不動産投資の代表的な種類8つ!魅力と注意点を知って賢く始めよう

しかし、不動産投資にはさまざまな手法があり、それぞれに異なるメリット・デメリットがあるため、始める前に理解しておくことが大切です。本記事では、8つの代表的な不動産投資の種類を紹介します。それぞれの魅力と注意点を理解したうえで、自分に適した不動産に投資してみましょう。
記事の目次
不動産投資をおこなう目的

人によって不動産投資の目的は異なります。収入を増やしたい、老後の資金を貯めたいなど、さまざまな考えのもと不動産投資をおこなっています。ここからは、不動産投資をおこなう目的について詳しく見ていきましょう。
収入の増加
不動産投資で収入の増加を目指したいと思っている方は多いです。本業の収入だけでは足りないと感じている方も多いでしょう。
そのような時に、不動産で家賃収入を得ることで、数万円からでも新たな収入源を手に入れられます。例えば、空いている部屋を活用して賃貸をするなどして、小さくスタートできます。
しかし、注意が必要なのは費用のコントロールです。きちんと収支を管理できなければ、かえって負担になる可能性があります。慎重に計画を立て、自分の裁量に見合った方法で投資を進めるようにしましょう。
不動産投資は一朝一夕ではありませんが、きちんと運用できれば、本業とは別に安定した収益を長期に渡って得られるでしょう。
相続税対策
不動産投資を始めることで節税になるため、相続税対策のために始める方も多くいます。
例えば、現金や預金を相続すると、決まったとおりの評価額で相続税の対象となります。一方、不動産であれば路線価による評価になるため、時価よりも抑えられるのです。同じ資産価値でも不動産を持っていたほうが、手元に残る金額が多くなるでしょう。
また、賃貸中の物件は空室物件に比べて、相続税評価額がさらに軽減されるというメリットもあります。ただし、立地による需要次第で、上記のメリットが得られるかは異なるため、注意が必要です。人気エリアの物件であれば有利に働きますが、需要の少ない地域では期待できません。
インフレ対策
インフレ時代の資産対策としても、不動産投資は役立つでしょう。インフレが進行すると現金の実質的な価値が徐々に低下するため、預貯金で資産の価値を維持するのは難しくなります。
一方、不動産であれば、物価上昇にともない資産価値も維持・上昇する可能性があります。
不動産の価値を左右する大きな要因は、立地の良し悪しです。人気エリアであれば地価は上がりやすく、家賃収入も期待できるため、インフレに強い物件選びが何より重要です。
さらに、インフレ時には賃料の値上げ機会が生まれやすくなります。経済情勢を利用して価格改定をおこなえば、より利益を得られやすくなるでしょう。
老後のための資産形成
将来の公的年金への不安から、老後の蓄えを自ら作る必要性が高まっています。そのため、老後の資産形成のために不動産投資を始める方も増えてきています。
毎月の家賃収入は、年金の代わりとなる安定した収入を生み出してくれるでしょう。年金のように、家賃収入を老後の生活費の足しにできるのです。
しかし、単に高収益物件を求めるのではなく、長期的な視点から投資先を選ぶ必要があります。利回りが高ければ高いほど、リスクも上がるため、注意しなければなりません。
持続可能な資産形成を目指すなら、需要の高さが重要なポイントです。需要の見込める地域の物件であれば、長期に渡って安定した収入を期待できるでしょう。
不動産投資で得られる利益の種類

「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」は、不動産投資において大切な2つの収益源です。
インカムゲインとは、資産を所有することで得られる利益のことです。
例えば、所有した物件から得られる家賃収入などが挙げられます。入居者がいれば、毎月安定した収入が期待できるでしょう。しかし、空室になれば収入はゼロになってしまいます。そのため、常に入居者を確保できるように工夫しなければなりません。
キャピタルゲインは、物件を売却した際の収益を指します。物件の価値が上がれば、購入時よりも高値で売れるでしょう。しかし、建物は年数が経つと価値が下がる傾向にあります。そのため、立地がよく、将来的に地価上昇が見込めるエリアの物件を見極めることが重要になってきます。
不動産投資の主な8つの種類

不動産投資の代表的な種類として、以下の8つが挙げられます。
- 一棟マンション・アパート
- 区分マンション
- 戸建て
- 民泊
- トランクルーム
- 駐車場
- 不動産小口化商品
- J-REIT(ジェイリート)
すべての不動産投資に同じ魅力や注意点があるわけではありません。それぞれメリットとデメリットが異なるため、自分に合っているか見極めたうえで始める必要があります。
一棟マンション・アパート
不動産投資の王道ともいえるのが、マンションやアパートの一棟購入です。建物全体を所有し、部屋ごとに賃貸経営をおこなう手法です。
一棟物件への投資は、ある程度の資金力が必要となります。都心の物件となれば購入額は億単位にもなる可能性があります。
すでに土地を持っている場合は、土地の有効活用として、一棟投資は魅力的な選択肢となるでしょう。
一棟物件に投資する最大のメリットは、安定した収益が見込めることです。複数の部屋を所有するため、万が一空室になっても収益がゼロになるリスクは低くなります。
一方で、共用部分の維持管理や修繕費用など、経費の面でも一棟分の負担が発生します。維持管理や修繕を怠ると空室リスクにつながるため、場合によっては高額の費用を払わなければならない時もあるでしょう。
一棟マンション・アパートの投資を始める際は、長期的な収支を慎重に検討し、十分な採算が見込める物件を選ぶことが重要です。
初期投資として高額な資金が必要ですが、安定した収益が期待でき、規模を大きくすることで資産の多様化も図れるでしょう。
区分マンション
不動産投資のなかでも比較的始めやすいのが、区分マンション投資です。マンション一棟を購入するのではなく、部屋単位で取得できるため、初心者でも始めやすいでしょう。
区分マンションの大きな魅力は、投資額が比較的少額で済むことです。ワンルームマンションなら数百万円から数千万円程度で購入可能です。
また、マンションは売買の需要が根強いため、将来的に現金化しやすいというメリットもあります。借りた経験がある方なら、今までの知識を活かせる点もポイントでしょう。会社員でも副業として取り組めるハードルの低さが人気の理由のひとつです。
しかし、最初は一部屋しか持たない場合が多いため、入居者がいなくなれば一時的に収入がまったくなくなるリスクがあります。そのため、投資に慣れてきたら所有数を増やして、分散投資するのがおすすめです。とはいえ維持費もかかるため、無理のない範囲から始めましょう。
管理はある程度手間もかかりますが、初めての不動産投資として区分マンションは最適な選択肢といえます。
戸建て
戸建て投資は、一戸建ての住宅を所有して賃貸経営をおこなうスタイルです。建物が古くなっても、その土地自体の価値は残るのが大きな強みといえます。
また、一戸建ての賃貸市場は需要が限定的なため、競合となる物件が少ないのも魅力です。一度入居されると、長期間に渡って安定した家賃収入を確保できる可能性が高いでしょう。
しかし、需要が限られるからこそ、空室期間が長引くリスクもあります。空室リスクに備え、ある程度の運転資金を用意するなど、賃料が途切れないよう対策を取る必要があります。
空室対策の一環として、シェアハウス化をして新たな需要を作り出すのもおすすめです。学生やフリーターなど、住宅ニーズの高い層に絞り込んで集客力を高められれば、安定した収益源が期待できるでしょう。
民泊
民泊は不動産投資における新しいスタイルで、自分の住宅や所有する物件をホテルに代わる宿泊施設として活用する手法のことです。
民泊の最大の魅力は、インバウンド需要を確実に取り込める点です。旅行客を対象に宿泊サービスを提供することで、立地に恵まれた物件であれば高い利用率と相応の宿泊料収入を期待できるでしょう。
また、従来の賃貸ビジネスとは一味違う新規分野なので、集客やPRで自由に工夫できるのが特徴です。独自の強みを作り出しやすく、差別化を図る余地が大きいのも民泊ならではの面白さだといえます。
一方で、民泊は外国人への宿泊サービスとなります。近隣トラブルのリスクや行政への手続き、ユニークな運営ノウハウなど、通常の不動産投資とはまた異なる運用が必要なので、注意が必要です。
トランクルーム
トランクルーム投資は、不動産投資の分野でも比較的ハードルが低い手法のひとつです。更地さえあれば、コンテナを設置するだけで事業化できるため、初期費用を抑えられるメリットがあります。
一般的な投資物件とは異なり、設備のメンテナンスや近隣トラブルといった心配も少ないのがトランクルームならではの強みです。投資初心者の方でも、リスクを最小限に抑えられるでしょう。
一方で、収益を重要視したい方には向いていないかもしれません。トランクルームのニーズは立地によって大きく異なります。ファミリー層が多く住む周辺や、季節による収納スペース不足が見込まれるエリアであれば高い需要が期待できるでしょう。
しかし、条件に恵まれていない土地では、なかなか利用者を見つけられない可能性もあります。トランクルーム投資で成功させるためには、事前の市場調査が欠かせません。
駐車場
駐車場投資は土地を駐車スペースに整備し、駐車場の使用料を得る方法です。建物を建設するほどの大がかりな工事は不要で、駐車スペースとして整備するだけで始められます。
運営方法も比較的シンプルで、月極駐車場として一定の利用者を確保する方法と、コインパーキングのようにスポット利用を見込む方法があります。土地の立地条件や周辺の需要を見極めながら、どちらの方法を取り入れるか決めることが大切です。
駐車場投資のメリットは、コストが低いことです。アパートなどの建設に比べると、はるかに安価に事業を立ち上げられるでしょう。建物用地として需要が少ない土地であっても、有効活用が可能です。
また、将来的に用途を変更する場合でも原状復帰が簡単なので、リフォームなどのコストをかけずに、低コストで次の段階に進められるでしょう。
一方で、固定資産税に対する軽減措置がないため、場合によっては収支が圧迫される可能性もあります。固定資産税の支払いで収支が圧迫されることがないよう、事前の確認が大切です。
不動産小口化商品
不動産小口化商品とは、高額な物件を小口にして販売する投資商品のことです。
従来の不動産投資は高額な出資が必要で、個人投資家にはハードルが高い面がありました。しかし、小口化商品であれば、数万円から数十万円程度の少額から参加できます。オフィスビルや商業施設など、個人で所有するには荷が重すぎる物件でも、小口で投資できる機会が広がるのです。
J-REIT
J-REIT(ジェイリート)とは、個人でも気軽に不動産投資に参加できる魅力的な仕組みです。資金を集めて有望な収益不動産に投資し、家賃収入などから得られた利益が出資額に合わせて分配されます。
従来の不動産投資は物件を直接購入するため、多額の資金が必要で初心者にとってはハードルが高すぎる面もありました。しかし、J-REITであれば1万円程度の少額から投資が可能です。
J-REITの運営は専門の運用会社がおこなうため、個人投資家は収益物件の選定や入居者対応、建物の維持管理といった面倒な作業が一切ありません。不動産についての知識が乏しくても、プロにすべてを任せられるのが大きなメリットといえるでしょう。
一方で、自己資金の範囲に限られるのが欠点です。不動産投資特有のレバレッジ効果を活用できないため、慎重に検討する必要があります。
まとめ
本記事では、不動産投資の種類について詳しくまとめました。不動産投資にはさまざまな種類が存在し、参入のしやすさや収益性、リスクなど、それぞれに長所・短所があります。
小規模から始められる手法もある一方で、高額な投資が必要な場合もあります。ただ、不動産投資の種類がいろいろあるからこそ、リスクを抑えたい人向けのスタイル、積極的に利回りを追求したい人向けの手法まで、自分のニーズに合わせて選ぶことができます。
投資に踏み出す際は、自分の置かれた状況や目標などを踏まえ、リスクとリターンのバランスを見極めることが重要です。それぞれの投資のメリットとデメリットを吟味したうえで、自分に合った投資方法を選んでみてください。
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執筆者
民辻伸也
宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士
大学を卒業し、投資用不動産会社に4年勤務後、選択肢を広げて一人ひとりに合わせた資産形成をおこなうため、転職。プロバイダー企業と取引し、お客様が安心感を持って投資できる環境づくりに注力。不動産の仕入れや銀行対応もおこなっている。プライベートでも、自ら始めた不動産投資でマンション管理組合の理事長に立候補。お客様を徹底的にサポートできるよう、すべての経験をコンサルティングに活かしている。
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ