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天然芝と人工芝はどう違う?どっちがいい?特徴とメリット・デメリットを徹底解説

天然芝と人工芝はどう違う?どっちがいい?特徴とメリット・デメリットを徹底解説
庭といえば、心地よい自然を感じられる芝生に憧れる方も多いですよね。「おしゃれなデザインに芝生を使いたい!」「芝生のほうが子どもやペットが遊びやすそう」などなど……。庭を芝生にする理由はさまざまですが、それぞれの目的に合わせてまず検討しておきたいのが、使用する芝の種類です。一般的に、家庭で使われる芝は、大きく分けて天然タイプと人工タイプの2つがあります。そこで今回は、天然芝と人工芝の違いや特徴、双方のメリット・デメリットなど、詳しい活用方法なども含めながら解説していきます。

天然芝と人工芝はどう違う?

天然芝と人工芝はどう違う?
天然芝と人工芝はどう違う?

天然芝の特徴

天然芝とは、芝草と呼ばれる植物が集まって生えたものを指し、他の草花と同じように葉が伸びたり枯れたりします。植物として生きて育つのが天然芝ですが、強い茎や葉を持つことから、踏んでも問題なく生え続けます。天然芝は植物なので、四季折々の趣や、独特の香りが楽しめるのも特徴。なお天然芝は生きているため、維持するには日光や水などの栄養分が欠かせません。

人工芝の特徴

人工芝とは、合成樹脂を使って人間の手で製造された模造タイプを指し、ターフとも呼ばれるフェイクグリーンです。あくまで人工芝は、植物の芝草に似せてつくられたものなので、当然ながら生育はしません。人工的な模造品のため屋内でも屋外でも関係なく使用でき、なおかつ常に同じ状態で保つことができる特徴があります。

天然芝と人工芝の違い

天然芝と人工芝の大きな違いは、生きた植物かどうかの部分です。天然芝は生育環境に応じて変化しますが、人工芝は基本的に周囲からの影響はほとんど受けません。簡単にまとめると、より自然らしい風情を味わいやすいのが天然芝、いつでも一定の緑豊かな表情を楽しめるのが人工芝といえます。

天然芝のメリット・デメリット

天然芝のメリット・デメリット
天然芝のメリット・デメリット

ではここからは、天然芝と人工芝に分けて、それぞれのメリット・デメリットをご紹介。まずは天然芝ならではのメリットと、注意しておきたいデメリットから整理していきます。

天然芝のメリット

天然芝には、見た目はもちろん、機能面での魅力もいくつかあります。実際にどのようなメリットがあるのか、以下から詳しく見ていきましょう。

四季による見た目の違いを楽しめる

天然の植物だからこそ、季節ごとの日光の強さや気温などに応じて、表情が変わっていく様子を楽しめるのが大きなメリット。また葉によって長さ・色・太さなどにも細かな違いがあり、きっちり揃いすぎない、ナチュラルな佇まいも天然芝ならではの魅力です。あまり安っぽさがなく、美しい自然な風景をつくりやすい利点があります。

初期費用が安い

天然芝の場合、本体価格が比較的リーズナブルで、芝生だけなら1平米あたり500円~1,000円程度で購入できます。そこから下地などの材料費を含めると、1,500円~4,000円/平米になるのが大まかな相場です。ちなみに人工芝になると、本体価格は平均的に見て天然芝の5~6倍、なかには10倍ほどになる種類もあります。天然芝のほうがそもそもの本体価格が安いため、人工芝に比べると初期の導入費用は抑えやすいメリットがあります。

夏場は涼しくリラックス効果がある

天然芝は水分を含んでいるので、夏場の強い直射日光を浴びても、表面温度はさほど上がりません。一方で人工芝になると、日光を吸収してしまうので、真夏には表面が熱くなりすぎる特徴もあります。天然芝のほうが夏でも比較的涼しく感じやすく、心地よく過ごしやすいのも利点です。

バーベキューや花火を楽しめる

比較的火気に強いので、庭でバーベキューや花火も楽しめます
比較的火気に強いので、庭でバーベキューや花火も楽しめます

先ほども出てきたように、天然芝は植物なので内部に水分があり、火気にも比較的強い特徴があります。もちろん直接火を付けるのはNGですが、バーベキューや花火などの火気であれば、さほど影響はないので気にせずに楽しめます。ただし枯れていると乾燥しているため、火が付きやすく危険ですが、基本的には多少の火気なら取り扱いの心配はないでしょう。

天然芝のデメリット

天然芝で注意しておきたいのは、植物としての取り扱いです。どうしても生育に向けた環境やお手入れが必要なので、以下のような一面があることも覚えておきましょう。

定期的な水やり・芝刈りが必要

定期的なケアとメンテナンスが必要です
定期的なケアとメンテナンスが必要です

天然芝は植物のため、栄養分となる水は欠かせません。また天然芝は、枯れない限りどんどん成長するので、伸びすぎないように芝刈りをする必要があります。特に芝刈りをせず伸ばしっぱなしにしていると、芝生が枯れたり変色したりする原因になるケースも。きちんとキレイに維持するためにも、定期的なケアをしなければならない部分には注意しましょう。

ランニングコストがかかる

天然芝のメンテナンスとして、前述にもある水やりや芝刈りの他、肥料やり・除草などの作業が発生します。水やりは夏場なら毎日、それ以外は基本的に春から秋にかけて、毎月お手入れをするのが望ましいとされています。どうしてもメンテナンスには手間がかかりますし、維持費用も欠かせません。ちなみに芝刈り機は安くても1台につき1万円~2万円、肥料・除草剤などは年間1万円ほど見ておきましょう。また年1回は、天然芝を活性化するエアレーション(土壌の空気循環)をおこなうのがベストですが、工具代として1万円程度は必要です。天然芝の場合、労力も含めたランニングコストがかかる点はデメリットかもしれません。

施工場所を選ぶ

天然芝には生育するための土壌と日光が必要なので、基本的には日当たりのいい屋外にしか使えません。太陽光が入りにくい場所だとうまく育たない可能性があり、一部が日陰になるケースでは見た目にムラができてしまうことも。なるべく青々とキレイな芝生にしようとするなら、天然芝を敷く場所にも注意しなければなりません。

冬の景観が悪い

寒い冬場になってくると、天然芝は休眠期間に入るので、茶色く枯れたような見た目に変色します。いきいきとした緑ではなくなるため、どこか寒々しい雰囲気になりやすく、全体的な風景が暗く感じてしまう可能性も。寒いシーズンならではの閑静な空気感を楽しめる一方で、明るく開放的な景観を好む人にとっては、デメリットに思えるかもしれません。

人工芝のメリット・デメリット

人工芝のメリット・デメリット
人工芝のメリット・デメリット

続いて、人工芝のメリットとデメリットを見ていきましょう。
人工芝は比較的強度があり、どこでも使いやすいことから、グラウンドやパターゴルフなどにも幅広く使用されています。天然芝に比べて万能型ではあるものの、もちろん気を付けておきたいデメリットもあるので、メリットと分けて見ていきましょう。

人工芝のメリット

人工芝は、植物ではない分取り扱いがしやすく、維持にも手間がかかりにくい魅力があります。具体的には、次のようなメリットが挙げられます。

一年中青々としている

人工芝は、天然の植物のように枯れたり休眠したりはしないため、季節を問わず常に鮮やかな緑の庭にできます。人工芝なら、寒い冬でも青々としたさわやかな風景が広がるので、年中明るい雰囲気になりやすいのは大きなメリットです。

定期的なメンテナンスが不要

人工芝は、あくまで植物に似せた化学製品なので、天然芝のようなお手入れは必要ありません。水やりや芝刈りなどの手間はなく、一度敷いてしまえば、簡単に掃除する程度でキレイに維持できます。雑草が生えたり芝が伸びすぎたりもする心配もないため、基本的に細かいメンテナンスをしなくても、景観が悪くなることはないのも利点です。

ランニングコストがほぼかからない

前述にもあるように、ほとんどメンテナンスの必要がないので、ランニングコストもかかりません。とはいえ人工芝も、使っているうちに形や色は劣化していきますが、一般的には大体10年が寿命といわれています。大まかな目安として10年に1回程度の交換は発生するものの、それ以外のお手入れはほぼないため、出費的にも労力的にもコストパフォーマンスは高いでしょう。

施工場所を選ばない

人工芝なら、土や日光がなくても敷けるので、場所に関係なく芝生にできるメリットがあります。例えば、マンションのベランダやバルコニー・日光の入りにくい中庭・屋根のあるカーポートなど。地面がコンクリートだったり、日陰になったりする場所にも使いやすく、どこでもキレイな緑の芝生をつくることが可能です。

人工芝のデメリット

人工芝は、お手入れの負担がほとんどない便利さはありますが、以下のような点には注意しましょう。

四季の景観がなく、人工的な見た目

近年の人工芝は、かなり植物に近いリアルな見た目にはなっているものの、どうしても質感的には天然芝に劣る一面があります。合成樹脂でつくられているため、天然芝に比べて手触りも少しゴワゴワしていて、やはりナチュラルな風情は感じにくいかもしれません。なかには、より自然な雰囲気につくられた高品質な人口芝もありますが、かなりコストはかかってしまう難点もあります。

施工費用が天然芝よりかかる

先ほども出てきたように、天然芝に比べて人工芝のほうが本体価格は高く、施工費用もかかりやすい点には注意が必要です。商品ごとに大きく異なりますが、1平米あたり安くても1,000円~2,000円程度、高級品では1万円前後するケースも。それに加えて芝生を敷くための材料費や作業費が加算されることを想定すると、天然芝より人工芝のほうが、初期の導入費用は高くつきやすい一面があります。

火気厳禁

人工芝は、熱や火気にあまり強くない材質でできています。真夏には表面温度が急激に上がり、素手で触るとやけどするほどの熱を持ってしまうケースも。また火が近付くと溶けたり燃え広がったりする危険もあり、バーベキューや花火には向いていません。天然芝のように火を使用する場所としては使いづらいデメリットがあります。

年数が経つと芝が寝る

天然芝の場合、葉が伸びて芝刈りをして生え変わるのを繰り返すため、定期的に新しい芝になります。一方で人工芝では生え変わりはしないため、何年も同じ状態で使われることになります。長年にわたって、人の体重などの重みがかかってしまうので、人工芝がだんだん倒れて形状が変わりやすい難点も。細かなメンテナンスの必要はないものの、あまりに傷んできた際には、交換して敷き直す必要があるでしょう。

天然芝と人工芝どっちがいい?こんな人におすすめ!

天然芝と人工芝の比較表(編集部で作成)
天然芝と人工芝の比較表(編集部で作成)

ここまでにご紹介してきた、天然芝と人工芝それぞれのメリット・デメリットを表にまとめてみました。いずれにしても一長一短なので、芝生をつくる際には、天然芝と人工芝のどちらが向いているのか十分に見極めることが大切。以下から、天然芝と人工芝に分けて、どのようなタイプの人に適しているのか整理していきます。

天然芝がおすすめな人

  • 「天然もの」にこだわりたい人
  • 四季の景観と自然を楽しみたい人
  • 初期費用を抑えたい人
  • 庭で火を使ったアクティビティを楽しみたい人

天然芝は、やはり自然感を重視したい場合におすすめ。また夏場の涼しげな感覚や、やさしい手触りもあるので、例えば小さなお子さんやペットを遊ばせる庭に敷きたい時にもぴったりです。火気や熱にも比較的強いため、屋外でのアクティビティを楽しみたい人に向いているでしょう。

人工芝がおすすめな人

  • 芝刈りや水やりなどのお手入れをしたくない人
  • ランニングコストをかけたくない人
  • マンションのベランダに芝を敷きたい人
  • 日当たりの悪い場所に芝を敷きたい人

人工芝は、なるべくメンテナンスを手軽に済ませたい場合におすすめです。また場所を問わず芝生にできるため、日当たりのいい庭以外で使用したい時にも向いているでしょう。どちらかといえばアクティビティを楽しむより、おしゃれな空間演出や、デザインのアクセント的に使うのが適しています。

天然芝・人工芝の施工実例

では実際に、天然芝と人工芝のそれぞれを使った、庭づくりの参考例もご紹介していきます。

天然芝

こちらは、一戸建ての庭に天然芝を活用した事例で、リビングとダイニングの目の前に芝生が広がります。建物と庭の間に土間テラスがあり、さまざまなアクティビティが楽しみやすい環境にしているのが特徴。家からお子さんが外で遊ぶ姿も眺めやすく、また土間テラスがあることで、屋外でのパーティーなどもしやすい空間になっています。

人工芝

【70㎡のルーフバルコニー付き】中古マンションリノベーション事例「空と景色をひとりじめ。開放感満点の都心の天空ガーデン」
【70㎡のルーフバルコニー付き】中古マンションリノベーション事例「空と景色をひとりじめ。開放感満点の都心の天空ガーデン

こちらはマンションのルーフバルコニーに人工芝を活用した事例で、本来はコンクリート造ながらも、自然を感じられる開放的な空間演出をしています。人工芝と観葉植物を存分に取り入れることで、屋上を使った清々しいガーデンテラスを実現。加えてウッドデッキや家具を置くことで、明るい風景を眺めながら、リラックスできるスペースにしています。

まとめ

最後に、天然芝と人工芝の特徴について、簡単にまとめていきます。

天然芝と人工芝の違いは?

天然芝は芝草と呼ばれる植物そのもので、人工芝は芝草を模してつくられた合成樹脂の芝生です。天然芝は実際に草が伸びて生え変わっていきますが、人工芝は常に変わらない状態で生育しません。基本的に天然芝と人工芝は、生きた植物かどうかの点に違いがあります。

天然芝のメリットとデメリットは?

天然芝では自然ならではの季節感や質感が楽しめるうえに、火や熱に強くアクティビティ向きで、初期費用も比較的安く済みやすいのがメリットです。ただし植物なので、枯らしたり変色したりしないように、こまめなメンテナンスが必要。ランニングコストがかかりやすく、また生育環境を選ぶデメリットがあります。

人工芝のメリットとデメリットは?

人工芝は場所を問わず使いやすいフェイクグリーンで、土や日光がない環境でも芝生にでき、メンテナンスの労力もコストもなく年中キレイに維持できるメリットがあります。ただし見た目的には人工感があり、火気や熱、人に踏まれる重みなどに弱い一面も。また天然芝に比べて、初期費用が高くなりやすい点がデメリットです。

いかがでしたか?天然芝も人工芝も、気持ちのよい芝生をつくるためのアイテムであり、それぞれにメリットもデメリットもあります。天然芝のほうが味わい深く、アクティビティにも使いやすい魅力はありますが、その分メンテナンスの負担は大きくなります。一方で人工芝は手間をかけなくても、どこでも年中同じ鮮やかな風景をつくれますが、天然芝ほどの雰囲気は出しづらい一面があります。このようにそれぞれで異なる特性を持っているので、実際に芝生をどう活用していくのか、ご家庭ごとのライフスタイルに応じて選ぶことが重要。
ぜひ本記事を参考に、芝生のある生活をしっかりとイメージしたうえで、天然芝か人工芝か検討してみてくださいね。

執筆者

たけなつ

2019年よりフリーで活動しているWebライター。
広告会社でのコピーライターを経て、現在は幅広いジャンルのコラム記事などを執筆。
愛知・東京・北海道と各地を渡り歩き、19歳からの10年で7回引越しを繰り返す好奇心旺盛人。

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