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【実例】壁紙の選び方とは?失敗しないためのポイントや壁紙の種類について解説

壁紙の選び方や失敗しないためのポイントなど詳しく解説します
壁紙選びは、部屋の印象を大きく左右する重要な要素です。色や柄、素材の違いによって空間の雰囲気が変わるため、目的や生活スタイルに合わせた選定が求められます。本記事では、失敗しない壁紙の選び方や種類ごとの特徴、選ぶ際のポイントを解説しますので、ぜひ参考にしてください。

壁紙を選ぶ時の流れ

壁紙を選ぶ時の流れ・ポイントについてご説明します
壁紙を選ぶ時の流れ・ポイントについてご説明します

壁紙を選ぶ時は、まず部屋の完成イメージを明確にしましょう。いきなり壁紙を選ぶのではなく、シンプル、ナチュラル、スタイリッシュなど方向性を定めます。そのイメージに合う、施工例や写真を参考にしながら選定を進めるとよいでしょう。ベースとなる壁紙は、床や家具との調和を意識して選ぶのがポイントです。

壁紙の種類

壁紙の種類について解説します
壁紙の種類について解説します

壁紙にはさまざまな素材があり、それぞれに特徴やメリット、デメリットがあります。ここでは、代表的な6種類の壁紙について、素材の特性を解説します。

ビニールクロス

ビニールクロスの例
ビニールクロスの例

ビニールクロスは、ポリ塩化ビニル(PVC)を主成分とする壁紙です。優れた耐久性や耐水性があり、日常的な汚れや傷にも強いのが特徴。多彩なデザインや色、機能性を備えており、住宅から商業施設まで幅広く使用されています。また、施工が簡単で、DIYにも適しています。

【メリット】

  • コストパフォーマンスが高い
  • デザインやカラーのバリエーションが豊富
  • 耐久性があり、汚れに強く手入れが簡単

【デメリット】

  • 通気性が低く、湿気がこもりやすい
  • 部分補修がむずかしい
  • 素材や接着剤によってはシックハウス症候群の原因になる

紙クロス

紙クロスの例
紙クロスの例

紙クロスは和紙や非木材紙、輸入品など種類が豊富で、柔らかく自然な風合いが魅力です。装飾性が高く、環境面でも優れています。

【メリット】

  • 温かみある風合い
  • 和紙や輸入紙など多彩なデザイン
  • 和紙は、吸湿性や消音性がある
  • 非木材紙は環境にやさしい

【デメリット】

  • 水、油、擦れに弱い
  • 継ぎ目が目立ちやすい
  • 施工がむずかしく、費用が高い

布クロス

布クロスの例
布クロスの例

布クロスは、織りによる立体感と上質な風合いが魅力で、高級感を演出する壁紙として人気です。吸湿性や通気性にも優れており、快適な空間づくりに適しています。

【メリット】

  • 高級感と温かみのある質感
  • 吸湿、放湿性に優れている
  • デザインや織り方のバリエーションが豊富
  • 耐久性が高く、長期間使用できる
  • 防汚、防火加工された機能性タイプもある

【デメリット】

  • 価格が高めでコストがかかる
  • 汚れが染み込みやすく掃除がむずかしい
  • 施工には専門技術が必要

木質調クロス

木質調クロスの例
木質調クロスの例

木質調クロスは天然木やコルクを薄くスライスして、紙やアルミに裏打ちした壁紙です。自然な風合いや温もりを感じられるのが特徴で、ナチュラルで落ち着いた空間づくりに適しています。

【メリット】

  • 天然素材による温もりと高級感がある
  • カントリー調や北欧風など幅広いインテリアに対応できる
  • 調湿機能があり、快適な湿度を保てる
  • アクセントクロスや腰壁として使いやすい

【デメリット】

  • 価格が高めでコストがかかる
  • 耐水性が低く、水回りには注意が必要
  • 模様が均一でないため、補修がむずかしい

無機質クロス

無機質クロスの例
無機質クロスの例

無機質クロスは、珪藻土、漆喰、金属、ガラス繊維などの無機素材を使用した壁紙です。防火性や調湿性に優れ、自然素材の質感を活かした空間づくりに向いています。

【メリット】

  • 防火性が高い
  • 調湿、消臭効果で快適な室内環境を保てる
  • 塗り壁よりも施工が簡単でコストを抑えやすい

【デメリット】

  • 汚れが落ちにくく、水拭きができない
  • 継ぎ目が目立ちやすく、チープな印象になる
  • 施工には専門技術が必要

オレフィンクロス

オレフィンクロスは、ポリエチレンやポリプロピレンなどの合成樹脂を主原料とした壁紙です。ビニールクロスに似た性能をもちながら、環境や人体への負担を軽減できる素材です。

【メリット】

  • 防汚性、耐水性に優れ、手入れが簡単
  • 有毒ガスが出にくく、環境や健康に配慮できる
  • 高い表面強度で傷が付きにくい

【デメリット】

  • ビニールクロスに比べて価格が高め
  • 施工に専門的な技術が必要

壁紙の選び方のポイント

壁紙の選び方のポイントについて解説します
壁紙の選び方のポイントについて解説します

壁紙選びは、部屋の印象や快適さを保つためにも重要です。デザイン性はもちろん、色や素材、機能面まで幅広く検討することで、理想の空間づくりにつながります。ここでは、壁紙の選び方のポイントを解説します。

床材やドアの素材や色調に合わせて基本色を考える

壁紙の基本色は、床材やドアなど、ほかのインテリアとの調和が大切です。空間全体の統一感を意識しながら、素材や色合いに合った壁紙を選びましょう。

  • ホワイト系
    ホワイト系は部屋を明るく広く見せる効果があり、リビングや寝室など多くの空間に適した定番カラーです。ピュアホワイトは光を強く反射し、清潔感を演出します。しかし、使い方によっては、緊張感を生むことがある点に注意しましょう。アイボリーやオフホワイトなど、柔らかいトーンを選べば落ち着いた印象になります。
  • ブラック系
    ブラック系は深みのある暗さと重厚感が特徴で、空間に高級感や落ち着きを与えます。全体に使うと部屋が暗くなるため、一面のみのアクセント使いが一般的です。モダンな印象を演出でき、クールな雰囲気を求める空間にぴったり。寝室やトイレなど、暗さが気にならない場所におすすめです。
  • グリーン系
    グリーン系は自然や安らぎを感じさせる色で、目にやさしく、心身をリラックスさせる効果があります。植物や和紙をモチーフにした柄も多く、和室や木製家具との相性がよいでしょう。協調性が高く、家族が自然と集まるリビングに最適です。濃いトーンを寝室やトイレにアクセントとして使えば、落ち着いた雰囲気を演出できます。
  • ブルー系
    ブルー系は爽やかで清潔感のある色です。気持ちを落ち着け、ストレスを和らげる効果があるため、寝室やキッチンにおすすめ。明るめのブルーは爽やかを演出し、水色に近づくほどリラックス効果が高まります。一方、濃いブルーは落ち着きと知的な印象を強めますが、使いすぎると圧迫感が出ることもあるため注意が必要です。
  • イエロー系
    イエロー系は明るい印象を与えるため、子ども部屋やキッチンにおすすめです。淡いイエローは光を取り込みやすく、暗い部屋も明るく演出します。一方で、鮮やかすぎる黄色は緊張感を与えることもあるため、アクセント使いが効果的です。
  • オレンジ・ピンク系
    オレンジ系は空間に温かみを加えるビタミンカラーで、キッチンやダイニングに最適です。淡いトーンなら、柔らかくカジュアルな印象になります。また、ピンク系はやさしさと幸福感をもたらし、ベビーピンクは柔らかく上品に、コーラルピンクは明るく可愛らしい印象に仕上がります。

  • 木目調
    木目調の壁紙は、ナチュラルで温もりのある空間を演出できる人気のデザインです。明るめの色合いは開放感を与えて、暗めのトーンは落ち着いた重厚感をプラスします。和室の天井やアクセント壁にも多く使われ、観葉植物やグリーンとの相性も抜群です。木製家具ともなじみやすく、自然を感じる心地よい空間に仕上がります。
  • 織物調
    織物調の壁紙は、布のようなやさしい質感が特徴です。どの色ともなじみやすく、落ち着いた空間づくりに適しています。ベージュやグレー系など柔らかい色合いを選べば、上品で温かみのある雰囲気になるでしょう。控えめな印象ながら高級感があり、家具やインテリアとも調和しやすい万能な壁紙です。
  • 石目調
    石目調の壁紙は、自然素材の風合いを再現したデザインで、ほどよい凹凸が空間に立体感を与えます。ベージュ系なら温かみを、グレー系ならモダンで洗練された印象を演出でき、どの色とも相性がよいもの魅力です。織物調よりもメリハリがつきやすく、空間に上質なニュアンスを加えたい方におすすめです。
  • パターン
    花柄、幾何学模様、ストライプなど多彩なデザインが揃うパターンの壁紙は、空間に遊び心や個性をプラスしてくれます。淡い色合いなら柔らかく上品な印象に、ビビットカラーやコントラストの強い配色なら大胆でモダンな雰囲気になります。視線を引くアクセントウォールとして取り入れるのもよいでしょう。

床・壁・天井の色のバランスを考える

インテリアの色バランスは、床、壁、天井の順に上へいくほど明るくするのが基本です。床を濃い色、壁を中間色、天井を明るい色にすると空間に安定感と広がりが生まれて、天井も高く見えます。逆に、天井を少し暗めにすると、空間が引き締まり落ち着いた雰囲気になります。

アクセントクロスを取り入れる

アクセントクロスとは、壁の一部に異なる色や柄を取り入れ、空間に変化をつける方法です。全体に貼ると派手な印象になる濃い色や柄でも、一面だけなら気軽に挑戦できて部屋がおしゃれになります。時計や棚、写真の背景としても映え、奥行き感や個性を演出できるアイテムです。

機能性のある壁紙を選ぶ

壁紙はデザインだけでなく、機能性にも注目しましょう。最近は、快適な住環境づくりをサポートする多彩な機能を備えた壁紙が登場しています。ここでは、代表的な機能を紹介します。

消臭機能

消臭機能付きの壁紙は、室内にこもりがちな臭いを吸着・分解し、快適な空間を保ちます。タバコのにおいやペットのアンモニア臭など幅広いにおいに効果的で、有害物質を無臭の水や二酸化炭素に変換してくれます。特にトイレやキッチンに適しており、化学物質の心配もなく安心して使えます。

抗菌

抗菌壁紙は表面に抗菌剤が施されていて、大腸菌など有害な細菌の増殖を抑制します。キッチンや食品を扱う場所に適しており、清潔で快適な住環境を実現します。

汚れ防止

汚れ防止壁紙は、特殊フィルムや樹脂コーティングで汚れや水をはじく役割が備わっています。子どもの落書きや調味料の飛び散りも拭き取れるため、キッチンや洗面所、トイレなど、湿気や汚れが気になる場所に最適です。清潔な空間を長く保てる、機能性の優れた壁紙です。

表面強化

表面強化壁紙は、擦り傷や衝撃に強く、耐久性に優れています。ウレタン樹脂や特殊フィルムによるコーティングで、汚れや水も弾きやすく清掃も簡単です。傷がつきにくいため、子ども部屋や人の出入りが多い場所に適しており、壁の美しさを長く保てます。を長く保てます。

抗アレルギー

抗アレルギー壁紙は、花粉やダニなどのアレルゲンを不活性化し、アレルギー症状の発生を抑える効果があります。表面に特殊薬剤を施すことで、原因物質の働きを弱めてくれます。そのため、子どもや高齢者のいる家庭に最適です。快適で安心な空間づくりにつながるでしょう。

マイナスイオン

マイナスイオン壁紙は空気中にマイナスイオンを放出し、森林浴のようなリラックス効果や空気の浄化作用が期待できます。半永久的に効果が持続する壁紙もあり、心地よい空間づくりに適しています。ストレス軽減にも役立つでしょう。

吸湿・放湿

吸湿・放湿機能をもつ壁紙は、湿度が高いときは湿気を吸収し、乾燥時には水分を放出して快適な空間を保ちます。梅雨の湿気や冬の乾燥対策に効果的で、カビやウイルスの発生を抑える役割も担ってくれます。リビングなど居住空間におすすめです。

通気性

通気性のよい壁紙は、細かな空気の通り道をつくり、湿気を効率よく通して結露やカビの発生を防ぎます。壁紙を通過した湿気は下地材が吸収・放出し、室内の空気を快適に保ちます。調湿性が高く、湿度を吸収・放出する能力がある調湿石膏ボードとの併用で、さらに高い効果が期待できるでしょう。

【実例】部屋別壁紙の選び方

壁紙の選び方をお部屋別に解説します
壁紙の選び方をお部屋別に解説します

壁紙は、部屋ごとに求められる機能や雰囲気が異なります。使用目的や過ごし方に合わせて壁紙を選ぶことで、より快適で心地よい空間づくりが可能です。ここでは、部屋ごとの壁紙の選び方を解説します。

リビング

白を基調とした明るいリビングです 出典:(株)オーリック建設 永代ハウス 佐世保支店
白を基調とした明るいリビングです 出典:(株)オーリック建設 永代ハウス 佐世保支店

リビングは、家族団らんや来客対応など多目的に使う空間です。そのため、白やベージュなど、明るい色で広く開放的な印象にしましょう。家具との調和も考えて、シンプルなデザインを選ぶのが基本です。調湿や消臭、耐久性のある壁紙なら、より快適に過ごせます。

和室

和モダンな落ち着いた印象の壁紙です 出典:桑原木材(株)
和モダンな落ち着いた印象の壁紙です 出典:桑原木材(株)

和室には、空間の落ち着きを引き立てる、控えめな色合いや質感の壁紙が適しています。真壁構造なら柱を活かすシンプルな和紙調、大壁構造には和モダンなデザインもおすすめです。白やアイボリーなど明るめの色で暗さを軽減し、快適な和の空間を演出してくれます。

洗面所・トイレ

グリーンのアクセントクロスを使用したおしゃれな空間です 出典:ファンスタイル一級建築士事務所 (株)森設計
グリーンのアクセントクロスを使用したおしゃれな空間です 出典:ファンスタイル一級建築士事務所 (株)森設計

洗面所やトイレは湿気や汚れが気になりやすい場所なので、防汚、抗菌、消臭機能付きの壁紙がおすすめです。明るい色で清潔感を演出しつつ、アクセントクロスで個性もプラスできます。凹凸の少ない素材なら掃除もしやすく、快適な空間づくりに役立つでしょう。

キッチン

明るくアクセントのある壁紙です 出典:(株)村上商店
明るくアクセントのある壁紙です 出典:(株)村上商店

キッチンは油汚れや水はねが多いため、防汚、抗菌、消臭機能付きの壁紙がおすすめです。洗面所やトイレと同様に明るい色で清潔感を出し、アクセント柄を取り入れるとおしゃれな空間に仕上がります。

寝室

グレーの壁紙で落ち着いた印象です 出典:なかむら住宅(株)
グレーの壁紙で落ち着いた印象です 出典:なかむら住宅(株)

寝室は、心身を休める大切な空間です。リラックスできるように、白やグレー、ブルーなど落ち着いた色味の壁紙が好まれます。マイナスイオンやアレルギー対策機能がある壁紙を選べば、快適性もアップします。

子ども部屋

柄物でデザイン性のある壁紙です 出典:(株)田山建設
柄物でデザイン性のある壁紙です 出典:(株)田山建設

子ども部屋は明るく楽しいデザインが人気ですが、安全性も重視しましょう。汚れを落としやすい壁紙や、剥がせるタイプなら、子どもの成長に合わせた模様替えも簡単です。アレルギー対策として、VOC(揮発性有機化合物)の含有量が低い「低VOC」や抗アレルゲン機能付きの壁紙がおすすめです。

壁紙選びで失敗しないために気を付けること3選

壁紙選びで失敗しないために気を付けることについてご紹介します
壁紙選びで失敗しないために気を付けることについてご紹介します

壁紙選びは、部屋の印象を大きく左右します。失敗を避けるために、ポイントを押さえて慎重に選びましょう。以下で、失敗しないために気を付けたい項目をまとめました。

大きめのサンプルで確認する

カタログや小さなサンプルでは、色味の印象が実際と異なることが多いでしょう。そのため、大きめのサンプルで確認することが大切です。最低でもA4サイズ以上のサンプルを用意し、実際の照明の下で壁に当てて色の見え方を確認しましょう。壁に貼った際の明るさや色の薄さは、小さなサンプルでは分かりにくいため、実物に近いサイズでの確認が欠かせません。

部屋全体をイメージして選ぶ

部屋全体のイメージをしっかり持って壁紙を選ぶことが大切です。家具や照明、雑貨との調和を考え、自分のライフスタイルに合ったインテリアを決めましょう。複数色を使う場合も、全体のテイストを統一すると、バランスのよい空間がつくれます。

配色バランスを考える

部屋の配色は、3色程度に絞るのが基本です。ベースカラー(基調色)を70%程度にして薄い色を多く使い、アソートカラー(従属色)が25%、アクセントカラー(差し色)を5%程度に配分すると、バランスが取りやすくなります。壁紙だけでなく、天井や床、家具の色も考慮して調和を意識するとよいでしょう。

まとめ

壁紙選びで部屋全体の印象が大きく変わるため、目的や生活スタイルに合わせた選定が重要です。ビニールクロスや紙クロスなど素材ごとの特徴や機能性も把握し、床や家具との調和や部屋ごとの用途に応じた壁紙選びが、失敗を防ぐポイントです。ここで解説した内容を、快適な空間づくりに是非お役立てください。

執筆者

西嶋治美

心理教育学科を卒業後、約10年間金融機関にて従事。2016年よりライター活動を開始。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

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