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フリーターでも一人暮らしを成功させたい!審査や費用について解説

フリーターでも一人暮らしが可能か、どんな準備が必要か、解説していきます
一人暮らしを始めるにはなにかとお金が必要です。フリーターの場合、一人暮らしを始める前や実際に生活が始まったあとの費用面で、特に不安が大きいのではないでしょうか。そもそも物件を借りられるのかと悩んで、一人暮らしを始められないケースも少なくありません。しかし、一人暮らしするにあたってコツを押さえておけば、フリーターでも生活を安定させることは可能です。

本記事ではフリーターの方でも一人暮らしが可能か、不安になる点や疑問点、審査に通りやすいポイント、費用などについて解説します。一人暮らしをこれから始めるものの、定職についていないことに不安を感じていたり、どのような準備が必要かわからなかったりする方は、ぜひ参考にしてください。

フリーターでも一人暮らしはできる?

フリーターでも一人暮らしをすることは可能です。正社員に比べて手取りが低くなる分、生活がきつく感じることもありますが、一人での生活ができないわけではありません。また、入居審査の際に「家賃の支払い能力があり、安心して貸すことができる。」と判断されればフリーターでもお部屋を借りることができるでしょう。

一人暮らしの準備を進めるうえで初期費用などのまとまった資金が必要になったり、入居可能な物件の条件が限られてしまったりする可能性はあります。安定して満足のいく一人暮らしができるように、この記事でご紹介するポイントを押さえておきましょう。

フリーターの一人暮らしでよくある不安・疑問点

フリーターで一人暮らしをしたい場合、どのような不安があるのでしょうか
フリーターで一人暮らしをしたい場合、どのような不安があるのでしょうか

フリーターでも一人暮らしをすることは可能ですが、いざ物件探しをするとなるとさまざまな疑問が出てきて、不安な気持ちになることは少なくありません。以下では、フリーターが一人暮らしをする際のよくある不安や疑問についてご紹介します。

審査に通過できるか

賃貸物件を借りる際は、入居申し込み後に家賃保証会社や大家さんによる入居審査がおこなわれます。入居審査に職業は関係なく、入居希望するすべての方が対象です。

入居審査では「家賃の支払い能力」や「保証人の有無、保証機関の利用可否」、「一般的な社会常識やマナーの有無」などがチェックされます。フリーターの場合は、主に家賃の支払い面で家賃保証会社(賃貸保証会社)や大家さんに懸念されがちです。しかし、しっかり支払い能力があるということを証明できれば、審査通過は難しくありません。

全部でどのくらいお金がかかるのか

一人暮らしを始めるにあたっては、実際に住む前からさまざまなお金がかかります。引越しするときにかかる費用は以下のとおりです。

  • 初期費用…敷金・礼金、仲介手数料、前家賃など
  • 引越し費用…引越し会社への依頼
  • 家具・家電の購入費用…冷蔵庫、洗濯機、掃除機、テレビ、ベッド、テーブル・椅子など

初期費用は家賃のおよそ4~5カ月分で、家賃7万円の場合30万円前後の費用がかかります。引越し費用は荷物の量や依頼する会社、時期などによって異なりますが、一人暮らしだと5万円前後が目安です。

初めて一人暮らしする場合は家具・家電を一通り揃える必要があるため、一人暮らし用のものを最低限揃えるにしても、10万円前後は必要になるでしょう。このように、生活にかかる費用を除いて、一回の引越しで40万~50万円程度の費用を用意する必要があると考えられます。

生活がきつくならないか

実家暮らしから一人暮らしに変わると、生活が厳しくなるのではないかと不安に感じる方は多いでしょう。実際に生活は大きく変わり、特に変化を感じやすいのは生活費です。生活費には家賃に加えて、光熱費や水道代、食費、携帯などの通信費、日用品費、その他交際費などが挙げられます。

一人暮らしに必要な生活費は月々約15万円前後といわれています。実家暮らしの社会人が家に入れるお金の平均が約5.9万円のため、比べると10万円ほどの差が出てくるのではないでしょうか。当然ながら自身にかかる費用負担は増えますが、しっかり計画を立てておくことで、一人暮らしの生活も十分に可能です。

参考:MoneyGeek「実家暮らしは家にお金をいくら入れる?平均は54,009円で年代別では50代の約7.5万円が最も高い

親の扶養から外されるか

フリーターが一人暮らしを始めたからといって、無条件に親の扶養から外されるわけではありません。ただし、ある程度の年収がある場合は扶養から外されることになります。法律上、年収103万円を超えると扶養から外されるため、103万円を超えないように収入を抑えて一人暮らしをすることも可能です。

ただし、一人暮らしにかかる生活費を考えると、扶養から外れないように収入を抑えるのはあまり現実的ではありません。そのため、フリーターで一人暮らしをするとなると、親の扶養から外れるケースが多くなります。

フリーターでも審査に通りやすくなるポイント

定職についている場合と比べて、フリーターは入居審査が厳しくなりがちです。しかし、審査に通りやすくなるよう工夫することはできます。以下では、比較的審査に通りやすくなる6つのポイントをご紹介しましょう。

家賃の低い物件を選ぶ

家賃は必ず毎月かかります。支払いに無理のないお部屋を探しましょう
家賃は必ず毎月かかります。支払いに無理のないお部屋を探しましょう

物件を選ぶときの基準として、家賃は非常に重要なポイントです。できるだけ家賃の低い物件を選ぶと審査に通りやすくなります。

先述のとおり、入居審査では「家賃の支払い能力」があるかがチェックされます。手取り年収でどれくらいの返済能力があるのかが算出されるため、家賃が低いほうが「返済に余裕がある」と判断されやすくなるでしょう。最寄り駅までの距離やお部屋の広さ、間取りなどの条件がいいほど家賃は高くなるため、希望条件の中でも優先順位を決めて、妥協点をつくっておくことをおすすめします。

親族に連帯保証人を引き受けてもらう

親族に連帯保証人になってもらうのも、審査に通りやすくするための方法の一つです。賃貸物件を借りる際の連帯保証人とは、借主が家賃等の支払いが滞った場合に、借主の代わりとなって支払い義務を負う人のことをいいます。借主と同等の権限を負うことになるため、責任が重い役割を担っていますが、制限などは特にありません。基本的に、支払い能力のある方であれば誰でもなることができます。

ただし、管理会社や大家さんによっては三親等以内に限る、など制限を設けている場合もあります。そのため、親や兄弟などの親族にお願いするのが一般的です。連帯保証人を引き受けてもらうことができれば、借主本人の収入が不安定でも審査に通る可能性が高くなります。

親の名義で契約をする

入居審査に通ることが難しいことを理由に、親が入居者の代わりに契約して親の名義で賃貸物件を借りることも可能です。この場合、親の支払い能力が審査の対象になるため、入居者の収入が不安定でも関係ありません。ただし、親が入居審査に通るような収入や社会的信用があることが必要です。

なかには代理契約を受け付けていない物件もあるため、事前に確認するようにしましょう。また、更新や退去手続きの際には親に対応してもらう必要があるため、親が遠方に住んでいるような場合は手間に感じることもあるかもしれません。

預貯金審査を申し込む

収入が安定していなかったり、年収が家賃の割合でみて少なかったりする場合でも、預貯金が十分にあれば審査に通りやすくなります。希望する物件の家賃2年(24カ月)分を目安に預貯金を準備して、預貯金審査をしてもらいましょう。

ただし、預貯金に余裕があっても、必ず審査に通るとは限りません。管理会社や大家さんの考え方で、審査の難易度が変わることは理解しておきましょう。

家賃保証会社を利用する

親・親族に連帯保証人を頼めない場合は、最終手段として家賃保証会社の利用を検討してみてください。家賃保証会社とは、入居者が何らかの事情によって家賃が支払えなくなったときに、入居者の代わりに大家さんに家賃を立て替え払いするところです。

家賃保証会社の利用の有無は基本的に大家さんや不動産会社が決めており、近年では家賃保証会社の利用を義務付けているケースが多い傾向にあります。家賃保証会社の利用には家賃に応じた保証料を支払う必要がありますが、連帯保証人を立てられない際の対策、もしくは連帯保証人にプラスした安心材料として利用することも検討するとよいでしょう。

好印象を持ってもらえるようにする

信用してもらえるよう、まずは大家さんたちにいい印象を持ってもらいましょう
信用してもらえるよう、まずは大家さんたちにいい印象を持ってもらいましょう

入居審査の際は、入居希望者の人柄や身なりも審査の対象として見られています。不動産会社の担当者から大家さんや管理会社に人となりが伝わるため、電話対応も含めて関係者の方にはできるだけ好印象を与えられるよう対応を心がけましょう。

強気な態度に出て「入居後にトラブルを起こされそう」と思われると審査に落ちてしまう可能性があるので、普段の対応から十分に注意してください。

実際に一人暮らしにはいくら費用がかかる?

一般的に、一人暮らしをするにはどの程度の費用がかかるのでしょうか。ここからは、入居前と入居後の生活に必要な費用を割り出し、準備しておきたい費用の目安をご紹介します。

入居までにかかる費用

先述したように、入居までにかかる費用は主に「初期費用」「引越し費用」「家具・家電の購入費用」の3つです。家賃7万円の物件に入居する場合、3つの費用を合計すると40万~50万円程度の費用がかかります。

以下の記事は一人暮らしの引越しに要した費用について、一人暮らし経験者に質問したアンケート結果をまとめたものです。引越しに関する詳細は以下を参考にしてください。

生活にかかる費用

(~34歳)

食料 34,385円
光熱・水道 9,272円
家事用品 3,577円
被服及び履物 7,643円
保健医療 5,348円
交通 7,266円
通信 6,063円
その他の消費支出 19,306円
合計 92,860円

※総務省統計局「家計調査報告2022年(単身世帯)」の34歳以下を基にアットホームで算出

月収15万円のフリーターの場合でも、家賃や月々の生活費を調整できれば一人暮らしすることは可能です。上の表は34歳以下の方を対象に、一人暮らしに要する生活費の平均を表しています。もっとも多くかかる食費が3.5万円程度、光熱・水道費や交通費、通信費は生活に欠かせない費用ですが、どれも工夫次第で安く抑えられます。

すべてを合計して9万円程度なので、家賃5万円程度の賃貸物件に住めば生活環境を維持できるでしょう。一人暮らしの生活費の詳細については、以下の記事を参考にしてください。

確保しておきたい予備資金

日々生活していると、予想外の出費が発生することも考えられます。病院にかかることや、付き合いで飲み会に参加しなければならないこともあるでしょう。いつ想定外の出費があってもいいように、ギリギリの状態で一人暮らしをするのは避けたいところ。生活レベルを維持できるよう、最低限でも1カ月分の生活費は確保しておきたいものです。

一人暮らしの手取りと生活の目安

月々の生活費は、家賃を除いて9.2万円程度が平均です。手取り別に見てみると、手元に残る金額は以下のようになっています。


  • 手取り14万円の場合…手残り4.8万円
  • 手取り15万円の場合…手残り5.8万円
  • 手取り18万円の場合…手残り8.8万円

手取り14万~15万円だと生活費の調整だけでなく、家賃を4万~5万円程度に抑えなければ手元にお金がほとんど残りません。都心部の築浅の物件に住むことは現実的ではないので、築年数の古い物件に住むか、地方エリアで物件を探す必要があるでしょう。

一方、手取り18万円あれば、家賃5~6万円の物件に住むことで3万円程度の余裕が生まれます。交際費や趣味にお金を使ったり、貯蓄にまわしたりすることも可能です。

フリーターが一人暮らしで生活を安定させるには

安定した生活のためにできることをご紹介していきます
安定した生活のためにできることをご紹介していきます

フリーターが一人暮らしをして生活を安定させるには、さまざまな工夫が必要です。以下では、主に生活費の節約方法についてご紹介します。働く時間を増やして収入を増やすことも大切ですが、コストカットできる部分があれば見直してみましょう。

家賃はなるべく抑えたほうが余裕を持てる

固定の消費支出としての割合がもっとも大きいのは家賃です。家賃をできるだけ抑えたほうが、生活費を削らずに余裕を持てるようになります。
光熱費や食費などは自分が工夫することで月々の出費を抑えられますが、家賃は金額が変わるものではありません。一人暮らしをする際の家賃設定は、生活を安定させるために重要なポイントといえるでしょう。

節約術を学んでコストをカットする

自炊する

自炊する頻度を増やすことで、食費を抑えられます。食費は毎日必ずかかるものです。デリバリーや外食の機会が多いと、どうしても出費が増えてしまいます。自炊をすることで外食の機会を減らせるため、自炊は大幅なコストカットになるでしょう。
また、1回の料理で次の日のお弁当にしたり、アレンジレシピを作ったりして楽しむことも可能です。

固定費を見直す

毎月必ずかかる固定費を見直すことも重要です。通信費や光熱・水道費は家賃と同様に欠かせない出費ですが、必要最低限の使用に留めて出費を抑えることもできます。

また、保険に加入していればプランの見直しも有効です。サブスク登録状況など、利用していないにも関わらず支払い続けているものがないかも確認してみましょう。

フリマアプリを利用する

化粧品や衣服、小物などの雑費については、フリマアプリを利用して安く購入できないか検討するのがおすすめです。フリマアプリではさまざまなものが販売されており、中古や新品のものが格安で購入できます。逆に、不要なものは出品して収入を増やすこともできるので、活用してみましょう。

節水・節電する

節水・節電も生活費を抑えるために重要です。安く抑えるには無駄使いをしないようにすることもポイントですが、根本的な解決方法としてプランの見直しも有効でしょう。例えば、日中は外出していてほとんど電気を使わないなら、深夜に安く利用できるプランにする。

あるいは反対に、ほとんど家の中で作業するような仕事の場合は、どれだけ電気を使っても一律費用で抑えられるプランにすることができます。節水するには、一度溜めたお湯を洗濯に再利用するなど、こまめな工夫が必要です。

収入と支出を把握する

自分の収入と支出を把握することで、コストカットにつなげられます。何にどれくらいの費用がかかっているかが明確になれば、「次月は日用品の購入を控えよう」「交際費はいくらまでに抑えよう」などと具体的に調整できるでしょう。その際、家計簿アプリの活用もおすすめです。購入した商品のレシートを読み込むだけで登録できるものもあるので、手間がかかりません。毎月の生活費を抑えるために、家計簿をつけて収入と支出のバランスを見直しましょう。

まとめ

フリーターの方が一人暮らしをして生活を安定させるには、物件探しの時点からさまざまな工夫が必要です。資金準備など計画を立てずに進めてしまうと物件の審査に落ちるほか、入居後の生活が苦しくなるなど、一人暮らしをしてから後悔するかもしれません。物件選びや引越しについて事前にしっかり理解し、入居後の生活も想定して準備しておくようにしましょう。

阿孫 沙綾

執筆者

阿孫 沙綾

不動産エージェントおよびWebディレクター兼ライターのフリーランス。8年間で不動産売買・賃貸の仲介業、実需や収益不動産の仕入れ・販売業務を経験し、現在は個人エージェントとして活動中。また、幅広いジャンルの不動産業務に携わった経験を活かし、不動産・宅建ジャンルを中心に執筆や編集も行う。

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