【経験者に聞く】単身赴任のメリット・デメリットは?単身赴任をしている時の心境もご紹介!

記事の目次
単身赴任はしたいと思う?
自身、またはご家族が単身赴任を経験したことのある人に、単身赴任はしたいと思うか聞いてみました。アンケート結果は以下のとおりです。

調査の結果、38%が「したい」「してもいい」と単身赴任に前向きな回答でした。しかし残りの62%は「あまりしたくない」「したくない」と答えていて、単身赴任はできるだけ避けたいと感じている人が多いことがわかりました。個人によって、単身赴任にともなう暮らしぶりは異なりますし、当然ながら生活の感じ方もさまざまでしょう。では実際に、単身赴任となった人たちは、よくも悪くもどのような変化があったのでしょうか?続いて、自身またはご家族の単身赴任について、どういう心境だったかコメントをご紹介します。
【単身赴任をした人の心境】
- 一瞬の解放感はあったけど、なんだかんだ心配だし、寂しい気分になりました。(30代/男性)
- 海外転勤で中国にいた。異国で過ごすのは刺激的だけど、やっぱり一人だし自分で自分のことはやらなくてはならないし、孤独ではあった。仕事も大変でいっぱいいっぱいだった。(30代/男性)
- たまには一人になるのもいいかなと思いました。(40代/男性)
- 自由というメリットが大きい。(40代/男性)
- 子どもの学校の関係から単身赴任になりましたが、お互いに寂しかったのは今でも覚えています。単身赴任が終わったあとに、妻から「本当は離れて暮らすのはものすごく悲しかった」といわれた時は、同じ気持ちなんだなと思いました。(50代/男性)

【家族の心境】
- 父親が小さい頃ずっといなくて寂しかった。(20代/女性)
- 子どもの頃に父が単身赴任した時は、うるさい人がいなくなったと正直うれしかった。(20代/女性)
- 主人が海外であります。自分は子育て中だったので、土日に公園でお父さんを見かけると猛烈に寂しくて悲しくなった。ただ、主人がいないほうが食事の支度は楽でした。小さい子どもはそんなにご飯を食べないので。でも、気持ちは寂しかった。(30代/女性)
- 旦那が3年間いなかった。最初は不安だったが、慣れると快適。友達や親も気兼ねなく呼べる。(40代/女性)

お互いに離れて暮らすことに対して、「寂しかった」もしくは「自由で解放的」というように、意見は真っ二つに分かれました。とはいえライフスタイルというよりは、気持ち的な影響を大きく感じた人が多いようです。やはり誰かと一緒に生活していくことは、人の温もりを感じたり気を遣ったり、常に心の動きが付いて回ります。もしかしたら単身赴任によって、家族との関係性が見直せる場合もあるかもしれませんね。では次からは、「単身赴任になってよかった」と感じた体験談を詳しく見ていきましょう。
単身赴任のメリット
単身赴任のメリットとして、どのようなことがあるでしょうか?
単身赴任を実際に経験した方々に、単身赴任のメリット・デメリットについてアンケートを実施しました。結果は以下のとおりです。
順位 | 単身赴任のメリット | 票数 |
---|---|---|
1位 | 気楽・自由・解放感がある | 219 |
2位 | 家族の大切さを再認識できる | 18 |
3位 ※同率 |
家族とよい距離感を保てる 家事の手抜きができる |
17 |
4位 | 家族に生活に影響しない | 14 |
5位 | 新しい土地で新鮮な気持ちになる | 10 |
回答サンプル数:359 ※複数回答可
先ほどの心境の変化でも出てきたように、単身赴任を前向きにとらえるには、やはり自由を楽しむことが大きなポイントになるようです。特にパートナーとの2人世帯なら、お互い一人暮らしのような感覚になれます。住まいが違うからこそ、家事もそれぞれで自分の分だけ負担することになるため、分担でもめにくくなるのもメリットかもしれません。それでは以下からは、各順位に関するコメントもご紹介します。
1位:気楽・自由・解放感がある

誰でも「1人にしておいてほしい」と感じる場面は少なくないので、自分の時間が確保しやすくなる点にメリットを感じる人は多いようです。例えばお互いに趣味が違う・生活時間がずれているなどのケースだと、相手に気を遣うことも多々あるため、離れた環境にいることが利点になるのかもしれませんね。
- 家で一人になれることが増える。(20代/男性)
- お互いに気が楽!そして、自由なのがうれしいです。(30代/女性)
- 自分の時間がたっぷり確保でき、マイペースに生活できること。(40代/女性)
- 寂しいけど、慣れてくると自由を謳歌できる。(40代/男性)

2位:家族の大切さを再認識できる
同居していると、毎日当たり前のように顔を合わせるので、時にはわずらわしいと感じることもあるでしょう。ついついお互いにいなくなると困ることも忘れがちですが、単身赴任をきっかけに離れて暮らすことで、いかに家族に助けられてきたか実感できることもあります。家族の時間が減るのはデメリットにも思えますが、コメントにもあるように会えた時には新鮮な気持ちになり、一緒に過ごすひと時をより大事にできるのはメリットといえます。
- たまに会った時のよろこびが大きい。(20代/女性)
- 普段と異なる環境になるので家族の大切さがわかり、マンネリ打破になる。(40代/女性)
- 家族関係を見つめ直すきっかけになる。(50代/男性)

3位:家族とよい距離感を保てる/家事の手抜きができる
3位は、「家族とよい距離感を保てる」「家事の手抜きができる」が同票でした。ひとつずつ見ていきましょう。
お互いに違う人間なので、個々のプライバシーを尊重するのも、家族で過ごすには大事なことです。単身赴任のように、それぞれの生活環境が変われば自然と距離が生まれるため、おのずと自立できるのもメリットでしょう。また前述にもあるように離れて暮らすからこそ、今まで気付いていなかった新しい発見ができる場合も多くあります。
- たまには離れる時間も必要。(30代/男性)
- 互いによい距離感がある。(40代/女性)
- お互いに干渉しないで済むこと。(50代/男性)
- 毎日一緒よりたまに会う方が楽しい充実した時間が過ごせた。(60代/男性)

単身赴任になる前の生活で、パートナーに家事の負担が偏っていたケースだと、「離れて暮らす分作業が減るから楽」といった見方になることも多いようです。また分担していても、意外と「相手の家事の質が気になってしまう……」などのケースは少なくありません。そのため人によっては、「自分の思いどおりにしやすい!」と感じる面もあるでしょう。とはいえ一方で、「自分のためだけに家事をしていてもつまらない」というような気持ちが表れているコメントもありました。家族で住んでいた期間が長いと、こうした違和感も覚えやすいのかもしれません。
- 家事などは楽ですが、楽しくないです。(30代/女性)
- 夫がいないと、自分の食事だけを用意すればいいし、洗濯物も少ない。家事全般がラクでした。(40代/女性)
- メリットはとにかくラクなことです。(40代/女性)

4位:家族の生活に影響しない
単身赴任であれば、他の家族の生活環境は変えずに済むため、パートナーやお子さんに負担をかけにくいのもメリットでしょう。コメントにもあるように、転勤が多いなかで家族も付いていこうとすると、引越し自体も大変ですし家族のストレスにもなりかねません。もちろん各家庭の事情にもよりますが、いわゆる転勤族のような働き方の場合に、単身赴任を選択しているケースもあるようです。
- メリットは亭主関白の父がいなくて、母が父の帰宅を待つことがなくなって夜早く寝られたり、食事のメニューにこだわらなくてよくなったこと。(30代/女性)
- 父だけが単身赴任してくれると家族が振り回されずに済むこと(父の転勤の度に転校しました)。(50代/女性)
- 家族の生活リズムを大幅に変える必要がないこと。(50代/女性)
- 家族の学校、職場を変えなくてもよい。(60代/男性)

5位:新しい土地で新鮮な気持ちになる
単身赴任で今まで知らなかった土地に行けることで、新たな楽しみが増えたとのケースも見られました。「家族間で2拠点を行き来する」とのコメントもあり、宿泊代をかけずに、遠方にレジャーに出かけるような感覚で余暇を満喫できる一面もあるようです。赴任先の現地のグルメなども堪能できるため、行きつけのお店を新しく開拓するのが好きな場合にも楽しめるかもしれません。
- 新しい環境や土地で、心機一転できること。また、なかなか旅行でも行かない地域に赴任になると、仕事とプライベートを、充実させられそうだから。(30代/女性)
- 新たな経験で新鮮だった。(40代/男性)
- その土地の文化(食・慣例・言語・伝統・祭・住環境など)に接触できる。妻と交互に行き来すれば、娯楽のエリアが増える。(60代/男性)

単身赴任のデメリット
続いて、デメリットについてのアンケート結果です。
順位 | 単身赴任のデメリット | 票数 |
---|---|---|
1位 | お金がかかる | 148 |
2位 | 寂しい | 73 |
3位 |
家事の負担が増える | 71 |
4位 | 家族との時間が減る | 23 |
5位 | 頼れる人がいない | 20 |
回答サンプル数:359 ※複数回答可
第1位にもなっている生活費の負担は、工夫次第で軽減できる部分でもありますが、やはり金銭が関わってくるとデメリットに感じやすいようです。またデメリットのランキングでは、前述に出てきたメリットよりも、回答の割合には比較的バラつきがあります。例えば第1位の生活費は、会社からの補助制度などによってはさほど負担に感じない場合もあり、個人差が出やすいのかもしれません。
1位:お金がかかる
家賃などの住居費は、会社からの補助手当や社宅があることも多く、あまり気にならないケースもあります。ただしそれ以外の生活費は、例えば水道光熱費や食費など、2拠点分になります。できるだけ節約したい時には、交際費や食費といった変動費を気にするのが効果的。お弁当や作り置きなど、なるべく自炊して負担を減らすのがおすすめです。
- お金がとにかくかかる。(30代/男性)
- 生活費が二重になる。留守中の家族が散財していないか不安になる。(30代/男性)
- 家賃は出してもらえるが光熱費などはないから生活費が2倍かかる。(40代/女性)
- 自由な時間が確保されるが、経済的には非効率。(50代/男性)

2位:寂しい

単身赴任をする側も残る側も、ずっと一緒にいた家族がいきなり離れるのはストレスになることも多いでしょう。また遠方にいると、誕生日や結婚記念日といった、家族のイベントにも参加しづらくなる一面もあります。どうしても当日に会うのが難しいのであれば、別の近い日に帰省するなど、なるべく柔軟にカバーしていくのがおすすめです。
- 寂しいし、すべてを一人でこなさないといけないのでいろいろ面倒。(30代/男性)
- 気楽な面もあるがやはり寂しいし生活費がもったいない。(30代/男性)
- 寂しい、いろんなことが手抜きになってダラダラして健康面でもよくない。(40代/女性)
- 休みの日は一言も発しないことがほとんど。広い空間でぽつんといるのがたまらなく寂しい。(40代/男性)

3位:家事の負担が増える
特にお子さんがいるご家庭では、2人で育児をしていたところから、残ったパートナーに任せることになってしまいます。特に小さいうちは保育園や幼稚園の送り迎えなど、お子さんのお世話に時間や労力がかかりやすい一面も。もし助けを求められるようなら、ご両親にもサポートをお願いするなど、できるだけ無理のないようにフォローすることも必要です。
- 家事全般をやらないといけないから大変。(20代/男性)
- すべての家事と育児を1人でやらなければいけないこと。(30代/女性)
- 家事ができない人だと赴任先で苦労する。(40代/女性)
- 自分も仕事をしているので、ワンオペになってしまう。子どもが急病になった際に仕事を抜けられない時があるのに自分しか迎えに行けない。(40代/女性)
- 子どもたちが乳幼児時代は単身赴任で気ままに過ごし面倒だからと私にワンオペ育児をさせてこちらに帰ってこない夫が恨めしかったし、未だにその恨みは消えていない。(50代/女性)

4位:家族との時間が減る
こちらも自立した大人同士なら理解があるかもしれませんが、特に小さなお子さん相手だと、特に寂しい思いをさせてしまう可能性も。「成長の過程がきちんと見られなかった」というように、単身赴任をしている側にとっても後悔することも多く、やはり離れている分なんらかのフォローは必要です。単身赴任前以上に連絡を取るようにするなど、こまめなコミュニケーションやスキンシップが大切でしょう。
- 仕事に打ち込める。が、家族との時間が減る。(30代/男性)
- 子どもが小さいと、親の顔がわからない。一緒に過ごす時間が少なくなったり、行事に参加できない。(30代/女性)
- 子どもの成長に寄り添えない。(40代/女性)
- 家族との共有時間がなくなる。その時は気付かないが、あとで堪える。(60代/男性)

5位:頼れる人がいない
家族で同居している場合、大人2人で協力し合って生活するのが基本でしょう。先ほども出てきた「家事の負担が増える」とも被る部分はありますが、やはり誰か頼れる人が常にいるのは心強く、気持ち的にも安心です。コメントにもある体調不良などの場合、身動きが取りづらくなるので、日頃から買い置きなどで備えておくと無難でしょう。
- 困ったことがあってもすぐに会えないので心細い。(30代/女性)
- 体調不良などの際に頼れる人がいない。(30代/女性)
- 何か問題が起きた時に一人で対処しなければならなかったのが大変でした。(40代/女性)
- Gが出た時に自分で始末しなければならない。(50代/女性)

単身赴任期間を楽しむコツ
もし単身赴任を選ぶことになった時には、単純にマイナスにとらえるのではなく、次のように考え方を変えて楽しむのがおすすめです。
旅行・観光気分を味わう
ランキングのコメントにもあったように、単身赴任から、なかなか訪れることのない土地に足を踏み入れられるキッカケになることも。せっかくならいい機会だと思って、休日などに赴任先のグルメや名所を満喫するのも一つの方法です。また各地域ならではのお祭りやイベントがある場合もあるため、家族を呼んでみんなで楽しむのもいいかもしれません。
テレビ通話を活用する

やはり家族の顔を見られないのは寂しいものですが、テレビ通話・ビデオ通話でコミュニケーションを取るようにすると、より近い距離感で団らんの時間が過ごせます。例えば夕飯の時間を合わせて、お互いの顔を見ながら食事をすれば、家族の会話が増えるキッカケにもなるかもしれませんね。
新たな趣味を見つける
自分1人の時間が増えた分、何か新しい楽しみを見つけてみるのもおすすめ。例えば映画鑑賞や読書なら、さほどお金もかかりませんし、仕事終わりのスキマ時間の暇つぶしにもぴったりです。また料理に凝ってみたり家庭菜園をしてみたりすれば、自炊力にも磨きがかかって、単身赴任後も役立つ家事スキルにもなりますよ。
資格の勉強をする
1人で集中しやすい環境にあるからこそ、勉強するには単身赴任期間がうってつけです。仕事に関係する資格や知識を習得すれば、出世につながるチャンスになるかもしれません。その他にも、英会話といった語学なら仕事以外にも幅広く役立ちますし、金融系なら自分の将来設計などにも活用できるノウハウにできます。
筋トレに励む

なかなか運動する機会がなかった場合には、単身赴任をキッカケに、筋トレなどのスポーツを始めてみるのもおすすめです。体を動かすことでストレス解消になったり、健康増進につながったり、メリットは数多くあります。ジムに通わなくてもできる筋トレや、ジョギング・ウォーキングなら、お金もさほどかかりません。
定期的に帰る
1人の時間を持て余してしまうようなら、やはり家族の顔を見に帰るのがベストです。場合によっては、会社から帰省用の交通費の補助が出ることもあるので、一度確認してみるとよいでしょう。休日には自宅に戻って、家族との時間を楽しんでリフレッシュするようにすれば、仕事にも集中しやすくなります。
単身赴任期間の注意点
では実際に、単身赴任期間の生活をよりよくするために、気を付けておきたいポイントを見ていきましょう。
まめに連絡をとる
単身赴任では家族とのコミュニケーションが不足しがちなので、意識的に連絡を取るようにしましょう。何気ない会話が楽しめるように、例えば毎日仕事終わりや就寝前などに電話するようにするなど、なるべく習慣化しておくのがおすすめです。
夫婦の時間をつくる

お子さんと出かけたり遊んだりなどのふれあいはもちろん大切ですが、夫婦2人の時間も意識しておきましょう。単身赴任をキッカケに夫婦ですれ違ってしまうのを防ぐためにも、日頃の感謝やパートナーへの気持ちは、しっかりと伝えるようにします。
規則正しい生活を心がける
1人だと自分の自由なリズムで過ごせてしまうので、どうしても生活習慣が乱れがちです。なるべく早寝早起きする・外食やデリバリーに頼りすぎないなど、1人だからこそ意識的に規則正しい毎日にして、ムダな出費や体調不良を防ぎましょう。
健康に気遣う
単身赴任では何かとストレスになりやすい一面もありますが、やはり精神衛生を保つには、体の健康を整えることも大切。体は資本なので、ヘルシーな食生活や日常的な運動も心がけながら、身も心も健全な毎日にしていきましょう。
浪費しすぎない
単身赴任用の手当が多い場合などは、さほど気にしなくていいかもしれませんが、やはり家族で二重生活になると何かとお金がかかります。1人で自由だと浪費もしやすくなりますが、ちょっとした節約から、余計なコストを減らしていくのがベストでしょう。
単身赴任でかかる生活費については、下記の記事でまとめていますので参考にしてくださいね。
まとめ
いかがでしたか?単身赴任では何かと負担が多くなるイメージがあるかもしれませんが、うまく生活のバランスを取っていくことで、場合によっては家族の関係にいい影響をもたらす可能性も。もちろんそれなりにデメリットはありますが、ちょっとした工夫から解決できる要素も少なくありません。もし単身赴任になったとしても、できるだけ前向きに考えて、新生活を楽しむことを心がけるのがおすすめです。
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<アンケート概要>
【単身赴任経験者(ご自身or家族)に質問】
単身赴任のメリット・デメリットを教えてください。
調査方法:インターネットリサーチ
回答サンプル数:359人
対象:10代~80代男女(全国)
調査時期:2023年2月