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中古マンションリノベーション事例「木の温もりあふれるキッチンとたっぷりの収納で暮らしやすく」

雑誌「relife+」に掲載された中古マンションリノベーション事例から、今回は神奈川県横浜市 Sさんご家族の事例をご紹介。場所に合わせた最適な収納を設けたことで、念願のハンモックも楽しめるゆったりとしたLDKを実現。(text_ mamiko tonoki photograph_ koji yamada)

  • 工事費:1270万円(税・設計料込み)
  • 神奈川県横浜市 Sさんの家
  • 家族構成:夫30代 妻30代 長女3歳
  • 専有面積:80.08㎡
  • 築年数:20年(2002年築) 

適所適量の収納のおかげで暮らしやすさが格段にアップ

リノベーションの際「収納は多めにしたい」と要望したSさん夫婦。

「前の家にあった収納は押し入れだけ。結局そこに入りきらず、苦肉の策で寝室に大きなハンガーラックを置いていたんです。新しい住まいではLDKをスッキリさせたかったので、収納にはこだわりました」 (奥さま)

衣類をまとめて収納できるよう、寝室の隣に広いWIC(ウォークインクローゼット)を配置したほか、ダイニングと廊下に大型の収納を設けました。玄関の靴収納は使い勝手を考慮してオープンに、ダイニングと廊下の収納には通気性やインテリア性を考慮してルーバー扉を設置するなど、その場所に合わせた最適な収納を設けたことで、念願のハンモックも楽しめるゆったりとしたLDKを実現しました。

オープンな靴棚は全部で11段。天井までスペースをフル活用したので、たっぷり収納できる

靴棚の隣に設置したのは、ルーバー折れ戸の収納棚。キャンプ好きの夫妻が揃えたアウトドアグッズが収まっている。同じルーバー折れ戸の棚をダイニングにも設けた。「フィールドガレージさんの施工事例でよく使われていて、すてきだなと思っていたので、ぜひ取り入れたかったんです。通気性があるところも気に入っています」と奥さま

廊下とLDKの間にあるガラス入りの親子扉は、まるでカフェかショップのドアのよう。真ちゅうのドアハンドルも存在感がある。ガラス面が大きいので、廊下や玄関に光が届いて明るい  

寝室に隣接させた大容量のWIC。出入りがしやすいよう建具はなしに。以前の家では押し入れに収まりきらず、ハンガーラックに掛けていたという衣類が、ここにすべて収められるように。ハンガーパイプや棚は、衣類の種類やサイズによって使い分けられるようこまやかに配慮されている

WICの上部に小さな引き違い窓を設け、湿気対策に役立てている
LDKに隣接する個室は、現在は長女のプレイスペースに。室内窓を設けたことで生まれたニッチを収納に活用している
既存の和室の一部をWICにしたことで生まれたスペースを生かしおもちゃなどを収納。扉ではなくカーテンにしたことで開け閉めしやすくコストダウンにも

斜め張りの腰壁が存在感抜群のオープンキッチン

キッチンのインテリアは、夫妻が気に入っているアウトドアブランドのカフェをイメージしたそう。家具のような存在感のあるキッチンカウンターは、斜めに張ったレッドパインの腰壁とステンレスのバランスが絶妙です。キッチンの位置を変えたことで回遊動線が生まれ、コンパクトなパントリーも確保できました。オールステンレスのシステムキッチンは、ショールームで見て収納力の多さが気に入ったというLIXILの「リシェル」、バックカウンターと吊り戸棚はエクレアでセミオーダーしました。

「週末にはふたりでキッチンに立つこともあるので、通路幅と作業スペースの広さにもこだわってよかったです」(夫妻)

存在感を放つキッチンカウンター。腰壁は節のあるレッドパインを斜め張りに。カウンターテーブルは奥行きがあり、カウンターチェアを置いて食事を取ることもできる。キッチンの隣にはパントリーを設けた。ダイニングスペースとの兼ね合いで奥行き22cmとコンパクトになったが、「迷子になりやすかったキッチン回りのものが、オープン棚にしたことで一目瞭然に。小さなスペースですが、すごく便利です」と奥さま

リビングからキッチンを見る。木を生かしたインテリアと現しの梁が絶妙にマッチしている

キッチンには、リビングからもダイニングからもアクセスできて快適。リビングにいる家族とのコミュニケーションも取りやすい

ダイニング側の収納には、掃除機や書類などLDKでよく使うものをしまっている

セミオーダーのバックカウンターは、キッチンに合わせて天板をステンレスに。吊り戸棚は跳ね上げ扉で使いやすい

大人ふたりがすれ違うのに十分な幅を確保した通路

リノベのきっかけと物件探し

以前は50㎡弱の賃貸住宅に住んでいたSさん夫婦。長女の成長に伴い、もう少し広い家に引っ越したいと漠然と考えていたとき、リノベーションをした友人の家に遊びに行くことに。「リノベーションでこんなに変わるんだ、面白そう、と思いました」と奥さま。家探しの選択肢が広がるのを感じたそうです。夫妻とも勤務先への利用路線が同じであるため、その沿線で物件を探していました。「あればうれしい」程度で条件に入れていた、というルーフバルコニーの広さも後押しとなり、現在の住まいを購入。「ファミリーが多い街の雰囲気も気に入りました」と夫妻。

30㎡以上あるルーフバルコニーは、購入を決めるきっかけのひとつに。近くに高い建物がないため、視界が開けて気持ちがいい。ルーフバルコニーの植栽は、川崎市にあるファームマーケット「ソルソファーム」に依頼。天気のいい週末は、ここでお茶やランチを楽しんでいる。アウトドア用のテーブルやチェアが大活躍

ルーフバルコニーに友人を案内するとき、窓から寝室が見えてしまうのを避けるため、ヘッドボードを兼ねた間仕切り壁を造作。寝室側は有孔ボード、通路側は足場板で仕上げている。通路にはデスクを置いてワークスペースとしても使えるようにしている

寝室側から見た間仕切り壁。有孔ボードをうまく活用し、写真などをディスプレイして楽しんでいる。コンセントを両側に設置しているので、充電に便利

トイレの吊り戸棚は既存を利用。面材を足場板に替えて雰囲気を一新した

洗面の壁には、動物モチーフが楽しい平田タイルの「ケニア」シリーズをランダムに取り入れた

OTHER SPACES & DETAILS

右上・LDKと個室の間仕切り壁に設けたフィックス窓。足場板の窓枠は幅が20cmほどあり、LDK側では小物を飾る棚として、個室側では窓下のスペースをニッチとして活用している/左上・人気の雑貨店「オルネ ド フォイユ」で見つけたアニマル・ワイヤーモビール。照明をつけると幻想的な雰囲気に/右下・キッチンの腰壁は、アウトドアブランドのカフェからインスピレーションを得たそう。シャープな印象のステンレスの棚受けもお気に入り/左下・キッチンの壁のタイルは、一部を斜め貼りに。シンプルなタイルだからこそ映えるアイデア

リノベーション会社はどう選んだ?

物件探しからワンストップで依頼できるリノベーション会社に絞って、雑誌やネットでリサーチ。

「写真を見ていいなと感じたのが、ほとんどフィールドガレージさんの施工事例だったんです。デザインがきっかけでしたが、不動産関係の手続きや住宅ローンのことまでしっかりサポートしていただけて安心でした」(ご主人)

アットホームな雰囲気の社風も気に入ったそう。

「代表の原さんの自宅にお招きいただいたことも大きかったです。木の風合いを生かしたインテリアや観葉植物の多さは、原さんのお宅からの影響ですね」(ご主人)

住んでみて感じたこと、よかったこと

もともとインテリアに強いこだわりがあったわけではなかった、という夫妻。「でも、せっかくリノベするんだったら楽しみたい」と、今まで縁がなかったモロッコやアフリカの雑貨、ファブリックなどを新居に取り入れてみることに。足場板や古材との相性もよく、個性的なインテリアを実現できました。

「キッチンや洗面など水回りのタイル選びも楽しかった。リビングのハンモックやルーフバルコニーなど、くつろげる場所が増えたことで、暮らしにゆとりが生まれました。植物の手入れをしたり雑貨のディスプレイを考えたりする時間も楽しいです」(奥さま)

建物データ

<建物規模>地上10 階建ての9 階<設計期間>2021年2月~ 3月<工事期間>2021年3月~ 4月<設計・施工>フィールドガレージ

北側の2室をつなげて主寝室とし、広いWICを隣接。主寝室はいずれ2室に分けて子ども部屋として使うことも視野に入れている。水回りは位置を変えず、キッチンの向きを変更したことで回遊できる動線も生まれた

※この記事はrelife+(リライフプラス) Vol.44に掲載されたものを転載しています。
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