このページの一番上へ

リノベーションマンション事例「こだわりが詰まったキッチンは住まいを見渡せる特等席」

雑誌「LiVES」に掲載されたリノベーションマンションから、今回は、東京都新宿区のご夫妻の事例をご紹介します。框扉がアクセントになったクラシックスタイルのアイランド型キッチンは、格子戸を開けると寝室と一体化。どこにいても視界に入る住まいの主役。(text_ Kiyo Sato photograph_ Takuya Furusue)

新宿区内に立つマンションに暮らすご夫妻。妻の有希子さんは、Webを中心にスタイリングを手掛けるテーブルコーディネーターとして活動している。

「もともとインテリアが好きで。自宅で撮影や作業をすることが多いので、常にトキメキを感じられる空間にしたいと思っていました」

と有希子さん。当初は新築マンションも検討したが、好みの内装が見つからず思い切ってリノベーションを前提に中古マンションを探すことに。安田不動産が事業主、リビタがコンサルティングを手掛ける物件を内見したご夫妻は、ゆったりとした1LDKの間取りや日当たり、立地を気に入り購入。モデルルームの内装を手掛けた建築家アトリエエツコの山田悦子さんに設計を依頼してフルリノベーションすることにした。

バスルーム以外を広々とした一室空間に変更したことで、キッチンに立つとすべての部屋や窓外の景色が見渡せる。2面に開口があり、日当たりも風通しも抜群。

「既存のプランを見て、東側の開口を連続して見せることでより広がりが出るだろうと直感しました」

そう話す山田さんは、既存の間取りを踏襲しながらも、キッチンと寝室の壁を撤去して、バスルーム以外がオープンにつながる一室空間へと変更。寝室とLDKを透明アクリルとアルミフレームの格子戸で仕切り、閉め切っても居室同士が緩やかにつながる心地良い空間をつくり出した。

キッチンと寝室は既存の位置と同じ。壁を撤去してオープンに。寝室の格子戸はアクリルとアルミフレームでコストを抑えて軽量化。遮光カーテンで就寝時も快適。
キッチンからは格子戸越しに寝室を見渡す。

住まい全体を見渡せるアイランド型キッチンは、コンロ前も汚れ防止の立ち上がりを設けずオープンスタイルに。グレイッシュトーンを基調に、ヘリンボーンの床や格子戸を取り入れたクラシカルなインテリアに合わせ、グレーの框扉を選び、真鍮製の取手でアクセントをつけた。

床は有希子さんの希望でヘリンボーンを採用。新居に合わせて購入した家具はアンティークが中心。撮影時の背景になるよう壁一面をブルーグレーに塗装した。

真鍮製の取手は収納扉すべてに採用。

「タカラスタンダードのキッチンはオーダーで扉の色やデザインを好みのものに。どこにいてもキッチンが視界に入るので、インテリアとしての美しさを重視しました」

と有希子さん。また職業柄、調理器具や食器類を多く所有するため、キッチンと廊下の両側から開閉できる大容量の吊戸棚を設けるほか、キッチン背面にも家電がすっきりと収まる壁面収納を造作。雑多なものが一切視界に入らず、美しい空間をキープしている。

「基本的にモノを見せたくない」という希望に応え、背面には電子レンジや炊飯器、食器類が収まる壁面収納を設置。床は清掃面を考慮し、キッチンのみタイル貼り。

左・シンク下には包丁を収納。わずかなスペースも有効活用。/右・天板は清掃しやすいクォーツストーン。

「調理から片付けまでがスムーズで便利です。昼間は外にいるみたいに風が気持ち良く、夜はキッチンからも夜景が見えてキレイ。暮らしていて心から楽しいと思える住まいが完成したと思います」(有希子さん)

設備機器もインテリアに合ったものを選択。

リンゴ箱を組み合わせてアートや花器をディスプレイ。

トイレには大容量の収納を設け、正面の壁は濃いグレーに。

建物データ

〈専有面積〉76.87㎡〈バルコニー面積〉5.52㎡〈主要構造〉鉄筋コンクリート造〈既存建物竣工〉2002年〈リノベーション竣工〉2018年〈設計期間〉3ヶ月 〈工事期間〉4ヶ月〈設計〉アトリエエツコ一級建築士事務所〈事業主〉安田不動産〈コンサルティング〉リビタ〈施工〉三井不動産リフォーム

※この記事はLiVES Vol.100に掲載されたものを転載しています。
※LiVESは、オンライン書店にてご購入いただけます。amazonで【LiVES】の購入を希望される方はコチラ

関連する記事を見る
不動産お役立ち記事・ツールTOPへ戻る