メガ大家とは?成功するための方法と押さえておきたい注意点を徹底解説

資産が10億円と聞くと、誰しも成功者のイメージを抱くでしょう。しかし、単に資産が多いからといって安定した経営が保証されるわけではなく、さまざまなリスクや課題もあります。
そこで本記事では、メガ大家になるための具体的な方法や取り組むうえでの注意点を詳しく解説します。不動産投資で大きな成功を収めたい、資産を効率的に積み上げたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
記事の目次
メガ大家とは

「メガ大家」とは、複数の投資用不動産を所有し、その資産総額が10億円を超えている大家のことを指します。厳密な定義はありませんが、不動産投資業界で近年生まれた言葉です。
メガ大家は、金融機関からの融資を受けやすい高年収の会社員、公務員、または金融機関出身者など、属性のよい人たちが多いことが特徴。融資を活用して次々に投資用不動産を購入し、その結果、資産額が大きく膨らんだと考えられます。
一方で、メガ大家のなかには最初から裕福なわけではなく、自己資金100万円〜300万円程度の少額から投資を始めたケースも見られます。資産総額10億円と聞くと縁遠いように思えますが、個人の努力次第で達成可能な目標です。
メガ大家になる人の共通点

ここからは、メガ大家として成功している人の共通点をご紹介します。どのような人がメガ大家になりやすいのか、共通点を知っておくことも大切です。真似をすることから始め、自分の投資に関する知識やスキルを蓄えてから、自立した不動産投資をおこなうとよいでしょう。
業界情報に精通している
成功するメガ大家は、不動産業界に対する知識が豊富で、常に情報に敏感。不動産投資への興味が強く、インターネット上に公開されている物件情報にも詳しいことが特徴です。
また、建物施工会社や管理会社の評判、融資に積極的な銀行、修繕会社のコストパフォーマンスにまで精通しています。新築物件を手がける施工会社に関しては特に詳しく、「A社はB社から独立した会社」「C社の担当者はD社出身」などの背景情報も把握しており、大家同士で情報交換が活発におこなわれていることも少なくありません。
施工会社に関して詳しい理由は、悪質な施工会社を避けるためです。なかには契約金だけを受け取り、実際には建築せずに計画倒産する会社も存在します。そのようなトラブルを避けるため、メガ大家はできる限り情報を収集し、大家同士で積極的に情報を共有しています。
投資物件を最優先する姿勢を持っている
成功している投資家にはいくつかの共通点がありますが、その一つが「投資用不動産を最優先に考える」姿勢です。メガ大家と呼ばれる投資家のなかには、現状の保有物件数に満足している人がほとんどいません。すでに家賃収入だけで快適な生活が可能な人ばかりですが、常に新たな好条件の物件がないかアンテナを張り巡らせています。
特に銀行評価を重要視しており、よい物件が見つかった際にスムーズに融資を受けるための準備を怠りません。そのため、一般的な富裕層とは異なる行動パターンを持っています。
例えば、自宅購入よりも投資用不動産の取得を優先するケースが多いです。一定の資産ができたら自分好みの自宅を購入する方もいますが、メガ大家の多くは自宅を保有することに強いこだわりを持っていません。
もちろん、最終的には自宅を購入する人もいますが、それはメガ大家になったあとの話であり、途中段階で自宅を先行して購入するケースは多くありません。
上記の背景には、銀行評価を意識した行動が考えられます。自宅を「資産」ではなく「負債」ととらえ、お金が外部に出ていく要因と考えるからです。
さらに、成功しているメガ大家は極端な節税志向を持たないことも特徴の一つです。適度な利益を出し、正しく納税することで、銀行からの評価を高めることを重視しています。
税金を支払うことをよろこんでいるわけではありませんが、結果としてそれが資産形成に役立つと理解しているのでしょう。
質素な生活を維持している
成功しているメガ大家の特徴として、「成功しても質素な生活を維持している」点があります。意外に思うかもしれませんが、メガ大家の多くは会社員として働きながら、副業として不動産投資を始めた人たちです。
特に大企業に勤務していた人が多く、会社員の信用力を活かして物件数を拡大していき、専業大家へと転身しています。この事実は、これから不動産投資を始めようと考えている人にとっても希望を与える材料にもなるでしょう。
メガ大家の多くは不動産セミナーや研修会、業界の懇親会など自己投資には積極的ですが、日常的な消費に関しては慎重なのです。
「お金を増やしたいから規模を拡大する」だけでなく「不動産経営自体が楽しいから続けている」人が多く、このような質素な生活スタイルが自己資金を着実に貯めて不動産投資の規模拡大を実現する鍵となっているのでしょう。
メガ大家になる方法

メガ大家を目指すためには、以下のポイントが重要です。
- STEP 1明確な目標を設定する
- STEP 2人脈を拡大する
- STEP 3最初の物件を購入する
- STEP 4法人化を目指す
それぞれ詳しく見ていきましょう。
STEP 1. 明確な目標を設定する
メガ大家への第一歩は、具体的な目標を持つことです。漠然と「お金持ちになりたい」と思うだけでは、目指すべきゴールが不明瞭で行動も曖昧になります。
例えば、「40歳までに資産を1億円にする」「45歳までに家賃収入だけで生活する」などの具体的な目標を掲げることで、何をすべきかが明確にできるでしょう。目標がはっきりすれば、購入する物件の種類や価格帯も自ずと決まってきます。
目標を設定することは、あらゆる物事への成功の鍵となります。行動を具体的に細分化し、自分なりの投資スタイルを構築することが重要です。
STEP 2. 人脈を拡大する
メガ大家を目指すためには、情報の質がとても重要です。よい物件情報は、インターネット上に出回ることは少なく、営業スタッフからの直接紹介される場合も。
そのような情報を得るためには不動産会社や地元の仲介会社などと積極的に交流し、信頼関係を築いていかなければなりません。
人脈を広げるには、以下の方法がおすすめです。
- 仲介会社に何度も足を運び、関係を深める
- 不動産投資セミナーに参加する
- 融資担当者と親しくなる
- 物件購入後に安定した経営で実績を積む
地道な活動の積み重ねが、将来の大きなチャンスを生むでしょう。
STEP 3. 最初の物件を購入する
物件を購入しなければ、不動産投資は始まりません。1件目の物件選びは特に重要で、できるだけ小規模な物件から始めることをおすすめします。
なぜなら、大規模な物件は管理が複雑になり、融資額も大きく、初心者にはリスクが高くなるからです。最初の物件で投資の感覚をつかみ、経営に成功すれば、そのあとの物件購入にも自信を持てるでしょう。
まずは小規模な物件で一歩踏み出し、経験を積むことが重要です。
STEP 4. 法人化を目指す
不動産投資である程度規模が拡大してきたら、法人化を検討しましょう。法人化とは、資産管理会社を設立して不動産事業をおこなう方法です。
法人化には以下の2つの大きなメリットがあります。
- 融資を受けやすくなる
- 節税効果が期待できる
個人での融資には限界がありますが、法人としての実績を活かすことで、事業会社として金融機関から資金を調達しやすくなります。また、法人化することで税負担も軽減できる点がメリット。
累進課税制度のもと、個人では最大55%の税率が課される場合もありますが、法人では税率が低めに設定されています。経費計上も柔軟にできるため、節税効果が期待できるでしょう。
上記のような法人化のメリットを活かすことも、資産総額10億円を目指す道への大切な一歩です。
メガ大家を目指す場合の注意点

メガ大家になると、毎月の家賃収入によって自由な生活が手に入るような印象があります。しかし、現実はそれほど単純ではありません。以下の2つのポイントを押さえておくことが重要です。
返済比率と純資産に目を向ける
メガ大家の定義は「資産総額が10億円以上」とされています。しかし、その額面だけにとらわれることは危険です。不動産資産が10億円でも、借入金が8億円ある場合、純資産はわずか2億円にしかなりません。
また、毎月の家賃収入が100万円あっても、そのうち50万円を返済に充てなければならない場合、返済比率は50%です。このように、返済比率や純資産を見極めることが、不動産投資の健全な運営には欠かせません。

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・総資産:融資を含めた全体の資産
(メガ大家の条件は10億円以上)
・純資産:総資産から借入金を引いた金額
・返済比率:家賃収入に対する返済額の割合
メガ大家の多くは、自己資金を潤沢に持つわけではなく、総資産の70〜80%を借り入れに頼っている場合もあります。そのため、表面的な資産額だけでなく、純資産の増加や返済比率の低減を重視することが大切です。
金利の上昇リスクを見越す
メガ大家は借り入れに依存する割合が高いため、金利上昇の影響を受けやすくなります。金利が上がれば、毎月の返済額が増加し、キャッシュフローが悪化することも考えられるでしょう。
特に注意が必要なのは、物件購入にフルローンを利用した場合です。フルローンは通常、一般的なローンよりも金利設定が高いため、金利が上昇すると返済負担が急増します。計画を誤ると、返済比率が100%を超え、運用が赤字になるリスクもゼロではありません。
余裕を持った資産計画を立て、金利上昇を想定した返済計画を組むことが成功への鍵です。リスク管理を徹底しながら、長期的な視点で健全な資産形成を目指しましょう。

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メガ大家に向いている人の特徴

メガ大家になっている人は単に資産形成のノウハウだけでなく、以下のような共通点を持っていることが多いです。以下でご紹介する特徴を持つ人は、メガ大家に向いている可能性があります。
- リサーチ力が高く好奇心が旺盛な人
- コミュニケーション力がある人
- 経営感覚や数字に強い人
- 努力を惜しまない人
不動産投資は情報戦です。エリアの地価動向、投資用不動産の価格変動、法律や税制の変更などを常に把握しなければなりません。そのため、日常的にリサーチをおこない、情報収集を楽しめる人が有利となるでしょう。また、不動産投資では不動産会社や銀行の担当者、賃借人などとのコミュニケーションが欠かせません。フットワークを軽くし、人との関係を円滑に築ける能力が成功につながります。
さらに、収支管理やキャッシュフローの把握は不動産投資の基礎となるため、几帳面に数字を管理できる能力は必須です。細かな管理を怠らない姿勢がリスク回避につながるでしょう。一朝一夕ではメガ大家にはなれません。コツコツと投資用不動産を増やし、長期的な視点で経営に取り組む姿勢が大切です。向上心を持ち、失敗を糧に成長するための努力ができる人が向いています。
そして何より重要なのは、不動産への関心です。物件の管理や投資戦略を楽しめる人こそ、メガ大家への道を切り拓けるでしょう。上記の特徴に当てはまる方は、ぜひメガ大家を目指してみてください。
まとめ
メガ大家になるためには、資産形成の具体的な目標設定や人脈作り、小規模物件からのスタート、法人化による規模拡大など、段階的な戦略が必要です。今メガ大家になっている人の多くも、いきなり多額の利益を出していたわけではありません。不動産投資で成功するためにも一つひとつのステップを踏みながら、進めていくことが大切です。
また、単に資産を増やせばよいわけではなく、経営リスクや物件管理の課題を冷静に見極めながら、堅実に投資を進めていくことも成功には欠かせません。本記事で紹介した方法を参考に、自分らしい投資スタイルを見つけ、不動産での資産形成を目指してください。

執筆者
長谷川 賢努
AFP(日本FP協会認定)、宅地建物取引士
大学を卒業後、不動産会社に7年勤務、管理職を務めたが、ひとつの業界にとどまることなく、視野を拡げるため、生命保険会社に業界を超え転職。しかしながら、もっと多様な角度から金融商品を提案できるよう、再度転職を決意。今までの経験を活かし、生命保険代理業をおこなう不動産会社の企画室という部署の立ち上げに参画し、商品、セミナー、業務内容の改善を担う。現在は、個人の資産形成コンサルティング業務などもおこなっている。
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ