されていないため、競合が少なく、よりいい条件で投資物件を購入できるチャンスとなります。ただし、未公開物件は一般に公開されていない分、情報が少ない可能性や優良ではない物件の場合も。リスクも考慮したうえで、慎重に判断しましょう。
怪しい不動産投資セミナーの特徴

貴重な時間を割いて不動産投資セミナーに参加するのであれば、怪しいセミナーには引っかかりたくないものです。本章では、怪しい不動産投資セミナーの特徴を解説します。セミナーに参加する前、もしくはあとに、当てはまっていないか事前に確認しておきましょう。
有料コミュニティの入会金が高い
有料コミュニティの入会金が高いセミナーには気を付けましょう。「入会された方には、特別な物件を紹介します」など、言葉巧みに有料コミュニティへ勧誘するセミナーもあるようです。なかには高額な入会金と引き換えに、特定の不動産会社からしか投資物件を購入できないような契約を結ばされるケースも。このようなケースでは、自分の意思で投資物件を選べず、不利益を被る可能性があります。その場では入会せず、冷静な状態で判断するようにしましょう。
節税対策になることを強調する
節税対策になることを強調するセミナーにも注意が必要です。不動産投資は、減価償却や損益通算により、節税効果が期待できる側面もありますが、その効果は限定的なものです。
例えば、損益通算は不動産投資による所得が赤字の場合に、給与所得や事業所得などの所得と合算します。すると課税所得が減り、納める税金が少なくなるというもの。つまり、不動産所得が赤字でなければ、節税効果はありません。そのため、節税効果を過度に強調したり、それだけを目的にするようなセミナーには気を付けましょう。節税効果があることを謳い、相場より高額な投資物件を購入させようとすることがあります。
頭金なしのフルローンを謳っている
頭金なしのフルローンを謳っている不動産投資セミナーにも、注意しましょう。頭金なしのフルローンで不動産投資をおこなうことは可能です。しかし、頭金がない分、借入金額が高額に。借入金額が高額になると不動産投資ローンの返済額も増えるため、空室が出たり、家賃が滞納されたりした場合に、ローンを返済できなくなる可能性が高くなります。リスクを説明することなく、頭金なしのフルローンを謳うのは無責任でしょう。
また、なかには「自己資金ゼロ」を謳う不動産投資セミナーもあります。不動産投資を始める際には、投資物件の購入価格以外にも、不動産取得税や不動産投資ローンの事務手数料などの諸費用がかかります。投資物件を購入したあとも、修繕費や税金など、維持費用が必要。つまり、自己資金ゼロで不動産投資をおこなうことは不可能であることから、そのようなことを謳う不動産投資セミナーは、裏がある可能性があります。「頭金なしのフルローン」や「自己資金ゼロ」を謳うセミナーには気を付けましょう。
セミナー講師の実績がわからない
不動産投資セミナーの講師の実績がわからない場合にも注意しましょう。講師の実績がわからないセミナーは、内容の信頼性が低い可能性があります。例えば、不動産投資の難しさやリスクを十分に説明せず、楽に大きな収益を得られるかのように説明する場合は注意が必要です。また、特定の不動産会社の投資物件を販売することが目的のセミナーであるケースも。実際に不動産投資の経験がある講師であれば、豊富な知識と実績に基づいた、具体的なアドバイスをしてくれるでしょう。
サブリース契約の勧誘をする
サブリース契約の勧誘をする不動産投資セミナーにも、注意が必要です。サブリース契約とは、投資家が購入した投資物件を、サブリース会社が借り上げ、入居者に貸し出すというもの。入居者の契約や建物の管理などはサブリース会社がおこなうため、投資家には手間がかからないというメリットがあります。
しかし、契約をすると投資家側から解約することが難しくなります。メリットはありますが、デメリットも大きいため、慎重な判断が求められます。そのため、サブリース契約を勧めてくるようなセミナーには気を付けたほうがいいでしょう。

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二重契約の勧誘をする
二重契約を勧誘するような不動産投資セミナーにも、注意しましょう。二重契約とは、投資物件の売買契約書とは別に、金融機関に提出するための契約書を作成し、実際の売買代金よりも高い金額を記載して融資を受けるというものです。
金融機関に対して虚偽の申告をすると、詐欺罪に問われる可能性があります。また、もし金融機関にばれた場合には、不動産投資ローンの一括返済を求められるおそれも。虚偽の申告は違法行為にあたるため、二重契約を勧めるような不動産投資セミナーには、注意したほうがいいでしょう。
将来の不安を必要以上に煽る
将来の不安を必要以上に煽ることも、怪しい不動産投資セミナーの特徴です。インフレによる物価上昇が続けば、老後資金をこれまで以上に備えなければなりません。しかし、老後資金は不動産投資以外にも、株式投資や投資信託などでも用意が可能です。
また、繰り返しになりますが、不動産投資にリスクはつきものです。それにも関わらず、不動産投資が老後資金に備える唯一の解決策であるかのように提示する場合は、将来への不安を利用し、投資物件を購入させようとしていることも考えられます。将来の不安を必要以上に煽り、不動産投資を勧めてくるセミナーには注意しましょう。
リスクやデメリットを説明しない
リスクやデメリットを説明せず、メリットばかりを強調する不動産投資セミナーにも注意しましょう。不動産投資にはリスクがともなうため、ご自身のリスク許容度を理解したうえで、投資判断をする必要があります。リスクやデメリットを隠すセミナーは、主催会社の利益を優先していることが考えられます。セミナーに参加する際は、リスクやデメリットについても詳しく説明してくれるセミナーを選ぶようにしましょう。
ギフト券などの付加価値が付いている
参加特典にギフト券などの付加価値が付いている不動産投資セミナーにも気を付けましょう。セミナーの参加者を増やすために、魅力的な付加価値を付けている可能性があります。また、高額な投資物件を販売するための手段として、特典を付けていることも。
信頼できる不動産投資セミナーであれば、付加価値を付けなくても、口コミや評判で参加者が集まるはずです。「参加すればギフト券がもらえるなんてお得」と思うかもしれませんが、付加価値を付ける理由は、投資家のためではないことを念頭に置きましょう。
信頼できる不動産投資セミナーを選ぶポイント

前章では、怪しい不動産投資セミナーの特徴を解説しました。それでは、信頼できる不動産投資セミナーはどのように選べばよいのでしょうか。本章では、信頼できる不動産投資セミナーを選ぶ時のポイントを解説します。
講師の実績がわかるセミナーを選ぶ
不動産投資セミナーを選ぶ時は、講師の実績がわかるものを選びましょう。実績のある講師が教えてくれるセミナーであれば、信頼性が高く、質の高い情報を得られます。また、講師が豊富な経験と知識を持っているため、具体的なアドバイスが期待できるでしょう。
セミナーの開催概要には、講師のプロフィールが掲載されていることが一般的です。参加する前に、講師のプロフィールを必ず確認しておきましょう。
主催会社について調べる
不動産投資セミナーに参加する前に、主催会社についても調べましょう。主催会社の実績や信頼性を確認することで、セミナーの質や内容の信頼性を判断できます。具体的には、次のような項目を確認しましょう。
- 業歴
- 管理している物件の戸数
- 取引している投資家や金融機関の数
これらを確認すると、実績があるかが判断できるでしょう。もし、業歴が短かったり、物件戸数が少なかったりする場合は、実績が少ない可能性も。
また、どういう投資物件を取り扱っているのかも、確認しておくといいでしょう。例えば、ワンルームマンションなのか、一棟アパートなのか、投資対象によってセミナーの内容も異なります。事前に投資対象を決めておき、興味のあるものに参加すると、有意義なセミナーとなるでしょう。
個別相談や質問時間を設けているかを調べる
不動産投資セミナーに、個別相談や質問時間が設けられているかを調べておきましょう。質疑応答の時間が設けられていれば、セミナー中の疑問点を、講師に直接質問できます。また、個別相談があれば、自身の状況や投資目的に合わせて、相談に乗ってもらうことも可能です。
もし、個別相談や質問時間が設けられていないようであれば、投資家の理解を深めることよりも、主催会社の利益を優先している可能性があります。これらの時間が設けられていないセミナーがすべてそうであるとは限りませんが、気を付けたほうがいいでしょう。
不動産投資セミナーに参加する際の注意点

無料や有料など、不動産投資セミナーにはさまざまな種類があります。より的確な投資判断ができるよう、不動産投資セミナーを充実したものにするために、本章では参加する際の注意点を解説します。
自分の知識レベルに合ったセミナーに参加する
不動産投資セミナーは、ご自身の知識レベルに合ったものに参加しましょう。不動産投資セミナーは初心者向けから中・上級者向けまで、幅広く開催されています。もし、ある程度の知識がある段階で、初心者向けのセミナーに参加すると、すでに知っている情報ばかりで時間の無駄になってしまう可能性も。
反対に、初心者にも関わらず、上級者向けのセミナーに参加すると、専門用語が多くて内容の理解ができず、混乱してしまうかもしれません。例えば、不動産投資の経験がない方であれば、基礎知識やリスクについて解説している初心者向けのセミナーがいいでしょう。
興味のある投資物件を取り扱うセミナーに参加する
不動産投資セミナーを選ぶ際には、ご自身の興味のある投資物件を取り扱うものに参加しましょう。一口に不動産投資といっても、ワンルームマンションや一棟アパートなど、投資物件の対象はさまざまです。投資物件によって、特徴やリスク、収益性は異なります。そのため、ご自身の投資目的に合った投資物件のセミナーを選ぶことで、より具体的な情報や知識を得られるでしょう。
セミナーの内容を鵜呑みにしない
不動産投資セミナーの内容を鵜呑みにしないようにしましょう。セミナーでは、メリットが大きく強調される傾向があります。繰り返しているように、不動産投資にはリスクもともなうため、セミナーで得た情報だけで投資判断をおこなうのは危険です。
また、セミナーの主催会社が特定の投資物件を販売したい場合、その情報ばかり提供される可能性があります。そのため、セミナーの内容を鵜呑みにするのではなく、参加後にご自身でも調べるようにしましょう。
その場で決断しない
不動産投資セミナーに参加した際、その場で契約や購入を決断しないことも重要です。投資物件は高額な買い物であり、ライフプランに大きく影響を与えるものです。そのため、情報収集をおこない、十分に検討し、納得したうえで決断する必要があります。
セミナー会場では熱気やプレッシャーを感じ、冷静な判断ができない可能性も。熱気に惑わされず、冷静さを保つようにしましょう。セミナーで得た情報だけでなく、他の情報源からも情報を集め、比較検討しましょう。
理解できないものには投資をしない
不動産投資セミナーに参加して、完全に理解ができなかったものには投資をしないようにしましょう。不動産投資は投資物件の特徴や、不動産市場の動向、税金など、理解すべきことが多岐にわたります。なんとなくわかったつもりで投資をしてしまうと、思わぬ損失を被る可能性があります。わからないことがあれば、不動産投資セミナーの講師に積極的に質問をしましょう。また、講師だけでなく、不動産会社や税理士など、幅広い専門家に相談し、客観的に判断することが大切です。
営業担当者から連絡が来る可能性がある
不動産投資セミナー参加後は、営業担当者から連絡が来る可能性があることを理解しておきましょう。不動産投資セミナーは、主催会社が潜在的な顧客を開拓するための手段の一つ。そのため、セミナーの参加者に対して、営業担当者から投資物件の紹介や個別相談の案内などの連絡が来ることが一般的です。
しかし、興味がないと断っているにも関わらず、執拗な連絡がある場合は、違反行為にあたる可能性も。実際に宅地建物取引業法では、悪質な勧誘行為が禁止されています。また、国土交通省からも悪質な勧誘に注意するよう、注意喚起がなされています。悪質な勧誘を受けた場合は、具体的な状況や様子を記録し、主催会社が所在する都道府県を管轄する地方整備局や都道府県の宅地建物取引免許部局まで知らせましょう。
まとめ
本記事では、怪しい不動産投資セミナーの特徴やセミナーに参加する際の注意点を解説しました。不動産投資はリスクをともなうものです。そのため、リスクやデメリットを説明せず、メリットばかりを強調するようなセミナーは疑ったほうがいいでしょう。また、投資家の利益ではなく、主催会社の利益を優先するようなセミナーも要注意です。
的確な投資判断をおこなうためにも、セミナーの内容を鵜呑みにするのではなく、不動産会社や不動産投資家など、さまざまな情報源から情報収集をおこないましょう。セミナーの熱気に惑わされず、冷静な状態で投資判断をすることが大切です。

執筆者
民辻 伸也
宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士
大学を卒業し、投資用不動産会社に4年勤務後、選択肢を広げて一人ひとりに合わせた資産形成をおこなうため、転職。プロバイダー企業と取引し、お客様が安心感を持って投資できる環境づくりに注力。不動産の仕入れや銀行対応もおこなっている。プライベートでも、自ら始めた不動産投資でマンション管理組合の理事長に立候補。お客様を徹底的にサポートできるよう、すべての経験をコンサルティングに活かしている。
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ