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【実例】坪庭とは?取り入れる際のポイントとおしゃれにするコツを解説

坪庭とは?取り入れるポイントとおしゃれな実例を紹介
日本古来の武家屋敷や寺院などでも多く見られ、住宅建築の伝統的な様式の一つでもある坪庭。現代の一般的な住まいでも、住宅の景観やアクセントとして、坪庭を取り入れるケースがあります。また坪庭を設けることで、心安らぐ空間演出ができる魅力などもあり、こだわりのマイホームにしたい時にも効果的です。そこで今回は、注文住宅で坪庭を設けたい場合に、知っておきたい基礎知識やポイントなどを解説していきます。

坪庭とは?

坪庭とは、数坪の小さな庭の事です
坪庭とは、数坪の小さな庭の事です

坪庭とは、数坪ほどの小さな空間に設ける、植栽などの装飾を中心とした庭園スペースです。一般的には、建物や垣根・塀などで囲い、住宅内から景観を眺められるように設置されるケースが多く見られます。

ちなみに坪庭は、元々は平安時代の貴族が住んだ、寝殿造りの大きな屋敷で見られる建築様式から発祥しています。かつての寝殿造りでは、渡り廊下(渡殿)同士の内部に空いたスペースができる構造となっており、そこに植え込みなどをした「壺(つぼ)」と呼ばれる空間が由来とされています。その後、庶民の町屋や長屋でも取り入れられるようになり、現代のような形式となりました。

中庭との違いは?

建物などで囲われた庭園としては、中庭も同じようなスペースとなりますが、坪庭のほうがデザイン性・鑑賞用の目的が重視されやすい点に違いがあります。中庭は外部の敷地に面していない屋外スペースで、景色を楽しむだけでなく、体を動かしたり作業したりなどのさまざまな目的で設置されます。
また一般的には、中庭のほうが大きく芝生を敷いて広々と使うケースが多くなりますが、坪庭になると木々や石などの装飾が中心となる部分も異なります。なお中庭の特徴などは、以下の記事で詳しく解説しているので、あわせてチェックしてみてください。

坪庭のメリット

坪庭を設けるメリットは?
坪庭を設けるメリットは?

実際に坪庭を取り入れることでどのように快適なマイホームにできるのか、具体的なメリットを見ていきましょう。

景色を楽しめる

現代の坪庭では、緑豊かな自然や季節感などを楽しむ、室内から景色を眺める鑑賞目的として設けられるケースが多く見られます。坪庭があることで、部屋の中から窓越しに庭園風景を満喫でき、日常的に癒しをもらえるのがメリット。また坪庭を通じて、室内で過ごしながらも自然をそばに感じられるのも魅力です。

開放感がある

室内から外が見える坪庭を取り入れることで、奥行き感や視界の広がりが出やすくなり、開放感のある空間演出ができる効果も見込めます。壁で閉ざされた空間よりも、見晴らしがよく抜け感もあり、広々とした居心地のいい雰囲気にできるのがメリットです。

風通しがよくなる

例えば、隣の家との距離が近い・建物が大きな通りに面しているなどの場合、思うように窓を設置できないケースも見られます。そこで坪庭を設置して、できるだけ外部との空間を大きく開けて目隠しに使うことで、周囲から視線が入りにくくなって窓を設けやすくなるパターンもあります。こうして坪庭を通じて、通気・換気ができる窓を取り入れやすくなり、家全体の風通しをよくできる効果にも期待できます。

プライベート空間を確保できる

坪庭の造り方はさまざまですが、室内からの鑑賞だけでなく、ちょっとした縁側やチェアなどを配置してくつろげる空間にするのも可能です。こうした坪庭の活用により、外部からの目線が気にせず、外の空気を吸いながら気分転換できるプライベートスペースを設けることもできるでしょう。

部屋に日光を取り入れやすくなる

坪庭と家の間は壁ではなく窓ガラスにするのが基本となるため、採光がしやすくなります。坪庭を使って、室内に自然の日光を取り入れることで、日中にはやわらかな明かりが入るリラックス空間にできます。

坪庭のデメリット

坪庭のデメリットは?
坪庭のデメリットは?

マイホームに坪庭を設けることで、さまざまな効果が期待できますが、次のようにあらかじめ注意しておきたい一面もあります。

コストがかかる

坪庭のスペースに向けて、例えば凹型・L字型・吹き抜けなど、建物自体の構造が複雑になることから建築費用が高騰しやすい一面もあります。また坪庭を設ける分、入り組んだ建物になるため、外壁など使用する建築資材も多くなります。もちろんこうした建築費用に加えて、坪庭の中身をデザインする造園費用も必要です。坪庭を設置する際には、このようなコスト面も十分に検討しておくことが重要です。

手入れの手間がかかる

坪庭は限られたスペースにはなるものの、通常の庭と同じように、雑草や落ち葉の掃除をしたり植栽の剪定をしたりなどのお手入れが欠かせません。きちんと植え込みのメンテナンスをしていないと、枝が枯れたり害虫が付いたりなどのリスクも。こまめな掃除だけでなく、場合によっては植木職人などのプロに維持作業をしてもらう必要があり、その分のコストがかかる可能性もあります。

居住空間が狭くなる

一般的な坪庭は、建物の一部を削るような形で、敷地内にスペースを確保して設置するケースが多く見られます。そのため坪庭を設ける分、室内の居住空間として取れる面積が小さくなり、間取りによっては狭く感じてしまう可能性も。敷地に比較的ゆとりがある場合には、さほど気にならないかもしれませんが、土地の広さに少し懸念がある時には十分な注意が必要です。

虫が出やすくなる可能性がある

通常の庭と同様に、基本的に坪庭も草木の生えた屋外スペースとなるため、虫が寄ってきやすい空間となります。また坪庭の周りには、窓を設けることになるので、サッシなどのすき間から室内に虫が入ってきやすくなる一面も。こうした虫の発生が心配な場合には、しっかりと防虫をしたり、日ごろからこまめにお手入れしたりなどの対策をしましょう。

寒さ対策が必要

坪庭の設置によって窓の数が多くなる分、外気の影響を受けやすく、特に寒い冬場には部屋が冷えやすくなる可能性もあります。夏場なら坪庭があることで風通しがよく涼やかになりますが、冬になると窓ガラスから冷気が伝わりやすく、寒く感じやすい一面も。寒さが気になりそうであれば、断熱ガラスや保温効果のあるカーテンを使うなどの対策がおすすめです。

坪庭の費用相場

大きさや装飾によって、費用も異なります
大きさや装飾によって、費用も異なります

坪庭を取り入れるにあたり必要となる施工コストは、面積・設備・装飾などに応じて異なります。また坪庭を設けることで、建物自体の建築費用が増える部分も。注文住宅では、坪庭の有無によって、全体的なコストに大きな違いが出てきやすくなります。坪庭を設置したい時には、ある時とない時でどれくらいの差があるのか、それぞれで見積もりしてもらうのが無難です。

坪庭の一般的な1坪~3坪程度の広さであれば、造園費用のみの相場はおおよその相場は10万円~50万円。場合によっては、デザインや植栽・素材などにこだわると、100万円以上かかるケースもあります。例えば石積みや竹垣などを使った、本格派の日本庭園にする際には、高額になりやすいでしょう。

坪庭を造るのにおすすめの場所

坪庭を取り入れるのはどこがよいでしょうか
坪庭を取り入れるのはどこがよいでしょうか

実際に、坪庭の設置場所としてよく見られる、代表的な例をいくつかご紹介していきます。

玄関脇

坪庭を効果的に設けるのに、よく使われやすいのが、玄関を入ってすぐのスペースです。玄関は道路に面していることも多く、周囲からの目線が入りやすいことを考えると、窓を設置するのが難しいケースも。そこで垣根などで外部からの目隠しをしつつ、玄関の脇に坪庭を設けることで、うまく窓を取り入れることができます。
暗くなりがちな玄関も窓からの採光で明るくなりやすく、住まいの顔ともいえる、出入り口を開放的な印象にできる魅力があります。

リビング

家族団らんの癒しの空間となるリビングも、どこかほっとするような風景を眺められる坪庭を設けるのにおすすめの場所です。リビングの一部に坪庭を取り入れることで、温かな日差しが入る明るい空間にできたり、部屋全体を洗練された印象に演出したりなどの効果が見込めます。またリビングも玄関と同様に、近隣住宅との距離感や道路との近さが気になる場合でも、坪庭によって採光できる窓を設けられるケースもあります。

浴室

住宅の中でも、特にプライバシー面が気になる浴室も、坪庭を設けることで窓を取り付けやすくなります。坪庭のようにプライベートが守られた空間をあえて取り入れることで、外部からの視線を避けつつ窓を設けることが可能。じめじめしやすい浴室も、通気性のある坪庭があることで、湿気を外に逃せる利点もあります。また浴室に坪庭があることで、のんびりお風呂に浸かりながら癒しの風景を満喫でき、日々のリフレッシュにも効果的です。

階段ホール・廊下

階段から二階に上がるまでのホールや、玄関から続く廊下も、坪庭を設置するのにおすすめの場所です。階段ホールや廊下は建物の内部に配置されやすく暗い印象になりがちですが、坪庭によって窓や緑の景観を取り入れることで、抜け感のある開放的な雰囲気にできます。また階段ホールや廊下に坪庭を設けることで、住宅のアクセントにもなり、デザイン性の高い空間演出にもつながります。

駐車場

駐車場の背後と建物の間のちょっとしたスペースを使って、坪庭を取り入れるケースも見られます。仮に駐車場に面した部屋がある場合、車がない時でも坪庭で目隠しができるため、大きな窓を取り付けたい際におすすめです。

坪庭を造る際に確認したいポイント

坪庭を導入する際にチェックしたいポイントがあります
坪庭を導入する際にチェックしたいポイントがあります

坪庭を設置する際には、さまざまな要素を考慮しながら、取り入れる植栽や設備・構造などを決めていくことが大切です。いざ住みはじめてから後悔しないためにも、以下のような部分も十分にチェックしたうえで、どのような坪庭にするとよいのか検討していきましょう。

日当たり

一般的な広い庭とは異なり、坪庭はコンパクトな空間となる分、閉鎖的なスペースでもあります。家の壁や垣根などで囲まれるため、坪庭自体にきちんと日光が入るのか、あらかじめ確認しておく事が重要。例えば、すぐそばに高い建物がある場所に設置してしまうと、せっかくの坪庭でも日陰になってしまいます。こうした自宅以外の周辺環境も考慮しつつ、どのような構造や配置にするのか決めていくのが無難。また坪庭の日当たりに合わせて、取り入れる植栽の種類を選ぶとよいでしょう。

通気性

基本的に坪庭は、四方や三方を囲まれたスペースとなることから、きちんと通気できる垣根にするなどの工夫も必要です。特に建物同士の距離が近かったり、住宅が密集していたりなどの立地では、そもそもの通気性が低くなりやすい環境となります。そうしたなかで仮に石垣やブロック塀などで囲ってしまうと、坪庭の外部まで空気が逃げにくく、湿気がこもりやすくなるケースも。このような通気性に応じて、すき間風が通りやすい竹垣やウッド調のフェンスを使うなど、あらかじめ対策を考慮しておくのがおすすめです。

坪庭への動線

室内の窓から出入りするのか、屋外に通路を設けるのかなど、坪庭への動線も考慮しておきましょう。もし室内の窓から出入りするなら、坪庭に降りやすいような高さやステップなども含めて検討する必要があります。家の外からの動線にするなら、通路分の広さも確保しつつ、坪庭と外構とのバランスを考えることになります。坪庭の使い方やお手入れのしやすさなども頭に入れつつ、より便利な動線をイメージしてみるとよいでしょう。

水はけ

小さく閉ざされたスペースとなる坪庭では、水はけ問題も十分に考慮しておくことが欠かせません。特に日陰になりやすい・通気性が低いなどの立地では、水分が蒸発しにくく、雨が降った時などの水はけが悪い可能性も。水はけが心配な場合には、あらかじめ敷地の外部に流せるような排水設備や、防水対策を考えておく必要があります。水分が溜まったままになってしまうと、ボウフラなどの虫が湧く原因にもなるので、水はけにも注意しておきましょう。

散水設備

植栽のある坪庭のお手入れで欠かせないのが、立水栓などの水を撒く設備です。駐車場など、坪庭に近い場所で散水設備を取り入れる場合、ホースなどで届きそうであればさほど問題はないかもしれません。ただし建物周りに坪庭にも使えそうな散水設備がない時には、あらかじめ水栓を設ける計画をたてましょう。

広さ

坪庭のデザイン性を考える際には、広さも十分に考慮しておくことが大切です。坪庭は限られた空間になるからこそ、広さに合わせて装飾のバランスを考えることが重要。コンパクトなスペースにあまり多くの植栽や設備などを入れ過ぎても、雑多な印象になってしまいます。坪庭として確保できる面積も頭に入れつつ、どのような空間演出ができそうなのか検討していきましょう。

おしゃれな坪庭を造るコツ

坪庭をおしゃれにするためのコツをご紹介します
坪庭をおしゃれにするためのコツをご紹介します

ここからは、坪庭を活用してこだわりのマイホームにするために、よりおしゃれに取り入れるコツをご紹介していきます。

どのようなデザインにしたいか具体的に考える

坪庭のデザインは、当然ながら個人の好みに応じて幅広く検討でき、取り入れられるテイストもさまざまです。坪庭というと、昔ながらの古風な日本庭園のイメージがあるかもしれませんが、他にもクラシカルな西洋風や都会派なモダンスタイルなど多種多様なデザインがあります。建物も含めて、全体のテイストを決めて統一しつつ、坪庭のデザイン性も検討してみるのがおすすめです。

室内からの見え方を考慮する

坪庭をおしゃれにするポイントとして、植栽や装飾が室内からどう見えるのか、十分に検討しておくことも大切です。例えば真正面のみが見える坪庭と、さまざまな角度から眺められる坪庭では、植物の植え方や装飾物の置き方なども変わってくるでしょう。どのように坪庭の景観を楽しみたいのか、しっかりとイメージしておくのも重要です。

実績のある施工会社に依頼する

坪庭をおしゃれに仕上げるためには、やはりその経験が豊富な施工会社に頼るのがおすすめ。坪庭施工の確かな実績のある会社に相談してみることで、造園のデザイン面も含めて、プロの目線からアドバイスをもらえるかもしれません。また機能性として必要な設備や空間演出なども、しっかりとしたノウハウをもとに一緒に考えてもらえるので、安心して任せられるでしょう。

おしゃれな坪庭の実例

ここからは、おしゃれな坪庭にしたい場合の参考にできる、実際の施工実例もいくつかピックアップしていきます。

路地風のレイアウトがおしゃれな坪庭

坪庭へと続く路地アプローチの家/出典:クラシスホーム(株)
坪庭へと続く路地アプローチの家/出典:クラシスホーム(株)

こちらは、駐車場からそのままリビング横の坪庭に出入りできる、シックなモダンスタイルに仕上げている実例です。建物の真ん中を凹型にくり抜いたようなスペースに、シンプルな植栽と庭石の坪庭を配置。駐車場とつながった、通路のようにも見える坪庭となっていて、石畳調のおしゃれな路地風になっているのが魅力です。

縁側からも楽しめる坪庭

湖畔に佇む家/出典:(株)木屋長工務店湖畔に佇む家/出典:(株)木屋長工務店
湖畔に佇む家/出典:(株)木屋長工務店

こちらは、和室の縁側を活用した、純和風の日本庭園を思わせる坪庭に仕上げている実例です。外部からの目隠しとして、木目調の塀で囲いつつ、屋外からも出入りできる扉を設置。室内外からの動線を確保しつつ、ほっと心が落ち着くプライベート空間としての坪庭となっています。

坪庭に関するよくある質問

坪庭に関する疑問をまとめました
坪庭に関する疑問をまとめました

マイホームに坪庭を設けたい場合に、特に覚えておきたいポイントをQ&A方式でまとめていきます。

坪庭とは?

坪庭とは、おおよそ1坪~3坪程度のコンパクトな庭園で、基本的には室内から景観を鑑賞する用途として設けられる空間を指します。

坪庭のメリット・デメリットは?

坪庭のメリットは室内から庭園風景を眺められることから、プライベートな空間で日常的に癒しの景観を楽しめると同時に、開放的な雰囲気や室内への風通し・採光面でも効果がある点です。一方で坪庭があることで、コストやお手入れの手間がかかりやすい・スペースが取られる・虫や寒さなどの対策が必要といったデメリットもあります。

坪庭を造るのにおすすめの場所は?

坪庭を設置する場所の代表例としては、玄関脇・リビング・浴室・階段ホールや廊下・駐車場などが挙げられます。好みの雰囲気や採光面なども考慮しながら、検討してみましょう。

おしゃれな坪庭を造るには?

おしゃれな坪庭に仕上げるコツとしては、まずは住まい全体との調和を取ったデザインや、室内からの見え方をしっかりイメージしておくことが重要です。また坪庭の施工実績が豊富な会社に相談してみるのも、よりハイセンスな印象にするための大きなポイントとなります。

まとめ

坪庭は、日本では古くから取り入れられている建築様式で、室内から洗練された風景を眺めることで癒しをもらえるプライベート空間でもあります。日々安らぎがもらえるような、心地よい住まいにこだわりたい場合には、今回見てきたような坪庭を取り入れるのもおすすめ。ぜひ本記事も参考に、坪庭のあるマイホームを検討してみてください。

執筆者

たけなつ

2019年よりフリーで活動しているWebライター。
広告会社でのコピーライターを経て、現在は幅広いジャンルのコラム記事などを執筆。
愛知・東京・北海道と各地を渡り歩き、19歳からの10年で7回引越しを繰り返す好奇心旺盛人。

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