自分でできる賃貸の防音対策!防音性の高い部屋探しのコツも解説

もちろん、逆に周囲から聞こえる音がうるさくて、自分自身が悩まされることも考えられます。特に近年は、コロナ禍の影響によってテレワークが増えました。仕事に集中している際は、近隣からの些細な音でも気になってしまう……なんていうことも少なくないでしょう。そこで本記事では、騒音問題を起こさないために、自分でできる防音対策をご紹介します。
記事の目次
【アンケート】今の住まいで、気になる騒音はある?
実際のところ、騒音はどれくらい気になるものなのでしょうか?現在のお住まいで、騒音を感じている人はどれくらいいらっしゃるのかアンケートを取ってみました。

なんと、回答者のうち94%もの人が「気になる騒音がある」と回答。ほとんどの人が、少なからず騒音を感じているようです。実際にクレームに発展しなくても、音は近隣に伝わりやすいことがわかりますね。
【アンケート】気になる騒音、どんな音に悩んでいる?
続いて、具体的にどのような騒音に悩まされているのか、詳しく見ていきましょう。
順位 | 理由 | 票数 |
---|---|---|
1 | バイク・車・トラック | 583 |
2 | 人の声 | 393 |
3 | 生活音 | 261 |
4 | 子供 | 185 |
5 | 犬 | 159 |
6 | 足音 | 145 |
7 | 工事 | 114 |
8 | 音楽・ピアノ・楽器 | 79 |
9 | 電車 | 48 |
10 | テレビ・ラジオ | 46 |
(回答サンプル数2,108人 ※複数回答可)
もっとも多かったのが、バイク・クルマ・トラックの音。そして人の声、生活音と続きます。4位に子ども、そして5位に犬がランクインしており、お子さんがいたりペットを飼われている人は、気になるところではないでしょうか。「気になる騒音」5位までの理由について、もう少し詳しく見ていきましょう。
バイク・車・トラック
1位となったのは、乗りものの音。バイクや車などの騒音は、幹線道路や高速道路沿いの住まいだけでなく閑静な住宅街でも気になるようです。
- 近所の家のバイク、ちょっとアクセルかけてはやめ、またアクセルかけてみたいなのを繰り返していて迷惑。(20代/男性)
- 前の家の人が、子どもを寝かしつけようとしているタイミングでバイクをふかして外出する。(20代/女性)
- 駐車場にエンジンかけたまま停まっている車の音。(30代/女性)
- 目の前に道路があるので、車の音に悩まされている。ときに大音量で音楽を流す車もいる。(40代/男性)
- 隣の家の住人が、夜中に車のエンジンをかけたりするので、注意をしにいった。結局、こちらで二重窓をすべての窓に取り付けて、かえって静かになり、外の音が全然聞こえなくなった。(70代/男性)
- 近くに高速道路が通っているので、車の騒音がする。(70代/女性)

車の排気音や、エンジンの音が気になるという人が多いようです。無駄にアクセルをかけることは避け、停車した際はエンジンを切るといった対応が求められるでしょう。車内で聴く音楽も、大音量だと車外に漏れてしまうもの。また、さほど大きくないと思っても、ドアを開けた際には周囲に響きます。さらに、近隣住民ではなく、立地の関係から道路を走る車の音が気になるという意見もありました。騒音を避けるには、物件選びも大切なポイントといえそうです。
人の声
2位は「人の声」。外での会話だけでなく、室内の話し声や笑い声なども意外と近隣に伝わってしまうようですね。
- 騒音というほどでもないけれど、アパートで隣の部屋の声がよく聞こえる。同じテレビを見て同じタイミングで笑っていたりするとちょっとおもしろい。こちらのくしゃみなどはうるさいだろうなと思う。(30代/女性)
- 最近はなくなりましたが、何カ月か前は隣人が夜中に騒いでいる声がとても聞こえて迷惑でした。(30代/女性)
- 隣家の話し声が遅くまで聞こえることがある。(40代/男性)
- 最近引越してきた上の住人が夜中までバタバタと大勢で宴会をしていてうるさい。(50代/男性)
- 道を挟んだ隣の家での親子の大ゲンカ。毎週繰り広げられています。(50代/男性)
- 季節柄、自分家もお隣も窓を開けた状態だと会話が丸聞こえ。迷惑という訳ではなく、自分も気をつけないと……と思う。(50代/女性)

室内で話している声は、意外と周辺にも伝わっているようです。大声で話すのは避けましょう。特に夜間は外が静かなこともあり、より声が聞こえやすいかもしれません。大勢で集まる際なども、つい盛り上がって声が大きくならないよう注意したいところです。これは周囲に対して迷惑を掛けてしまうだけでなく、プライベートな会話を他人に聞かれないための対策としても大切なことといえるでしょう。
生活音
3位は、「生活音」。集合住宅であれば気になる上階や、隣から響いてくる音。皆が寝静まっている深夜や早朝は特に聞こえやすいようです。
- 朝早くに洗濯の音が聞こえる。(30代/女性)
- ベランダに空き缶を保管している部屋があり、出すときの音が大きく聞こえる。廊下に面した部屋では廊下を通る人の声や足音が聞こえる。(30代/女性)
- 夜や早朝にモノを落としたような音が上の階から聞こえてくる。 朝7時になると、上の階の住人が掃除機をかけはじめる。(40代/男性)
- 壁で隣接する隣の部屋の押入れ内でガタガタ聞こえる物音。(50代/男性)
- マンション上階住民の生活音全般。足音、サッシやドアの開け閉め音、子供の走り回る・飛び回る、物を投げるような音など。とにかく時間に関係なくひどい。(50代/女性)
- マンション住まいです。上階の住人の生活騒音に悩んでいます。ベランダドアの開け閉めが乱暴です。掃除機をかける音まで伝わってきます。全く気付いていないところが困りものです。(70代/男性)

ベランダは屋外のため、物音が近隣に聞こえやすいようです。また、物を落としたり掃除機を使ったりする音は、その振動が床を伝って階下へと響きます。生活するうえで仕方ない部分もありますが、できるだけ音を抑えたり、掃除する時間帯をずらしたりするなどの配慮が必要かもしれません。他にもベランダの開け閉めや足音など、生活音は思っている以上に騒音となって近隣に聞こえていることがわかります。
子ども

4位は「子ども」。子どもは大声ではしゃいだり、突然走ったり予想のできない行動を起こすものです。テレワークでWeb会議をおこなっている際に自身のお子さんの声や走り回る音に悩まされた人もいらっしゃるのではないでしょうか。
- 子どもの走り回る音が深夜も早朝も聞こえる。(20代/女性)
- 家の前が公園なので子どもの声が非常にうるさいです。子供相手なのでうるさいとはいいにくいですが、かなり響くのでやめてほしいです。(30代/女性)
- 自分宅が騒音になっていないか心配。近所に子どもがいる家庭が少ないため、我が子たちの声がうるさくないか。(40代/女性)
- 静かな住宅街だから気にならないほうだが、子どもの騒ぎ声。でも自分も子どものころ騒いでいたから仕方ないと思っている。(40代/男性)
- 隣と上の階に幼い子どもがいるので天井からはドスドス走る音や、夏場など窓が空いている時は子どものわめき声やら鳴き声でうるさいです。ですが、彼らの今の仕事は泣いて走って騒ぐことなのだ。と、割りきることにしています。(50代/男性)
- 階下の子供が走り回ったり、壁にボールをぶつけているようで響いてうるさいです。(50代/女性)

子どもはどうしても駆け回ったり、大きな声で騒いだり、あるいは泣いたりしてしまうものです。しかし他人からすると、その声や音は騒音となって聞こえてしまいます。家の中はもちろん、公園などの屋外での声が騒がしいという声も。「仕方ない」と割り切っている人もいるようですが、室内ではできるだけ大声を出さないほか、家の中や廊下などは走らないようにしっかり伝えることが大切です。
犬
5位は「犬」です。番犬として役立つ一方で、鳴き声や吠える声など近隣に迷惑をかけていることも。無駄吠えしないようしつけをおこなうのも飼い主の役目です。
- 夜中に聞こえる大型犬の鳴き声。(20代/女性)
- 犬を3匹くらい飼っている家があるのですが、外の庭で遊ばせている時は、エンドレスで吠えているので、嫌になります。(30代/女性)
- 近所の犬の鳴き声。防犯に役立つと思って諦めている。(40代/男性)
- しつけができていない犬の無駄吠えです。しかも昼間はベランダに出している。(50代/男性)
- 朝夕構わず犬が鳴き続けてうんざりしています。犬には罪がないので仕方ないですが。飼い主がうまくしつけるべきです。(60代/男性)
- 住んでいるマンションではペット飼育が不可なのですが、階下の住人は犬を飼っていて、よく鳴き声が聞こえてくる。自分はそれほど気にならないが、近隣では話題になっているようで今後のことが心配されます。(70代/女性)

外で遊んでいたり散歩していたりすると、他の犬や人などに対して吠えてしまう犬は多いでしょう。また、室内でも玄関のチャイムや、テレビの音などがきっかけとなり、吠えたり遠吠えしたりすることがあります。集合住宅で犬を飼っているということは、基本的にペット可の物件なのでしょう。しかし、それでも犬の吠える声を騒音と感じる人はいますし、必ずしもすべての住民が犬を飼っているわけではありません。犬が無駄吠えしないよう、しっかりとしたしつけが必要です。犬の無駄吠えについては、以下記事で詳しく取り上げていますので参考にしてください。
騒音トラブルに巻き込まれたことは?
ご近所トラブルに多いといわれる「騒音」ですが、実際に騒音トラブルに巻き込まれた経験がある人はどれくらいいらっしゃるのでしょうか。

(回答サンプル数:2,241人)
なんと、3割の人が「騒音トラブルに巻き込まれたことがある」と回答!他人事かとおもいきや、明日は我が身……となるかもしれませんね。騒音には2種類の音がある
ここからは、騒音について説明していきます。
まず、騒音には「空気伝播音(くうきでんぱんおん)」と「個体伝播音(こたいでんぱんおん)」の2種類があることをご存じでしょうか? 以下で、それぞれ詳しくご説明します。

空気で伝わる「空気伝搬音」
空気伝搬音とは、空気を伝わって聞こえる音のこと。例えばテレビやスピーカーなどから聞こえる音、話し声などがこれに該当します。
振動で伝わる「固体伝播音」
個体伝播音は、壁や床、天井などに伝わる振動が音として聞こえるものです。例えば、足音やドアを開け閉めした際の音などが、これに該当します。
防音、吸音、遮音の違いって?
防音対策をおこなうなら、「防音」「吸音」「遮音」について頭に入れておきましょう。似たような言葉ですが、それぞれ異なる防音方法です。
防音とは
防音は室内から室外へ、あるいは逆に室外から室内へと音が漏れるのを防ぐことを表します。ただし、いわゆる「防音対策」と呼ばれるものは、基本的に後述する「吸音」「遮音」によるものです。つまり防音は手段ではなく、「音を防ぐ」という概念だと考えてください。
吸音とは
吸音とは、その名の通り「音を吸収する」こと。これによって、室内で音が反響したり、室外に漏れ伝わったりすることを防ぎます。学校の音楽室や放送室などで、壁にたくさん穴が開いているのを見たことがある人も多いでしょう。これは、穴が音を吸収することで防音効果を発揮するためです。
遮音とは
遮音とは、音が空気を伝わるのを遮断する防音方法です。具体的にはコンクリートや鉄などの重厚な壁を作り、これによって室外等へと音が聴こえるのを防ぎます。音楽のレコーディングスタジオや、カラオケルームなどでも用いられる方法です。
賃貸物件のおすすめ防音対策!
賃貸物件では、例えば部屋に遮音壁を設けるといった工事ができません。しかし、ちょっとした工夫で防音対策することは可能です。以下で具体的な方法をご紹介しますので、参考にしながら実践してみてください。
防音マット・遮音マットを床に貼る
防音マットや遮音マットを床に貼ることで、階下に足音などが伝わるのを防ぎます。さまざまなサイズが販売されているので、廊下や部屋などの広さに合ったものを選びましょう。
防音パネル・吸音パネルを壁に貼る
防音パネルや吸音パネルを壁に貼ることで、室内から隣接する部屋に音が漏れたり、逆に音が聴こえてきたりするのを防ぎます。こちらもサイズがさまざまなので、壁の広さに合ったものを選んでください。
ドアや窓の隙間に遮音テープ・隙間テープを貼る
遮音テープ・隙間テープをドアや窓などに貼ることで、隙間から音が出入りするのを防ぎます。窓は防音カーテン・遮音カーテンと一緒に使うと、より防音効果を高められるでしょう。
防音カーテン・遮音カーテンを取り付ける
カーテンを防音カーテン・遮音カーテンに付け替えると、窓を伝わって聞こえてくる外の音が防げます。通常のカーテンと比べると厚みがあり、UVカットや遮光、断熱などの機能が備わったものも販売されています。ただし、機能があるほど価格も高くなる傾向にあるので、予算を踏まえて選びましょう。
スリッパを履く
室内は素足で歩かず、スリッパを履くようにしましょう。そうすれば、床に対して伝わる音が軽減されます。冬場なら温かい毛のついたタイプを選ぶことで寒さ対策になりますし、足裏がモップのようになっていて歩くだけで掃除できるものもあります。子どもが嫌がるときは、好きな色やキャラクターものを選ぶと履いてくれるかもしれません。
家具や家電の配置を変える
意外かもしれませんが、家具や家電の配置も騒音に関係しています。配置を変えることで、防音効果が期待できるのです。例えばタンスのように背の高い家具を壁際に置けば、直接壁に伝わる音が減ります。このとき、壁との間に5cmを目安とした空間を設けることで、さらに防音効果が高まります。
防音性の高い物件を探すポイントは?
引越しを検討しているなら、最初から防音性の高い物件を探すのもいいでしょう。その際には、以下のようなポイントを念頭に入れて物件を選びましょう。
1階もしくは最上階を選ぶ
1階は階下がないため、床を伝わって足音や物音が伝わる心配がありません。元気に走り回る育ちざかりのお子さんがいるご家庭におすすめです。
逆に、最上階は上からの音がないので、足音や物音などがうるさく聞こえることがないため、静かに過ごしたい人におすすめです。
角部屋を選ぶ
角部屋は隣接する部屋が少ないため、隣への音、あるいは隣から聞こえる音を減らすことができます。隣接する部屋があれば、そちら側の部屋のみ防音対策をおこなうといいでしょう。
鉄筋コンクリート造(RC造)の物件を選ぶ
木造建築に比べて、鉄筋コンクリート造(RC造)の物件は防音性に優れています。周囲への音を気にせず、かつ静かに室内で過ごせます。
楽器相談可物件を選ぶ
仕事や趣味で楽器を演奏する人はもちろん、なるべく周囲の騒音を気にせず暮らしたい人は、「楽器相談可」の物件を選ぶとよいでしょう。防音性に優れている物件が多いため、外部からの騒音も聞こえにくくなります。
「楽器相談可物件」が気になる人はこちらから探してみてください。
隣の部屋との間に収納スペースがある物件を選ぶ
隣の部屋との間に収納スペースがあると、壁からダイレクトに音が伝わらなくなります。収納の数だけでなく、隣の部屋との位置関係から収納の設置場所もチェックしましょう。
二重窓の物件を選ぶ
屋外からの音は、窓を伝わって聞こえてきます。二重窓なら音が伝わりにくく、通常の窓より防音性が高まります。また、割れにくいので防犯の面でもメリットがありますし、寒い冬も断熱効果が期待できます。
内見時に防音性を確認する
物件を契約する前に、多くの人は内見するはずです。このとき、ちゃんと室内の防音性を確認しましょう。外部からの音や、室内から廊下に伝わる音などチェックしておきましょう。
時間帯や曜日を変えてチェックする
できれば時間帯や曜日を変えて、複数回内見しておくことがおすすめです。例えば子どもがよく外で遊びはじめる夕方や休日、車の音などが聞こえやすい夜など。大きな道路がある場合、平日はトラックなど大型車の通行量が増えるかもしれません。もし駅の近くであるならば、電車が通る時間も確認しておくとよいでしょう。
「木造=防音性が低い」とは限らない
先ほど、木造より鉄筋コンクリート造(RC造)の方が防音性は高いとご紹介しました。確かに、鉄筋は壁が厚い傾向にあります。そのため、防音性の高い物件を選ぶなら、一つのポイントとなるでしょう。ただし、木造だからといって必ずしも壁が薄いというわけではありません。最近では、木造でも防音対策が施されている物件もあります。構造は物件選びにおける一つのポイントですが、防音対策の有無を確認し、最終的には内見して実際の環境を調べるようにしましょう。
まとめ
多くの人たちが住まいで騒音を感じており、その原因は足音や物音、ペットの鳴き声、車などさまざまであることがわかりました。こうした騒音は、防音対策によって軽減することができます。いろいろな防音対策グッズが販売されているので、どこからどのような音が聞こえてくるのか騒音の種類によって選ぶとよいでしょう。これから引越しを検討しているなら、防音性の高い物件を選ぶのがおすすめ。周囲からの苦情を避ける、そして自分自身が静かで快適な部屋で暮らすため、本記事でご紹介した内容をぜひ参考にしてください。
<アンケート概要>
調査方法:インターネットリサーチ
対象: 18歳~80歳の男女
調査期間:2022年10月