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注文住宅の契約前に確認することは?トラブルになる内容と必要な準備を紹介

注文住宅の契約前は何をどこまで見ればよいのか迷いやすいものです
注文住宅の契約前は、見積もりや図面、支払い条件など目を通すべき内容が多くあります。内容を十分に確認しないまま契約すると、追加費用の発生や認識のずれによるトラブルにつながるおそれも。注文住宅の契約前には確認すべき項目や、あらかじめ整えておきたい準備を把握しておくことが重要です。

本記事では、注文住宅の契約前に確認することを整理したうえで、トラブルになりやすい契約内容や必要な準備を紹介します。記事を読むことで、注文住宅を安心して契約できるようになるでしょう。

注文住宅の契約前に確認すること

注文住宅の契約前に確認すべき項目を整理して紹介します
注文住宅の契約前に確認すべき項目を整理して紹介します

注文住宅の契約前に確認すべき項目は9つあります。それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。

見積もりの詳細と金額

見積もりの内容を十分に確認しないまま契約を進めると、着工後に追加費用が発生し、当初の予算を大きく上回る可能性があります。特に確認したいことは、建物本体の工事費だけでなく、付帯工事費や諸費用まで含まれているかどうかです。

例えば、地盤改良費、外構費、給排水工事などは、見積もりに含まれていないケースも。設備や工事項目ごとに内訳が記載されているかを確認し、不明な点があれば契約前に質問して確認しましょう。

図面・仕様書

図面や仕様書は、どのような家を建てるのかを具体的に示すものです。内容があいまいな状態で契約すると、完成後にイメージとのずれが生じる原因になります。契約時に提示される図面は概略図であることが多く、契約後も変更できる場合があります。しかし、契約後に間取りや仕様を変更すると、追加費用が発生したり、工期が延びたりする可能性も。

図面では間取りだけでなく、部屋の広さや収納の位置、窓の配置まで細かく確認します。仕様書では、メーカー名や品番、グレードまで明記されているかどうかを見るようにしましょう。実際の暮らしを想定しながら、問題がないかチェックすることが重要です。

標準仕様とオプション仕様は契約する会社ごとに異なるため、追加費用が発生する可能性がある設備や部材の把握が必要になります。図面と仕様書は、追加費用の有無にも深く関わるため、細かく見直すことで、契約後の後悔を防ぎやすくなるでしょう。

解約・違約金の条件

注文住宅の契約前には、必ず解約や違約金に関する条件を確認しましょう。特に確認したいことは、どの段階まで解約できるのか、解約した場合に自己負担が発生するかどうかです。注文住宅では契約後に設計や申請業務が進むことが多く、着工前であっても無料で解約できるとは限らないため注意が必要です。

会社によっては、支払済みの申込金や契約金が返金されない場合や、進捗に応じて違約金が発生する場合があります。費用の返金に関する内容を事前に確認すれば、解約時のトラブルを防ぎやすくなります。また、住宅ローンの審査に通らなかった場合に契約を白紙解除できる住宅ローン特約の有無も確認しましょう。

工期・引き渡し時期

現在の住まいの退去時期や入居予定に影響を及ぼす項目が工期と引き渡し時期です。認識がずれたまま契約すると、仮住まいや引越し費用などで負担が増える可能性があります。注文住宅では、確認申請や打ち合わせなどを経てから着工する流れが一般的であるため、契約日から引き渡しまでの全体スケジュールを把握する必要があるでしょう。

また、天候不良、資材の調達遅れなどの工期が延びる要因もあります。工期が延長した場合の対応を含めて確認すると安心です。

契約金などの支払いタイミング

注文住宅では費用を一括で支払うのではなく、複数回に分けて支払うケースが一般的です。ただし、支払いの回数や割合は住宅会社によって異なるため、事前の確認が必要になります。特に仮契約時に申込金を支払うケースがありますが、キャンセルして本契約に進まない場合には返金されないことも。

本契約時に支払う手付金は契約金額の5%~10%が相場です。手付金は基本的に住宅ローンに含まれないため、自己資金で支払えるように資金計画を立てる必要があります。どのタイミングで支払いが発生するのかを確認したうえで、返金条件を含めて把握しましょう。

仕様変更時のルール

契約後に間取り、設備、部材などの変更が必要になった場合に備えて、仕様変更時のルールを確認することが重要です。注文住宅は工事が進むにつれて変更できる範囲が狭くなります。そのため、どのタイミングまで変更が可能であるかを確認しましょう。

また契約後に標準仕様からオプション仕様へ変更した場合、差額の負担以外にも手数料の支払いを求められることも。タイミングによっては、変更できても費用が増える可能性があります。

住宅性能の基準

住宅は耐震性や断熱性などの基本的な住宅性能が将来の安全性や住み心地に影響します。住宅会社によって、標準仕様で確保している性能水準は異なります。性能を十分に確認せずに契約すると、住み始めてから後悔する原因になることも。

求めている住宅性能によってはオプション仕様が必要になりやすいため、自身が希望する水準を契約前に決めていなければ、契約後に追加費用が発生しやすくなります。契約前の段階で標準仕様による住宅性能の基準が、求める暮らしに合っているかどうかを見極めましょう。

工事体制の内容

注文住宅の契約前には、どのような工事体制で家づくりがおこなわれるのかを確認しておくことが重要です。誰が設計し、誰が現場を管理するかによって施工品質に差が出ることも。特に確認しておくべきことは、設計担当者と現場監督が同一人物であるかどうかです。

担当が分かれている場合は、打ち合わせ内容が現場まで正確に共有されないケースも。要望や変更内容がうまく伝わらなければ、認識のずれや施工ミスが発生する原因になります。設計担当者と現場監督が分かれている場合は、契約前に情報共有に関して質問するようにしましょう。

保証・アフターサービスの内容

家は住み始めてから不具合が発生する場合や、メンテナンスが必要になることがあります。そのため、注文住宅の契約では保証やアフターサービスの内容も重要です。法律で義務化されている内容が「住宅瑕疵担保責任保険」であり、構造耐力上主要な部分や雨水の侵入を防ぐ部分は10年の保証があります。

加えて会社独自の保証制度・アフターサービスにも目を通すようにしましょう。ただし、保証を受けるには定期点検や有償メンテナンスを受けることが条件であるケースも。保証を継続するために必要な条件の確認も重要です。家は建築費用だけでなく維持費も重要であるため、総合的な判断が必要になります。

注文住宅でトラブルになる契約内容

注文住宅でトラブルになる契約内容を解説します
注文住宅でトラブルになる契約内容を解説します

注文住宅の契約では、内容を十分に確認しないまま進めると、契約後に思わぬトラブルへ発展することがあります。後悔を防ぐためには、どのような項目がトラブルになりやすいのかを事前に把握しておくことが大切です。注文住宅で特に注意したい契約内容を以下にまとめました。

見積もりで一式表記が多い

注文住宅の見積もりで注意したい内容が「一式表記」です。一式表記は工事や設備の費用の内訳がわかりにくいため、金額が妥当であるか判断が難しくなります。例えば、外構一式とあっても、実際には最低限のアプローチしか含まれていないケースも。そのため、工事が進むなかで別途費用が必要になる場合もあり、最終的な支払額が大きく増える危険性がある表記です。

契約前には、一式表記の具体的な内容と項目ごとの明細を確認しましょう。一式表記に関して十分に確認しないまま契約を進めると、契約者と住宅会社で工事や設備の範囲に関する認識のずれが発生しやすくなります。

追加・変更工事のルールが明確でない

注文住宅では、契約後に間取りや設備、内装の見直しが発生する可能性があります。しかし、契約後の追加・変更工事のルールが明確でない場合は、費用や工期をめぐるトラブルが発生することも。

明確にルールを定めていない場合は、住宅会社の裁量で大きな仕様変更でなくても想像以上に高い追加費用を請求されたり、変更を受け付けない場合があります。契約時にルールが共有されていなければ、認識のずれが発生しやすくなるでしょう。追加・変更工事が発生した際は、見積もりの再提示や書面での確認がおこなわれる体制かどうかもトラブルを避けるために確認したいところです。

工期・引き渡しの遅延時の対応が明記されてない

注文住宅の契約では、工期や引き渡し時期などのスケジュールだけでなく、遅延が発生した場合の対応が明記されていることも重要です。完成が予定より遅れた際に、誰がどこまで責任を負うのかがわからなければ、トラブルの原因になります。

例えば、天候不良や資材の納品遅れなど工事が予定通りに進まない原因はさまざまあります。ある程度遅れることを想定し、余裕をもって引き渡し日を設定する必要はあるでしょう。しかし、相手の都合で想定以上に遅れた場合、対応が明記されていなければ補償を受けられない可能性があります。

工期・引き渡しの遅延は入居時期に影響が出るため、仮住まい・引越しの費用が増える場合があります。契約者の負担が大きくなりやすいため、住宅会社側の事情で大幅な遅延が生じた場合の対応を確認することが重要です。

注文住宅の契約の流れ

注文住宅の契約の流れを紹介します
注文住宅の契約の流れを紹介します

一般的な注文住宅の契約までの流れを以下にまとめました。それぞれ詳しく見ていきましょう。

住宅ローンの事前審査

注文住宅の契約の前に進めておきたいことが、住宅ローンの事前審査です。住宅ローンの事前審査では、申込者の年収や勤務状況などをもとに、どの程度の金額を借りられる見込みがあるのかを金融機関が判断します。事前審査を受けることで、予算の目安がわかりやすくなります。住宅ローンで借り入れできる金額を事前に把握すれば、注文住宅の資金計画を立てやすくなるでしょう。

土地と住宅会社を探す

注文住宅を建てる際には、家を建てる土地と建築を担当する住宅会社を探す必要があります。探す順序も重要であり、立地を重視したい場合は土地を探してから住宅会社を探します。一方で、住宅会社を探してから建設したい住宅に合う土地を提案してもらう方法もあるでしょう。
土地と住宅会社は、家づくりの方向性を左右する重要な要素です。場合によっては、納得のいく土地を選ぶまでに1年近くかかる可能性もあります。

建物のプランと見積もりを作成

土地と住宅会社を決定したあとは、建物のプランと見積もりを住宅会社に作成してもらいます。家族構成や暮らし方や予算に合わせて建てる家の方向性を形にする必要があるでしょう。プラン作成では、間取りや部屋数、水回りの配置、生活動線などを整理しながら、希望に合う住まいの形を考えます。詳細な設計は仮契約後の打ち合わせ時に決定しますが、納得できる内容か見極めることが重要です。

仮契約

仮契約は本契約の前に住宅会社と家づくりを進める意思を確認するための手続きです。しかし、仮契約の段階で申込金の支払いを求められることもあります。本契約でなくても金銭の支払いや、契約に拘束力が生まれる可能性があるため、内容を十分に理解したうえで進めるようにしましょう。

打ち合わせ

仮契約のあとには、住宅の詳細を決めるための打ち合わせがおこなわれます。注文住宅の打ち合わせの回数は一般的に10回~15回程度かかり、期間は3カ月~6カ月程度が目安になります。打ち合わせをスムーズに進めるためには、事前に家族で希望や優先順位を整理することも重要です。内容を丁寧に詰めるほど、契約後の認識のずれを防げるでしょう。

本契約

打ち合わせを重ねて、間取りや仕様、見積もり、工事のスケジュールなどに納得できてから、本契約へ進みます。本契約は、住宅会社と正式に工事請負契約を結ぶ重要な手続きです。本契約後は簡単に見直せない内容も多いため、最終確認を念入りにおこなうことが重要です。書類の項目を一つずつ確認し、不明点を残さないようにしましょう。

注文住宅の契約前に必要な準備

注文住宅の契約前に必要な準備を解説します
注文住宅の契約前に必要な準備を解説します

注文住宅の契約を後悔なく進めるためには、契約書の内容を確認するだけでなく、その前の準備を整えることも大切です。注文住宅の契約前に必要な準備を以下にまとめました。

資金計画を整理する

注文住宅の契約前には、資金計画の整理が重要です。予算の見通しが明確でない状態で家づくりを進めると、途中で希望する仕様をあきらめたり、支払いが苦しくなったりする可能性も。確認したいことは、自己資金として支払える金額と、住宅ローンの事前審査による借り入れの見込み額です。資金計画をあらかじめ整理すれば、予算の上限が明確になり、住宅会社との打ち合わせも進めやすくなります。

また、資金計画では建物本体の費用だけでなく、土地代、付帯工事費、諸費用まで含めて考える必要があるでしょう。引越し費用・仮住まいの費用も合わせると想像以上に総額が膨らむおそれがあります。そのため、注文住宅の資金計画は総合的に考えたうえで、余裕をもった計画を立てることが重要です。

ハウスメーカー・工務店を比較する

注文住宅の契約前には、ハウスメーカーや工務店を比較して、自分たちに合う依頼先を見極める必要があります。そのため、最初に相談した会社に決めるのではなく、複数の会社を比較して選ぶことが重要です。見積もりなどの契約の内容だけでなく、担当者の対応も重要な比較材料になります。

家づくりは長い付き合いになるため、担当者との相性は大切です。複数社を比較すれば、提案内容の違いや費用の相場がわかりやすくなるため、後悔の少ない契約につながります。条件を整理しながら慎重に検討しましょう。

要望の優先順位を決める

注文住宅の打ち合わせに備えるために、家づくりに関する要望の優先順位を決める必要があります。希望を整理しないまま打ち合わせを進めると、途中で迷いやすくなるため時間がかかります。特に整理しておきたいことは、絶対に譲れない条件と、できれば取り入れたい条件です。

例えば、暮らしやすさに直結する部分は優先度が高くなりやすいです。しかし、内装・設備の色や細かな仕様などは、予算とのバランスを見ながら調整しやすいでしょう。また、事前に家族それぞれの要望を出し合っておくことも重要です。予算の範囲で希望をすべてかなえることが難しい場合でも、優先度の高い部分を残しながら、納得できる形に整えることが後悔のない家づくりにつながるでしょう。

注文住宅の契約に関するよくある質問

注文住宅の契約に関するよくある質問を以下にまとめました。

注文住宅の仮契約と本契約の違いは?

仮契約は、本契約前に住宅会社と家づくりを進める意思を確認する手続きです。本契約は、工事請負契約を正式に結ぶ手続きであり、契約金額や仕様、工期などが確定します。仮契約でも金銭の支払いや拘束力が発生する可能性があるため、慎重に契約するようにしましょう。

注文住宅で住宅ローンの審査に通らなかった場合はどうなる?

住宅ローン特約があれば、住宅ローンの審査に通らなかった場合に契約を白紙解除できることがあります。白紙解除になれば、支払った契約金などが返金されるケースもありますが、返金の範囲や条件は契約内容によって異なります。そのため、契約前に住宅ローン特約の有無と適用条件を確認することが重要です。

注文住宅の工期はどれくらいかかる?

着工から完成までは、一般的に4カ月〜6カ月程度が目安です。ただし、打ち合わせや申請期間も含めると、家づくり全体では1年以上かかることがあります。さらに、天候不良や資材の納品遅れにより、予定よりも長引く可能性もあるでしょう。着工から引き渡しまでの工期だけでなく、全体のスケジュールで判断することが重要です。

まとめ

注文住宅の契約前には、見積もりや図面、支払い条件、保証内容などを細かく確認することが重要です。内容を十分に把握しないまま契約すると、追加費用や工期のずれ、認識違いによるトラブルにつながる可能性も。

安心して家づくりを進めるためには契約内容を確認するだけでなく、必要な準備も把握することが重要です。契約内容の確認と事前準備の両方を丁寧に進めることで、後悔の少ない注文住宅の契約につながるでしょう。

民辻 伸也

執筆者

民辻 伸也

宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

大学を卒業し、投資用不動産会社に4年勤務後、選択肢を広げて一人ひとりに合わせた資産形成をおこなうため、転職。プロバイダー企業と取引し、お客様が安心感を持って投資できる環境づくりに注力。不動産の仕入れや銀行対応もおこなっている。プライベートでも、自ら始めた不動産投資でマンション管理組合の理事長に立候補。お客様を徹底的にサポートできるよう、すべての経験をコンサルティングに活かしている。
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ

ライフマネー研究所
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