カーシェアとレンタカーの違いは？メリット・デメリット、向いている場面も解説

カーシェアとレンタカーの違いは？

まずカーシェアとレンタカーでは何が変わってくるのか、それぞれの大まかなサービス概要を比較しながら整理していきます。

カーシェアとレンタカーでは、それぞれで借りる手段が大きく異なります。カーシェアは基本的に無人サービスとなるので、会員登録さえできていれば、比較的自由にセルフで使いやすいのが特徴です。一方でレンタカーは有人サービスのため、使用する際には必ず店舗での手続きが発生しますが、借りられる車種が豊富で十分な管理がされているサービス性の高さがあります。カーシェアはセルフ、レンタカーは店舗サービスと覚えておくとよいでしょう。車を使用したい場面次第でどちらが適しているか変わります。

カーシェアの特徴は？

カーシェアとは、各サービスを運営している会社から提供される車を借りるもので、会員登録を通じたセルフレンタルとなる特徴があります。コインパーキングなどに、各社で貸し出している車を保管する停留所（ステーション）があるので、そこで必要な手続きをしたらすぐにでも乗車できます。各サービスに登録した会員メンバー同士で、借用車を共有し合うことからカーシェアと呼ばれています。

カーシェアの利用方法

カーシェアでは、まずは各サービスに会員登録をしたのち、専用のWebページやアプリなどから利用予約をし、指定した日時に乗車します。大まかな手順としては、以下のとおりです。

• STEP 1各サービスへ会員登録（本人確認審査あり）
• STEP 2会員登録が完了後、使いたい場所と日時に沿って利用予約
• STEP 3予約ができたら、所定のステーションに出向いて乗車
• STEP 4予約時間内までに、借りた時のステーションまで戻って返却

カーシェアは無人サービスのため、クレジットカードなどのオンライン決済が基本です。一般的には、返却後にあらかじめ設定されている決済方法で、自動精算がおこなわれます。

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カーシェアのメリット

会員登録は必要となるものの、さまざまな部分で手軽に利用しやすく、具体的には次のようなメリットがあります。

24時間365日利用できる

カーシェアでは、コインパーキングをはじめとした、年中開放されている駐車場などのステーションから借りるシステムになっています。特に決められた営業時間があるわけではないので、どのようなタイミングでも使いたい時に利用でき、早朝や深夜でも時刻を気にせずに利用することができます。

短時間でも利用しやすい

カーシェアでは、一般的には10分または15分単位で借りられるのが特徴で、短い距離でも使いやすいメリットがあります。もし自宅の近所にステーションがあれば、近所の移動でも気軽に利用でき、マイカー感覚でさくっと車に乗れて便利です。

利用前後の手続きが少ない

もちろん予約は必要ですが、実際に借りる時には、ステーションに行って指定の車に乗るだけでほぼ手間はありません。借りる車のロックを解除したら、すぐに出発できます。さらに使い終わったあとも、元のステーションに戻って駐車したら、その後はアプリなどの簡単な操作のみで完了。利用前後で時間を取られることがなく、効率的に使いやすいのもメリットです。

返却時にガソリンを補充する必要がない

カーシェアの場合、返却時のガソリン補充は義務ではありません。返却時にガソリンが満タンでなくても、補充する必要がないので、給油の手間も少ない利点があります。多少ガソリンが減った程度であれば、基本的にはそのまま戻して問題ないでしょう。ただし多くのサービスでは、乗っている最中にガソリンが半分以下になった際、給油するルールとなっています。必ず満タンで戻す必要はありませんが、規定に沿って給油するのが原則です。

ナビやETCが標準装備されている

基本的にカーシェアで借りられる車には、ナビやETC車載器が付いていて、特に追加料金もなく使うことができます。きちんと設備の整った車に乗ることができ、別途オプションになることもないので安心です。

さまざまな場所から使いやすい

サービスごとに異なりますが、カーシェアのステーションは一般のコインパーキングをはじめ、商業施設やマンションなどの駐車場に併設されているケースも多く見られます。住宅街なども含めた、さまざまな場所にステーションがあり、ちょっとした用事でも利用しやすいのがメリット。車を借りるステーションの選択肢が豊富にあるのも特徴です。

カーシェアのデメリット

さまざまな利便性のあるカーシェアですが、一方で使用上では気を付けておきたい、次のような注意点もあります。

会員登録が必要

実際に車を借りる段階になれば手続きの手間はありませんが、サービスを利用するための会員登録は必須。また原則は会員登録の際に本人確認の審査が入るため、完了するまではサービスの利用ができません。ちなみに審査にかかる時間は、「最短〇分」「□時間以内」など短めになっているサービスも多いですが、なかには数日かかる場合もあります。車を使使用したい予定が控えている時には、会員登録時の審査の所要時間も確認しておきましょう。

月額料金がかかる場合もある

サービスによっては免責補償などの基本費用として、月額料金が発生するケースもあり、カーシェアを使っていない月でもコストだけかかってしまうことがあります。その分、時間ごとの利用料金が低めになっている場合などもありますが、使い方によっては余分な料金が発生する可能性も。もちろん月額料金のないサービスもあるので、あらかじめコスト面は把握しておきましょう。

利用前に車内がきれいとは限らない

カーシェアの車両は、店舗などで日常的に管理しているわけではなく、車内の清掃などは利用している会員メンバーの任意となっています。借りる車によっては、汚れが溜まっているなど、あまり清潔な状態ではない可能性も。ちなみに使用後には、ゴミ捨てや簡単な掃除をするのがルールです。会員メンバー同士で気持ちよく使えるように、きちんとマナーを守りましょう。

選べる車種が少ない

基本的にカーシェアでは、乗りたいステーションにあるものしか利用できないため、希望の車種を選びにくい一面もあります。なかには車種から選んで予約できるケースもありますが、乗りたい種類自体はあっても、借りたい場所や日時に合わせて利用するのが難しいことも。各サービスで多くの車種を揃えているものの、借りるタイミングなどによっては、希望の車種を使えない可能性もあります。

長距離移動では割高になる

カーシェアでは、時間と距離ごとの従量課金制になっているため、あまり長く乗ってしまうとコストパフォーマンスが悪くなるケースもあります。遠方への長距離移動など、長めに利用したい時には、レンタカーのほうが安くなる場合も。カーシェアの予約時には、利用時間数と距離、料金のバランスも見ておくのがおすすめです。

予約がかぶると利用できない場合がある

「どうしてもあの場所のこの時間帯に使いたい！」と思っていても、予約が埋まっていれば当然ながら利用できません。なかには１台や２台など、かなり少なめの台数しか置いていないステーションもあり、「よく利用する場所なのに予約の競争率が高い」などの場合もあるでしょう。ステーションによっては、いつでも必ず自由に借りられるわけではない点には注意が必要です。

乗り捨てができない

カーシェアでは、使い終わったら元の場所に戻す必要があり、借りるステーションを往復しなければなりません。車で移動した先で乗り捨てする使い方はできないため、予約する時間数も、ステーションを行き来する工程を考慮のうえで設定するようにしましょう。

オンライン決済ができる支払い方法に限定される

カーシェアでは、その場での現金支払いはできないため、基本的にはクレジットカードをはじめとしたオンライン決済となります。またオンライン決済の方法も、サービスによって変わってくるので要注意。例えば「電子マネーも可」「デビットカードは不可」など、サービスごとに支払い方法には違いがあるので、あらかじめ精算に対応できそうなのかもチェックしておきましょう。

レンタカーの特徴は？

レンタカーは、専門店舗まで出向いて現地で手続きをして車を借りるサービスで、旅行や遠征などで使われやすい特徴があります。各店舗にて車の保管や管理がおこなわれており、チャイルドシート・スタッドレスタイヤ・駆動輪・ルーフキャリアなど、各種装備品もあわせてオプションなどでレンタルできます。またETCカードの貸し出しなどに対応している場合も多く、必要なサービスを選んで安心・安全に利用しやすいのも、レンタカーの便利なポイントです。

レンタカーの利用方法

レンタカーは、基本的には店舗で受付対応をしてもらったうえで、車を借りて出発します。大まかな手順は、以下のとおりです。

• STEP 1電話やWebなどで事前予約（場合によっては出発店舗の窓口予約も可）
• STEP 2車を予約した店舗に行き、契約書へのサインや事前精算などの手続きへ
• STEP 3手続きが終わったら、借りる車のキズやヘコミなどをチェック・記録
• STEP 4店舗スタッフより使用上の注意などの説明を受けて、問題ないことを確認して出発
• STEP 5返却する店舗付近でガソリンを満タンに補充
• STEP 6所定の店舗に車を戻し、車の状態や忘れ物などのチェックをして、返却手続きが済んだら終了

レンタカーを借りる際は、上記のように店頭での手続きが必ず発生するので、時間に余裕を持って早めに来店するのがおすすめです。

レンタカーのメリット

所定の店舗で管理された車を貸し出してもらうレンタカーでは、比較的サービス性が高く、次のような使いやすいメリットがあります。

主要駅や空港に店舗がある

レンタカーは、どちらかといえば長時間利用を想定したサービスとなっており、旅行などの出先で使うのに適したサービス性になっています。各店舗の立地も、駅や空港に近い場所となっているケースが多く、例えば電車や飛行機で出先に着いてからすぐに車を借りやすいのも利点。またホテルやツアーのセットになっていたり、新幹線や航空券などのチケットにオプションで付いてきたりなど、遠出した現地にて割安で借りられることもあって便利です。

きれいに掃除された車を利用できる

レンタカーで借りる車は、きちんと各店舗で保守・メンテナンスがされているので、安全面も衛生面も含めて安心して使いやすいメリットもあります。清潔感のある車内で快適に過ごしやすいため、長時間・長距離の移動でも心地よく利用しやすいでしょう。

営業時間内であれば比較的車を借りやすい

レンタカーの各店舗では、ある程度は貸し出し用の車両台数が揃っているので、比較的多くの予約に対応できて借りやすいのも特徴です。旅行シーズンなどの繁忙期では、予約が埋まりやすいケースもありますが、そうでない時期であれば急なタイミングでも借りられる可能性も。予約の空きさえあればレンタルできるので、借りたい時間の直前でも受付してもらえることがあります。急ぎで車を使いたい場合には、一度電話で確認してみるとよいでしょう。

車種の選択肢が多い

レンタカーの各店舗なら、車両の保有台数も比較的多く、ラインアップも豊富に揃っている特徴があります。一般的な乗用車はもちろん、ハイクラスの高級車やワゴン車など、その場の状況や個人的な好みなどに応じてさまざまな車種を選びやすいのがメリット。なかには十名単位で乗れるマイクロバスや、荷台の大きいトラックなどを借りられる店舗もあります。大人数での移動や、大型品の運搬などでも活用しやすい一面があります。

走行距離にかかわらず料金が時間制

レンタカーでは、基本的には時間単位によって料金が発生する仕組みとなっていて、走行距離によって課金されることはありません。予約した時間内であれば、どれだけ長距離で使っても料金が加算されないため、遠出の際の利用に向いています。

乗り捨てできる場合がある

同じ系列店舗間であれば、借りた場所以外で返却する乗り捨てができるケースもあります。例えば行き先までの移動だけで借りたい時には、その現地にある店舗に返却して、帰り道は公共交通機関などを利用するなど使い方もできます。遠出する際も、行き帰りどちらかの片道だけの利用もでき、臨機応変に移動手段が取りやすいメリットもあります。

レンタカーのデメリット

幅広い場面で活用しやすいレンタカーですが、実際に車を借りる際には、以下のような注意点も頭に入れて使うようにしましょう。

営業時間内にレンタル・返却する必要がある

レンタカーは、車を借りるのも戻すのも各店舗でおこなうため、営業時間内でないと受付に対応してもらうことができません。特に返却の場合は、営業時間を過ぎてしまうと次の開店時刻まで車を戻すことができず、大幅な遅延金や延滞料がかかってしまう可能性もあります。また営業時間内でしか借りることもできないため、早朝または深夜から使いたい時にはレンタルしにくい一面も。日中以外で使いたい時には、24時間営業などの店舗を探す必要があります。

予約時間を過ぎるとキャンセル扱いになる

レンタカーで車を借りる際に、１時間以上など予約時間から大幅に遅刻してしまうと、自動でキャンセルになるのが一般的です。場合によっては直前の当日キャンセルでの処理となり、違約金などの料金が発生してしまうことも。レンタカーを使う際には、予約時間に間に合うように向かうか、急なトラブル時には借りる店舗まで必ず連絡を入れるようにしましょう。

借りる前・返却時の手続きが多い

レンタカーでは、レンタルおよび返却にともなう店舗手続きがあるため、その分の時間がかかることも考慮しておく必要があります。一般的にはそれぞれ10分程度の所要時間となるのが目安ですが、店舗が混んでいる時には、少し長めの待ち時間になる場合も。レンタカーを利用する際には、なるべく余裕のある出発時刻にしておくなど、ゆとりを持たせた計画にしておくのがおすすめです。

返却時にガソリンを補充する必要がある

レンタカーを返す際には、その道中にある返却先店舗になるべく近いガソリンスタンドにて、ガソリンを満タンまで補充するのが一般的なルールです。なお給油にかかる料金は別途負担となるため、レンタカーを借りる際のトータルした合計費用は、ガソリン代も込みで考慮しておく必要があります。

長時間利用を想定したパック料金になっている

レンタカーの料金設定は、各社で違いはあるものの、「〇時間まで」というような時間単位になっているのが一般的です。短い単位でも、「３時間まで」となっていることが多く、30分や１～２時間ほどの利用時間だと少しもったいなくなってしまうケースも。予定より早めに返しても、差額の返金はなかったり、もしくは解約手数料がかかったりする場合もあるので注意しましょう。

カーシェアとレンタカーの利用料金比較

カーシェアとレンタカーでは、料金形態も大きく相違しており、利用したい時間数によって使い分けたほうがお得です。それぞれの料金目安としては、次のようになっています。

上記の表に出ている数字だけ見てみると、全体的にレンタカーのほうが割高に感じますが、カーシェアでは別途距離料金が加算される点には注意が必要。「３時間」までなら、カーシェアのほうがお得になりやすいですが、もっと長めに使うのであればレンタカーのほうが料金は低くなる可能性もあります。実際に「６時間」を超過する事例を挙げて計算してみると、以下のような料金になるイメージが考えられます。

【７時間利用：走行距離300km】（法廷時速60km/ｈ、走行時間５時間で計算）
カーシェア：11,500円（通常料金5,500円 ＋ 距離料金6,000円）
レンタカー：通常料金6,600円

【10時間利用：走行距離360km】（法廷時速60km/ｈ、走行時間６時間で計算）
カーシェア：13,800円（通常料金6,600円 ＋ 距離料金7,200円）
レンタカー：通常料金8,580円

車を走らせる距離に応じて変動しますが、「６時間」を超える利用になると、レンタカーのほうが費用はかなり抑えられます。
また、エリアやプランによって通常料金とは異なる場合もあるため、料金形態は事前に確認しておきましょう。

カーシェア・レンタカーどちらが向いている？

ここまでに見てきた双方のメリット・デメリットや料金形態を踏まえて、カーシェアとレンタカーではそれぞれどのような効果的な活用が考えられるのか見てみましょう。

カーシェアがおすすめの利用シーン

カーシェアが役に立ちやすいケースとして、次のような例があります。

• 車を頻繁に利用したい人
• 短時間・短中距離移動の時
• 近くにカーシェアの駐車場がある時
• 目的地の近隣を回りたい時

カーシェアは、特に自宅付近にステーションがある場合などに、マイカーの感覚で活用しやすい特徴があります。「普段の移動は徒歩や電車で済むからマイカーはいらないかも」などの時でも、カーシェアなら単発的に車を使えて、大荷物になる買い物やちょっとした送迎といった場面にも重宝できます。また「〇〇近辺のお店をいくつか巡りたい」などの際にも、カーシェアなら短時間で何度も行き来する移動ができて便利でしょう。

レンタカーがおすすめの利用シーン

レンタカーが役に立ちやすいシーンとしては、次のような例があります。

• 車の利用頻度が低い人
• 長時間・長距離移動の時
• 大人数で移動したい時

レンタカーは遠方に出向きたい場合に適しており、遠方から自宅付近までの長距離の往復や、現地滞在中の移動手段として有効に使えます。車で行くのは少し厳しい旅行先などでは、行き先までの往復には飛行機や新幹線を使い、現地はレンタカーで回ることも可能です。またレンタカーであれば、比較的大型の車種も借りやすいため、大人数での移動にも向いているでしょう。

カーシェアとレンタカーの違いに関するよくある質問

最後に、カーシェアとレンタカーを使い分けるポイントとして、よくある質問を簡単にまとめていきます。

カーシェアとレンタカーの違いは？

カーシェアとレンタカーの大きな違いは、おもに借りる手段と利用時間数です。カーシェアは、予約から返却・精算まですべてオンラインで手続きする無人サービスで、10分単位などの短時間から借りることが可能。一方でレンタカーは、基本的には各店舗での手続きが必要で、また長時間・長距離利用を前提とした料金設定がされています。カーシェアでは比較的手軽に使いやすく、レンタカーでは手厚いサービスが受けやすくなっています。

カーシェアが向いている場面は？

カーシェアは、自宅付近などのステーションを活用して、ちょっとした用事に使うのが向いています。１～２時間程度で、こまごまと利用したい時におすすめです。

レンタカーが向いている場面は？

レンタカーは、旅行・遠征・出張など、遠方への往復や出先での移動に使うのが向いています。半日や１日単位など、一定期間長めに車を使いたい時にはレンタカーがおすすめです。

まとめ

カーシェアとレンタカーでは、同じ車を借りるサービスでもそれぞれで活用方法は大きく変わってくるので、どのように車に乗りたいのかイメージして上手に使い分けするのがベスト。またマイカーを持つ想定をしていない場合には、自宅の近くにカーシェアやレンタカーを利用できる場所があると、必要に応じた移動手段として便利に使えるでしょう。もし新たなお住まいをお探しで、マイカーはないものの車に乗る機会がありそうなら、カーシェアやレンタカーの利用場所にも注目して物件を検討してみるのもおすすめです。不動産情報サイト アットホームでは、気になる物件の近くにカーシェアステーションがあるかを確認することができます。お部屋探しの際はぜひお役立てください。