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不動産会社の来店予約は必要?予約なしとの違いと予約時に押さえるべきポイント

お部屋探しをするとき、窓口になってくれるのが不動産会社です。忙しくて予定が組みにくい、あるいは通勤動線のなかに不動産会社がある場合などは、予約なしに空いた時間で行こうと考えるかもしれません。では、不動産会社は飛び込みで入ってもいいのでしょうか?
予約は必須なのか、もし予約するとすればいつ頃までがいいのか、不動産会社を訪問する前に準備しておきたいポイントと合わせて詳しく解説します。

不動産会社に行くのに予約なしで大丈夫?

不動産会社は駅の近くなどに店舗を構え、常に門戸を開いてくれています。そのため、来店予約しなくても応対してもらうことは可能です。ただし、不動産会社のなかには営業や事務など業務内容によって担当が分かれている場合もあり、いきなり訪れると営業担当が不在のため、その日のうちに物件の内見(内覧)ができない場合もあるでしょう。

一般的なお部屋探しの流れ

まずは、一般的なお部屋探しの流れについてご紹介しましょう。お部屋を探すには、大きく分けて以下2つのパターンがあります。

  • 住みたいと思う部屋を見つけてから不動産会社に行く
  • 住みたいエリアや近隣の不動産会社に直接足を運んで相談する

いずれにしても不動産会社に行くことがお部屋探しの流れに入ります。不動産会社に行くとアンケートへの記入を求められ、その記載とともにいくつか質問されます。特に必ずといっていいほど聞かれるのが、大まかな引越し予定日、住みたいエリア、想定している家賃額の3つです。
希望の物件がある場合はその物件、決まっていなければ住みたい部屋の条件などを伝えて、条件にあった物件を紹介してもらいます。そして、気に入った物件に何軒か連れて行ってもらって部屋を内見。その中から住みたいと思える物件が見つかったら、入居申し込みをして賃貸借契約に進むのがおおまかな流れです。

ここで、予約せずスムーズに契約まで進められるのか、疑問に感じる方がいるかもしれません。先ほど、予約は必須ではないとお伝えしました。しかし、来店予約なしで不動産会社に訪れる場合は、あらかじめ覚えておきたい注意点があります。

来店予約をしなかった場合は?

たとえ来店予約をせずに訪れても、不動産会社のスタッフは丁寧に応対してくれます。初めての来店では、まず名前や現住所、連絡先、入居希望時期、希望条件などのアンケートに記入し、希望条件に合う物件を探すところからはじまるでしょう。

いくら「早く部屋を見たい」「部屋探しに時間をかけたくない」と思っていたとしても、いきなり行って当日に気になる部屋をすべて内見するのは難しいもの。なぜなら、部屋の鍵を管理しているのが別会社だったり、事前に大家さん(貸主)に連絡が必要だったり、物件によって管理方法はさまざまです。実際に内見するまでには、不動産会社の事前準備が必要となります。

また、部屋を案内してくれる営業担当者に他の予約が入っていれば、すぐに案内してもらえず待ち時間が長くなったり、日にちをあらためてまた訪れないといけなかったりする場合もあります。そうなれば、お部屋探しに思いのほか時間がかかることになるでしょう。

来店予約をするメリット

来店予約をしてから不動産会社に訪れると、さまざまなメリットがあります。

時間短縮につながる

早く部屋を決めたい、たくさんの部屋を内見して比較検討したい人は、来店予約がおすすめです。予約しておけば、その時間は自分のために空けておいてもらえるので、当日はほとんど待つことなく応対してもらえます。また、探している物件の条件や予算などを予約時に伝えておけば、条件に合った部屋をあらかじめ不動産会社でピックアップしてくれるでしょう。あるいは、ピックアップした部屋の賃料、初期費用、間取りなどが書かれた資料を先にメールやFAXなどでもらえることも。内見前に部屋のイメージをつかんだり、建物の周りの様子をインターネットで調べたりできるので、より充実した内見に臨めるでしょう。

1日に見て回れるお部屋の数は3〜4軒ほど。あらかじめ見たい部屋を決めておけば、かなりの時間短縮になります。

じっくり内見ができる

来店予約をして内見したい部屋を決めておけば、前もって鍵の手配などをしてくれているので案内がスムーズです。また、内見したいと伝えていた部屋に似た条件の部屋を、あわせて紹介してもらえる場合もあるでしょう。そうすれば、複数の部屋から比較検討できます。
アンケートに条件を書いて、そこから条件に合う物件を探し、実際に内見に行くまでの時間が短縮されるので、内見の時間にゆとりが生まれ、じっくりと内見することができます。

予約時や来店前に準備しておくポイント

予約時に不動産会社に伝えておくとよいこと、事前に準備しておくとよいポイントをまとめました。

物件に求める条件を決める

物件に求める条件を明確にしておくほど、希望に近い部屋を紹介してもらえる可能性が高まります。とくに家賃やエリア、間取りは一般的にとても重視される条件です。エリアと間取り(広さ)で平均の家賃相場が決まりますので、自分が月々に支払える家賃の額に応じて、駅からの距離や築年数などの条件を妥協して調整したり、エリアや間取りを見直したりしましょう。

その他にも、例えば以下のような条件があります。

  • 2口コンロが設置されているキッチン
  • お風呂とトイレが分かれている
  • インターネット無料
  • ペット飼育可
  • 駐車場付き
  • 室内に洗濯機が置ける
  • ベランダがある
  • 築浅物件
  • 駅から徒歩5分以内
  • 収納スペースが広い
  • 最上階 など

予算よりも条件重視で探す場合は、すべての条件を満たす物件を探してもらいましょう。予算が限られているなら、どうしても譲れない条件、できればあるとうれしい条件を分けて伝えると、不動産会社の営業担当者が物件を探しやすくなります。

来店希望時間を決める

何時に来店するかだけではなく、何時まで時間を取れるかも伝えておけば、時間内に収まるよう案内してもらえます。また、内見後は不動産会社に戻らず、最後の内見場所で解散するなど融通を効かせてもらえるかもしれません。

入居申し込みに必要なものを想定しておく

とにかく早く部屋を決めたい場合は、その日のうちに入居申込書が提出できるよう準備しておくとスムーズです。申込書の記入とともに身分証明書が必要になる場合があるので、マイナンバーカードや運転免許証、保険証などを携帯しておきましょう。必要なものを営業担当者に確認しておくと安心です。また、連帯保証人が必要な物件もありますので、事前に許可をとっておくといいでしょう。

来店予約は何日前にするといい?

不動産会社への予約をする場合、いつまでに連絡すればよいのかをまとめました。

平日来店の場合は3日前が目安

お客さんが集中する休日と比べて平日は予約が取りやすいので、3日前くらいに連絡すれば予約できることが多いでしょう。閑散期であれば当日でも予約が可能な場合もありますが、希望する条件に合った物件を事前に探してほしいなら、3日以上前を目安に連絡しておくことをおすすめします。

休日来店の場合は余裕をもって1週間前

休日は来店する人の数が増えるので、余裕を持って早めに不動産会社の予定を押さえておきましょう。余裕をもって、1週間前には予約の連絡入れると安心できそうです。

繁忙期の場合はなるべく早めに

新年度がはじまる前の2月・3月と異動の辞令が多い9月・10月は、お部屋探しをする人が多く不動産会社の繫忙期となります。混雑が予想されるので、平日休日に関わらず早めに予約をしておくと安心です。

予約時間は何時がおすすめ?

内見したい場合、予約するのは午前中など早い時間帯がおすすめです。希望していた物件を実際に見てみたらイメージと違ったり、気になる点が見つかったりした場合に、他の物件も見て回れる時間的な余裕が生まれます。また、いい物件に出合えば、入居申し込みなどもその日におこなうこともできるでしょう。

夕方以降の時間帯は、すでに賃貸契約中の人が仕事帰りに契約の更新や解約の相談にくることも多く、混み合うかもしれません。また、夕方から行動しはじめると内見の時間には外が暗くなっていて、部屋の細部まで確認できない場合もあります。日差しの状態なども暗い時間帯だとわからないので、できるだけ早めの時間を選ぶとよいでしょう。

来店予約をする方法は?

気になるお部屋を見つけてから予約する

来店予約するなら、まずはアットホームなど不動産情報のポータイルサイトで部屋を探し、気に入った物件を取り扱っている不動産会社に連絡しましょう。不動産ポータルサイトを使うと、「エリア」「間取り(広さ)」「家賃」などの条件から合致する物件が一覧で見られます。

気になる物件が複数あっても、来店予約する店舗は1軒でも問題ありません。なぜなら、一部の物件を除いて、ほとんどの物件はどの不動産会社でも案内することが可能だからです。そのため、第一希望の物件を見つけたら、その物件を取り扱っている店舗を選んで予約しましょう。不動産会社に予約する際、希望するお部屋に類似した条件のお部屋がほかにもあれば、あわせて紹介してもらえるよう依頼しておくといいでしょう。もし気になるお部屋が成約済みになったとしても、同じような条件の物件を案内してもらいやすくなります。あるいは不動産ポータルサイトで探した、それぞれの物件のURLを送って「この物件も扱っていれば見せてほしい」と相談しておくのも一つの方法です。

まずお部屋を見つけてみよう!という方はこちらの特集がおすすめです。

不動産会社に直接連絡する

ペット可(相談可)物件を多く取り扱っている、あるいは学生向け物件専門など、特定分野に強みを持つ不動産会社があります。そうした不動産会社にお部屋探しを任せたいなら、直接電話やメールで連絡して予約しましょう。住みたいエリアが決まっているなら、近隣を専門としている不動産会社を選ぶのもおすすめです。その際も予約時には希望のエリアや家賃の予算、間取り、そのほか設備など必要な条件を伝えておきましょう。

オンライン内見はどんな場合に利用できる?

急な転勤が決まったり、進学先の合格発表から入学までの期間が短かったり、引越しするまでにあまり時間がない場合も考えられます。そうした際はインターネット上でお部屋の内見ができる、「オンライン内見」を利用するのも方法の一つの手です。遠方の物件でも直接足を運ばずにお部屋の様子を見ることができるので、とても効率的でしょう。

オンライン内見はあらかじめ撮影した動画を視聴するのではなく、実際に不動産会社の営業担当者が現地に赴いて部屋の様子を見せてくれます。例えばコンセントの位置や数、インターネットの差し込み口、お風呂やトイレの清潔さなど、気になる点はその場で質問することも可能です。ただし、希望する物件が、必ずしもオンライン内見に対応しているとは限りません。そのため、オンライン内見できる物件かどうか、まずは事前に確認しましょう。

不動産会社に連絡してオンライン内見の予約を入れると、オンライン内見用のURが送られてきます。指定の日時にそのURLヘアクセスすれば、担当者が画面を通じてお部屋を案内してくれます。不動産会社によっては、その後の契約に関わる手続きも、郵送やオンラインなど現地に赴かずおこなえるかもしれません。なお、オンラインとはいえ、不動産会社の担当者は内見日に物件まで足を運んでくれます。くれぐれもドタキャンは避け、どうしてもやむを得ない事情があれば早めにキャンセルを伝えるようにしましょう。

まとめ

お部屋探しのパートナーとなってくれる不動産会社との付き合い方や、スムーズに部屋を決める方法についてご紹介しました。不動産会社へ訪問する際は予約必須ではありませんが、効率的にお部屋を探したいなら、事前に予約しておいた方がスムーズです。
まずは不動産ポータルサイトで条件検索し、自分の支払える予算内でどのような部屋に住めるのか把握しておきましょう。場合によって合致する物件が少なく、条件の再検討が必要になるかもしれません。条件が明確になったうえで予約すれば、不動産会社はそれにあった物件をあらかじめ探しておいてくれます。もしすでに気になる物件があっても、他の物件と一緒に内見できれば、比較検討してより自分が住みたいと思える物件に出合えるはずです。ここでご紹介した内容を参考に、スムーズなお部屋探しができるよう準備して臨んでください。

執筆者

小西尋子

京都ライター事務所

京都市内を拠点にフリーランスの編集ライターとして活動。大学卒業後、出版・広告業界に20年以上携わる。間取りを見ながら引越しを妄想するのが趣味。レトロ物件好きで、取り壊しのために2度の立ち退き経験あり。宅建士の資格取得に向けて勉強中。

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初めての部屋探しでは、不動産会社に行くことはハードルが高いと感じることもあるでしょう。「分からないことばかりで大丈夫かな…」と不安を覚えるものですよね。基本的には、不動産会社のスタッフが丁寧に教えてくれるので、分からない状態で行っても大丈夫です。それでも、まったく何も分からない状態よりは、ちょっとした知識があった方が安心。予備知識ゼロで訪問するよりも、ポイントを押さえておくとスムーズに話が進むこともあります。
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