固定資産税のお得な支払い方法は?支払う際の注意点も解説

そこでこの記事では、固定資産税のお得な支払い方法と支払う際の注意点の他、支払いが遅れた場合のペナルティーまでを、わかりやすく解説します。
記事の目次
固定資産税とは?

固定資産税とは、毎年1月1日現在で所有する固定資産に対し課税される地方税のことです。
ここでは、固定資産税の対象となる固定資産や支払う時期、固定資産税の税率や計算方法を解説します。
支払い回数
固定資産税は、第1期~第4期の年4回に分けて支払います。また、1年分を一括で支払うことも可能です。
対象となる資産・対象者
固定資産税は、土地・家屋・償却資産が対象となります。
- 土地:宅地、田、畑、山林、牧場など
- 家屋:住宅、店舗、工場、倉庫など
- 償却資産:構築物、機械・装置、工具・器具、備品など事業のために所有する土地および家屋以外の資産
また、固定資産税の課税対象者は、1月1日現在で固定資産を所有している人です。
支払い期間・納付期限
先述のとおり、固定資産税は全部で4期に分けて納付します。納付時期は、原則として第1期が4月、第2期は7月、第3期が12月、第4期は翌年の2月です。ただし、納付時期は自治体が決定するため、地域によって異なる自治体もあります。東京都の場合、納付時期は第1期が6月、第2期が9月、第3期が12月、第4期が翌年の2月になります。
また、固定資産税の納付期限はその月の月末です。納付時期が4月、7月、12月、翌年の2月になる場合、第1期は4月末日、第2期は7月末日、第3期は12月末日、第4期は翌年の2月末日となります。固定資産税は1年分を一括で納めることも可能で、その場合の納付期限は一般的に第1期の末日です。
お住まいの自治体による固定資産税の納付時期や納付期限は、自治体のWebサイトでご確認ください。
税率・計算方法
固定資産税の税率は、原則1.4%です。また、固定資産税は以下のように計算します。

- ・固定資産税=課税標準額(固定資産税評価額)×1.4%
固定資産税の詳しい計算方法を知りたい方は、以下の記事で解説しているのでご覧ください。
徴収猶予の要件
各自治体では、固定資産税を納めるのが困難な場合、一定の要件に該当すれば納税が猶予される「徴収猶予制度」を設けています。
例えば、以下のような要件に該当する場合、固定資産税の徴収が猶予されます。
- 納税者が営む事業で著しい損失が生じた場合
- 納税者本人または生計を同じにする家族が病気になり、多額の医療費がかかる場合
- 納税者の財産が、震災・風水害・火災などの災害を受けた、または盗難に遭った場合
- 納税者の事業が廃業または休止した場合
- 本来の納付期限から1年以上経ったあとに本来の納付すべき税額が確定した場合 など
原則として、徴収猶予は固定資産税の納付期限までに申請します。役所の納税担当窓口へ申請書類を提出しましょう。
ただし、徴収猶予を受けられる期間は最長1年間です。
固定資産税の支払い方法は?

固定資産税の支払いには複数の方法が用意されており、自分に合った方法を選ぶことができます。ここでは固定資産税の支払い方法をご紹介します。
現金払い
固定資産税は現金払いが可能です。納付書を使って役所の納税窓口、指定金融機関や郵便局の窓口、コンビニエンスストアで支払います。納付できる場所は納税通知書に記載されているので確認しましょう。ただし、納税額が30万円を超える場合、コンビニエンスストアでは取り扱えないのでご注意ください。
口座振替
固定資産税は口座振替が可能です。納付期限に指定した口座から自動的に引き落とされ、手数料はかかりません。口座振替は役所や金融機関の窓口、郵送で事前に手続きをしましょう。自治体によっては、Web口座振替受付サービスによりインターネットからの申し込みも可能です。なお口座振替では領収書は発行されません。
ペイジー(Pay-easy)
「ペイジー(Pay-easy)」とは、税金や公共料金などをパソコン、スマートフォン、ATMから支払えるサービスです。窓口やレジに並ぶ必要もなく、24時間いつでも納付できるので便利です。ペイジーでは原則手数料はかかりませんが、ATMによっては時間外手数料がかかる場合があります。また、領収書は発行されません。
クレジットカード
固定資産税はクレジットカードでも納付できます。「地方税お支払サイト」へアクセスし、手続きをおこないます。ただし、領収書は発行されないためご注意ください。また、クレジットカードで支払う場合、別途システム利用料がかかります。
スマートフォン決済アプリ(スマホ決済)
固定資産税は、スマートフォン決済アプリを使って納付できます。対応するスマホ決済アプリでバーコードやQRコードを読み取って手続きします。手数料はかからず、24時間いつでも納付できるので便利です。ただし領収書は発行されません。
電子マネー
対応する電子マネーを使えば、固定資産税の納付が可能です。事前に必要額をチャージしておき、手続きします。電子マネーでも手数料はかかりませんが、領収書は発行されません。
固定資産税のお得な納税方法は?

固定資産税を支払う際、決済方法によってはポイントが付き、お得に支払える方法があります。では、どの方法を使えばお得に納付できるのでしょうか。詳しく解説します。
還元率の高いクレジットカード
固定資産税をクレジットカードで支払うと、カードのポイントが付きます。ただし注意したいのは、クレジットカードで固定資産税を支払うと、システム利用料がかかる点です。通常、クレジットカード払いで付与されるポイントは0.5%。そのため、場合によっては付与されるポイントよりもシステム利用料が上回ることがあるかもしれません。
クレジットカードを使って固定資産税をお得に納付するなら、ポイント還元率の高いカードを選ぶのがよいでしょう。
ポイント付与されるスマホ決済アプリ
一部のスマホ決済アプリでは、特定のクレジットカードを使ってチャージすればカードのポイントが付く場合があります。通常の買い物のように、支払うだけではポイントが付与されない点に注意しましょう。また、実施するキャンペーンによりポイントが付与されることもあります。自分が使うスマホ決済アプリではどのクレジットカードでチャージすればポイントが付与されるのか、また実施するキャンペーンはないか、事前に確認しましょう。
チャージでポイント付与される電子マネー
特定のクレジットカードでチャージすれば、カードのポイントが還元される場合があります。どのクレジットカードでチャージすればポイントがたまるのか確認しましょう。
ただし、電子マネーではチャージ額や支払額に上限が設定されている場合があるため、納税額が限度額を上回っていないか、事前に確認することをおすすめします。
固定資産税をお得に支払う際の注意点は?

固定資産税の支払いにはいくつかの注意点があります。ここでは、どのような点に注意しなければならないのか解説します。
支払いが遅延すると延滞金がかかる
固定資産税は納付期限までに支払わなければいけません。支払いが遅れ納付期限を過ぎると延滞金が加算されるので注意が必要です。
延滞金は、納付期限の翌日から納付日までの日数に応じて計算されます。その際、計算のもととなる延滞金の利率は、以下のように設定されています。
○納付期限の翌日から1カ月を経過するまでの期間:年7.3%
ただし、現在は特例で適用される利率が下がっています。
・2022年1月1日から2025年12月31日まで:年2.4%
○納付期限の翌日から1カ月以上経過してから納付日までの期間:年14.6%
現在は、特例のため適用される利率が以下のように下がっています。
・2022年1月1日から2025年12月31日まで:年8.7%
延滞金の計算式は、以下のとおりです。

- ・延滞金額=固定資産税額×納付期限の翌日から納付日までの日数×期間ごとの利率÷365日
納税証明書の発行には時間がかかる
納税証明書とは、税金の納付すべき税額と納付した金額、未納になっている金額を証明する書類です。固定資産税の納付状況を証明する書類が必要な時に納税証明書を取得できますが、納付状況が証明書に反映されるまでに日数がかかります。多くの自治体では1~2週間程度、場合によっては3~4週間かかることがあるかもしれません。発行までにかかる日数は自治体でご確認ください。
手数料がかかる場合がある
固定資産税の納付にはさまざまな支払い方法があり、多くは手数料なしで納付できます。しかし、クレジットカード払いでは、別途システム利用料がかかるので注意が必要です。また、ペイジーで支払う時も、利用する金融機関によっては時間外手数料がかかることがあるので、ATMの利用時間に注意しましょう。
固定資産税の支払いが遅れるとどうなる?

固定資産税の支払いが遅れ、滞納を続けると滞納処分のペナルティーが課されます。
これは、本人の意思に関わらず財産を差し押さえ、公売により現金化して滞納分の税金に充てる強制的な徴収手続きです。また、地方税法では、督促状の発送日から10日経過しても完納されない場合、財産を差押えなければならないと定められています。
滞納処分の流れは以下のとおりです。
- 督促状の発送
- 催告書の発送
- 財産調査の実施
- 財産の差押え
- 換価や公売
納付期限から20日(自治体によっては30日)経っても納付しない場合、督促状が届きます。
督促状を受け取った後も滞納が続く時は、催告書が送られて来ます。さらに、電話や訪問による納付の呼びかけもおこなわれます。
督促や催告をしても滞納が続く場合、財産の調査がおこなわれます。
財産調査によって所有していることが判明した預貯金や給与、生命保険、不動産などが差し押さられます。
差し押さえられた財産が現金化され、滞納している固定資産税の納付に充てられます。
固定資産税の支払いができない場合はどうすればいい?

どうしても固定資産税が支払えない場合はどうすればいいのでしょうか。ここでは、固定資産税の支払いが難しくなった場合にやるべきことと、利用できる制度を解説します。
役所の納税担当窓口に相談する
まずは役所の納税担当窓口に相談をしましょう。固定資産税が支払えない場合、そのまま放置していると延滞金が発生します。未納が続くと財産を差し押さえられてしまいます。
事情により支払いができない時は、納付期限までに役所の納税窓口に相談しましょう。分納や減税などの措置を提案してもらえる可能性があります。
また、固定資産税の納付書を紛失して支払えない時は、納付書を再発行してもらえます。この場合も役所の納税課や税務課へすぐに連絡しましょう。
徴収猶予の申請をする
固定資産税の納付が困難で先述した一定の要件に該当する場合、徴収猶予制度を利用できるので、申請するのも1つの方法です。申請が認められると、1年間に限り、固定資産税の納付が猶予されます。
また、猶予期間中の延滞金も一部または全部が免除されます。徴収猶予の申請方法の詳細は自治体のWebサイトで確認できますが、まずは役所の納税担当窓口への相談がおすすめです。
固定資産税をお得に支払うためのまとめ
固定資産税をお得に支払うために知っておきたいポイントをピックアップしました。
固定資産税の支払い方法は?
固定資産税には6通りの支払い方法があります。現金払い・口座振替・ペイジー・クレジットカード・スマホ決済アプリ・電子マネーです。自分が利用しやすい最適な方法を選びましょう。
固定資産税のお得な支払い方は?
固定資産税をお得に支払うなら、還元率の高いクレジットカードを選ぶとよいでしょう。クレジットカードを利用すれば、金額に応じてポイントが付与されます。しかし、クレジットカード払いではシステム利用料がかかるのがネックです。そこで、システム利用料を上回るポイントが付くように、還元率の高いクレジットカードを選びましょう。
固定資産税をお得に支払う際の注意点は?
固定資産税は納付期限を過ぎると延滞金が加算されるので注意が必要です。納付期限を1日でも過ぎると、納付日までの日数に応じて延滞金が加算されていきます。自治体から納付書が届いたらまず納付期限を確認し、納付期限に遅れないように支払いましょう。
土地やマイホーム、あるいは償却資産を持っている方は、固定資産税を支払う必要があります。毎年春から夏頃(4月、6月、7月など自治体による)に自治体から納付書が届きます。必ずその内容を確認し、納付期限までに支払うことが大切です。支払い方法はさまざまありますが、ポイントの付与を期待するならクレジットカード払い、支払いの手間をかけたくないなら口座振替など、自分にとってお得な方法を選び、遅延なく支払いましょう。
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