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賃貸アパート・マンションで1階はやめておくべき?不動産会社に聞いた1階物件のメリットとは

マンションやアパートを借りる際、気に入った内装や設備が整った物件に出合っても、1階だと「やめておいたほうがいいかな」「ちょっと心配かな」と、迷われる方は多いのではないでしょうか。
しかしどの階にもメリット・デメリットがあるように、1階の物件を選ぶメリットもありますので、不動産会社のコメントを参考に、ぜひ選択の幅を広げてみることをおすすめします。

賃貸物件の1階に住むのはやめたほうがいい?心配なのはどんなところ?

まずは、1階での暮らしが少し心配に思えてしまう点を整理していきます。

防犯面の心配がある

2階や3階、あるいはそれ以上の階に比べて、1階は空き巣などがベランダや窓から侵入しやすいなど心配される方は多いでしょう。しかし、侵入を企てる側からすると、1階は近隣住民や通行人の目につきやすいため、必ずしも空き巣の狙い目というわけではないようです。

プライバシー面の心配がある

道路に面したお部屋の場合、通行人や隣人の目が気になるといったプライバシーの面での声が多く聞かれます。とくに女性は、部屋の外に洗濯物を干す際にも注意しなければなりません。

虫が出やすそう

1階は地面に近いため、自然が多いなど建物の立地によってはヤブ蚊やブヨなどが部屋に入りやすくなります。また、湿気も多くなりがちなので、じめじめした環境を好む虫が繁殖しやすいでしょう。

日が当たらず湿気が高そう

窓のある向きや部屋の方角によっては、日当たりが悪く湿気が多くなるお部屋もあります。1階の場合は、湿度や温度の管理が住み心地を大きく左右するでしょう。

実はこんなに!不動産会社に聞く1階物件のメリット

アットホームでは、全国のアットホーム加盟店を対象に『不動産のプロが選ぶ!「1階物件のメリット」ランキング』という調査をおこない、2022年1月に発表しました。実際に物件を紹介している不動産会社だからこそ事情を知る、1階の物件にはどんなメリットがあるのか見ていきましょう!

1階物件のメリットランキング

不動産会社に聞いた、1階物件のメリット1位から3位までをご紹介します。

1位:階下への騒音・振動を気にする必要がない

ご近所トラブルでもっとも多いのは、上の階の床を踏む騒音や振動、隣室の壁越しの音などです。1階の場合は階下に人が住んでいないケースがほとんどのため、階下への騒音や振動を気にする必要がありません。小さいお子さんがいるご家庭や、室内で体を動かす趣味がある方などにメリットとなるようです。

2位:移動や荷物の搬入が楽

引越しの際、あるいは家財道具や家電製品などを購入して搬入するとき、1階は手間がはぶけて楽でしょう。また、ゴミ出しの際や、ちょっと忘れものをしてしまったという時も便利です。エレベーターを使用せず外に出られるので、停電など災害時の影響も抑えることができます。

ベビーカーの出し入れもラクになりそうです

3位:上の階に比べて家賃が安い場合がある

1階は2階や3階、それ以上の階に比べて、家賃が安くなる傾向が見られます。同じ物件なのに、1階とそれ以上の階とでは数千円も家賃の差が生まれる場合も。階数にとらわれないことで、より恵まれた立地や設備が備わった物件を選べることがあります。

1位~7位までのランキング結果

1位~7位までのランキング結果がこちらです。
順位 メリット 割合(%)
1 階下への騒音・振動を気にする必要がない 70.8
2 移動や荷物の搬入が楽 56.5
3 上の階に比べて家賃が安い場合がある 48.0
4 物件によっては専用庭が付いていることがある 30.0
5 上り下りがないため出かけるのが億劫にならない 24.4
6 階数にこだわらなければ、選べる物件が増える 19.1
7 実は空き巣が入りにくい 2.8

※「その他」3.7%、「あてはまるものはない」0.6%

1階物件の紹介エピソード

不動産会社に聞いた、1階のお部屋を紹介した際のコメントをご紹介します。

  • 子どもを育てているお客さまは騒音を気にしている方が多く、専用庭がある1階が人気です。コロナ禍で外出が厳しいので、大きいプールを出して水遊びをよくしているのを見かけます。(神奈川県)
  • 地震や緊急事態があった際にすぐに逃げられると1階を希望されていたお客さまがいらっしゃいました。(神奈川県)
  • エレベーターが付いてない物件の場合、毎日の上り下りを考えて上の階よりも1階を希望する方が多いです。引越しも楽だとポジティブに考える方が増えています。(静岡県)
  • 専用庭があり、家庭菜園が楽しめると喜ばれたことがあります。(広島県)
  • ドライバー関係の仕事をされている方は朝が早い為周囲に迷惑をかけたくないと考える方が多い。また地震対策に敏感な方も1階に住む傾向が強いように見える。(大阪府)
  • 私自身1階庭付きに住んでいましたが、大量に荷物があってもすぐに搬入できるし、エレベ-タ-を待つ必要もないし、下への音の配慮がいらないので住みやすかった。出入りの時間も短縮でき気軽に出かけられる。赤ちゃんやお年寄りのいる家族にはお勧めです。(愛知県)

1階物件に住んでいる方のエピソード

不動産会社に聞いた、1階の物件に住んでいる方のコメントをご紹介します。

  • 庭があるので解放感がある。災害が起こったときに避難しやすい(ハザードマップ上で問題無い位置の場合)(東京都)
  • 駐車場が目の前で車上狙いに注意できる(愛知県)
  • 階段やエレベーターを使う時間が短縮できる。朝の通勤時は1分1秒が大事。(東京都)
  • ベビーカーの出し入れが簡単。 子供(赤ちゃん)を抱いて入りやすい。(滋賀県)
  • 1階物件は最上階に比べ、夏場は熱くなりにくい。(広島県)
  • 階下に気を使わなくて良いのでストレスにならない。(東京都)
  • サーフボードの保管・出し入れが楽。(神奈川県)

1階の物件を選ぶメリットはかなりあるようです。ただし、他階と比べて注意すべき点もありますので、あらかじめ頭に入れておきましょう。

1階の物件を選ぶポイント

1階でも住みやすいお部屋を選ぶためのポイントについてご紹介します。1階の物件を検討される方は、ぜひチェックしてみてください。

セキュリティ設備をチェック

共用部分に防犯カメラがついているかなど、十分なセキュリティ対策が講じられているか確認しましょう。セキュリティ面は、安心して暮らすためにも欠かせません。

建物の構造をチェック

玄関や窓が、通行人や隣人の目に入りにくい死角になっていないかチェックしましょう。また、ゴミを集めて置く場所や駐車場、駐輪場の近くなども、窓が開けにくく換気に不便なため避けたほうが無難です。車やバイクを持っている方は、車上荒らしにあっていないかなど愛車の状態がわかりやすいというメリットもあります。

周辺環境をチェック

治安が良くないエリアを選ばないことも、1階でも住みやすい部屋を選ぶためのポイントです。街の雰囲気や周辺の建物を、あらかじめよく見ておきましょう。また、川のすぐそばに建物が立地している場合は、洪水情報やハザードマップで確認しておくことが安心につながります。

1階に限らず防犯対策はしておこう

侵入犯罪の発生場所とは

警察庁 住まいる防犯110番のデータによると、2020年(令和2年)の「侵入窃盗の発生場所別認知件数」では、一戸建住宅が37.0%ともっとも多く、一般事務所が11.7%、共同住宅(3階建以下)が9.3%、と続いています。また、侵入窃盗の手口認知件数では空き巣が31.5%を占めており、侵入犯罪の中で占める割合が大きい状況です。

防犯性の高い物件を選ぶ

防犯性の高い物件を選ぶポイントには、地域内での犯罪件数といった周辺環境、見通しの良し悪し、セキュリティ設備の種類などが挙げられます。以下で詳しく解説していきます。

周辺環境やエリアの犯罪件数をチェックする

物件のあるエリアは治安が良いのか悪いのか、具体的にどの程度の犯罪件数があるかなどを、あらかじめチェックしておくことが大切です。地域の犯罪件数を知るには、警視庁犯罪情報マップが便利でしょう。また、物件付近の警察署や交番の場所もチェックしておくことも忘れないようにしてください。

参考:警視庁犯罪情報マップ

見通しの良さや侵入経路をチェックする

物件の玄関やベランダ、窓などが通行人や隣人の目につく場所にあるかどうか、垣根や塀で目隠し状態になっていないかをチェックしましょう。また、空き巣などが侵入しやすい経路はないか確認することも重要です。

セキュリティ設備や鍵の種類をチェックする

物件のセキュリティ設備や鍵の種類なども、防犯性を左右する大きなポイントです。具体的には、以下のようなセキュリティ項目があります。

  • オートロック
    1階物件であっても、オートロック設備があれば玄関からの侵入を防ぐことができます。
  • モニター付きインターホン
    玄関にモニター付きのインターホンがあれば訪問者の顔を確認できるので、より防犯機能が高くなります。
  • 管理人の管理形態
    建物の管理形態についてもチェックしましょう。管理人が物件に常駐しているタイプなのか、決まった時間に来るのか、それとも離れた場所にいて遠隔で管理をおこなっているのか、管理形態はさまざま。緊急時にすぐ対応できる、常駐管理や遠隔でも24時間監視している物件が防犯性は高いといえるでしょう。

内見の際に「マーキングサイン」がないかチェックする

マーキングとは、郵便受けや表札、玄関わきなどに何者かが付けるマークのこと。訪問販売の担当者や新聞の勧誘をする人などが目印とするケースが多いようです。なかには、空き巣が家族構成などの目印をつけることがあるので注意しましょう。
具体例として「W(女性)」「M(男性)「F(家族)」「S(単身者)」などがあり、例えば1人暮らしの女性が9時から19時まで仕事などで外出している場合、「WS0919」といったマーキングをされることがあります。詳しくは、以下の記事を参考にしてください。

自分でも防犯対策をおこなう

物件の外的な要因による防犯性能に加えて、自分自身でも防犯対策をおこなうことが大切です。具体的には、鍵を忘れずに締める、窓ガラスに防犯フィルムを貼る、外から室内や洗濯ものが見えにくくするなどの対策があります。

必ず施錠する

先述の住まいる防犯110番の「侵入窃盗の侵入手口」を見ると、一戸建ても共同住宅も「無締り」(無締りとは文字通り「無施錠」のこと)状態のときに侵入されるケースが多いようです。短時間の外出であっても、施錠を忘れないようにしましょう。また、郵便受けの施錠も忘れてはいけません。

窓ガラスに防犯フィルムを貼る

防犯ガラスやシャッターの付いた物件を選ぶことは防犯対策に役立ちますが、自分で防犯フィルムを貼るなどの対策も有効です。ただし防犯フィルムを貼る場合は、管理会社や家主さんの了解を得るようにしてください。

洗濯物は外から見えにくい位置に干す

洗濯物は、外から見えにくい位置に干すことが防犯のポイントです。浴室で干せる、浴室乾燥機などがある物件だとなお良いでしょう。あるいは、室内物干し付きの物件もあります。ただし、窓際に干す場合はカーテンを閉めるなどの対策をしてください。

詳しい防犯対策については、こちらの記事でわかりやすく詳細をご紹介しています!

1階の害虫対策もしておこう

1階の物件は地面に近いため、害虫対策にも注意する必要があります。具体的な害虫対策について、以下で項目別にご紹介しましょう。

入居前に殺虫剤を焚く

人が住んでいない期間に虫が入り込んでいる可能性があるので、入居する前に殺虫剤を焚くようにしてください。また、引越し作業で持ち込んだ段ボールはゴキブリなどの住処になりやすいので、できるだけ早く中身を片付けて処分しましょう。

害虫の侵入経路を塞ぐ

害虫が侵入する経路を塞ぎましょう。例えば、キッチンや風呂場の排水口などはゴキブリの侵入経路になりやすいので、排水トラップやワントラップ(椀トラップともいい、お椀型のカップを逆さまにして設置するもの)などが付いていればよいですが、付いていない場合は排水口にゴミ受けを付けるなどで回避しやすくなります。
また、窓から蚊やアブなどを侵入させないために、網戸をはめることなども害虫の侵入経路を塞ぐ対策になります。

ごみを溜め込まない

虫を発生させないための最大のポイントは、普段から清潔な状態に保つこと。部屋をこまめに掃除したり、生ゴミなどを溜め込まずこまめに出したりといったことを心掛けましょう。また、湿気が部屋にこもらないよう定期的に換気する(窓を開けるときには網戸にする)ことなども害虫対策につながります。

まとめ

階下への振動の心配がないことや物が運搬しやすいこと、そして家賃が安くなることがあるなど、1階の物件にはさまざまなメリットがあります。セキュリティ面の不安などデメリットも考えられますが、多くのデメリットは自らの工夫や事前の確認によって回避できるでしょう。

大きな荷物が多い方や子育て世代の方、予算内で設備が整った物件を選びたい方は、ぜひ参考にして1階の物件も検討してみてください。1階が向いている人もいるはずなので、2階以上の物件にこだわらず条件をひろげてみるのもよいでしょう。

アットホームでは、さまざまな条件の物件を紹介しています。ぜひ、下記リンクよりチェックしてみてください。

■アットホーム株式会社 トレンド調査
不動産のプロが選ぶ!「1階物件のメリット」ランキング

<調査概要>

■調査対象:「賃貸居住用で、1階の物件を紹介したことがある」と回答した全国のアットホーム加盟店 1,016店
■調査方法:インターネットによるアンケート調査
■調査期間:2021年9月2日(木)~9月9日(木)

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