【実体験】タワーマンションは後悔する?理由と後悔しないためのポイントを徹底解説

記事の目次
そもそもタワーマンションの定義とは?

一般的にタワーマンションとは、20階以上の高層マンションのことです。法的に決められているわけではありませんが、建築基準法20条1項一号で決められている一番大きい建築物が高さ60mとなり、20階相当の建物にあたります。
【体験談】タワマンを購入して後悔したことは?
タワマンにあこがれを持つ方は多いですが、住んでみてから後悔したという声も聞かれます。そこで、タワマンを購入してどのような後悔をしたのかについて、実際に住んだ方々の声とともにご紹介します。
災害時に不安がある

タワマンで後悔した点の一つに災害時に不安があるという声が挙がりました。地震による揺れは高層階であるほど、大きくなります。長周期地振動という揺れが長く続く場合、気持ちが悪くなったりめまいを感じたりするなど、体調への影響もあるでしょう。
また、災害時にはエレベーターが使えず、停電が長期化した時には階段での上り下りする必要があります。高層階の場合は階段での避難に時間がかかるほか、子どもやお年寄りがいれば避難自体が困難になってしまう可能性も考えられます。
- 地震がとにかくヤバい。ぐわんぐわんといつまでも揺れがおさまらず気持ち悪くなります。東日本大震災の時は頻繁に余震があったので、雲の上に歩いているようなふわふわとしためまいに苛まれてかなり苦しみました。(50代/女性)
- 災害に弱い。(60代/女性)
- 地震の時の揺れ方やエレベーターが止まった時。(70代/男性)

エレベーターを待つ時間が長い
戸数に対してエレベーターの台数が足りていない場合、なかなかエレベーターに乗れないという声もありました。高層階に住んでいると、朝や夕方のエレベーターの利用者が多い時間帯は何度もエレベーターが止まります。そのため、登り降りに時間がかかることもあるようです。
下に降りるのが億劫になる
高層階になるほど下まで行くための時間や労力がかかるため、下に降りるのが面倒に感じるようこともあるようです。外出が面倒でデリバリーサービスを使う機会が増え、不健康な生活になってしまうこともあるでしょう。また、ゴミステーションが各階に設けられておらず1階にだけ設置されている場合は、重いゴミを捨てに行くことにも苦労するケースもあるようです。
- 一階に降りてわすれものした時絶望。(30代/女性)

洗濯物が外に干せない
多くのタワマンでは、低層階でも高層階でも、ベランダに洗濯物を干してはならないという規則があります。高層階ではベランダから風で物が吹き飛ばされてしまった場合の被害を考えて禁止になっていますが、マンション全体の外見上の問題を理由に禁止となっていることもあるでしょう。また、そもそもベランダが付いていないタワマンもあるので、洗濯物を室内で干す必要があります。
インターネットの速度が遅い

インターネットの速度が遅いこともあります。他の集合住宅と比べ、タワマンは戸数が多いため、特に利用者が多い時間帯などには、速度が遅くなるケースも。在宅勤務でのオンラインミーテイングやオンライン対戦のゲームなどで利用に支障が出ることもあるようです。
子どもの転落リスクがある
タワマンのベランダから、子どもが転落してしまうというリスクがあります。高層階で生活をすることで、子どもが高いところに慣れてしまう「高所平気症」になるケースも。
そのため窓から身を乗り出したり、勝手にベランダに出てしまったり、少し目を離した隙に落ちてしまうことが考えられるでしょう。子どもが転落してしまうかもしれないと考えながら生活するのは、親からしてもストレスがかかり続けます。
転落を防ぐために、子どもがベランダに出られないようにしたり、ベランダに背の高いものを置かずに手すりに登れないようにしたりなどの対策や、子どもが小さいうちはタワマンでの生活を避けるなど検討が必要です。
管理費や修繕積立金が高い
タワマンは一般的なマンションと比べて、管理費や修繕積立金が高い傾向にあります。その理由は、建物自体が大きく共用設備がより充実していたり、コンシェルジュサービスの人件費がかかったりするからです。修繕積立金は戸数が多いほど負担の割合は小さくなりますが、建物が大きいほど全体の費用が増えます。修繕積立金は新築では安く設定されていますが、年々増額することも踏まえてタワマンに住むか選びましょう。
共用施設が利用しにくい
タワマンにはゲストルームやジム、プール、会議室、キッズルームなど、さまざまな共用施設が設置されていることが多いでしょう。しかし人気の共用施設は予約がなかなか取れず、結局利用できないこともあるようです。また、住む前はあこがれていた共用施設も、実際に住み始めたらまったく使う機会がなく、ただ高い管理費を支払うことになってしまう可能性もあります。
階層による差を感じた
一般的に高層階のほうが物件的な価値が高く、住んでいる階数で格付けがしやすい傾向にあるようです。そのためタワマン内でカーストのようなものが存在することも。低層階の住人は高層階の住人に対して、必要以上に気を遣ってしまうことがあるかもしれません。
- 低層階なので肩身が狭い。(40代/女性)

近隣トラブルがある
タワマンでは縦に長い構造を作るために、軽量化が必要です。そのため居室の仕切り壁が鉄筋コンクリートではなく、軽くて頑丈なパーテーションを使っていることがあります。そうなると遮音性が比較的低くなってしまい、近隣の生活音が聞こえて騒音トラブルになることも少なくありません。特に子どもやペットがいる家庭は、騒音が出ないように気を付ける必要があります。
外の音が響く
外の音は上に上がるほど反響するため、タワマンの高層階に住んでいると、外の音が気になるという声もありました。車・人の喧騒・電車・風などの音が気になりやすい方は、避けた方がいいかもしれません。
- 幹線道路沿いで、暴走バイクがうるさいです。音は上に上がってくることを知りませんでした。(60代/女性)

資産価値が下がった
タワマンはマンションのなかでも資産価値が高い傾向にありますが、将来的には下がってしまうことも考えられます。近隣にもっと新しいタワマンが建ったり、周辺環境が大きく変わって住みにくくなってしまったりすることもあるでしょう。売却したり賃貸として貸し出したりすることを考えているのであれば、資産価値が下がらないような物件を選びましょう。
それでもタワマンを購入するメリットや価値はある?

タワマンを購入して後悔したという声をご紹介しましたが、ここからはタワマンを購入するメリットや価値を解説します。
周辺施設の利便性が高い
多くのタワマンは、駅近など利便性の高い立地に建設されています。周辺にスーパーやショッピングモールなどがあれば、日常の買い物に便利です。また、駅直結型のタワマンも多いので、雨にぬれず家に帰ることができるでしょう。
共用施設や設備が充実している
タワマンに付いている共用施設や設備が便利というメリットがあります。例えば、ゲストルームは親戚や知人が泊まりに来た時に利用できますし、キッズルームがあれば子どもをマンションの敷地内で遊ばせることが可能です。共用施設があると管理費は高くなりますが、日々利用するのであればお得に利用できるでしょう。
セキュリティ性が高い
タワマンは一般的なオートロックなどに加えて、よりセキュリティ性の高いシステムを導入していることが多いでしょう。エレベーターを利用する時に鍵が必要だったり、トリプルオートロックが導入されていたりと、新しいセキュリティがあります。
地震や火災に強い
タワマンは地震で揺れやすいという声がありましたが、国が定めた厳しい建築基準を満たしたものしか建設の認可がおりないため、地震の揺れや衝撃に強い構造となっています。そのため、建物自体に大きな損害が生じにくいため、人命や家財道具に被害が及ぶのを防ぐことが可能です。
日当たりがよい
タワマンの高層階では、周りに同じ高さの建物がない限り日差しが遮られず、日当たりがよいメリットがあります。一般的に日当たりが悪いといわれている北向きの部屋でも、ある程度の日差しが入ってくるほどです。日当たりがよくてもタワマンだとベランダに洗濯物は干せないことがありますが、窓際に洗濯物を干したり、浴室乾燥などの設備が整っていたりする物件もあります。
眺望がよい
タワマンの高層階だと窓から周辺を見下ろせるので、眺望がよいのも魅力です。きれいな夜景を楽しめたり、例えば「東京タワー」や「スカイツリー」のような有名な建物を見られたりする物件もあります。また、タワマンの場合眺望のよさを活かすような間取りの工夫がされている物件もあるため、他のマンションとは違うタワマンならではの生活が楽しめそうです。
資産価値性がある
タワマンは人気の立地や周辺環境の利便性が高い場所に建てられることが多いので、資産価値が下がりにくいでしょう。また、施工会社にブランド力があると売却しやすく、場合によっては購入時より高値で売却できることもあります。
後悔しないためのタワマンの選び方

これからタワマンを購入する際にどのような物件を選べばよいのか、検討時のポイントを紹介します。
住宅ローンの返済だけでなく、管理費や修繕積立金も考慮する
タワマンは物件の金額だけでなく、管理費や修繕積立金も考慮して購入できるかを検討しましょう。管理費や修繕積立金は、年数が経てば金額が上がります。将来的に金額が上がっても、問題なく支払えるような資産計画が必要です。また、長期間住み続けると、購入した部屋のリフォームにも費用がかかることも。こうしたことを考慮し、自分の収入や資産にあった物件を選んでください。
実際に住んだ場合をイメージして検討する
タワマンへのあこがれが強いあまり、実際に住んでみたらイメージと違って後悔したということも考えられます。豪華な設備や充実した共用施設などタワマンは魅力的なポイントが多数ありますが、実際の生活に必要なのか照らし合わせながら検討しましょう。
モデルルームを見に行くべき
新築マンションでは、マンションが建つ前に部屋を内覧することはできません。しかし、ほとんどの場合、モデルルームが用意されています。そこで実際に住む部屋に近い状況を確認できるので、内装や設備について確認することができるでしょう。
ただし、モデルルームは豪華なオプションが多く付いている状態が多いので、必要な設備に追加料金がかかるかは事前に確認が必要です。モデルルームの内覧時には、物件の担当者から詳しく話を聞きましょう。
内覧時にチェックしておくべきこと
新築物件ならモデルルーム、中古物件なら実際の部屋を内覧することになります。その際には、以下のようなポイントを意識してチェックしましょう。
共有施設・設備について
- エレベーターの数は戸数に対して十分か
- エントランスから部屋までの動線はよいか
- エントランス・ゴミ捨て場などはきれいか
- ゴミ捨て場は各フロアにあるか
- 駐車場・駐輪場に空きはあるか(利用料はいくらか)
- コンシェルジュは駐在しているか
- 共有施設の内容・規模について
後悔しやすいポイントにも挙げられたエレベーターの台数や、玄関からマンションを出るまでの動線を確認しましょう。
物件の室内について
- 十分な広さか・使いやすい間取りか
- 収納スペースは十分か
- 外からの騒音はしないか
- 隣・上下の部屋からの騒音はしないか
- 眺望・日当たりはよいか
- 洗濯物は外に干せるか・干せない場合はどうするのか
入居する人数に合う収納量があるのか確認しておきましょう。クローゼットの容量が足りない場合、別で収納用の家具を設置すると生活スペースが狭くなってしまう可能性も考えられます。
また、眺望から自分が好む景色が見えるか、日当たりは十分かも確認しておくとよいでしょう。日当たりがよくても外に洗濯物が干せない場合は、浴室乾燥機があるのか、干し方についても事前に把握しておくのがおすすめです。
周辺環境について
- 駅からマンションまでのアクセスはよいか
- スーパーやコンビニ、病院など生活に必要な施設は揃っているか
- 学区はどのようになっているか
- 通学で使う道は安全か
- 公園は近くにあるか
実際に住む際にはマンション内だけでなく、周辺環境も重要です。通勤や通学する時の経路を実際に通ってみたり、スーパーやコンビニなどの場所や品揃えを見たりすると、住みやすさを確認できます。
複数のマンションを比較する
マンションを決める時は、1つのマンションだけで決めるのではなく、複数のマンションを比較しましょう。価格・立地・設備などを比較することで、マンションを選ぶ時に重要視するポイントが明確になります。
設備やサービスを検討する
多くのタワマンには豪華な設備やサービスが付いていますが、本当にすべて必要とは限りません。マンションの内覧時には、新しくて珍しい設備やサービスが魅力的に見えるものです。しかし、実際に使うかを冷静に判断しましょう。
例えば、子どもがいない夫婦やすでに子どもが大きく独立しているのであれば、キッズルームは利用しないはずです。利用しない設備やサービスが多いと、管理費の支払いがもったいないでしょう。
メリットとデメリットを両方考慮する

物件を選ぶ時は、メリットとデメリットの両方を考慮する必要があります。自分の生活にとってタワマンはメリットが大きいのか、それともデメリットが大きいのかを考えて選びましょう。ライフスタイルなどによって、タワマンの向き不向きは異なります。
資産価値の落ちにくい物件を選ぶ
タワマンを購入したあとに、転勤や家族の都合で賃貸として貸出したり、売却したりする可能性もあるでしょう。そうした場合を考え、なるべく損が出ないように資産価値の落ちにくい物件を選ぶことも大切です。資産価値の落ちにくい物件は、以下のようなことがポイントとなります。
- 立地:再開発でこれから栄えていく街や交通利便性が高い場所か
- 管理体制:共用部分の清掃が行き届いているのか、修繕計画が適切に立てられているか
- マンションのブランド力:大手ディベロッパーのマンションか
人気エリアにあったり、周辺施設が充実しているような立地条件のよい物件や、大手ディベロッパーのマンションブランドであると比較的高い資産価値を保ち続けられるようです。
また、適切に管理されていないと築年数とともに資産価値は下がってしまいます。そのため、管理体制も十分に確認しましょう。
まとめ
実際にタワマンに住んだ方からは、「高層階だと下まで降りるのが大変」「ベランダに洗濯物を干せない」「物件の値段だけでなく管理費や修繕積立金が高い」などの後悔の声がありました。その反面、タワマンには日当たりや眺望がよかったり、資産価値が高かったり、交通利便性や周辺環境が整っているなどのメリットもあります。タワマンのメリットとデメリットを比較し、自分のライフスタイルに合った物件を選びましょう。
■アンケート概要
タワーマンションを購入した方に質問です。タワマンに住んでどんなことに後悔しましたか?
調査方法:インターネットリサーチ
回答サンプル数:16人
対象:10代~80代男女(全国)
調査時期:2024年7月
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