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長期優良住宅とZEH住宅の違いは?共通点と利用できる補助金を紹介

長期優良住宅とZEH住宅の違いを解説します
家づくりを考え始めた時に「長期優良住宅」と「ZEH住宅」のどちらを選ぶべきか悩んでいる方も多いでしょう。

長期優良住宅とZEH住宅は共通して性能が高く、将来を意識した住まいです。しかし、違いがわかりにくく、どちらを選べば後悔しないのか判断しにくいかもしれません。

本記事では、長期優良住宅とZEH住宅の違いと共通点を解説します。利用できる補助金と迷った際のポイントを押さえて、自分に合った住まいを実現しましょう。

長期優良住宅とZEH住宅の基本知識

まずは長期優良住宅とZEH住宅の基本知識を見ていきましょう
まずは長期優良住宅とZEH住宅の基本知識を見ていきましょう

長期優良住宅とZEH住宅は、いずれも性能の高い住宅に認定されており、近年注目が高まっている住宅です。

長期優良住宅は、住宅を長期間にわたって良好な状態で使い続けることを目的とした住宅で、耐震性や耐久性、維持管理のしやすさなど、国が定めた基準に合わせて総合的に評価されます。

ZEH住宅は、年間のエネルギー消費量を実質ゼロ以下にする住宅です。エネルギー消費に焦点を当て、省エネと創エネを組み合わせて光熱費や環境負荷を抑えることを目的としています。

どちらも国の住宅政策と深く結びついており、補助金や減税の対象になりやすい点は共通しています。ただし、性能の方向性が異なるため、言葉の印象だけで選ぶと、住み始めてからギャップを感じることも。

それでは、長期優良住宅とZEH住宅の特徴を見ていきましょう。

長期優良住宅とは

長期優良住宅とは、国が定める基準を満たし、都道府県や市町村などの所管行政庁から認定を受けた住宅のことです。

建築時点の性能だけではなく、数十年先まで見すえた住宅計画が求められており、耐震等級や劣化対策等級、省エネ性能などの数値基準を満たしている必要があります。

住宅を消耗品ではなく、長期的に価値を保つ資産として扱う発想に基づいています。そのため、配管更新がしやすい構造や部材交換を想定した設計など、将来発生するメンテナンスも考慮されるでしょう。

長期優良住宅は、長く安心して住み続けたい人に適した制度です。

ZEH住宅とは

ZEH住宅とは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略称で、年間の一次エネルギー消費量を実質的にゼロにすることを目標とした住宅です。

国が定めるZEH基準では、断熱性能や一次エネルギー消費量削減率が明確に数値化されており、基準を満たせば補助金制度の対象になります。

また、高断熱化によって冷暖房負荷を抑え、省エネ性能の高い設備を導入しているため、光熱費の削減効果がわかりやすいでしょう。

日々の家計負担を抑えたい家庭には魅力的な選択肢です。しかし、創エネ設備への依存度が高いため、敷地条件や初期費用の予算によって向き不向きが分かれる点には注意が必要です。

長期優良住宅とZEH住宅の違い

長期優良住宅とZEH住宅の違いを解説します
長期優良住宅とZEH住宅の違いを解説します

長期優良住宅とZEH住宅は、どちらも高性能住宅ですが、評価されるポイントや設計の考え方に違いがあります。

長期優良住宅は、建物を長く安全に使い続けることを重視する制度です。構造や維持管理の計画まで含めて総合的に判断されるでしょう。一方、ZEH住宅はエネルギー消費と創エネのバランスに重点を置き、光熱費削減や環境負荷低減を数値で示せる点が特徴です。

それでは、長期優良住宅とZEH住宅の違いを項目別に詳しく見ていきましょう。

性能基準の違い

長期優良住宅とZEH住宅の性能基準の違いは、評価の対象範囲です。

長期優良住宅では、耐震等級や劣化対策等級、省エネ性能など複数の基準をバランス良く満たすことが求められます。特に耐震性や構造の耐久性は重視されており、地震や経年劣化への備えが評価の中心となります。

一方、ZEH住宅は断熱性能と一次エネルギー消費量削減率が評価の軸です。住宅全体の耐久性や可変性は、ZEHの主な評価基準には含まれず、エネルギー性能に特化した評価となります。

したがって、ZEH基準を満たしていても、必ずしも長期優良住宅として認定されるわけではありません。

申請・認定制度の違い

長期優良住宅とZEH住宅は、申請や認定の仕組みにも違いがあります。

長期優良住宅は、建築前に設計内容を提出し、所管行政庁から正式な認定を受ける必要があります。完成後も維持保全計画に基づいた管理が前提となるため、注意しましょう。

一方、ZEH住宅は国の事業制度に基づき、ZEHビルダーやプランナーとして登録されている事業者を通じて基準適合を確認する流れが一般的です。

それぞれ、手続きの流れや関与する機関が異なるため、スケジュールや必要書類にも差が生じます。家づくりの計画段階で、認定制度の利用先を明確にしておきましょう。

建築コストの違い

建築コストは、どの性能を強化するかによって差が出ます。

長期優良住宅では、構造補強や劣化対策、維持管理を見据えた設計にコストがかかりやすくなります。ZEH住宅では、高性能断熱材や太陽光発電設備、省エネ設備の導入費がコスト増加の要因となるでしょう。

初期費用を見れば、ZEH住宅のほうが高く感じられるかもしれません。しかし、仕様や規模によっては長期優良住宅の方が高額になるケースも。

導入する設備によっては補助金がもらえることもあるため、単純な金額比較だけではなく、総合的に判断して検討しましょう。

ランニングコストの違い

ランニングコストの面では、ZEH住宅が有利になりやすい傾向があります。

なぜなら、太陽光発電による自家消費や売電により、光熱費を大きく抑えられる可能性があるからです。一方、長期優良住宅は創エネを前提としないものの、高断熱・高耐久設計によって冷暖房負荷や修繕頻度を抑えやすくなります。

短期的な光熱費削減を重視するか、長期的な維持費や修繕費まで含めて考えるかどうかで評価は変わります。自分の暮らし方に合った視点で比較して選びましょう。

長期優良住宅とZEH住宅の共通点

長期優良住宅とZEH住宅の共通点を見ていきましょう
長期優良住宅とZEH住宅の共通点を見ていきましょう

長期優良住宅とZEH住宅は制度の目的が異なりますが、実際に建てられる住宅には多くの共通点があります。どちらも従来の一般的な住宅より高い性能水準を前提としており、住まいの快適性や安全性、省エネ性を重視している点が一致しています。

自分たちの暮らしに必要な住宅性能の組み合わせ方を考えるうえで重要な長期優良住宅とZEH住宅の共通点を解説します。

住宅性能が高い

長期優良住宅とZEH住宅は、断熱性能や設備性能が一定以上であることが前提です。

どちらの住宅も室内の温度差が小さく、夏は暑さを感じにくく、冬は冷え込みにくい住環境を実現しやすいでしょう。冷暖房効率が高まることで、体への負担が減り、ヒートショックなどのリスク低減にもつながります。

また、高性能な住宅は結露やカビが発生しにくいため、建物自体の劣化を抑えやすい点も特徴です。

性能の高さは、長期的な住環境の安定にも影響するため、暮らしの質を重視する方にとっては大きなメリットとなるでしょう。

光熱費・維持費の削減が期待できる

高断熱・高効率設備を備えた住宅では、冷暖房にかかるエネルギー消費が抑えられるため、光熱費の削減が期待できます。

特にZEH住宅では自家発電による電力利用が可能なため、効果を実感しやすい傾向があります。長期優良住宅でも断熱性能の向上により、一般住宅と比べて光熱費は抑えやすいでしょう。

また、性能の高い住宅は設備や構造に過度な負荷がかかりにくいため、修繕頻度が少なくなる可能性があります。長期的な維持費を考えると、家計への負担軽減につながる点は魅力です。

補助制度が受けられる

長期優良住宅とZEH住宅は、国や自治体が実施する補助制度や支援の対象となります。

住宅性能の向上を促す政策と連動しているため、一定の基準を満たすことで補助金や減税を受けられる仕組みが整えられています。

ただし、制度ごとに対象要件や申請時期、併用の可否が異なるため注意が必要です。補助制度を前提に家づくりを進める場合は、早い段階で利用できる制度を見極めるようにしましょう。

制度を正しく活用できれば、初期費用の負担を抑えながら高性能住宅を実現しやすくなります。

税制優遇・減税を受けられる

長期優良住宅やZEH住宅は、補助金だけではなく、税制優遇を受けやすい住宅です。

例えば、住宅ローン控除の上限拡大や固定資産税の軽減など、家計に直接影響する制度が用意されています。住宅の購入後も、一定期間にわたって負担軽減効果が続くため、長期的に優遇される点は大きな魅力です。

一方で、適用条件や控除期間は年度ごとに見直されるため、最新の制度内容を確認する必要があります。長期的に見ると総支払額に大きな差を生むため、性能とコストを総合的に判断する際は、見落とせないポイントになるでしょう。

資産価値が高い

長期優良住宅やZEH住宅は、資産価値が評価されやすい傾向があります。

長期優良住宅は、国の認定制度によって性能が客観的に示されるため、将来売却する際や相続時に評価材料に使いやすいでしょう。ZEH住宅も、省エネ性能の高さや光熱費の削減が重視される時代背景のなかで、近年人気が高まっています。

特に今後は省エネ性能が住宅選びの前提条件となる可能性が高く、性能の低い住宅との差は広がると予想されています。税制優遇と資産価値の両面から見ても、高性能住宅は長期的に有利に働く可能性が高いでしょう。

長期優良住宅・ZEH住宅で利用できる制度

長期優良住宅・ZEH住宅で利用できる制度を紹介します
長期優良住宅・ZEH住宅で利用できる制度を紹介します

長期優良住宅やZEH住宅は、住宅性能の向上を目的とした国の支援制度と結びついています。

支援制度は、高性能住宅の普及を促すために設けられており、一定の要件を満たすことで補助金を受けられます。ただし、補助制度は予算や期間が限られているケースも多く、情報収集の遅れが利用機会を逃す原因になるため注意しましょう。

家づくりを進める際は、設計や契約の段階から利用可能な制度を確認しておくことが重要です。

では、長期優良住宅やZEH住宅で利用できる制度を紹介します。

ZEH支援事業

ZEH支援事業は、ZEH住宅の普及を目的とした補助制度です。

断熱性能や一次エネルギー消費量削減率など、国が定めるZEH基準を満たすことが前提となるため要件は厳しいですが、その分補助額も大きく設定されるケースが多く見られます。

太陽光発電などの創エネ設備導入費の負担軽減につながるため、ZEHを前提に家づくりを進める場合は、ZEH支援事業の活用がおすすめです。

ただし、他の国庫補助金との併用ができない場合が多いため、どの制度を優先するか慎重に判断しましょう。

みらいエコ住宅2026事業

みらいエコ住宅2026事業は、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、省エネ性能の高い住宅取得を支援する制度です。

長期優良住宅やZEH住宅が対象となり、条件を満たすことで新築や賃貸だけではなく、リフォームも制度の対象となります。

ただし、断熱等性能等級や省エネ設備の仕様など、細かな要件が設定されているため、設計段階から条件を確認しておくとよいでしょう。

また、みらいエコ住宅2026事業は補助制度が併用できる可能性もあります。より費用の負担を減らすためにも積極的に利用しましょう。

長期優良住宅とZEH住宅は併用可能

長期優良住宅とZEH住宅は併用できるかどうかを解説します
長期優良住宅とZEH住宅は併用できるかどうかを解説します

長期優良住宅とZEH住宅は異なる制度ですが、一定の条件を満たせば併用できます。

耐久性や維持管理を重視する長期優良住宅の基準と、省エネ・創エネを重視するZEH基準の両方を満たした住宅を建てることで、住宅性能を高い水準で実現できるでしょう。

長期優良住宅とZEH住宅を満たしている家づくりをおこなうことで、安心感と光熱費の削減を同時に狙えます。そのため、長期的に住みたい方にとって魅力的な選択肢となるでしょう。

ただし、設計や施工の難易度が上がるため、コスト管理やスケジュール調整が求められる点には注意が必要です。

補助金制度は併用できない

長期優良住宅とZEH住宅は併用できますが、住宅に関する補助金制度は原則として併用できないケースが多いです。

特に、国庫補助金同士は併用不可とされることが一般的であり、ZEH支援事業と他の大型補助金を同時に利用できない可能性が高いため注意しましょう。

また、補助額の大小だけで判断して設計すると、重視したい住宅性能とのバランスが崩れることも。補助金はあくまで支援策の一つとして考え、住宅の性能や将来の暮らし方を軸に優先順位を決めることが重要です。

長期優良住宅とZEH住宅で迷った際の選び方

長期優良住宅とZEH住宅で迷った際の選び方を見ていきましょう
長期優良住宅とZEH住宅で迷った際の選び方を見ていきましょう

長期優良住宅とZEH住宅のどちらを選ぶべきか迷った場合は、自分たちの暮らし方や価値観を基準に考えることが有効です。両者とも共通して高性能住宅ですが、最優先したい項目を明確にすれば判断しやすくなります。

迷いが生じた時は、短期的なメリットと長期的な視点の両方から整理してみましょう。それでは、長期優良住宅とZEH住宅で迷った際の選び方を解説します。

光熱費重視で選ぶ

日々の光熱費をできるだけ抑えたい場合は、ZEH住宅が有力な選択肢です。

ZEH住宅は、高断熱化と省エネ設備に加え、太陽光発電による自家消費が可能であるため、電力会社から購入する電気量を大きく減らせる可能性があります。災害やエネルギー価格の変動リスクに備えたい家庭にとっても安心材料になるでしょう。

一方で、発電量は天候や立地条件に左右されるため、想定どおりの効果が得られるか事前にシミュレーションしておくことが重要です。

光熱費削減を重視する場合は、設備仕様やグレードまで含めて検討しましょう。

省エネで選ぶ

省エネ性能そのものを重視する場合も、ZEH住宅が適した選択肢となります。

ZEH住宅は、一次エネルギー消費量の削減が明確な基準として示されるため、性能を数値で把握しやすい点が特徴です。

ただし、省エネ性能は断熱材や設備の組み合わせによって大きく変わるため、ZEH基準を満たすだけではなく、素材や設備のグレードまで確認することが重要です。

省エネ性能は完成後に変更しにくいため、計画段階で慎重に判断しましょう。

耐震性・耐久性で選ぶ

地震への備えや建物の寿命を重視する場合、長期優良住宅が向いています。

日本は地震が多い国であり、長く住み続けることを考えると、耐震性は重要な判断材料です。長期優良住宅は、耐震等級や劣化対策が評価対象となるため、構造面で安心感を得られます。

また、耐久性を高める設計は、将来の大規模修繕のリスクを抑える効果も期待できます。安心して住み続けたい方にとって、長期優良住宅の考え方は相性がよいでしょう。

将来の売却を見据えて選ぶ

将来の売却や住み替えを視野に入れる場合、住宅の評価がわかりやすい制度を選びましょう。

長期優良住宅は認定制度が明確で、第三者に性能を説明しやすい点が強みです。ZEH住宅も省エネ性能への関心が高まり、価値は広く認識されつつあります。

将来の市場動向を考慮すると、長期優良住宅もZEH住宅も売却に有利に働きやすくなります。選択肢を広げるためにも、長期的な視点で住宅を選ぶことがポイントです。

まとめ

長期優良住宅とZEH住宅は、どちらもこれからの時代に求められる高性能住宅です。

長期優良住宅は耐久性や維持管理を含めた安心感を重視し、ZEH住宅は省エネ性と光熱費削減を軸に考えられた制度です。より高機能な住宅を求める際は、併用の選択肢も含め、自分たちの暮らし方や将来設計に合った住まいを見極めることが重要になります。

制度や補助金を上手に活用し、長く納得して住み続けられる家づくりをおこないましょう。

民辻 伸也

執筆者

民辻 伸也

宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

大学を卒業し、投資用不動産会社に4年勤務後、選択肢を広げて一人ひとりに合わせた資産形成をおこなうため、転職。プロバイダー企業と取引し、お客様が安心感を持って投資できる環境づくりに注力。不動産の仕入れや銀行対応もおこなっている。プライベートでも、自ら始めた不動産投資でマンション管理組合の理事長に立候補。お客様を徹底的にサポートできるよう、すべての経験をコンサルティングに活かしている。
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ

ライフマネー研究所
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