このページの一番上へ

住宅ローンの審査にクレジットカードの使い方が影響する?改善方法を6つ紹介!

住宅ローンの審査に影響を与えるクレジットカードの使い方を解説します
クレジットカードの使い方が、住宅ローンの審査に影響することをご存知でしょうか。現金を出す必要がなかったり、ポイントが貯められたりすることから、日常的にクレジットカードを利用している方も多いでしょう。しかし、使い方によっては、住宅ローンの審査に通らないかもしれません。本記事では、住宅ローンの審査に影響を与えてしまうクレジットカードの使い方や、審査に通りやすくするための方法を解説します。ご自身の状況を確認できる方法もご紹介するので、気になる方は調べてみましょう。

住宅ローンの審査で見られるポイント3つ

住宅ローンの審査で見られる項目を押さえておきましょう
住宅ローンの審査で見られる項目を押さえておきましょう

まず、住宅ローンの審査では何が見られるのかを押さえておきましょう。3つの大きなポイントがあります。

個人属性

住宅ローンの審査では、申込者の個人属性が重要な審査項目となります。個人属性とは、申込者の勤務先や年収、健康状態、信用情報など。これらが金融機関の審査基準を満たしているか確認されます。この「信用情報」では、申込者のクレジットカードの利用状況やローンなどの借り入れ状況に関する情報を、参考資料として信用情報機関に情報を照会します。

返済計画

無理のない返済計画が立てられているかも、住宅ローンの審査におけるポイントの一つです。住宅ローンの返済は長期間に渡るため、申込者が完済できるか審査されます。具体的に見る項目としては下記のとおりです。

  • 借入時の年齢
  • 完済時の年齢
  • 収入の安定性
  • 返済負担率
  • 他の借り入れ状況

借入時と完済時の年齢は、返済期間が妥当かを見られます。例えば、完済時の年齢が70歳の場合、65歳で定年退職したあとも返済しなければならないことから、評価は厳しくなるでしょう。収入の安定性や「返済負担率」、他の借り入れ状況は、安定して返済できるかがポイントです。

返済負担率とは、住宅ローンの返済額が収入に占める割合のことです。一般的に20%以下が無理のない返済負担率とされています。また、他の借り入れがある場合、収入に対する借入額が多くなるため、返済できなくなる可能性があるとみなされ、借入額によっては審査に通る可能性が低くなるでしょう。

この返済負担率にも、クレジットカードの利用状況は深く関係しています。詳しくは後述します。

物件

購入する物件も、住宅ローンの審査で重要な項目となります。住宅ローンは、物件を担保にすることで、申込者が返済できなくなった場合、金融機関は物件を売却して借入金を回収します。そのため、物件の担保評価が高いほど、審査に通りやすくなるでしょう。また、評価されるのは、担保評価だけではありません。物件が都市計画法や建築基準法などの法律に則って建てられたものか、法的に問題がないかも確認されます。

住宅ローン審査に影響を与えるクレジットカードの使い方

クレジットカードのどういった使い方が住宅ローンの審査に影響を与えるのでしょうか
クレジットカードのどういった使い方が住宅ローンの審査に影響を与えるのでしょうか

クレジットカードの使い方は、信用情報や返済負担率に影響を与えるため、結果として住宅ローンの審査にも大きく関係します。本章では、審査に影響を与えるクレジットカードの使い方の具体例を解説します。

過去にクレジットカードの支払いを延滞している

過去にクレジットカードの支払いを延滞していると、住宅ローンの審査に通ることは難しくなるでしょう。クレジットカードの支払いを61日以上、もしくは3回目の支払い日を超えた時まで延滞すると、信用情報機関に「異動」という情報が登録されます。金融機関は住宅ローンの審査の際、返済能力があるかを確認するため、信用情報機関に照会します。この際、「異動」の情報が登録されていると、返済能力が低いとみなされてしまうため、審査に通るのは厳しいでしょう。なお、この情報は延滞した支払いを完済してから5年間は登録されたままとなります。

クレジットカードのキャッシングを利用している

クレジットカードのキャッシングを利用していると、住宅ローンの審査に不利に働く可能性があります。なぜなら、キャッシングも借り入れとみなされるためです。キャッシングの返済残高が多いと、借り入れに対する認識が甘いと判断され、審査に通る可能性は低いでしょう。また、収入に対してキャッシングの借り入れが多いと、返済できなくなる恐れがあるとして、住宅ローンの借り入れが難しくなります。

例えば、年収400万円の方が、100万円のキャッシングを利用していたとしましょう。この際、返済負担率はすでに25%となります。ここからさらに住宅ローンを組むとなると、収入に対する借入額が多くなるため、返済が滞る可能性があると判断されてしまい、審査に通るのは厳しいでしょう。

使っていないクレジットカードが複数ある

使っていないクレジットカードを複数持っていることも、住宅ローンの審査に影響を与えます。クレジットカードにキャッシング枠がついている場合、実際には利用していなくても、借入額としてみなされるためです。例えば、キャッシング枠が50万円ついていたとすると、現実には借り入れをしていなくても、50万円返済していると判断されます。持っている枚数が多いほど、返済能力や信用度に与える影響は大きくなるでしょう。

リボ払いや分割払いを利用している

リボ払いや分割払いを利用していると、住宅ローンの審査に不利に働くでしょう。それは、借入額が多いとみなされるためです。特にリボ払いは、月々の返済額に占める元本が少ないため、返済が長期間におよぶ可能性があり、借り入れに対する認識が甘いと判断され、審査に通るのが難しくなるでしょう。また、リボ払いや分割払いを多く利用している場合は、キャッシングと同様、返済負担率が高くなることから、審査が厳しくなります。

住宅ローン審査に通るためのクレジットカード利用状況の改善方法

クレジットカードの使い方を見直しましょう
クレジットカードの使い方を見直しましょう

クレジットカードのどういった使い方が、住宅ローンの審査に与えるのかを見てきました。本章は、使い方を改善し、住宅ローンの審査に通るための方法を解説します。

延滞している支払いを完済する

延滞している支払いがある場合には、すぐに完済しましょう。先述したように信用情報機関に「異動」の情報が登録されていると、完済してから5年間は情報が記録されたままとなります。また、その間に他の金融機関に住宅ローンに申し込んだとしても、審査に通ることは難しいでしょう。なぜなら、「異動」の情報だけでなく、住宅ローンに申し込んだこと自体の情報も登録されるからです。複数の金融機関に申し込んでいることがわかれば、「何かしら問題を抱えている」と判断され、いい印象は与えません。一刻も早く完済し、「異動」情報が消えるのを待ちましょう。

キャッシング枠をつけない

キャッシング枠をつけないことも、住宅ローン審査に通るための有効な方法です。先述したように、キャッシングを利用していなくても、借り入れとみなされるためです。クレジットカード会社によって、電話やインターネットなど方法は違いますが、キャッシング枠を外すことは可能です。クレジットカードを申し込んだ段階ではキャッシング枠がついていることが大半ですが、今一度ご自身のクレジットカードについているか確認してみましょう。

クレジットカードの保有枚数を減らす

使っていないクレジットカードがあれば、解約をしましょう。ポイントを貯めるために使い分けている場合もあるでしょう。しかし、先述したようにキャッシング枠が付いていると、利用をしていなくても借り入れをしているとみなされてしまいます。よく利用するクレジットカードに絞る、キャッシング枠を外すなどの対策をしましょう。

リボ払いや分割払いの残債を完済する

リボ払いや分割払いの残債を完済しましょう。残債が多いと、返済能力が低いと判断される可能性があります。また、もし住宅ローンを借り入れられたとしても、住宅ローンの借入額を減額される恐れもあります。
手元の資金に余裕があるならば、完済をしておくと、住宅ローンの審査にも通りやすくなるでしょう。もし完済できない場合は、住宅ローンの審査に申し込む際に、必ず申告しましょう。「バレない」と思うかもしれませんが、信用情報機関にはリボ払いや分割払いを利用している情報も登録されています。もし嘘をついていることがわかった場合、住宅ローンの審査に不利になってしまうでしょう。正しい情報を申告することが大切です。

支払いを1回払いにする

クレジットカードを利用する際には、支払いを1回払いにしましょう。リボ払いや分割払いを利用しなければ、返済能力があることをアピールできます。また、支払いの管理がしやすくなるため、延滞も防ぐことができます。

高額な商品は買わない

クレジットカードを使用して高額な商品を買わないようにすることも、住宅ローンの審査に通るための方法の一つです。なぜなら、収入に見合っていない高額商品の購入は、住宅ローンの返済を延滞する可能性があるとみなされるためです。一度の購入なら問題ありませんが、複数回続けているようであれば「浪費癖がある」と判断され、住宅ローンの審査に悪影響を及ぼします。高額商品を購入する際は、現金で購入するか、審査が通った後に購入するなど、住宅ローンの審査に影響を及ぼす可能性があることを考慮しましょう。

信用情報機関におけるクレジットカードの利用状況の確認方法

信用情報機関に開示請求することでご自身のクレジットカードの利用状況を確認できます
信用情報機関に開示請求することでご自身のクレジットカードの利用状況を確認できます

手数料はかかりますが、信用情報機関に開示請求することで、ご自身のクレジットカードの利用状況を確認できます。

3つの信用情報機関

次の3機関で信用情報を開示請求できます。

信用情報機関名 特徴
株式会社
シー・アイ・シー
(CIC)
主にクレジットカード会社や信販会社が会員
株式会社
日本信用情報機構
(JICC)
主に消費者金融や信販会社が会員
全国銀行個人信用
情報センター
(KSC)
主に銀行と銀行系カード会社が会員

3社で情報は共有されていますが、1つの信用情報機関に開示請求しても、他の信用情報機関でどのように登録されているかまでは確認できません。CICJICCでは加盟会員を検索できるため、利用しているクレジットカード会社が加盟しているかを確認してから開示請求するといいでしょう。

入金状況の見方

開示請求をすると、入金状況が記号で表示されています。下表は、CICでの入金状況の記号と内容をまとめたものです。

記号 内容
請求どおり、もしくはそれ以上の入金があった
P 請求額の一部が入金された
R お客様以外から入金があった
A お客様の事情で約束の日に入金がなかった
B お客様の事情とは無関係の理由で入金がなかった
C 入金されていないが、原因がわからない
クレジットの利用がなかったなど、請求もなく入金もなかった
空欄 クレジットの利用がなかったなど、クレジット会社からなどの情報の更新がなかった

「$」の表示が並んでいる場合には、特に問題ないでしょう。しかし、「P」や「A」が一つでもあると、住宅ローンの審査は厳しくなります。支払いに遅れた、または入金不足が事実となるからです。なお、この情報は2年間残されています。もし支払いの延滞を解消したとしても、2年間は情報が残るため、注意しておきましょう。

クレジットカードと住宅ローン審査の関係についてよくある質問

クレジットカードの使い方と住宅ローンの審査についてよくある質問をまとめました。

クレジットカードを使いすぎると住宅ローンに通らない?

先述したように、住宅ローンの審査では返済能力があるか、返済負担率が問題ないかが見られます。クレジットカードの支払いを延滞していなければ問題はないと思われます。しかし、クレジットカードの利用額が収入に対してあまりに多い場合は、審査が厳しくなる可能性も。これは、クレジットカードの支払いが多いことから、住宅ローンの返済が滞る恐れがあると判断されるためです。クレジットカードを支払いのメインにしている方は、一度支払い方法を見直してみましょう。

住宅ローンの審査中はクレジットカードを使わないほうがいい?

住宅ローンの審査中にクレジットカードを使用しても問題ないでしょう。なぜなら信用情報機関に情報が登録されるタイミングは、原則として月に一度となっているからです。しかし、キャッシングなど貸金業法に基づいた信用情報は、新規契約および内容変更があった時から翌日までに登録されることになっています。審査中にキャッシングをしたり、新たにローンを組んだりするのは、控えたほうがいいでしょう。

分割払いをしていると住宅ローンは組めない?

分割払いをしていると、住宅ローンの審査にマイナスの影響を与える可能性はありますが、絶対に審査に通らないわけではありません。住宅ローンの審査では、申込者の返済能力や経済状況が総合的に判断されます。分割払いの残債が多い場合は、返済能力が低いとみなされる可能性が高いため、審査を申し込む前に、できるだけ完済するようにしましょう。

まとめ

本記事では、住宅ローンの審査に影響を与えるクレジットカードの使い方や改善方法などを解説しました。クレジットカードの利用状況は、信用情報機関に登録されています。もし「異動」として情報が登録されていたり、2年以内に支払いが遅れたりした場合は、審査に通るのは難しいでしょう。一定期間が経てば、登録情報は消えるため、待つしかありませんが、使い方を見直すことはできます。住宅ローンを利用して住宅の購入を検討している方は、ご紹介した使い方を意識し、クレジットカードを利用するようにしましょう。

民辻伸也

執筆者

民辻伸也

宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

大学を卒業し、投資用不動産会社に4年勤務後、選択肢を広げて一人ひとりに合わせた資産形成をおこなうため、転職。プロバイダー企業と取引し、お客様が安心感を持って投資できる環境づくりに注力。不動産の仕入れや銀行対応もおこなっている。プライベートでも、自ら始めた不動産投資でマンション管理組合の理事長に立候補。お客様を徹底的にサポートできるよう、すべての経験をコンサルティングに活かしている。
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ

ライフマネー研究所
関連する記事を見る
不動産お役立ち記事・ツールTOPへ戻る