マンションの最上階ペントハウスとは?特徴や間取り、メリット・デメリットを解説

記事の目次
ペントハウスとは?
ペントハウスとは、日本語にすると、建物最上階の屋上や塔屋といった意味になります。一般的にはマンションの最上階に設けられた特別な物件を指すことが多く、建物内の他の住戸とは一風変わったような、非常にグレードの高い部屋のことです。
その他、ビルなどの屋上で目にする、設備小屋をペントハウスと呼ぶ場合も。マンションの図面上であればPHと記載され、給水タンク・備品倉庫・エレベーターの機械室・階段室などになっているケースも多く見られます。
ペントハウスの間取りや特徴
では、実際にペントハウスと呼ばれる物件はどのようなお部屋なのでしょうか。
不動産情報サイト アットホームに掲載されているペントハウスの物件を例に見てみましょう。

2LDKの物件で、専有面積はおおよそ210平米。室内に階段があるメゾネットタイプの物件で上階には寝室とジャグジー付きのバスルームが完備されています。リビングが30帖以上と贅沢な造りになっており、まるで高級ホテルのスイートルームのようですね!
ペントハウスの特徴
ペントハウスは、同じマンション内の他の住戸とは異なる特別な仕様になっています。ペントハウスに多くみられる特徴をご紹介します。
- 最上階に1戸~数戸限定で設けられている
- 特別仕様の間取り
- 専有面積が100平米以上
- 専用のエレベーターや廊下などがある
- 天井が高い、窓の開口部が大きい
- グレードの高い建材や設備を使用している
- テラスやルーフバルコニーがついていることが多い
- メゾネット形式で上階がある
やはりペントハウスは、部屋の広さや贅沢感に特徴があり、セレブな暮らしができる魅力があります。さらに上記の他にも、隣接する建物の日照確保のため階段状になったマンション(北側斜線制限)なら、屋上緑化として植物が植えられていることも。自宅でガーデニングを楽しむ感覚が味わえますし、その部分は共有部分とされるので、お手入れの手間や費用はかかりません。このようにペントハウスには、より充実した毎日が送れるポイントが多くそろっています。
ペントハウスのメリット

実際にペントハウスにはどのようなメリットがあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
プライバシーが守られる
ペントハウスは、他の部屋よりグレードアップした広さや造りになっている場合が多く、ワンフロアの住戸数は非常に少なめです。なかには同じ階に1部屋だけのケースもあり、一戸建てのような感覚で住めるため、プライバシーも守りやすい特徴があります。隣接する部屋がなければ生活音も気になりませんし、またペントハウスは屋上なので、上階の入居者の足音などもありません。場合によってはエレベーターも専用になっていて、別ルートの出入口が設置されていることもあります。
セキュリティが高い
先ほども出てきたように、ペントハウスには専用の通路があったり、さらにワンフロアに1部屋だけの場合なら最上階のみ特別なロックがかかっていることも。そのマンションの入居者以外はもちろん、他の住人も簡単には入れない仕組みになっている物件などもあります。また、ペントハウスのあるマンション自体がそもそもハイグレードな場合も多く、建物そのもののセキュリティ面が厳重なケースも多々見られます。
高品質で充実した設備
例えば建具や床材なども高級な種類が使われていて、部屋の広さはもちろん、内装も豪華に仕上げられています。その他、キッチンや浴室などの水回りや収納といった設備や機能性も、かなりランクが高くホテルのような暮らしができる物件も。おしゃれでスタイリッシュな見た目に加えて、しっかりと日常的な利便性もあるのが利点でしょう。
空間にゆとりがある
前述にもあるように、ペントハウスでは専有部分が100平米以上になるので、全体としてかなり広々とした印象になります。玄関やトイレなどもしっかりとスペースが確保されていて、部屋のどこにいても空間に余裕があります。また建物の最上階にあるため天井が高く設定されている場合も多く、一般的な部屋よりも圧迫感が少なく、大きめの家具や家電を置いても気になりません。また窓も大きめに造られているので、かなり開放的な雰囲気にできるのもメリットです。
眺望が楽しめる
高いマンションの屋上にある部屋なので、高層階ならではの景色を満喫できる利点もあります。マンションの周辺環境にもよりますが、場合によっては遠くの眺めまで楽しめることもあり、自宅で気持ちのよい眺望が見られるのは魅力的でしょう。バルコニーやテラスに出て、美しい景色を前にお茶したりお酒を嗜んだり、自分だけの癒しの空間にもできます。
ステータスの高い暮らしができる
同じマンション内でも、他に似たような住戸は少なく、希少価値の高い家に住んでいるというステータスにもなるでしょう。そもそも富裕層に向けて造られている部屋なので、ペントハウスに入居できるということは、それだけの収入がある証拠でもあります。自分がそこに住むことができている実感も、どこか心地よい気分につながります。
資産価値が落ちにくい
同一のマンション内だけでなく、そもそもペントハウスを設けている物件自体が少ない一面もあります。このように流通数があまりないため、手に入れたくても、そう簡単には手に入りません。とても希少な物件だからこそ、資産価値は下がりにくく、価格も落ちにくい傾向にあります。
ここまでには一般的なメリットを見てきましたが、例外として新築予定の物件でペントハウスが設置されるケースだと、場合によっては入居者側で間取りや仕様が決められることも。ただしペントハウスのある物件数が減ってきているので、見つけるのは難しいかもしれません。とはいえペントハウスの存在自体が貴重な分、住む価値も高いといえます。
ペントハウスのデメリット
続いて、ペントハウスはどのようなデメリットがあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
物件価格が高い
東京をはじめとした都心部の場合は、そもそも相場が高く、都内ならいわゆる億ションに入っているケースも珍しくありません。賃貸で借りるにしても、家賃は月100万円を超えることも多く、住むにはかなりのお金が必要です。また設備の充実度や立地など、物件そのものが好条件の場合も多々あるため、その分のコストはかかります。
物件数が少ない
基本的にペントハウスがあるマンションが珍しいため、前述したように、母数自体がかなり限られている点にも注意が必要です。多少築年数の長い中古マンションも視野に入れつつ、選択肢を広めに検討しておかないと、なかなか候補となるペントハウスが見つからない可能性もあります。
共益費・管理費が高い
専有する面積が広くなるほど、共益費や管理費の負担も大きくなるため、ペントハウスの場合は維持費も高くなるのが一般的です。テラスやバルコニーといったスペースも広々と確保できますが、ここは共用部分になるので、毎月の家賃などに加えて、さらに固定費がかさんでしまう点もデメリットといえるでしょう。
光熱費が上がる
部屋が広くなる分、照明の消費電力は大きくなりますし、空調の効率も悪くなります。例えばメゾネットで吹き抜けになっていると、冷暖房は効きにくいので、電気代も高くなりやすいのは難点でしょう。さらに最上階のため夏は直射日光を浴びて暑くなりやすく、家具やフローリングも日焼けしやすくなります。さらに窓が大きいと冬は風が入りやすく冷え込む一面も。また間取りに応じて、床暖房もかなりの面積になると考えれば、室温の調整で光熱費がかさみやすい点も気を付けたい部分です。
外気の影響を受けやすい
マンションの立地にもよりますが、周辺に同じような高い建物がない場合、窓が大きいと採光や風通しの面ではメリットが大きいでしょう。ただし外気からの影響は受けやすいので、先ほども出てきたように、気温の厳しい夏や冬は不便に感じるかもしれません。断熱性や遮光性が低くなりがちな点にも注意が必要です。
天災の影響を受けやすい
ペントハウスはマンション最上階のため、台風などの強風にさらされやすく、特にバルコニーやテラスに荷物や植物を置いている際には要注意です。また高層階だと地震の揺れも激しくなりやすく、家具や家電が倒れやすい傾向にあります。さらに停電などでエレベーターが停止してしまった場合、最上階から階段で降りて避難しなければならない可能性も考えられます。非常用電源でまかなうケースも多いですが、いざという時には階段で上り下りする必要もあるでしょう。
ペントハウスはどんな人に向いている?
ではここまでにご紹介したメリットやデメリットも踏まえつつ、どのような生活スタイルやライフプランの方に向いているのか見ていきましょう。
経済的に余裕がある
高級感が何よりの特徴といえるペントハウスは、今までにも出てきたように、そもそも入居するのにも生活を続けていくのにも通常よりコストがかかります。高額な費用がかかる一方で、利便性や空間としての魅力は非常に大きいので、金銭面よりも生活の充実度を優先したい方におすすめ。経済的な負担が気にならないほどの余裕があれば、ペントハウスの快適さに投資し、より豊かな毎日に引き換えるのもいいかもしれません。
高機能・高品質な設備にこだわりたい
例えばおしゃれなアイランドキッチンになっていたり、パウダールームがダブルの洗面台になっていたり……。その他にも、高級木材のマホガニーやウォールナット・大理石・セラミックといった、より質の高い資材で内装が造られているのも大きな特徴です。美しい見た目はもちろん、きちんと使い勝手も考えられた設備がそろっていて、サイズ感も大きめになっている場合が多く見られます。生活のストレス感も少なくなるような、しっかりとした環境が整った住まいを選びたい方にも向いているでしょう。
プライバシーを守りたい
フロアごとの住戸数が少ないうえに、ペントハウスの場合はかなり高層階になるため、建物の外から覗かれない利点もあります。またペントハウスのフロア限定で、より厳重なセキュリティになっている物件もあり、集合住宅ながらもプライバシーが守りやすいのも特徴です。できるだけ外部の人を気にせずに生活したい方にも向いています。
資産価値の下がらない物件がいい
ゆくゆくは売却を考えている場合にも、ペントハウスほどの希少価値がある物件であれば、将来的にもそれなりの価格になります。資産価値が維持しやすいため、いずれは売って住み替えたい方にもおすすめ。「老後はもう少しバリアフリー重視の家にしたい」といった際にも、高めの金額で処分しやすく安心です。
ペントハウスを探す前の注意点
では現実的に、ペントハウスに住むことを検討する場合に、特に気を付けておきたいポイントを解説していきます。
憧れだけでなく実際の生活をイメージする
前述のデメリットの部分でも出てきたように、高層階にある分、災害時や停電時などのリスクが高い一面があります。何があるかは予想できないので、いざという緊急事態に備えるためにも、あらかじめ非常用電源の有無や避難経路なども確認したうえで物件を検討するのがベストです。その他にも、エレベーターの行き来に時間がかかるなど、最上階ならではの注意点もしっかりと頭に入れて検討しましょう。
月々の管理費や光熱費なども考慮する
ペントハウスの場合は、生活を維持するのにもかなりのコストがかかります。特に物件の管理に関わる費用は、一般的なマンションよりも大幅に金額が変わってくるケースも少なくありません。家賃や住宅ローン返済費などに加えて、月々どの程度の出費になるのか考慮したうえで、きちんと無理のない生活ができるかシミュレーションしておきましょう。
ペントハウスの探し方
なかなか一般的には見つけづらいペントハウスですが、どのようなルートなら探せるのか、以下からご紹介します。
不動産情報サイト アットホームで探す
不動産情報サイト アットホームでは、物件の検索をする際、こだわり条件として最上階を設定できます。そうすると、最上階の部屋のみが表示されるため、一般的な最上階の部屋も出てきますが、そのなかからペントハウスの物件も探せます。
不動産会社に相談する
場合によってはペントハウスを売却したいオーナーの意向で、不動産情報サイトなどで一般的には公開していない物件もあります。不動産会社に直接聞いてみないと探せない部屋もあるため、一度相談してみるのがおすすめ。より好条件な物件が見つけられる可能性もあります。
まとめ
まるでホテルのようなラグジュアリーさが魅力のペントハウスですが、希少価値が高い分、物件数も少ない一面があります。また購入価格や維持コストなどもかかりやすく、金銭的なハードルがある点も考慮したうえで検討する必要があるでしょう。
また、ペントハウスに暮らしたいけど住めるか不安とお考えの方は、例えばルーフバルコニーやメゾネットになっている物件なら、ペントハウスと似たような形で住めるので、まずはそこから試してみるのもいいかもしれませんね。ぜひ本記事でご紹介した内容も、新たな住まい探しの参考にしてみてください。
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