
リノベーションマンション事例「DIY用の土間は必須!余白を残した空間で暮らしながらつくり続ける」
雑誌「LiVES」に掲載されたリノベーションマンションから、今回は、東京都世田谷区のYさんご夫妻の事例をご紹介します。ベッド、キャビネット、子どもの玩具も、暮らしに必要なものは自分たちの手でつくりたい。DIYで育てて楽しむ未完成形のワンルーム。(text_ Hiromi Matsubayashi photograph_ Takuya Yamauchi)
自分たちの世界観を表現できるインテリアにしたい、コストを抑えて好きな家具を揃えたい――。そんな希望を叶えるために、中古物件を購入してリノベーションしたり、DIYで家具を製作する人が増えている。Yさん夫妻も独身時代から、それぞれが壁の塗装や家具づくりを行ってきたDIY人間。
「お互いに自分が欲しいと思うものは市販品をアレンジしたり、一からつくるという手法を取ってきたので、新居を考えるにあたって中古マンションを自分好みにリノベーションすることは当たり前のように考えていました」(ご主人)
リノベーションのパートナーに選んだのは、ワンストップでサポートしてくれるスマサガ不動産。物件探しはもちろん、資金計画なども頻繁に相談を重ねた。購入した物件は、通勤に便利な地の利、40年余りの築年数は経ていても、共用部分の管理が行き届き、眺望抜群の角部屋で予算の範囲内という、夫妻にとっては理想のマンション。「DIYができる土間」、「ちょっぴり武骨な業務用キッチン」、「家全体がワンルーム」という希望の住まいをリノベーションで手に入れた。

既存のブロック壁をそのまま残した土間スペース。「そろそろワークデスクの天板を変えたいと思っていて」と、ご主人のDIY欲は増すばかり。


●Lets’DIY
床に養生用のブルーシートを敷いて、壁の塗装に励む夫妻。
玄関すぐのモルタル土間は、ご主人念願のDIYスペース。
「以前の住まいではリビングの片隅でDIYをしていたので、食事の際には急いで片付けをしていましたが、今は思う存分、DIY時間を堪能できます」(ご主人)
既存の天井の木軸と壁の塗装は竣工後に夫妻で行った。収納棚やベッドの製作、家具や照明のリメイクなど、住み始めてからもカスタマイズを加え続けて、自分たち仕様の空間づくりを楽しんでいる。


ステンレス製の業務用キッチンは飲食店の厨房を思わせる“男前”なしつらえ。オープン棚を用いた見せる収納で、毎日の調理をテキパキできる環境に整えた。
水まわりは住まいの中央にBOXとして配置。寝室は水まわりの裏に設けて、住まい全体はワンルームながら、プライベートスペースへの視線を適度に遮り、一室空間をゾーニングしている。



●Lets’DIY
市販の子ども用ベッドを参考にしてご主人が描き起こした設計図。
「年月を経るとともに暮らし方や好きなものは変わっていくと思います。その変化に合わせて進化し続け、完成しない家――。ここは私たちにとって、理想としていた環境そのものです」(ご主人)
ライフスタイルが多様化している中、Y邸は今どきスタイルのユニークなリノベのヒントになりそうだ。




手製のマクラメとガラスのランプシェードを合わせた照明。

手が届きやすい高さにつくった木製の物干しアーム。

●Lets’DIY
天井の木軸やコンクリートの壁は竣工後に夫妻で塗装した。
建物データ
〈専有面積〉78.67㎡〈バルコニー面積〉19.89㎡〈主要構造〉鉄筋コンクリート造〈既存建物竣工〉1974年〈リノベーション竣工〉2017年〈設計期間〉4ヶ月 〈工事期間〉2ヶ月〈設計〉スマサガ不動産

※この記事はLiVES Vol.112に掲載されたものを転載しています。
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