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【日本庭園付き】築33年の一戸建てリノベーション事例「子どももペットも遊べて食事も楽しめるウッドデッキを実現」

雑誌「relife+」に掲載された中古一戸建てリノベーション事例から、今回は神奈川県三浦郡Iさんご家族の事例をご紹介。家族4人と大型犬&猫が暮らすのにちょうどいいと感じた、約45坪の築約30年の2階建て。でき上がったのは、広々としたLDKとつながるウッドデッキでした。(text_miki matsuura photograph_ayako mizutani)

  • 工事費:1590万円(税込・設計料別)
  • 神奈川県三浦郡 Iさんの家
  • 家族構成:夫43歳 妻47歳 長女11歳 次女7歳
  • 敷地面積:205.95㎡
  • 延床面積:約147.19㎡ 1階約76.64㎡、2階約70.55㎡
  • 築年数:33年(1989年築)

日本庭園と和室をデッキ+リビングに変更して快適に

子どもたちの希望でペットを飼うことになり、住んでいた賃貸はペット不可だったので、家の購入を検討し始めたというIさん一家。ご主人が釣り好きということもあり、海の近くの物件を探すことにしました。見つけたのは、家族4人と大型犬&猫が暮らすのにちょうどいいと感じた、約45坪の築約30年の2階建て。海まで30分の道のりは、引っ越し後に迎えたラブラドールレトリーバーのお散歩コースになっているそうです。リノベーションは、「段ボール2箱分」(奥さま)と大量にカタログを請求したリノベ会社の資料の中から選んだ空間社に依頼。

立派な日本庭園があった場所にウッドデッキを張り、フェンスで囲ってアウトドアリビングを満喫。道路からの視線を気にせず、借景の緑を楽しめる

日差しを遮るタープを張れば、食事やお茶を楽しめるスペースに。子どもたちは水で洗い流せるチョークを使って、デッキに直接絵を描いて楽しむことも

左・愛犬ノアのお散歩の際は、玄関を通らずにデッキから出入りができるので、人も犬も快適/右・ダイニング南側には、タイルをヘリンボーン貼りにした土間のように使えるスペースを設けた。「靴を置いておけるので庭に出やすく、料理中にハーブを取ってくるのにも便利」(ご主人)。土間の横には奥さまのミシンコーナーも
リビングのアクセントウォールの向こう側は玄関収納。リビング側から使える左手のオープン棚には、デッキで使う七輪などのアウトドアグッズも収納されている
タイル貼りだった玄関へのアプローチは、味わいのある古材の枕木に変更
玄関周りの花壇も美しいI邸の外観。庭のフェンスも植栽で適度に目隠しを
土間を介して庭と気軽に行き来できるダイニングスペース。絵を描くのが好きな姉妹は、タブレットで熱心にお絵描き中。ここで宿題をしたり、ときには絵の具を広げて創作に励むこともあるそう。壁には庭の草花でつくったドライフラワーもたくさん飾られていて、室内にいても癒やされる 
和室と広縁があったスペースをウッドデッキとフラットにつながるリビングに
柱の部分で仕切られていた和室の壁をなくしたことで、外部との一体感が楽しめる広々としたLDKを実現している

広々としたLDKとつながるウッドデッキ

「デザインが私たちの好みにぴったりだったので、1から10まで説明しなくても分かってもらえると思って」(奥さま)

要望したのは、1階の和室をなくしてLDとつなげ、さらにその南側に広がる日本庭園を子どもたちがのびのび遊べるスペースにつくり変えることでした。でき上がったのは、広々としたLDKとつながるウッドデッキ。木製フェンスで囲われたデッキにテーブルと椅子を出してタープを張って、借景の緑を眺めながら朝食を食べたり、釣ってきた魚を焼いたり。また、大勢でバーベキューを楽しめるスペースに。愛犬と遊んだりチョークで絵を描いたりと、子どもたちものびのび遊んでいます。デッキの隣にはルッコラやネギ、イタリアンパセリなど野菜やハーブが植えられた家庭菜園も。食事をしたり、ペットと遊んだり、野菜を育てたりと、内と外を自由に行き来しながらアウトドアライフを楽しんでいます。デッキと一体化したLDKでご主人が気に入っているのは、壁や天井の仕上げに用いた珪藻土。「快適さが全然違います。無垢の床材も気持ちがいい」そうで、自然とのつながりを感じられる空間にマッチしています。また、キッチンやドアなどは既存を生かしつつ、扉を塗り替えたり、金具を真ちゅうやアイアンに替えたりすることで、空間に調和させつつ、味わい深い雰囲気に。

左・ランドリールームからキッチンへの動線。パントリーを兼ねており、キッチン側の壁面の棚には調理器具や食品のストックなどが収められている/右・以前は洗面室にあった洗濯機を、納戸だった場所に移動。キッチンとつながるランドリールームに変更した。掃除道具や猫のトイレなどもここに

キッチンの設備は既存を生かし、クリーム色だった扉を黒に変更。「扉を替えるだけでがらりと印象が変わりました。真ちゅうの取っ手も気に入っています」と奥さま。壁には白いタイルを採用

左・新たに花壇を設け、ユーカリやローズマリー、ジューンベリーなどを配したアプローチ。外壁は塗装し直し、緑が映える明るい外観に/右・和室の押し入れだったスペースを玄関側から使えるシューズクロゼットに。オープン棚のため出し入れがスムーズで、上着が掛けられるハンガーパイブも設置されている。手前の壁面には傘用ハンガーも設置

既存の下駄箱を撤去し、右手にゆったりとしたシューズクロゼットを備えた。そのおかげで広々とした空間を確保した玄関。正面の壁に飾られているのは、ロンドンの地下鉄マップが描かれたポスター

左・造作の洗面カウンターがおしゃれな洗面室。洗濯機スペースだった手前側の壁面に棚を設置し、収納を充実させてすっきりとしたスペースに/右・階段下に設けられた1階のトイレ。北側の小窓から入るやわらかな光が、開放感をもたらす。タオルバーやペーパーホルダーにはブラックのアイアン製のものを採用

LDK側から見た1階廊下。左手のリビング壁面には、奥さまの要望により室内窓を設置。「子どもたちが思春期になったときに、帰宅後に気づかないうちに2階に上がられてしまうのは避けたいと思って。リビングにいてもさりげなく気配を感じられるように、とお願いしました」

縦長の窓が明るさと開放感を演出する階段室。踏み板は既存の上にフローリング材を張り、新たにアイアンの手すりを設置した

左・個室が配された2階は間取りの変更はせず、仕上げを一新。扉は既存を利用し、部屋ごとに色を塗り分けている/右・「壁をピンクにしたいと言っていたのですが、扉を赤くすることで納得してもらいました」(奥さま)という次女の部屋
和室をフローリングに変更した長女の部屋。押し入れはルーバー扉を付けてクロゼットに。姉妹で寝られるよう2段ベッドを設置
「以前は洗濯機の横で仕事をしていたので、とても快適(笑)」というご主人の書斎。現在はリモートワークが中心になり、平日は多くの時間をここで過ごしているそう
FAVORITE DETAILS

左上・洗面室の壁には名古屋モザイクのタイル「アラベスコ」を採用。表面の凹凸に窓からの光がやわらかな陰影を生む/右上・「インスタでインテリアがおしゃれな家をフォローしていて」(奥さま)知ったというガラス作家のランプシェード木の温もりが感じられる/左下・造作の玄関トアは、ベイ松を横張りしたもの。重厚感のある鉄製ハンドルがマッチしている/右下・レトロな雰囲気のスイッチプレートは、ご主人のお気に入り。「カチッ、カチッという音を聞くたびに愛着が湧きます」

建物データ

<建物規模>鉄骨造2階建て<設計期間>2019年9月~11月<工事期間>2019年12月~ 2020年3月<設計・施工>空間社

1階の和室をなくしてリビングを拡張し、室内とつながる広いウッドデッキを設置。ダイニング側には土間を設けて庭に出やすくした。キッチンの隣にあった納戸をパントリー兼ランドリールームとし、回遊動線を設けて家事効率もアップさせている

※この記事はrelife+(リライフプラス) Vol.44に掲載されたものを転載しています。
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