一戸建ての防犯対策!空き巣に狙われやすい家の特徴、セキュリティの高い家にする方法

記事の目次
侵入窃盗は「一戸建て」が狙われる?
警視庁の「住まいる防犯110番」によると、侵入窃盗の発生場所別認知件数は、一戸建住宅が33.0%ともっとも多い結果となりました。

※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはならない
※その他の施錠開けとは、ピッキング、サムターン回し、合かぎ以外で施錠を開けるもの
※ドア錠破りとは、ドアの隙間にバールなどを差し込み、施錠部を強引にこじ開けるもの
マンションは1階の部屋を除いて窓が高い位置にありますし、オートロックの備わったものも少なくありません。一方、一戸建ては玄関や窓が1階にあるため、マンションに比べて外部から入りやすくなります。こうしたことが、一戸建てが狙われやすい理由といえるでしょう。
一戸建てで多い被害は「空き巣」

侵入窃盗といってもいろいろな手口がありますが、もっとも多いのは「空き巣」です。このことから、一戸建てでも空き巣被害が多いことが分かります。
空き巣・居空き・忍び込みの違いは?
侵入窃盗といっても、いくつか手口の種類があります。どのような違いがあるのか、「空き巣」「居空き」「忍び込み」の3つについて確認しておきましょう。
空き巣とは
空き巣とは、住人が留守の間に侵入するものを示します。侵入窃盗のなかでも、もっとも被害の多く起きている手口です。侵入窃盗と聞くと、空き巣を最初にイメージする方も多いでしょう。
居空きとは
居空き(いあき)は空き巣と異なり、住人が在宅している間に侵入するものを示します。在宅中のため被害そのものは少ないですが、身体に不自由があったり、高齢者のみで住んでいたりする場合は、侵入されても気づきにくく被害が起きてしまうかもしれません。在宅しているからといって、必ずしも安心とはいえないようです。
忍び込みとは
住人が在宅しているなかでも、就寝時に侵入するものを「忍び込み」と呼びます。眠っているため物音や気配に気づきにくく、知らないうちに被害が発生してしまう可能性も。朝起きてみると、家の中が荒らされていたといったケースが該当します。
一戸建ての侵入窃盗、侵入口は「窓」が多い
窓や玄関など、一戸建てにはいくつか侵入経路となりやすい場所があります。

特に侵入経路として多いのが「窓」です。たとえ施錠していても、割って入られてしまうかもしれません。周囲が騒がしい状態では、多少の音もかき消されてしまうでしょう。道路に面していない部屋の窓なら、周囲からの目が届きにくく侵入されやすい可能性があります。
なお、窓に次いで多いのは「表出入り口」、つまり玄関です。周囲から見えやすい場所のため、意外に思われる方は多いかもしれません。
一戸建ての侵入窃盗、侵入手口は「無締り」
それでは、なぜ一戸建てに侵入されてしまうのでしょうか。その具体的な手口についても、データをもとに見ていきましょう。

もっとも多い手口が「無締り」です。無締りとは、玄関や窓などに鍵がかかっていない状態のこと。これでは、誰でも簡単にドアや窓などを開けて入れてしまいます。侵入窃盗をおこなう犯人は、まずどこか開いている場所がないか探して回り、見つけた場所から侵入してしまうのです。
次に多いのが「ガラス破り」となっています。窓ガラスなどは強化加工されていないと、物をぶつけるなどして簡単に割れてしまいます。また、用具を用いて切ることによって、大きな物音を立てずに侵入されてしまうこともあるでしょう。
侵入窃盗に狙われやすい家の特徴とは
どのような一戸建てが侵入窃盗に狙われやすいのか、ここで3つの特徴を解説します。ご自宅が該当しないか、一つひとつ確認してみてください。
留守にしている時間帯が明確
侵入窃盗のなかでも、先にご紹介したとおり不在時の「空き巣」がもっとも多く発生しています。いつも決まった時間に家を空けている場合、不在が分かりやすいので侵入窃盗に狙われやすくなるでしょう。
人通りが少なく死角が多い
周辺に人通りが少ないと、外から人の目が届きにくいため侵入されやすくなります。また、死角が多い物件では、一度そこに入られると周囲から見えないため、犯行が起こりやすいでしょう。
セキュリティが手薄
セキュリティが手薄ということは、それだけ侵入が容易ということです。マンションに比べて十分なセキュリティ対策がおこなわれていない一戸建ては、侵入窃盗に狙われやすくなります。
一戸建て住宅におすすめの防犯対策は?
一戸建て住宅では、どのような防犯対策がおこなえるのでしょうか。窓や玄関など、場所によっても対策は異なります。具体的なものを下記に取り上げて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
窓の防犯対策
まずは侵入経路として多く見られる、窓の防犯対策についてご紹介します。特に侵入経路となりやすい場所ですので、十分な対策を検討してください。
雨戸やシャッターを付ける
窓に雨戸やシャッターを付けて、不在時や就寝時などに閉めましょう。そうすれば、直接窓を割ることができなくなるので、侵入防止につながるでしょう。台風などの安全対策にもなるのでおすすめです。
合わせ窓や二重窓を付ける
窓を合わせガラスにしたり二重窓にしたりすることで、窓自体を強化して割られにくくします。防犯だけでなく、断熱や防音など効果も期待できます。
クレセント錠や補助錠を付ける
窓に鍵付きのクレセント錠を付けたり、補助錠を付けたりするのも防犯対策につながります。これによって、たとえ窓が割られても簡単に鍵が開けられず、侵入窃盗を防げる可能性が高まるでしょう。
防犯ガラスや防犯フィルムで強化する
窓ガラスを、割られにくい防犯ガラスにするのも有効な防犯対策といえるでしょう。ただし、防犯ガラスはある程度のコストが掛かります。もし難しい場合には、比較的安価な防犯フィルムをガラスに貼るのも一つの方法です。ご自身で簡単に貼れるうえ、ガラスが割られにくくなります。
玄関や勝手口の防犯対策
続いて、玄関や勝手口からの侵入を防ぐ防犯対策をご紹介します。
ディンプルキーや補助錠を付ける
鍵を使わず、かつ壊さずに開錠することを「ピッキング」と呼びます。これを防ぐのに有効なのが、ドアの鍵をピッキングされにくいディンプルキーに交換したり、補助鍵を付けたりする方法です。これによって、ドア鍵が開けにくくなり侵入を防げます。
サムターンカバーを付ける
ドアの室内側に付いている鍵を施錠・開錠する金具を、「サムターン」と呼びます。このサムターンを回してドア鍵を開ける、「サムターン回し」による侵入が少なくありません。この対策として、ドア鍵にサムターンカバーを付けるのも有効です。
人感センサーや防犯カメラを付ける
玄関や勝手口を常時撮影できるよう防犯カメラを付けたり、人が近づくとライトで照らす人感センサーを取り付けたりするのもよいでしょう。防犯カメラで撮影していると犯行後に捕まる可能性が高くなるため、犯行を控えるケースも少なくありません。また、夜間にライトが付くことで周囲の目が気になり、侵入を断念させるといった効果も期待できるでしょう。
建物周辺・庭の防犯対策
窓やドアなどといった家の設備だけでなく、庭や建物周辺にも防犯対策がおこなえます。自宅の環境を確認したうえで、下記に取り上げるような対策を検討してみてください。
死角を作らないようにする
死角に入られてしまうと周囲から見えないため、犯行が起こりやすくなります。そのため、死角ができないようにすることが大切です。例えば庭が柵などで囲われていたり、窓が隣の家との隙間にあったりすると、そこから侵入を許してしまうかもしれません。まずは、家の周りに死角がないか確認しましょう。
足場となるものを置かない
窓が高い位置にあれば侵入しにくくなりますが、それだけでは安心できません。周囲に足場になるようなものがあれば、それを使って侵入されてしまいます。エアコンの室外機に乗ると窓に手が届いてしまう、あるいは椅子など移動して台になるようなものがないかなど、見落とさないようにしましょう。
砂利を敷く
芝生やコンクリートは見た目こそいいですが、防犯性はありません。庭や通り道になるような場所に砂利を敷くと、歩くたび音が鳴るので防犯対策になります。音が鳴りやすい防犯向けの砂利も販売されているので、そうしたものを使用すれば、さらに防犯性を高められるでしょう。
草木はきちんと手入れをする
庭が雑草だらけで手入れされていないと防犯意識が低い、あるいは力仕事のできる人が家にいないなどと受け取られ、侵入されやすくなります。また、侵入時にものを動かしても変化が分かりにくいため、侵入に気づきにくいと判断される可能性も高いでしょう。日ごろから、草木などはきちんと手入れしておくことが大切です。
その他の防犯対策
ここまでご紹介した以外にも、ちょっとした工夫や対策で防犯性を高められます。
ほんの少しの外出でも鍵をかける
空き巣は5分以内に侵入するといわれており、ゴミ出しなどの短時間に狙われるケースも。窓やドアなどの施錠は習慣化しましょう。たとえ近所に少し出かけるだけでも、鍵をかけ忘れたことで侵入されてしまう可能性があります。
カーテンや雨戸を閉めっぱなしにしない
日中でもカーテンや雨戸が閉まっていると、周囲に不在だと思われてしまいます。その結果、侵入窃盗のターゲットになりやすいでしょう。夜間を除き、カーテンや雨戸の閉めっぱなしは避けてください。
郵便物を溜め込まない
ポストに郵便物が溜まっていると、長期不在にしていると思われてしまいます。そのため、カーテンや雨戸の閉めっぱなしと同様、侵入窃盗で狙われやすくなるでしょう。こまめに郵便物を確認し、ため込まないようにしてください。
ご近所づきあいをする
ご近所づきあいをして、周囲の方々と仲良くなっておくことも防犯対策になります。怪しい人を見かけたときに知らせてもらえたり、旅行など長期不在の際に注意して見ていてもらったりできるよう人間関係を築きましょう。
マーキングされていないかチェックする
空き巣がつける「マーキング」をご存じでしょうか。例えば表札や郵便受けなどに、ローマ字や記号などが書かれていたら要注意です。以下のように空き巣がメモ書きして、狙われている可能性があります。

<マーキング例>
- 男性:M
- 女性:W
- 一人暮らし:S
- ファミリー:F
- 侵入のしやすさ:〇、△、×
- 不在の時間:0920(9時~20時)
マーキングの記載は、一人暮らしの女性で侵入しにくい家なら「WS×」、ファミリーで住んでいて、不在の時間が9時~20時と分かり、侵入しやすい家であれば「F0920〇」といった形です。また、小さいシールを使ってマーキングすることもあります。まずは、表札、郵便受け、インターフォン、電気やガスのメーターなどにマーキングされていないか確認してみましょう。
犬を飼う
犬を飼うのも防犯対策の一つです。「番犬」と呼ばれますが、不審者がいた場合に吠えることで、周囲の目を引いたり追い返したりしてくれます。室内犬であっても、例えば就寝時に侵入者がいた場合、気づいて吠えることもあるでしょう。ただし、犬種によって番犬としての向き不向きがありますので、防犯を目的として飼う際には注意してください。
ホームセキュリティを導入する
ホームセキュリティを導入すれば、万が一の際に安心度が高まります。異常が起きた場合に音で知らせたり、スマートフォンで屋外から自宅の状況を確認したり、ガードマンが駆け付けてくれたり。どこに、どのような対策をおこなうべきか、プロの目線からアドバイスしてもらえるでしょう。例えば、どうしても死角が解消できなければ、センサーを取り付けることで防犯対策が講じられます。
大手セキュリティ会社では月5,000~6,000円前後が費用の目安となり、その他に初期費用がかかります。センサーやカメラの設置のみであれば月1,000円程度で導入できるものもあるので、よく比較検討することが大切です。
まとめ
一戸建ての防犯対策についてご紹介しました。一戸建てでは、窓などを侵入経路とした空き巣が多く発生しています。マンションより発生数が多く、ご自身での対策が欠かせません。防犯対策といっても、その方法はさまざまです。まずは自宅の状況や環境をよく確認したうえでリスクを考え、必要な対策を講じましょう。草木の手入れやマーキングのチェックなどすぐに取り組める対策もありますので、本記事の内容を参考に取り組んでみてください。
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