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【賃貸】不動産会社の選び方を解説!信頼できる会社・担当者を見極めよう

街には数多くの不動産会社があります。地元密着のところがよいのか、それとも支店がたくさんあるような大きい店舗がよいのかなど、選ぶのに悩んでしまう方も多いでしょう。また、お部屋探しするにあたっては、不動産会社とのやりとりが緊張してしまうという声もあるかもしれません。この記事では、不動産会社の選び方のポイントを詳しく解説します。

不動産会社はどれくらいあるの?

不動産会社の数は多く、その数は12万7,000軒を超えています。チェーン展開しているコンビニエンスストアの数が5万7,000軒ほどですから、想像よりもずっと多く感じた方は多いでしょう。

不動産会社は7年連続で増加

国土交通省のデータによると2022年現在、不動産会社の数は7年間連続で増加しているといいます。それだけ多くの人が不動産会社を必要としているということでしょう。しかし、それだけ不動産会社が多いと、どこを選んで相談したらよいのか悩んでしまうかもしれません。

参考:令和2年度宅地建物取引業法の施行状況調査結果

どの不動産会社でも紹介できる物件は同じ?

引越しや一人暮らしなどで部屋探しするときは、まずはアットホームなどの不動産ポータルサイトを検索する人が多いでしょう。ポータルサイトで検索していると、1つの物件に対して紹介している不動産会社が複数あることに気づくのではないでしょうか。これを見ると、「どの不動産会社に行っても、すべての物件を紹介してもらえるのでは?」と思いますよね。

実のところ、不動産物件の情報は業界専用のサイトで共有されていて、どの不動産会社でも情報を得ることができます。不動産業界の専用サイトは主に2種類あり、ひとつは国土交通省から指定を受けている不動産流通機構が運営している「レインズ」、もうひとつはアットホームが運営している「ATBB」です。

同じ専用サイトを見ていることから、ある意味ではどの会社に行っても一緒です。しかし、物件の貸主が専属の不動産会社を指定していたり、不動産会社が所有または管理している部屋だったり、まだ専用サイトにも掲載されていない新着情報を持っている不動産会社も多くあります。こうした理由によって、部屋探しのスムーズさや精度に違いが出る場合があるでしょう。

不動産会社の種類とは?

賃貸物件を借りるにあたって、お世話になる不動産会社には大きく分けて2つあります。1つは、物件を決めるまでをサポートしてくれる仲介会社。もう1つは、物件を決めてからの暮らしをサポートしてくれる管理会社です。

仲介会社

仲介会社は貸主である部屋のオーナーと、部屋の入居希望者である私たちを仲介する会社です。貸主からは賃料や共益費の希望を聞き、部屋の情報を入居希望者に伝えます。逆に、入居希望者からの相談を聞いて、貸主に伝えてくれる役割を担います。実際に入居するにあたって、仲介会社が担当する業務の流れは以下のとおりです。

  1. 希望する条件の部屋探しを手伝ってくれ、内見に連れていってくれる。
  2. 希望する物件の貸主に、入居者としての条件がマッチするかどうかの審査を依頼してくれる。
  3. 審査が通ったら、契約するにあたっての重要事項を対面またはオンラインで説明してくれる。
  4. 契約書を作成し、入居日に新居の鍵を渡してくれる。

仲介手数料って何?

仲介とはその名のとおり、物件を所有する貸主と物件を借りたい入居希望者を仲介する仕事です。仲介手数料は、部屋が決まるまでに希望の条件をヒアリングして条件に合った部屋をピックアップしたり、部屋がスムーズに内見できるように下準備をしたり、入居審査が滞りなく進むようにアドバイスしたりしてくれるなど賃貸借契約の成約への対価です。
ちなみに、不動産会社が貸主である場合など貸主と借主の間に仲介会社が入らない場合は、仲介手数料は発生しません。

仲介手数料についてはこちらの記事でも詳しくご紹介しています。

管理会社

管理会社は物件の貸主から委託を受けて、物件の保守・保全に努めます。共用部分の清掃はもちろん、居室内の水漏れ、エアコンや給湯器などの故障といった修理を担当してくれます。そのため、住んでいて何か不具合があった場合は、管理会社に相談することになります。

簡単にいえば、仲介会社は部屋を決めるまでのサポートを、管理会社は部屋に住んでからのサポートをしてくれます。物理的な不具合のほかに、例えば上の階や下の階、隣の部屋の騒音が気になるといった相談なども管理会社に連絡します。

管理と仲介を兼ねている不動産会社も

仲介管理会社と呼ばれる、仲介業と管理業の両方を担っている会社もあります。自社が管理している物件に関してはとくに設備関係にも詳しく、内見時に詳細な情報を提供してくれることが期待できるでしょう。

一般的なお部屋探しの流れ

仲介会社・管理会社のご説明でも触れましたが、一般的な部屋探しの流れとともに、どの段階でどの会社に依頼するかを以下にまとめました。

      1-A. 不動産ポータルサイトで住みたい部屋を探して、見つかったら「仲介会社」に相談
      1-B. 直接足を運んで「仲介会社」に相談
      2. 「仲介会社」に案内してもらい、部屋を内見
      3. 住みたい部屋が決まったら 「仲介会社」で申込書を記載
      4. 入居審査
      5. 審査が無事に通ったら「仲介会社」が契約書を作成し、貸主・入居希望者に郵送
      6. 「仲介会社」から物件に関する重要事項説明を受ける
      7. 初期費用を「仲介会社」「管理会社」を通して貸主に支払う
      8. 入居日に「仲介会社」から鍵を受け取り引越しへ
      9. 入居後の家賃は「管理会社」を通して貸主に支払う
      10. 入居後の設備不具合、騒音トラブル・ペット飼育の相談などは「管理会社」へ

不動産会社を選ぶ際にチェックしたいポイント

それでは国内にたくさんある不動産会社から、果たしてどの会社を選べばよいのか。不動産会社を選ぶうえでのチェックポイントをご紹介します。

宅地建物取引免許の更新回数を確認する

不動産会社を経営するには、宅地建物取引業の免許が必要です。宅地建物取引業の免許を得るには、さまざまな条件をクリアしなければなりません。さらに、免許の有効期間は5年間と限られています。5年ごとに免許更新の申請書を提出し、法人の場合は役員全員の身分証明書や職務内容等を記載した略歴書、従業者名簿などを提出しなければならないのです。
つまり、5年に一度、宅地建物取引業者として正しい職務を全うしているかを審査されているということ。そのため、免許を更新している回数が多いほど基本的に信頼度が高いといえるでしょう。

しかし、免許の更新回数をどうやって調べればよいのか、わからない方は多いのではないでしょうか。宅地建物取引業を営む不動産会社は、事務所ごとに「宅地建物取引業者票」と呼ばれる看板を事務所のわかりやすい場所に標示する義務があります。その看板にある「免許番号 ◯◯知事」の後にあるカッコで囲まれた数字が、宅地建物取引免許の更新回数です。不動産ポータルサイトなどWebサイト上にも同じように記載があります。たとえば「免許番号(3)」とあれば、免許を取得して11年目から15年未満の宅地建物取引業者ということになります。

ただし、これには一点だけ注意点があります。それは、会社が大きくなって2つ以上の都道府県に事務所を構えるようになると、「都道府県知事免許」から「国土交通大臣免許」に免許が切り替わるということです。この切り替えのタイミングでカッコ内の数字がリセットされてしまうので、必ずしも()内の数字=不動産業務歴とは限りません。もちろん、新進気鋭だったり、経験を積んだあとに独立して開業する人もいたりと、年数だけでいい不動産会社であるとは限りません。あくまで営業年数の期間である、ということは頭に入れておきましょう。

多店舗展開型か地域密着型か確認する

不動産会社の中には、テレビでCMが流れているような「多店舗展開型」の不動産会社と、「地元密着型」の不動産会社があります。「多店舗展開型」は複数のエリアに店舗を持ち、「地元密着型」は限られたエリア内の物件を取り扱い対象にしています。

多店舗展開型のメリット

複数の地域に店舗を持つ「多店舗展開型」のメリットとしては、知名度があるため安心感が得られるということが挙げられます。支店同士で情報を交換しているため、広い範囲で物件を探してもらえることもメリットです。

地域密着型のメリット

エリアを絞った「地域密着型」のメリットは、その地域の物件にとても詳しいだけにとどまらず、地域の情報にも長けていることです。地域に根ざしているため、貸主から契約以外に管理まで任されていることもあるでしょう。他では知ることのできない、この不動産会社だからこその情報を得られる可能性もあります。

「他店舗展開型」「地域密着型」には、それぞれにメリットがあります。迷った際には、まず両方に問い合わせてみてから決めるのもよいでしょう。

営業時間や定休日を確認する

不動産会社を選ぶとき、営業時間や定休日はあまり気にしないかもしれません。しかしこれが、後になって重要になります。朝早い時間から営業している不動産会社もあれば、夜遅くまで営業している不動産会社までさまざまです。お部屋探しをスタートすると、不動産会社とのやりとりが多く発生します。そのため、自身の生活スタイルとあった営業時間でやりとりできる不動産会社を選ぶのがおすすめです。
ライフスタイルに合わない不動産会社を選ぶと、例えば「次の日の引越し作業のため、仕事が終わってから鍵を受け取りたいのに店が閉まっている」など、面倒に感じることがあるかもしれません。

営業担当者の対応を確認する

不動産会社にはさまざまなスタッフがいるので、自分に合う営業担当者と出会えるかはとても重要です。部屋探しのいいパートナーを見つけるために、確認しておきたいポイントを見ていきましょう。

しっかり要望を聞いてくれるか

まず大切なのが、自分の要望をしっかりと聞いてくれるかどうか。自分の理想がある程度固まっている人にとってNGな担当者は、「こういう条件の部屋に住みたいです」と伝えているのに、的外れな部屋を紹介してくる人です。このタイプはエリアや家賃だけを見て、一般的に人気の物件を薦めてくることが多いでしょう。ただし、希望する条件が少なく、なるべく担当者に任せたいというケースでは、このタイプが適しているかもしれません。

また、条件を厳しくしすぎて合う物件が見つからないという場合もあります。そのような場合にエリアを変えてみましょう、〇〇の条件を変えてみましょうなど、新しい選択肢を出してくれる担当者だとスムーズにお部屋探しがすすむでしょう。

対応がスピーディかどうか

相談したことに対する回答の速さも、注目したいポイントです。とくに入学や就職などの理由で部屋探しをする人が多くなる1〜3月は、条件のいい物件がすぐに決まっていきます。こんなとき、連絡や問い合わせをスピーディにしてくれる担当者であれば頼りになるでしょう。また、一度不動産会社に問い合わせしたものの、どうしようか迷っているタイミングでこまめに連絡や状況を確認してくれる担当者は、最後までしっかりと面倒を見てくれる安心感があります。

物件のことをよく把握しているか

長く近隣エリアを担当している人は、物件についても情報をよく把握しています。例えば「管理が行き届いている」「周辺の環境がよい」など、住んでみないとわからないような情報まで教えてくれるかもしれません。また、メリットだけではなくデメリットも教えてくれると、両者を踏まえたうえで納得して部屋を決めることができます。

契約を急がせないか

何軒内見に回っても、仲介会社には最終的に契約する物件の仲介手数料しか入りません。そのため、営業担当者は早く成約したいというのが本心でしょう。その気持ちはわかりますが、「とにかく成約を!」とばかりに強引に勧めてくる担当者はおすすめしません。気の弱い人だと、納得していないのに勧められたまま契約してしまうかもしれません。こちらの気持ちを汲み取り、二人三脚で歩んでくれる担当者であることがポイントです。

相談から契約までオンライン完結できる不動産会社も?

新型コロナウイルス感染症の影響で、物件探しから契約までのすべてまたは一部の取引をオンラインでできる物件が増えています。なかにはすべてオンラインで完結できる物件も。遠方への引越し、あるいは時間がない中での引越しが必要な人には、とくに便利なサービスです。

相談から契約までの流れ

アットホームなどの不動産ポータルサイトで住みたい部屋の候補を選ぶところまでは、一般的なお部屋探しと同じです。住みたい部屋にオンライン相談対応をしている不動産会社があれば、相談、内見、入居申し込み、重要事項説明まですべてまたは一部がオンラインで対応してもらえます。内見には予約が必要ですが、予約した日時に実際に不動産会社のスタッフが現地に赴き、部屋の様子を案内してくれます。
申込書や契約書は郵送で対応できるので、来店せずに契約まで済ませることが可能。ただし、すべての不動産会社や物件がオンライン対応できるわけではないので、事前に確認しておきましょう。

オンライン内見とは

オンライン内見とは、自分の代わりに不動産会社のスタッフが部屋の様子を撮影しながら紹介してくれる内見方法です。編集した動画ではなく、リアルタイムで部屋の様子を見せてくれます。実際に内見に行っているつもりで、コンセントの数やモジュラージャックの位置、水回り、日当たり、収納など細かな点までチェックしましょう。引越し先に持っていきたい家具などがあり、ちゃんと置けるかサイズが知りたい場合は、その場で代わりにサイズを測ってもらうことも可能です。

まとめ

気持ちよく、スムーズに部屋を決めるには、自分に合った不動産会社や営業担当者を見つけることが大切です。不動産情報サイト アットホームでは、不動産会社それぞれの特徴やスタッフ情報も掲載しています。顔写真や一言コメント付きで、自分に合いそうな人が見つかりそう!

気になる方は「不動産会社を探す」からチェックしてみてください。

執筆者

小西尋子

京都ライター事務所

京都市内を拠点にフリーランスの編集ライターとして活動。大学卒業後、出版・広告業界に20年以上携わる。間取りを見ながら引っ越しを妄想するのが趣味。レトロ物件好きで、取り壊しのために2度の立ち退き経験あり。宅建士の資格取得に向けて勉強中。

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初めての部屋探しでは、不動産会社に行くことはハードルが高いと感じることもあるでしょう。「分からないことばかりで大丈夫かな…」と不安を覚えるものですよね。基本的には、不動産会社のスタッフが丁寧に教えてくれるので、分からない状態で行っても大丈夫です。それでも、まったく何も分からない状態よりは、ちょっとした知識があった方が安心。予備知識ゼロで訪問するよりも、ポイントを押さえておくとスムーズに話が進むこともあります。
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