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【初めてでもわかる】家を購入する際の流れ・手順を学ぼう

物件を購入してもすぐに入居することはできません。そのため、現在賃貸物件に住んでいる場合は、購入される物件引渡しのタイミングに合わせて退去しなければならないなどの注意すべき点がいくつかあります。新しい家を購入して快適な生活をはじめるためにも、あらかじめ購入するための準備や流れを知っておきましょう。

また、住宅ローンを利用して物件を購入した際には、毎月住宅ローンの返済が発生するため返済額を把握し、無理のない返済計画を立てていく必要があります。そのため、家を購入する際には事前の準備が大切なのです。本記事では、これからマイホームを購入しようと検討している方へ、物件を購入するまでの流れや入居までにかかる期間などを解説します。

家を購入するまでの主な流れ

家を購入するには、さまざまな準備や手続きをおこなわなければなりません。まずは、どのような家を購入するのか考え、資金計画を立てることからはじまります。そして、モデルルームや実際に物件を見に行き、購入を決断したら売買契約を結び物件の引き渡しを受けることとなります。

物件を購入する際には事前に確認すべきこと、注意すべきことが数多くあります。ここで、物件を買う準備から購入後までの流れに沿って、詳しく見ていきましょう。

資金計画を立てる

物件を購入するときは、資金計画を立てることからはじめます。資金計画は物件の購入価格の上限を決めたり、ローン返済しながら毎月生活をしていけるのかを確認したりするために必要な準備です。

自己資金と出費を把握する

まず、物件を購入するときにどのくらい自己資金(現金)が出せるのかを考えましょう。貯蓄はもちろん、親からの支援などいくらくらい用意できるのか把握していくことが重要です。
そして、おおよそで構いませんが、どれくらいの価格帯の物件を購入するのか予算を決めましょう。予算が決まったら、物件を購入するときに必要な諸経費を計算していきます。

家を購入するときの費用は、新築物件で購入価格の約5~10%、中古物件は約8~13%見ておくとよいでしょう。少し多目に計算していますが、この時点ではおおよその目途をつけることを優先しているため、高めに計算します。そして、次のような計算式から住宅ローンの借入金額を算出してみましょう。

【計算式】物件の購入金額+諸費用–自己資金=住宅ローン借入額

例:3,000万円の新築物件、諸費用210万円、自己資金300万円の場合
3,000万円+210万円-300万円=2910万円

ここまで計算しておくと、どのくらいの住宅ローンを借りればよいのかがわかります。住宅ローン借入額の想定ができたら、次の計画に移りましょう。

住宅ローンの返済計画を立てる

住宅ローンのおおよその借入額が算出できたら、住宅ローンの返済シミュレーションをしてみましょう。
シミュレーションは、アットホームの「お試し審査シミュレーション 」でおこなえます。住宅ローンの返済額がシミュレーションでき、返済できそうな金額であれば、資金計画をもとに物件を探しはじめましょう。

資金計画を立てはじめる時期

資金計画を立てはじめるのは、早ければ早いほどよいです。なぜなら、売りに出される物件はどれ一つとして同じものがないからです。よい物件が売りに出たとしても、資金計画が立てられていないと購入できません。気に入った物件を買い逃すと、同等レベルの物件が売りに出されるまで何年もかかることもあるからです。
なお、資金計画には正確さも求められるため、早めに相談するとよいでしょう。

家を探す

資金計画が立案でき、物件を探し出すときには、不動産情報サイトがおすすめです。

不動産の購入物件情報を集めたサイトを利用するメリットは、設備や建具の情報はもちろん、自分の知らない物件の周辺の情報まで知ることができるからです。

不動産会社に問い合わせ・物件の内見

気になる物件が見つかったら問い合わせをし、不動産会社からの連絡を待ちます。不動産会社から連絡が来たら、モデルルームや実際に物件を見に行きたい日付を伝え、見学しましょう。これを「内覧」「内見」と呼びます。

実際の物件を内見する際は設備や建具に不具合がないか、日当りに問題はないか。マンションにおいては、エレベーターや宅配ボックスの数などさまざまな確認事項があります。分からないことがあれば、不動産会社の担当者に聞き進めていきましょう。

住みたい家の絞り込み

何件か内見をおこない、気にいった物件がいくつかあるようであれば物件を絞ります。もちろん、人によっては1件しか内見せずに希望通りの物件に出合える場合もあるでしょう。
高い買い物だからこそ、慎重になりたい気持ちもありますが、悩んでいる間に他の人に取られてしまう場合もあります。そのため、お気に入りの物件が見つかったら早めに申し込むことをおすすめします。

新築住宅なら最新設備が整っているため手を入れる必要性はありませんが、その分だけ購入価格が高くなります。

一方、中古住宅は手を入れなければならない可能性が高い代わりに、購入価格を抑えることができます。しかし、中古物件の購入価格とリフォーム代を合わせると新築住宅の価格を超えてしまうことも。物件を決めるときは直感も大事ですが、しっかり費用面でも検討しておくことが大切です。

購入の申し込み

購入したい物件が決まったら、不動産会社を経由して、その物件の売主へ不動産購入申込書を提出します。不動産購入申込書の内容は不動産会社によって異なりますが、基本的には次のような事項が含まれます。

  • 家の購入希望額
  • 手付金の額
  • 手付金と残金はいつ支払うのか
  • 住宅ローンは利用するか、利用するのであれば借入金額はいくらか
  • 購入したい物件情報や入居可能日

不動産購入申込書を提出し、売主から「不動産購入申込書」の内容で売りますという意思を得られたら、不動産売買契約に移ります。

住宅ローンの事前審査(仮審査)

家を購入するときに住宅ローンを借りる予定がある場合は、不動産売買契約の前に住宅ローンの事前審査(仮審査)が必要になります。住宅ローンの事前審査とは、「住宅ローンを利用できます」という金融機関からの内諾です。事前審査の結果は、おおよそ3日前後で金融機関から届くでしょう。これに通過すれば、不動産売買契約に移ることができます。

なお、住宅ローンの事前審査をおこなうには必要な書類があり、会社員などの給与所得者は身分証明書、健康保険証、源泉徴収票、借り入れがある場合は借入明細書などが求められます。

重要事項説明
不動産売買契約の直前に、重要事項説明書という書類を読み合わせます。重要事項説明書とは、宅地建物取引士の資格がある人が説明しなければならないもので、物件の説明書と契約書案を兼ね備えている書類です。不動産の所有者は誰か、不動産には抵当権や差押えなど買主に不利な権利は設定されていないかという権利関係から、どのような大きさの家が建築できる土地なのか、購入する物件のライフラインの設備状況などの物件自体の説明をします。

重要事項説明書は、不動産売買契約書に並ぶほど重要な書類です。そのため、内容がわからないときは読み合わせ中に質問し、宅地建物取引士から説明を受けて理解するよう努めましょう。

売買契約

「重要事項説明書」の後に「不動産売買契約書」を読み合わせ、記名押印をおこないます。不動産売買契約書では、買主と売主の債権債務の権利関係を定めます。
例えば、買主はお金を払う(債務)の代わりに不動産の所有権を取得(債権)するといった形です。このように、不動産を引き渡すのに必要な債権と債務を、買主と売主が負います。

「不動産売買契約書」は家を購入するにあたり、もっとも重要といっても過言ではない書類です。この書類の内容を理解していないと、思わぬトラブルに発展する可能性があるでしょう。そのため、「重要事項説明書」と同様に内容が理解できない場合は、宅地建物取引士に再度説明を求めるなどしてきちんと理解することが重要です。

住宅ローンの本申込&本契約

不動産売買契約書の締結が完了した後は、住宅ローンの本申込をおこないます。住宅ローンを利用する場合は、住宅ローン特約という特別な決め事を不動産売買契約書に記載します。特約には期限を設定するため、すぐに住宅ローンの本申込をおこなう必要があるのです。なお、住宅ローンの本申込から結果が出るまでは、金融機関にもよりますが2週間前後かかります。

また、住宅ローンの仮審査と違って本申込では審査に必要な書類が多く、あらかじめ申し込みたい住宅ローン商品も決定しておかなければなりません。そのため、住宅ローンの本申込には事前準備が大切です。

住宅ローンの本申込が通過したら、金融機関との契約(金銭消費貸借契約)を締結します。住宅ローンを借りる場合にも諸費用が必要なため、あらかじめ金融機関か不動産会社に住宅ローン諸費用を確認しておきましょう。

現在の住まいの解約準備(賃貸物件を借りている場合)

現在の住まいが賃貸住宅の場合は、解約手続きをしておく必要があります。賃貸物件の賃貸借契約には、退去の何カ月か前に退去予告をしなければならないと定められています。
そのため、住宅ローンの本審査が通過して不動産の引き渡し日が決定したら、管理会社か大家さんに退去予告の連絡をしましょう。

家の仕様確認(新築の場合)

新築物件を購入する場合は、引き渡し前に家の仕様確認と傷・汚れの確認をおこないます。物件に備えつけられている設備の説明や使い方などの説明を受けると同時に室内の傷や汚れ、建具の開き具合などを確認しましょう。傷や汚れ、建具の不具合などを発見した場合、軽微なものであれれば引き渡しまでに、手直ししてくれます。

残金決済

住宅ローンの本申込後、金融機関との契約が完了したら不動産の引き渡しをおこないます。これを、「残金決済」とも呼びます。

家の引き渡し・不動産登記

引き渡しで売主へ物件の残代金を支払ったら物件の鍵を渡され、物件の引き渡しが完了します。また、金銭のやり取りが完了したのを同席している司法書士が確認し、所有権移転の登記をおこなうために司法書士が法務局へ向かいます。法務局が所有権移転登記申請を受理したら、物件の持ち主が売主から買主へ移ります。

また、所有権移転登記は自身でおこなうこともできますが、書類の不備等がなく確実に手続きをおこないたい方は、司法書士に依頼するほうが安心です。

家のリフォームやリノベーション(中古の場合)

リフォームやリノベーションの工事は、家が自分のものになった後でなければ開始できません。そのため、リフォームやリノベーションの工事がおこなえるのは所有権移転登記の完了後からです。
また、マンションの場合は管理規約によってリフォームの内容に制限があるケースもありますので、事前に確認しておきましょう。

確定申告

家を購入する際に住宅ローンを利用した場合、住宅ローン控除を受けることができます。
住宅ローン控除を受けるためには、物件を取得した年の確定申告をおこなう必要があります。確定申告は、その年の1月1日から12月31日までの間に生じた所得を、翌年の2月16日から3月15日までに申告する制度です。住宅ローン控除は、住宅ローンを借り自宅を購入した人が一定の要件を満たすことにより、所得税の控除(減税)が受けられる制度となります。

この住宅ローン控除の利用要件の1つに、1回目の住宅ローン控除の申請は、確定申告によりおこなわなければならないことになっています。会社員など収入が給与所得のみなら、2回目以降の住宅ローン控除の申請は年末調整でおこなうことが可能です。

家の購入から入居までにどのくらいの期間が必要?

家を購入してから実際に生活できるまでのスケジュールをたてましょう

家の購入から入居までの期間は、購入する不動産の種別により異なる場合があります。ここでは、不動産の種別ごとに入居までの期間がどの程度なのかご紹介しましょう。

新築一戸建て

新築一戸建てが完成している場合は、早ければ内見から1カ月程度、遅くても2カ月程度で入居が可能です。また、未完成の場合でも、新築一戸建ての建築期間は短いため、入居が大幅に遅くなるという可能性は低いでしょう。

新築分譲マンション

新築一戸建てと同じく、完成している場合は内見から1カ月程度、遅くても2カ月程度で入居が可能です。未完成の場合は新築一戸建てと違い、マンションを完成させるには相当な時間が必要なため、入居まで年単位で時間がかかることもあります。

中古一戸建て

中古一戸建ての場合は、早くて内見から2カ月程度、遅くて3カ月程度かかります。売主の引越しの都合があるため、入居は売主の退去時期によって入居時期が変動する可能性があることを理解しておきましょう。

中古マンション

中古マンションも、中古一戸建てと同様です。内見から入居まで早くて2カ月程度、遅くて3カ月程度かかります。

注文住宅

注文住宅は、土地を購入してからしか建築を開始することができないため、入居まで時間を要します。土地を探しはじめてから入居まで、大体1年はかかると考えるくらいでよいでしょう。
もし、建築する家が工務店の木造在来工法などを選択すると、建築期間が長くなり2年以上かかるケースもあります。そのため、注文住宅を建築する場合は、建築会社としっかりスケジュールを組んでおくことが大切です。

まとめ

家を購入するときには、物件を探しはじめる準備から不動産の引き渡しまで、やるべきことが数多くあります。そして、購入する物件の種別により入居時期も変わる点を理解しておきましょう。

例えば子どもが小学校に入る前までに新居に移りたいなど、何らかの希望があれば、早めに物件を購入する計画を立てておくことが大切です。気に入った物件が見つかれば早く入居まで至りますが、通常、気に入った家が見つかるまでにも相当の時間がかかるでしょう。

なかなか資金計画が立てられないという方は、「不動産情報サイト アットホーム」から不動産に関する情報をまずは収集してみてください。どのような家がどれくらいの価格帯で購入できるのか確認することからはじめ、それから購入準備に取りかかりましょう!

執筆者

八木 友之

不動産ライター

宅地建物取引士、行政書士、不動産コンサルティングマスターの資格を保有。大手不動産仲介会社など計5社に勤める。不動産売買仲介・不動産買取・事業用定期借地権での法人テナント誘致などをおこなう。これらの業務に18年間携わり、不動産売買全般、借地、税金、相続などの分野に強い。現在は不動産・金融Webライターとして執筆活動中。

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