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平屋の間取り完全ガイド!専門家に聞くLDK・坪数別のおすすめプランと家づくりのポイント

平屋の間取り完全ガイド!専門家に聞くLDK・坪数別のおすすめプランと家づくりのポイント
近年、平屋の魅力が再注目されているのをご存知ですか。平屋と聞くと、年配層向けの住宅をイメージする方が多いかもしれません。しかし平屋はメリットが多く、幅広い世帯から支持を得ています。

今回は、平屋の魅力と、おすすめの間取りプランを紹介します。平屋の間取りを成功させるために、押さえておくべきポイントもまとめました。注文住宅を検討している方はぜひ参考にしてください。

昨今、注目されている「平屋」の魅力とは

平屋にはどのような魅力があるのでしょう
平屋にはどのような魅力があるのでしょう

平屋とは、水回りや居室などのすべてを、ワンフロアに集約した建物です。階段を使って上下に移動する必要がなく、家事負担を軽減しやすいのが魅力です。

また平屋は家族全員が同じ階層で過ごすので、自然とコミュニケーションを取りやすくなります。シンプルでミニマルな生活を好む方は、「物理的な広さよりも居住空間の質を高めたい」と考える方も多く、バリアフリーもかなう平屋は、年齢や生活スタイルに関係なく幅広い世帯から支持を得ています。

平屋の間取り形状は4タイプ

平屋の間取りタイプとは?
平屋の間取りタイプとは?

平屋の間取りは、大きく分けると4タイプあります。ここではそれぞれの特徴とメリット・デメリットを解説します。平屋の間取りプランを検討する際は、ぜひ参考にしてみてください。

I字型

I字型の解説をします。

特徴

I字型は、平屋でもっともスタンダードな形状で、長方形の間取りです。

メリット・デメリット

I字型は各部屋を効率よく配置できるため、床面積をコンパクトにまとめやすく、家事・生活動線を短くできるのが特徴です。レイアウトの自由度が高く、大きな空間を作ることも可能です。

I 字型はシンプルな形状のため、建築コストを抑えやすいことも魅力でしょう。一方で水回りや各部屋同士が隣り合って配置するケースが多く、生活音を感じやすい点がデメリットです。立地や方角によっては太陽光を取り入れにくくなるため、窓の配置を工夫しましょう。

L字型

L字型の平屋の間取りを解説します。

特徴

L字型とは、まさにアルファベットの「L」の形をした間取りで、2つの方向に空間が伸びているのが特徴です。

メリット・デメリット

L字型は、プライバシーを確保しやすいのがメリットです。居室同士を離れてレイアウトすることも可能で、また外部から視線を遮るように庭を配置すると、プライベートな空間を確保できます。

外周が長くなる分、窓を設置しやすく、太陽光を取り込みやすくなります。窓や外部に面する壁面が多くなればなるほど、外気温の影響を受けやすく、室温を一定に保ちにくいことがデメリットです。ハウスメーカーや工務店に相談する際は、断熱性能も重視して計画しましょう。

コの字型

コの字型の平屋の間取りを解説します。

特徴

コの字型とは、カタカナの「コ」の形状をした間取りで、3方が壁に囲まれた中庭があるのが特徴です。

メリット・デメリット

コの字型は外部に面する空間が多くなり、日当たりや採光、通風がよいのが特徴です。3方を建物に囲まれた中庭は、プライバシーを確保しやすく、コの字型の魅力です。

一方でコの字型の間取りは、動線が長くなるので注意しなければなりません。また窓と外部に面する壁が多くなるため、外気温の影響で光熱費が高くなる可能性があり、複雑な構造をしている分、建築費も高くなる傾向があります。

ロの字型

ロの字型の平屋の間取りを解説します。

特徴

ロの字型とは、カタカナの「ロ」の形状をした間取りで、建物のなかに中庭があるのが特徴です。

メリット・デメリット

中庭に面する空間は太陽光や風を取り込むことができ、外部からの視線を気にせず過ごせるのがメリットです。また建物内をぐるりと回遊できるため、コの字型に比べて動線が短くなる傾向があります。

一方で、ロの字型の中庭は建物に囲まれているため水はけが悪くなることがあり、湿気対策が必要です。換気を心がけ、カビやコケの発生には十分注意しましょう。

平屋の間取りの種類

家族の人数に合わせたおすすめの平屋の間取りの広さについて解説します
家族の人数に合わせたおすすめの平屋の間取りの広さについて解説します

平屋は、部屋数によって特徴が異なり、メリット・デメリットも異なります。ここでは、1LDK~4LDKまでの間取りを解説します。

1LDK(10坪~20坪台)

1LDK(10坪~20坪台)の解説をします。

特徴

1LDKとは、リビング・ダイニング・キッチンと水回りに、寝室が1つある間取りです。1~2人暮らしに最適です。

メリット・デメリット

1LDKは、家事・生活動線が短いのがメリットです。シンプルかつミニマルな暮らしを実現したい家族におすすめの間取です。コンパクトな間取りにすることで、建築コストや光熱費を最小限に抑えられます。

ただし1LDKは家族が増えた場合に、部屋数が足りなくなるので注意が必要です。収納スペースも十分に確保するようにしましょう。子どもが小さいうちは大きな空間として利用し、子どもが成長したら間仕切壁を増設して工夫するのがポイントです。

2LDK(10坪~20坪台)

2LDK(10坪~20坪台)の解説をします。

特徴

2LDKとは、リビング・ダイニング・キッチンと水回りに、寝室が2つある間取りです。2~3人家族に向いています。

メリット・デメリット

2LDKは比較的コンパクトな間取りのため、動線が長くなりにくく、比較的建築コストや光熱費も節約できるのがメリットです。ただし部屋数が少ない間取りは家族同士の距離感が近くなるため、生活音が気になる可能性があります。

水回りと寝室のレイアウトには注意し、寝室と寝室の間には収納を設けるなどして、プライバシーに配慮しましょう。

3LDK(20坪~30坪台)

3LDK(20坪~30坪台)の解説をします。

特徴

3LDKとは、リビング・ダイニング・キッチンと水回りに、寝室が3つある間取りです。3~4人家族や、2人暮らしで書斎や趣味の部屋が欲しい方に向いています。

メリット・デメリット

3LDKは、家族それぞれに個室を割り当てやすく、プライバシーを確保しやすいのがメリットです。平屋の3LDKは、2階建ての3LDKに比べて動線が長くなる傾向があります。リビングを廊下として活用するなどして床面積を小さくし、なるべく動線が短くなるようなレイアウトを心がけましょう。

4LDK(30坪~)

4LDK(30坪~)の解説をします。

特徴

4LDKとは、リビング・ダイニング・キッチンと水回りに、寝室が4つある間取りです。4~5人家族や、寝室以外に家族が共有できる和室など、空間的なゆとりが欲しい方に向いています。

メリット・デメリット

4LDKは部屋数が多いため、空間的にゆとりのある生活をできるのがメリットです。人数が多い家族におすすめです。また可動式の壁を設けておくことで、大きな空間を作れます。

一方で4LDKは物理的に床面積が大きくなるため、家事動線が長くなるのがデメリットです。加えて、コストが高い基礎工事や屋根工事の面積が大きくなるため、2階建ての4LDKと比べて建築費は高くなるでしょう。

【LDK・坪数別】おすすめの平屋の間取りプラン

おすすめの平屋の間取りを、部屋数・坪数別に紹介します。家族の人数やライフスタイルに合わせて、イメージしてみましょう。

1LDK(17坪)

1LDK(17坪)

2人暮らしを想定した、1LDKのコンパクトな間取りです。キッチン横のランドリールームで、洗濯・畳む・収納の一連の作業ができます。玄関からキッチンまでの動線が短く、家事負担を軽減できるプランです。

2 LDK(19.54坪)

2 LDK(19.54坪)

2つの居室の間に収納を設けることで、生活音に配慮した間取りです。玄関ホール以外に廊下はなく、奥の部屋へはリビングを通って入れます。キッチンと洗面所・浴室がつながっているため、複数の家事を同時に進められるのが魅力です。

3LDK(28.55坪)

3LDK(28.55坪)

北側をプライベートな空間でまとめ、あえて一部廊下を設けることで、来客時も洗面所や浴室を気兼ねなく利用できる間取りです。土間収納やパントリーなど、収納スペースを各所で配置し、自然と片付く空間作りを心がけました。

4LDK(38.57坪)

4LDK(38.57坪)

平屋をコの字型にして、中庭にプライベートな空間を実現しました。リビングと同じ高さのウッドデッキを造作すれば、セカンドリビングにも活用できます。キッチン奥の大きなパントリーは、食料や日用品のストックだけでなく、掃除道具や料理道具の収納に役立ちます。

平屋の間取りで押さえるべき5つのポイント

平屋の間取りで抑えるべきポイントとは?
平屋の間取りで抑えるべきポイントとは?

平屋はメリットがある一方で、注意すべきポイントもあります。注文住宅を建てる際は、これから紹介する5つのポイントを押さえておきましょう。

採光・風通しの確保

平屋は2階建てに比べて高さがないため、立地条件や窓の向きによっては、太陽光や風を取り込みにくい傾向があります。採光や風通しの確保は、住みやすい住環境にするうえで重要なポイントです。

大きな窓や天窓の採用や、家の形状を検討し、建物の中央部分まで光や風を取り込む工夫をしましょう。

生活動線・家事動線の考慮

平屋を建てる場合は、生活動線や家事動線を配慮しましょう。平屋は床面積が広くなればなるほど、生活動線が長くなり、日々の生活や家事をする際の身体的負担が大きくなります。例えば、室内を回遊できる間取りや、玄関の位置を真ん中にするのが有効です。

デッドスペースの有効活用

平屋には、デッドスペースを作らないアイデアを採用しましょう。無駄なスペースを作らないことで、生活動線を短くでき、建築コストも軽減できます。例えばリビングとそれぞれの寝室がつながったレイアウトにすることで、廊下が不要になります。

プライバシーの確保

平屋は、外部からと家族同士のプライバシーに配慮しましょう。2階建てに比べて、平屋は外部からの視線を感じやすく、同じ階層に暮らすことで家族同士の距離感も近くなります。通行人からの視線が気になる場合は、家の形状や窓の位置を工夫してください。家族同士であってもプライベートな空間を確保し、心地よいと思える距離を保ちましょう。

土地の広さ・形状と法的制限(建ぺい率・容積率など)

平屋で大きな家を建てる場合は、それなりに広い土地が必要です。土地の大きさや形状、法的制限によっては、希望する平屋が建たないことがあります。土地を購入する前に、ハウスメーカーや工務店など、建築のプロに間取りプランを相談できると安心です。

平屋の間取りに関するまとめ

最後に、平屋の間取りのおさらいをします。

平屋の間取り形状の種類は?

平屋は大きく4種類の形状に分けられます。スタンダードな「I字型」、住空間が2方向に延びる「L字型」、プライバシーを確保しやすい「コの字型」、家のなかに中庭がある「ロの字型」があります。

平屋の間取りの種類は?

平屋の間取りは、2階建てと同じように1LDK・2LDK・3LDK・4LDKの間取りが可能です。5LDK以上の間取りにすることも可能ですが、広い土地が必要です。また動線が長くなるため、レイアウトを工夫し、間仕切壁の採用も検討しましょう。

平屋の間取りで押さえるべきポイントは?

平屋は、採光や風通し、プライバシーの確保が重要です。デッドスペースを上手に活用し、生活動線がコンパクトになるような間取りを心がけましょう。また平屋は、2階建てに比べて広い土地が必要です。土地を購入する際は、土地の形状や法的制限に注意してください。

平屋はバリアフリーに暮らせるため住みやすく、近年は年齢層に関係なく注目されています。家事負担を軽減しやすく、家族でコミュニケーションを取りやすくなるなどメリットが多い一方で、デメリットもあります。平屋を検討する際は、実績が豊富なハウスメーカーや工務店に相談しましょう。

桜木理恵

執筆者

桜木理恵

大学在学中に宅地建物取引士に合格。新卒で大手不動産会社に入社し、売買仲介営業担当として約8年勤務。結婚・出産を機に大手ハウスメーカーのリフォームアドバイザーに転身し約5年勤務。現在は不動産の知識と経験を活かし、フリーランスのWebライターとして活動。不動産や建築にまつわる記事を多数執筆。

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