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不動産投資で重要な「利回り」を理解しよう

不動産投資で重要な「利回り」を理解しよう
不動産投資では、投資効果を測る指標として「利回り」を使います。では、その「利回り」とはどのようなものなのでしょうか。できるだけ有利に、かつ堅実な投資を行うために正しい知識を身につけましょう。

利回りとは

「利回り」とは投資金額に対する収益(リターン)の割合のことで、1年間にどれだけのリターンを見込めるのかをパーセンテージで表します。さらに「利回り」からは、投資金額をどのくらいの期間で回収できるのかも読み取ることができます。例えば、1,000万円で利回り10%の物件を購入したとします。この場合、1,000万円×10%=100万円ですから、1年間に100万円のリターンが発生することになります。よって1,000万円÷100万円=10ということになり、物件に投資した資金は10年間で回収することができるということになります。

利回りが高ければ収益率が高いということですから、投資物件を選ぶ際に、利回りが重要な判断基準の一つになるということはおわかりでしょう。自己居住のための住まいであれば、物件選びの条件は職場や学校との距離、子育てや買い物の利便性など、生活面が基準になるという点で投資物件とは大きく異なります。

利回りの種類と特徴

利回りの種類と特徴

利回りは大きく分けて3種類あります。それぞれ違った計算方法になっていますので、物件情報で表示されている利回りはどれを使っているのかを自分でしっかりと見極めていきましょう。

(1)表面利回り
「表面利回り」は、単純に年間見込める家賃収入を購入価格で割って算出した数値です。1年間入居が継続することを前提としています。

(2)想定利回り
「想定利回り」は、例えば「賃料○万円で、全○室が1年間満室である」というように、文字通り想定した数字で算出した数値です。仮定として「1室が6カ月間空室だったとする」という内容を入れる場合も、「想定利回り」の計算となります。

(3)実質利回り
「実質利回り」は別名「ネット利回り」とも呼ばれています。「ネット」とは「正味の」という意味で、ここで言う「実質=ネット」とは、収益においては家賃収入から管理費や保険料、税額などの経費を引いて算出した純益を意味します。投資物件の購入価格についても、仲介手数料や各種税額など購入時にかかった諸経費を算入すると、より「実質」に近づきます。
実質利回りは以下の計算式で算出することができます。

実質利回り=(年間家賃収入-年間必要経費)÷(購入価格+購入時の諸経費)×100

【利回りの計算例(実質利回り)】

利回りの計算事例を挙げておきます。算出に必要な数値情報は以下の項目と仮定します。

  • ・物件購入価格(マンション区分投資):8,500,000円
  • ・家賃:75,000円/月(年額 900,000円)
  • ・管理費:5,000円/月(年額 60,000円)
  • ・修繕積立金:15,000円/月(年額 180,000円)
  • ・固定資産税:物件価格の70%に固定資産税の標準税率1.4%を掛けていきます

  • ・この場合の固定資産税評価額=8,500,000円×70%×1.4%=83,300円
  • ・管理費・修繕積立金・固定資産税を足した必要経費合計(年額)は、 323,300円になります。

利回り=(900,000円-323,300円)÷8,500,000円×100=6.784…

利回りはおよそ6.8%ということになります。

利回りを見誤らないようにする

利回りの種類と算出の仕方を見てきました。では、同じ物件で異なる利回りの算出をしたときにどうなるかを確認しましょう。

〈事例物件(区分マンション)〉
月額家賃50,000円、年間家賃収入600,000円、年間諸経費180,000円、購入価格6,000,000円、購入時諸経費500,000円で空室期間なし

・表面利回り
600,000円÷6,000,000円×100=10
→10%
・実質利回り
(600,000円−180,000円)÷(6,000,000円+500,000円)×100=6.461…
→約6.4%

ご覧のように、表面利回りと実質利回りで3.6%の差が出てきます。ですから、表示されている数値がどの利回りとして計算されているのかを確認しないと、後になって「こんなはずでは…」ということになりかねません。必要な費用数値を入手して、必ず自分で利回りを計算しましょう。

物件情報の利回り表示では、10%を超える物件も多数見られます。もうおわかりかと思いますが、これらの中には「表面利回り」が多く含まれます。ですから、「高利回り」の情報だけを見ても、投資物件の本当の姿はわかりません。実質利回りを確認するのは当然として、築年数や管理状況による将来的な資産価値の予測、購入後にかかりそうな修繕の度合と費用の予測、入居率や入居期間など住戸の稼働状況を過去の履歴から確認するといった、先々の収支にかかわる情報を入手して、総合的に投資対象としての物件評価をすることが必要です。

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