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サンルームとは?メリット・デメリットやテラス囲いとの違いを解説

サンルームとは?テラス囲いとの違いや活用方法をご紹介
屋内ながらも、明るい陽だまりを満喫できる、おしゃれで開放的なサンルーム。家のなかでも、自然光を浴びてほっとくつろげるリラックス空間があるのには、何だか憧れますよね。ちなみにサンルームのように、部屋にもつながったガーデンルームにできるスペースとして、テラス囲いと呼ばれる種類もあります。どちらも性質的にはよく似ていて、特に日本ではサンルームの呼び名が広まっていることもあり、実際にはテラス囲いでも名称が混同しているケースも。

とはいえ厳密にはサンルームとテラス囲いは異なるもので、法律的な取り扱いも変わってきます。そこで本記事では、サンルームの概要やテラス囲いとの違いなど、基本的なポイントを解説。またサンルームのメリット・デメリットや、活用方法もご紹介していきます。

サンルームとは?

サンルームとは、庭の一部を屋内化したガラス張りのスペースのことです

サンルームとは、敷地内の庭の一部を屋内化したスペースで、ガラス張りになっているのが大きな特徴です。もともとサンルームは、西洋家屋の建築様式でよく見られる、コンサバトリーから派生したガーデンスペース。ちなみにコンサバトリーとは、保護する・守るなどの意味を持つ「conserve」が語源となっていて、かつての西洋では植物の温室や貯蔵庫として利用されていました。そうしたコンサバトリーよりも、少し小規模になったのが、現在のサンルームです。

サンルームは、屋根から壁まで全面的にガラスで囲う他、建築基準どおりコンクリートの基礎から施工して設置します。一般的な部屋と同様に、水密性や気密性が高い構造にできるのが利点。またサンルームは後付けもできますが、その場合には床面積が広くなる増築となるため、固定資産税も増すことになります。

テラス囲いとは?

先ほども出てきたように、サンルームと似たようなスペースとしてテラス囲いがあります。テラス囲いは別名で簡易サンルームとも呼ばれており、実際の見た目もほぼ同じような空間です。ただテラス囲いの場合、サンルームのように基礎から工事するのではなく、柱によって地面に設置します。サンルームに脚が付いているようなイメージで、構造も簡素になっているのがテラス囲いです。サンルームに比べると簡単な設備になっていて、比較的工期も短く、コストもかかりにくい特徴があります。

サンルームとテラス囲いの違いは?

サンルームとテラス囲いには、似た部分と相違点の両方があるので、以下にそれぞれの比較表をまとめてみました。

  サンルーム テラス囲い
サンルーム テラス囲い
イメージ 部屋の一部 部屋の延長
相場 50万~80万円 30万~55万円
固定資産税 対象 自治体により異なる
コンクリート
基礎工事
あり なし
気密性・水密性 高め やや低め

なお簡易的な構造のテラス囲いの場合でも、地域によっては建物と同じ扱いになるケースがあり、固定資産税に影響する可能性があります。自治体ごとに条件などは変わってくるため、あらかじめ確認しておくと無難でしょう。

サンルームのメリット

サンルームは全面ガラス張りなので、部屋に日差しを取り入れやすくなります

サンルームがあることで、おしゃれな空間演出ができるだけでなく、次のように機能面でもいくつかのメリットがあります。

天候や花粉を気にせず洗濯物が干せる

サンルームはガラス張りになっていて、まるで屋外のような空間ながらも、しっかりと屋根と壁に覆われたスペースになっています。雨が防げるうえに、花粉・PM2.5・黄砂などの健康被害をおよぼす屋外の浮遊物をブロックしながら、洗濯物を干せるのが大きなメリット。虫も付きにくいのが利点です。天気や季節に関係なく、いつでも外干しに近い感覚で洗濯しやすいのが特徴。

また普通の部屋よりも太陽光が当たりやすいので、室内ながらもきちんと乾きやすくて安心です。天候の影響を受けないため、常にサンルームを物干しスペースにしておけば、日によってリビングや浴室で部屋干しする必要もなくなります。そうすれば場所も取りませんし、急な来客があった時でも、わざわざ洗濯物を片付ける手間も減ります。

日光を取り入れやすくなる

サンルームは屋根も含めて、基本的に全面がガラスで囲われています。採光する間口がかなり広くなるため、日光が取り入れやすく、サンルームにつながる部屋全体が明るくなるのもメリット。特に冬場なら、日当たりのいい場所にあるサンルームであれば、日中は暖まりやすい利点もあります。ただしガラスの材質によっては外気の影響を受けやすく、気候の厳しい夏や冬には、暑さ・寒さを感じやすくなるケースも。きちんと断熱性能も考慮したガラス材を使用することで、気温の変化を防ぎつつ、太陽光をしっかり浴びられる空間にできます。

間取りが広がる

サンルームは、基礎工事によって取り付けるスペースで、建物の一部として取り扱います。例えばリフォームして後付けする場合には増築となるため、床面積が増加する分、資産価値も高くなるのが特徴です。もちろん使い方次第ですが、第二のリビングにするなど、新たな部屋としての利用も可能。単純に家が広くなり、居住空間も増えるので、さまざまな活用方法も考えられるのは大きなメリットでしょう。

サンルームのデメリット

サンルームは固定資産税の対象です。取り付けると課税されてしまうのもデメリットのひとつかもしれません

ここまでに見てきたように、サンルームによるさまざまな効果が見込めますが、一方で注意しておきたい部分も。以下のような点も頭に入れつつ、検討してみてください。

施工日数がかかる

サンルームを設置する際には、地面に接する構造部分から工事をしていく必要があります。前述にもあるテラス囲いよりも、施工の規模は大きくなるため、費用や時間はかかりやすくなる一面も。

たとえば後付けする場合、サンルームの広さや性能次第では、完成までに1週間以上かかってしまうケースもあります。住みながらリフォームをしてサンルームを取り付ける場合、外の工事の様子が気になってしまい、どことなく負担に感じてしまう可能性も。施工期間が長くなればなるほど、住人のストレスにもなりやすい点には要注意です。

固定資産税がかかる

今までにも出てきているように、サンルームを設置することで家全体が広くなり、不動産としての価値も高くなる傾向にあります。そうなると、資産価値によって税額が決まる固定資産税も、サンルームによって加算されてしまうのはデメリットかもしれません。ただし自治体によってはテラス囲いであれば、建物に区分されない可能性もあります。固定資産税が気になる際には、あわせて検討してみるとよいでしょう。

保証や保険が効かなくなる場合がある

サンルームを後付けする場合、取り付ける施工方法によっては、外壁に穴を開けたりビスを打ったりするケースがあります。そうすると故意に建物を傷つけたとして、もとの住宅を建てたメーカーによる保証の対象外になる可能性も。また建築基準法では、敷地と建物の床面積の割合(建ぺい率)が決まっており、上限を超えてしまうと違法になってしまいます。建ぺい率が基準から外れてしまうと、火災保険や地震保険にも入れなくなってしまうため、注意が必要です。

生活を豊かにするサンルームの楽しみ方・活用法

子どもやペットの遊び場としても活用できます

では実際に、サンルームがどのように有効活用できるのか、具体的な使い方の例も見ていきましょう。

お子様・ペットの遊び場

建物にも庭にもつながるサンルームは、小さなお子さんやペットが自由に遊べる空間にもできます。広めのサンルームにしておけば、雨の日には閉め切った状態でも使いやすく、天気を気にせずのびのび過ごせるキッズ・ペットスペースにすることが可能。ただサンルームは密閉された状態になりやすく、特に夏場は熱がこもって、高温になりやすい点には要注意。また反対に冬場も、気温がぐっと下がると外の冷気が伝わりやすい一面があります。居住スペースとして使いたい場合には、冷暖房や換気などにも気を付けながら活用していきましょう。

BBQやホームパーティー

サンルームのように室内と屋外の中間となるスペースがあれば、BBQやホームパーティーなども、開放感のある空間で満喫できます。窓を開けておけば、普通の部屋よりニオイもこもりにくく、さらに室内との行き来がしやすいのも魅力。いちいち玄関から出入りする必要もないため、ドリンクや食べ物の持ち運びもスムーズですし、何かと便利です。サンルームによって庭とつながる広々としたスペースを確保しておけば、大人数で集まっても、狭く感じにくく過ごしやすいでしょう。

家庭菜園・植物栽培

太陽光をしっかり浴びられる空間になるので、植物を育てるには絶好のスペースです。ガーデニングや家庭菜園をするのにもぴったりで、虫が付くのを防ぎやすいのもメリット。植物は外に置いておくと、食害に遭ったり害虫・害獣が寄りやすくなったりするケースもありますが、サンルームがあれば防止しやすくなります。植物をしっかりと守りながら、なおかつ日光に当たりやすい環境もつくれて、ビニールハウスのようにも活用できます。

サンルームは自分で作れる?

サンルームの増築には、コンクリートの基礎工事も必要。自作はかなり難易度が高いです

サンルームは、コンクリートによる基礎工事が必要なので、自作するのはかなり難しいでしょう。やはりプロが施工しないと不具合も発生しやすく、できたとしても簡単なテラス囲いになるなど、本格的なサンルームに仕上がらない可能性が高いです。もしサンルームを作りたい場合には、専門の施工会社に任せたほうが無難です。

またマンションなどの集合住宅では、ベランダに取り付けることになりますが、共用部分となるためリフォームやリノベーションは基本的にできません。仮にマンションなどでサンルームを設けるのであれば、建物の所有者で、なおかつ専有部分に限って設置する必要があります。いずれにしても集合住宅では、入居者が無断でサンルームを作ることはできないため、もとから設置されている物件を選ぶようにしましょう。

サンルームのおしゃれなインテリア事例

ではここからは、サンルームを活用した部屋作りの参考例をご紹介。どれもおしゃれな空間を叶えた住まいになっているので、ぜひチェックしてみてください。

サンルームと木のぬくもりで作るくつろぎROOM

部屋に組み込まれたサンルームも、床や壁のテイストを変えることで差別化できます

こちらでは、部屋の内部に組み込まれるようなサンルームになっており、ベランダと兼用するような空間になっています。サンルーム部分のみ、濃いダークブラウンの床になっているのが特徴で、テラス風の温かいスペースになっています。またサンルーム部分にロッキングチェアを置くことで、第二のリビングのように活用しているのもポイントです。

【二人暮らしインテリア×1LDK】サンルームで非日常を味わう異国空間ROOM

サンルームから日差しが差し込み、明るい部屋が実現できます

こちらは、広めのバルコニーの一部がサンルームになっている物件です。サンルームにはテーブルや椅子、観葉植物を置き、集中したりくつろいだりもできる、ちょっとした特別感を演出。サンルームならではの明るい開放感も、どこかロマンのある異空間の雰囲気も醸し出しているのが魅力です。

二人のセンスで選んだアート作品で彩る大人のDIY空間

一戸建て住宅の場合、屋上にサンルームを設けるのも一つの方法です

こちらでは、屋上にサンルームを設けているのが特徴です。ガラスに囲まれたサンルームを部分的に設置し、ガーデニングスペースとして活用。屋上を物干しに使いながら、植物も栽培しやすい空間にしています。

ネイルサロンにコーヒースタンド。 小商いの夢をかなえた職住一体型の家

外からも出入りができるサンルーム。居住スペースと切り分けることができるので、店舗利用などにも適しています

こちらは、屋内につながる広めのサンルームを設けて、開放的な雰囲気も隔離された作業スペースも実現しています。外からも入れるサンルームは、ネイルサロンとして活用し、明るくおしゃれなお店の空気感を演出。サンルームを活用することで、自宅と店舗のスペースをうまく切り分けているのが特徴です。

サンルームについてのおさらい

ここまでご紹介した、サンルームに関するポイントをおさらいしていきましょう。

Q.サンルームってどんな設備?

A.サンルームとは、敷地内の屋外部分を建物に組み込んだスペースで、一般的には全面ガラス張りで採光ができる室内空間です。屋根も壁もあるうえに、基本的には地面の基礎部分から施工し、建物につなげる形式になります。

Q.サンルームはDIYできる?

A.どうしてもできないわけではありませんが、工事の専門的な技術がなければ難しいでしょう。あまり知識がないまま設置してしまうと、場合によっては倒れたり崩れたりするなどの危険もあり、専門会社に依頼するのが無難でしょう。

Q.サンルームのメリット・デメリットは?

A.【メリット】

サンルームといえば、やはり採光がしやすい点に大きなメリットがあります。屋内ながら洗濯物も干しやすく、日中は太陽光をたっぷりと浴びて明るい空間にできます。さらに家の間取りも増えるため、広々と開放的な雰囲気にできるのも魅力です。

【デメリット】

特に後付けする場合には、施工に時間も手間もかかるうえに、固定資産税が増えるデメリットがあります。さらにリフォームして取り付けた際には、工事方法によっては、メーカーの保証や保険が効かなくなるケースもあるため要注意です。

Q.サンルームの楽しみ方は?

A.たとえば庭のように子どもやペットを遊ばせたり、大人数が集まってBBQをしたり、より広々と居住スペースを使いたい場合にぴったりです。また日光が入りやすいため、植物を育てるのにもぴったり。その他にも、こだわりの趣味空間にする・ゆったりくつろげるテラス風にするなど、幅広い活用方法が可能です。

まとめ

サンルームは、名前のとおり日光をたっぷりと取り入れられる半屋外空間で、太陽光を浴びやすいからこそ幅広い使い方もできるスペースです。おしゃれなセンス感を演出したり、みんなでゆったり集まれる憩いの場にしたり……。さまざまな活用方法も考えられるので、より心地よい住まいのアイデアの一つとして、検討してみてくださいね。

執筆者

たけなつ

2019年よりフリーで活動しているWebライター。
広告会社でのコピーライターを経て、現在は幅広いジャンルのコラム記事などを執筆。
愛知・東京・北海道と各地を渡り歩き、19歳からの10年で7回引越しを繰り返す好奇心旺盛人。

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