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分譲賃貸とは?特徴とメリット・デメリット、知っておきたいトラブルについて解説!

分譲賃貸とは?特徴とメリット・デメリット、知っておきたいトラブルについて解説!
賃貸物件を探している際、「分譲賃貸」という言葉を目にすることがあるでしょう。この分譲賃貸とは、実際にはどのような物件を示すのでしょうか。一般的な賃貸物件との違いや、メリット・デメリットについて、本記事で詳しく解説します。

分譲賃貸とは?

分譲賃貸とは、分譲マンションの一室が賃貸として貸し出されている物件です。分譲マンションとして購入したオーナーが、さまざまな理由から賃貸物件として貸し出しています。部屋自体は分譲マンションのため、設備の整った物件が多いのが特徴です。

一般的な賃貸物件と分譲賃貸の違い

一般的な賃貸物件は、建物全体を同じ人あるいは事業者が保有しています。しかし、分譲賃貸は分譲マンションを購入したオーナーが保有しており、同じマンションでも物件ごとに所有者が異なります。詳しくはメリットとデメリット、分譲賃貸特有のトラブルと併せて後ほど解説します。

分譲マンションが賃貸されている理由

せっかく購入した分譲マンションを、なぜ賃貸として貸し出しているのでしょうか。主には、以下のような理由が考えられます。

所有者(オーナー)が一時的に住むことができない

購入後、転勤などの理由によって、所有者が一時的に住めなくなってしまったことが考えられます。この場合、賃貸として借りられる期間に定めが設けられていることもあるでしょう。転勤などから戻ってくる時期が決まっていれば、そのあとは所有者自身が居住するため、それまでの期間のみ賃貸として貸し出されるケースが少なくありません。

投資目的で賃貸に出している

最初から投資のために分譲マンションを購入し、賃貸に出していることもあります。つまり所有者は、賃料収入を得ることを目的としています。

分譲マンションの一部を賃貸用にしている

分譲して売却予定だったマンションのうち、買い手がつかなかった物件を、売主が募集方法を販売ではなく賃貸に切り替えることがあります。これは誰かが購入したものではなく、売主が自ら賃貸物件として入居者を募っているケースです。

分譲賃貸のメリット

分譲マンションにはどのようなメリットがあるのか、具体的に5つ取り上げてご紹介します。

構造がしっかりしている物件が多い

分譲マンションはもともと販売を目的とした物件なので、長く住むことを前提に作られています。そのため、設備が最新で充実しており、管理体制も整っている物件が多いです。一般的な賃貸物件と比べて、快適で住みやすいでしょう。

管理人がいる物件が多い

管理人が常駐している物件が多く見られます。見回りなどの実施でセキュリティ性に優れているほか、定期的な共用部分の清掃などもおこなってくれます。その他、コンシェルジュが受付にいて入居者のサポートや来客対応などをしている物件もあるでしょう。

部屋・共用部分の設備が充実している

一般的な賃貸物件と比べて、設備がハイグレードなことが多く見られます。例えばシステムキッチンやお風呂など比較的新しい設備が設置されているほか、オプションの設備がついていることも少なくありません。
また、共用部分に宅配ボックスや24時間対応のゴミ出しスペース、来客用のゲストルームなどがあることも。エレベーターも複数台設けられているなど、充実しています。なお、管理人が常駐して清掃をおこなってくれるマンションなら、共用部分がいつもキレイに保たれているでしょう。

防犯性に優れている

防犯カメラの設置やオートロック、ディンプルキーの採用など、防犯性に優れているのも分譲賃貸のメリットです。常駐している管理人も定期的に見回りをおこなうほか、セキュリティ会社と契約していて、何かあればすぐに警備員が駆け付けてくれることもあります。

住民のマナーがいい傾向にある

長く居住することを目的に物件を購入している人が多いので、全体的にルールやマナーを守る住民が多いのも特徴です。住民間のトラブルなども起こりにくく、快適に過ごしやすいでしょう。

分譲賃貸のデメリット

分譲賃貸には以下のようなデメリットもあります。メリットと合わせて確認し、検討材料としてください。

家賃が高い傾向にある

所有者は住宅ローンを組んで物件を購入しているので、その返済額に基づいて家賃が設定されます。これに加え、分譲賃貸は設備が充実しているため、一般的な賃貸物件と比べて家賃が高い傾向にあります。

契約できる期間が決まっていることがある

先にも少し触れましたが、所有者が転勤などで一時的に住めないため賃貸として出されている場合、契約できる(住むことができる)期間に限りがあるかもしれません。定期借家契約となっている物件は、原則として、あらかじめ決められた期間以降の契約更新ができなくなっています。

普通賃貸借契約では一定期間毎に更新して住み続けることができますが、定期借家契約は契約更新がなく、期間満了後は退去しなくてはならないのです。ただし、貸主との間に双方合意があれば、再契約して住み続けることはできます。

オーナーとの規約とマンションの規約がある

一般的な賃貸物件では、貸主(オーナー)との賃貸契約に従って居住します。分譲賃貸においても、オーナーとの間に賃貸契約があり、その規約に従わなくてはならない点は同様です。しかし、分譲賃貸ではこれに加えて、マンションとの規約にも従う必要があります。マンションによってさまざまな規約が設けられているため、場合により住みづらさを感じることもあるでしょう。

物件数が比較的少ない

一般的な賃貸物件と比べると、分譲賃貸は物件数が多くありません。希望のエリアに物件があるとは限らず、選択肢が少ないことは分譲賃貸のデメリットとなるでしょう。また、人気の高い物件はすぐに成約してしまうので、見つけたら時間をあけず、問い合わせや申し込みが必要なことも。このことから、あまり検討の時間を持てないかもしれません。

分譲賃貸特有のトラブル・注意点

分譲賃貸では、一般的な賃貸物件では起こりにくい特有のトラブルがあります。以下のような点については、あらかじめ注意しておきましょう。

設備の故障・交換の対応が遅い

オーナーは、基本的に分譲マンションの購入者です。そのため、不動産賃貸の経験がなく、知識不足ということが多いでしょう。何かトラブルが起きても、すぐに対応してもらえないかもしれません。

マンションの規約とオーナーとの規約が異なる

分譲賃貸では、マンションとオーナーそれぞれとの間に規約が設けられます。例えばマンションがペットの飼育を認めていても、オーナーがNGとすれば飼うことはできません。二重の取り決めがあるため複雑で、一般的な賃貸物件よりトラブルが発生しやすいでしょう。気になることや不明な点は、契約前にしっかり確認しておくことが大切です。

公共料金の支払い手続き

オーナーが公共料金の解約手続きをおこなっていないと、賃貸後も公共料金の請求がオーナーに届いてしまいます。この場合、入居後に使用した料金をオーナーが負担することとなり、あとから清算を求められる可能性も。

設備・備品の扱いが不明確である

物件内に、オーナーの置いていった所有物や設備などが残っている場合があります。勝手に使用してトラブルにならないよう、事前に取り扱いについて確認しておきましょう。マンションの設備であれば故障時など修理・交換に対応してもらえますが、残留物の場合には損害賠償を求められるなどトラブルにつながることが考えられます。

退去時の原状回復について認識の相違がある

オーナーが不動産賃貸について知識不足の場合、原状回復の認識が間違っていることがあります。この場合、本来であれば入居者側が負担すべきではない部分まで、原状回復を求められることがあるかもしれません。契約前に負担の範囲を確認しておきましょう。

オーナーが変わる可能性もある

必ずしもトラブルにつながるわけではありませんが、賃貸として居住している間にオーナーが変わる可能性があります。基本的には事前に通知されますが、その際には規約に対する認識の相違がないかなど注意しておきましょう。

分譲賃貸でのトラブルを防ぐポイント

先に取り上げたようなトラブルが起きないよう、防ぐためのポイントをご紹介します。

管理会社が入るのか確認する

オーナーと借主との間に管理会社が入ると、万が一設備の故障・破損などのトラブルが発生した際、スムーズに対応してもらえます。直接オーナーとやり取りせずに済むほか、家賃の支払い先も管理会社となるので、できれば管理会社が入る物件のほうがよいでしょう。

契約内容・規約を確認する

トラブルを防ぐためには、必ず契約内容や規約を十分に確認しましょう。賃貸契約書とマンション規約の両方を見比べ、相違点についてもチェックしてください。その際、以下のような点についてトラブルにつながりやすいので、特に確認が必要です。

  • 契約期間
  • ペット飼育の可否(可の場合は飼育できる生き物の種類)
  • 喫煙の可否
  • 事務所利用、法人登記の可否

原状回復の負担範囲を明確にする

賃貸物件ですから、いずれ退去するタイミングが訪れるでしょう。その際、原状回復の各修繕費について、負担先や該当ケースなどを細かくオーナーと確認しておいてください。
基本的に、入居者には原状回復の義務があります。しかし、経年劣化などは通常、入居者ではなくオーナーの負担です。例えば家具・家電を設置していたためにできた凹み、また室内の日焼けなどは経年劣化に含まれます。一方、たばこのヤニ汚れやペットによる傷、落下物による床の凹みや傷などは、入居者の過失であり負担しなくてはいけません。何が入居者側の負担となり、何がオーナー側の負担となるのか、さまざまなケースを踏まえてあらかじめ確認しておきましょう。

失敗しない分譲賃貸の探し方

分譲賃貸を探す際には、賃料に見合うだけの設備や条件が整っているか確認しましょう。せっかくなら築年数が浅く、できるだけ最新の設備がある物件を選びたいものです。なお、長く居住したいと考えているなら、定期借家契約ではないことを必ず確認してください。

分譲賃貸は物件数が少ないため、すぐに空きがなくなってしまうかもしれません。そのため、いい物件に出合ったら、できるだけ早く問い合わせることが重要です。住みたい街があれば、実際に出向いて付近を歩いてみましょう。よさそうな分譲マンションがあれば、インターネットで検索すると賃貸情報がヒットするかもしれません。もちろん、その地域にある不動産会社に相談してみるのもいいでしょう。とにかくタイミングが大切なので、常にアンテナを張っておくことが分譲賃貸の物件を見つけるポイントです。

とはいえ、安易に飛びついて、いざ住んでから失敗したとはなりたくないもの。住みたいエリアや予算が決まったら、その条件をもとに複数の物件を比較しましょう。そのためには、不動産情報サイトの活用がおすすめです。不動産情報サイト アットホームでも分譲賃貸物件を探せますので、ぜひ希望条件から物件を検索し、どのような分譲賃貸があるか比較検討してみてください。

まとめ

賃貸物件を探している際に目にすることのある、分譲賃貸について詳しくご説明しました。分譲賃貸は一般的な賃貸物件と異なり、分譲マンションを購入したオーナーがその保有する物件を賃貸として出しているものです。転勤などで一時的に住めない、あるいは最初から投資目的で購入しているなど理由はさまざまですが、全体的に物件の数は多くありません。そのため、分譲賃貸に住みたいのであれば、いい物件が見つかったら早めに内見や申し込み手続きへと進めましょう。

ただし、分譲賃貸には注意点もあります。オーナーとの賃貸契約とマンション規約との両方が存在するため、その相違などからトラブルが起こりやすいことも。また、なかには居住できる期間の定められた物件もあり、この場合は原則として、期限以降に住み続けることができません。本記事の内容を参考に注意しながら、「住みたい!」と思える分譲賃貸を探してみてください。

執筆者

三河 賢文

“走る”フリーライターとして活動。学生時代から15年以上の経験を持ち、現在はディレクションや編集業務も手掛ける。結婚後はライフステージの変化に応じて5回引っ越し。現在は都内の持ち家を手放して千葉県へ移住し、田舎暮らしを楽しむ。趣味はマラソンと薪割り。4人の子と1匹の犬と暮らす大家族フリーランス。ナレッジ・リンクス(株)代表、NPO法人HASHIRU理事、WILD MOVE主宰/ランニングトレーナー。

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