【アンケート】夫婦の寝室は一緒?別々?それぞれのメリット・デメリットも解説
本記事では、夫婦の寝室を一緒にする場合と別々にする場合のメリット・デメリットや、設計時のポイントについて解説します。寝室の実例も紹介していくため、設計の参考にしたい方はご一読ください。
記事の目次
【アンケート】夫婦の寝室は約6割が「同室」という結果に

アンケートでは、夫婦で寝室が一緒という方が約6割という結果になりました。それぞれ同室派の人と別々派の人のコメントを見てみましょう。
寝室が夫婦同室の理由
- 就寝前に会話したいので同じ寝室にしています。(20代/男性)
- 子どもも一緒に寝ているから。(20代/女性)
- 1LDKなので。(30代/男性)
- 一緒。部屋数が足りないからです。(30代/女性)
- エアコン代がもったいないので。(30代/女性)
- 一日ある中で一緒にいる時間が少ないため寝るときくらいは一緒が良いから。(30代/女性)
- 安心感があるから。子どもも一緒に家族全員で寝ているから。経済的だから。(30代/女性)
- 寝具を洗う回数が増えるのが面倒だから。(30代/女性)
寝室が夫婦別室の理由
- 旦那のいびきと寝相が悪いから別々です。(20代/女性)
- 一人の方がぐっすり寝れるから。(20代/女性)
- 仕事がシフト制で生活リズムが違う時があるので。(20代/女性)
- 個人の時間が欲しい。(30代/男性)
- 夫が目覚ましを何回も鳴らしてうるさいため。(30代/女性)
- 結婚当初からずっと別室。私は最低8時間は寝ないと体調が悪くなる・夫は6時間寝れば十分と必要な睡眠時間が違うため、お互い好きな時間に寝れるように別室。(40代/女性)
- 最初は一緒だったが夫の歯ぎしりの音が酷くて眠れなくて睡眠不足になったためすぐに別々にした。(50代/女性)
- 子どもが生まれた時に夜中に子どもの世話をするので別々にして、以来そのまま。(50代/女性)
それぞれにメリット・デメリットがありますね。次の章から、夫婦の寝室を同室・別室にするメリットを解説します。
夫婦の寝室が同室のメリット

夫婦が同じ寝室で寝ると、お互いの存在を身近に感じられたり、スペースを有効に使えたりします。夫婦が同じ寝室で寝ることのメリットを見ていきましょう。
コミュニケーションがとりやすい
夫婦が同じ部屋で寝ることで、コミュニケーションがとりやすくなります。たとえば、日中忙しく会話が少ない夫婦でも、就寝時や起床時に「おやすみ」「おはよう」と声をかけ合えます。このような短い声かけでも、相手が疲れているかどうかや、体調が悪いかどうかに気づくきっかけになるため、非常に大切なコミュニケーションといえるでしょう。
夫婦が同じ部屋で就寝すると会話の頻度が増えるという調査結果もあり、同じ寝室で寝ることがコミュニケーションの向上につながることがわかります。
出典:J-STAGE「就寝形態と夫婦関係」
生活リズムの共有がしやすい
同じ部屋で就寝すると、生活リズムの共有がしやすくなります。同じ部屋で寝る場合、自分だけが遅くまで起きているわけにもいかず、「早めに寝よう」「電気を消さなきゃ」などと意識しやすくなり、生活リズムが自然と配偶者に近づいていきます。
生活リズムが近くなれば日々の生活にメリハリがつき、一緒の時間に起床する、布団に入るなど夫婦で共有する時間が長くなるでしょう。共働きや子どものいる家庭では夫婦で共有する時間が短くなる傾向がありますが、生活リズムを合わせればコミュニケーションの機会が増加するはずです。
安心感が得られる
同室で就寝すれば、安心感を得やすくなります。配偶者が自分の横で寝ている場合、寝息や寝返りなどによって人の気配を常に感じられます。信頼できる人がすぐ近くにいると感じられれば、「安心」といった気持ちになるでしょう。
また、就寝中に配偶者がトイレに起きたり、体調が悪くなったりといった異変に気づきやすく、地震や洪水などが発生した場合も隣にいることで対応しやすいというメリットもあります。異変や災害に素早く対応できる環境であれば、暮らしの安心感の向上にもつながります。
スペースの有効活用
夫婦の寝室を同室にすることで、スペースの有効活用が可能です。寝室を一部屋にまとめれば、他の用途に使える空間を設けやすくなります。例えば、余ったスペースをリビングの拡張に利用したり、書斎を設けたりするなど、住宅空間を効率よく分けることができます。特に、土地が狭かったり、設計できるスペースが限られていたりする場合には有効な手段です。
光熱費の節約になる
寝室を一つにすれば、光熱費の節約になります。2つの寝室がある場合、それぞれの部屋でエアコンや照明を利用することとなり、光熱費の増加につながります。特に、光熱費の高いエアコンを2台長時間利用する可能性が高くなり、負担が予想以上に大きくなるというケースもめずらしくありません。
近年は発電コストの上昇に影響を受け光熱費が高くなっている上に、住宅ローン金利も上昇傾向にあります。以前よりも月々の負担額を減らす重要性が高くなっているため、光熱費の節約は生活するうえで重要となるでしょう。
夫婦の寝室が別室のメリット

寝室を別室にすることで、健康の向上やお互いのプライバシーを守ることにつながります。別室にする場合のメリットの具体例は、以下のとおりです。
睡眠の質が向上
寝室を2部屋設けて夫婦別々で就寝することで、睡眠の質が向上する可能性が高まります。近くで人が寝ている際、その人のいびきや寝返り、布団の取り合いなどによって睡眠の質が低下する場合があります。また、自分が携帯電話をチェックしたり、トイレに行くために起きたりすると、配偶者の睡眠を妨げる場合も。
しかし、寝室を別々に分けていれば、このような問題は起きません。別室で寝れば睡眠の質が向上し、体調や集中力、気分にいい影響を与える可能性が高くなるでしょう。
生活リズムやライフスタイルの違いに対応
別の場所で就寝すれば、生活リズムやライフスタイルが異なっていても対応できます。夫婦といえども、帰宅時間や就寝前の活動、睡眠の傾向に違いがある場合もあります。実際の調査でも、夫婦で寝室を分けた理由で「就寝・起床時間の違い」がもっとも多く、次に多い理由が「就寝前の読書やテレビ」でした。夫婦で就寝の時間を合わせるのは想像よりも難しいことですが、寝室を別々に分ければ、このような問題を解決しやすくなります。
出典:東京ガス「今後の寝室空間予測」
プライベート空間の確保
夫婦で別々の部屋で就寝すれば、プライベート空間を確保できます。寝室は眠る場所であると同時に、プライベート空間としても役割を果たします。就寝前に読書や音楽などの趣味の時間を楽しんだり、軽くストレッチしたりする方もいるでしょう。一人の空間であれば、気を遣うことなくリラックスしながらこのような行動を取れます。別室で就寝する選択をすれば、配偶者との間に適度な距離感が生まれ、快適なプライベート空間を創出する手段にもなります。
自分に合った冷暖房の温度に設定できる
寝室を夫婦で分ければ、自分に合った冷暖房の温度に設定できます。男性は代謝や筋肉量が多いため、女性と比べると一般的に低い室温を快適と感じやすいとされています。夫婦間でも快適と感じる室温が異なる場合があり、どちらかが快適だと感じていても、もう一方は「暑い」あるいは「寒い」と感じているかもしれません。
しかし、部屋を別々にすれば自分に合った室温に調整でき、睡眠の質を向上させられます。相手に気を遣わず、室温を自由に設定できるのもメリットといえるでしょう。
【年代・ライフステージ別】夫婦の寝室・ベッド選び

夫婦の寝室を同室にするか別室にするかは、ライフステージによっても変わります。また、寝室に配置するベッドの大きさや数にも影響するため、設計すべき部屋の広さにも影響を与えます。ここからは、「新婚期」「子育て期」「中高年期」に分け、夫婦の寝室とベッド選びのポイントについて解説していくため、時期が寝室に与える影響を確認して設計に活かしてみてください。
新婚期
新婚期は二人暮らしを始めたばかりの時期で、将来的に子どもが生まれる可能性を考慮する必要があります。ベッドサイズは、二人暮らしを想定している場合は「ダブル(幅約140cm)」を選択するとよいでしょう。しかし、将来的に子どもが欲しいと考えるなら、「クイーン(幅約160cm)」も選択肢に入ります。
また、寝室の広さについても同様で、二人暮らしなら6畳ほどでも十分対応できますが、将来を見据えると8畳程度の広さや一定以上の収納スペースも必要になるでしょう。新婚期はライフスタイルの変化が早く起きる可能性が高いと考え、柔軟に対応できる寝室やベッドを選択することが大切です。
子育て期
子育て期に寝室やベッドを選ぶ場合は、子どもを中心に考えましょう。子どもと一緒に寝る場合、ダブルでは小さいと感じやすく、クイーンもしくは「シングル(幅100cm)」を2台並べるほうがよいでしょう。必然的に新婚期よりも広さが必要となるため、8畳以上の面積を確保したいところです。
また、子どもが小さい場合は、おむつ替えや夜中のトイレの付き添いが必要になるため、寝室内の動線にも配慮しましょう。子どもが成長したあとは、子ども部屋で寝るようになる可能性があることにも注意が必要です。子育て期では子ども中心に寝室やベッドを検討し、成長した時のことまで考慮することが大切です。
中高年期
中高年期になると体力や代謝に変化が起こりやすくなるため、広さよりも室内環境やベッドの質を優先して考える必要があります。室内の断熱性が低く冷暖房効率が悪いと、エアコンを稼働させても室温が高くなりません。「18度以上」「12~18度」「12度未満」の室温で比較した場合、心電図の異常所見のある人が増えるといった結果も出ています。そのため、寝室を設計する場合は断熱性や気密性の高さにこだわり、冷暖房効率を高くすることが重要です。
一方ベッドについては、立ち上がりしやすい高さである約40~45cm(ベッド高)、寝返りをしやすい硬めのマットレスを選択するとよいでしょう。中高年期で寝室やベッドを選択する場合、体に負担をかけずに眠るにはどうしたらよいか考えることが大切です。
出典:国土交通省「省エネ住宅でかなう健康&快適生活」
おしゃれな寝室実例
同室にするメリットや別室にするメリット、設計時期が寝室に与える影響を理解できても、「実際、どのような寝室にしたらいいのかわからない」という方もいるでしょう。ここからは、実際に設計された「おしゃれな寝室実例」を紹介します。
細部までこだわりが詰まった寝室

細部にまでこだわりが詰まった寝室です。ベッドに直接当たる照明は設置せず、周囲の光を間接的に取り入れ、雰囲気のよい空間を演出しています。壁にはインテリア用の三段棚が設置されており、寝室の雰囲気をより高めています。
また、ベッドを設置する位置を一段高くしており、横になっても周囲を見渡せるようにしてあるのもポイントの一つです。ベッドで寝ころびつつもおしゃれな空間を楽しめるようになっており、就寝前のひとときがより充実したものとなります。
ホテルのような非日常を味わう寝室

ホテルのようなデザインにした寝室です。建物の内装がリゾートホテルを思わせるような空間で、その印象に合わせて寝室もホテルライクなデザインになっています。白を基調としていて、余分なデザインがないシンプルなつくりです。シンプルであるがゆえに睡眠を邪魔するものはなく、寝室では「眠ること」だけに集中できる環境です。
収納たっぷりの寝室

収納スペースにこだわった寝室です。寝室は着替えや身支度のために大きな収納スペースが必要になりやすく、衣類や家具が無造作に置かれがちです。乱雑にものが置かれると室内の雰囲気が悪くなり、使い勝手の悪い動線になりかねません。
しかし、こちらの寝室は大きな収納スペースを設けた上に、収納内に物を置きやすいよう、ハンガーパイプと可動棚を組み合わせて配置しています。季節ものの取り替えも簡単にできる構造となっており、寝室がキレイに保たれるように工夫されています。
間接照明がおしゃれな寝室

こちらは、間接照明をうまく利用して、おしゃれな空間を実現した寝室です。枕の後方に下から照らす照明を配置し、上から、直接照明が入らないよう工夫されています。間接照明は空間をおしゃれにするだけでなく、睡眠の質の向上にもつながるのもメリット。おしゃれな空間で睡眠前の読書を楽しみ、かつ目覚めのよい朝を迎えられるといった、おしゃれさと機能性を兼ね備えた寝室です。
後悔しないための寝室作りのポイント

寝室の設計は夫婦関係やスペースの有効活用、そして光熱費にも影響を及ぼす可能性があります。設計に失敗すると、家づくり自体を後悔することになりかねません。以下のポイントを押さえて、自分たちに合った寝室を設計しましょう。
ベッドの配置とサイズを考える
寝室を設計する際は、まずベッドの配置を考えます。ベッドは一般的に奥行きが約195cmあり、幅はシングルで約100cm、クイーンで約160cmと、設置するには大きなスペースが必要です。通路を確保するためにも、効率のよい配置が求められます。例えば、ベッドのヘッドボードを壁際に寄せる、部屋の中央に配置しないなどが挙げられます。
ただし、壁際に配置する場合、窓からの光や冷気などの影響を受けるため、睡眠に悪影響を及ぼさないかどうかをチェックしなければなりません。事前にベッドの配置とサイズを考えておけば、家具の配置や動線の確保ができるようになります。
通路幅は50cm以上確保する
ベッドを配置する際には、通路幅を50cm以上確保しましょう。その理由は、寝室での動作に最低限必要な距離だからです。寝室では、布団の取り回しや掃除などの作業が必要です。十分な幅を設けておかないと作業ができず、生活するなかでストレスが溜まる可能性があります。
また、クローゼットや家具を開閉する場所の場合、通路幅が50cmでは足りないケースもあるため注意しましょう。場所によっては通路に必要な幅が変化すると考え、設計の際には実際の生活をイメージすることが大切です。
動線をシミュレーションする
設計する際には、動線をシミュレーションしましょう。寝室は寝る場所の確保が必要であり、通路として利用できる部分が他の部屋より少なくなります。少なくなると言っても、ドアからベッドまでの移動や収納スペースまでの移動など、多くの移動が必要となる部屋でもあります。
動線のシミュレーションを怠ると、クローゼットの扉を全開できない、暗い中で移動すると転倒しやすくなるなどの問題が発生するため注意が必要です。問題が発生しないよう、ベッドや家具などを実際に配置した状況をイメージし、動線が機能しているかどうかをチェックしましょう。
コンセントの位置と数を決める
寝室の快適性が変わるため、設計時にはコンセントの位置と数を決めましょう。特に、ベッド周りでコンセントが不足すると、起床後にすぐ携帯電話を確認できない、目覚まし時計をすぐに切れないなど不便な空間になります。快適な寝室にするためにも、ベッドサイドやドア付近に2口コンセントを2~3カ所、エアコン用のコンセントを1カ所設けるとよいでしょう。
また、ワイヤレス充電対応家具やスマートスピーカーなどIoT機器を利用する場合、コンセントに加えてUSBポートの設置も検討することが大切です。
収納の有無を検討する
ものであふれないよう、収納の有無をしっかりと検討しましょう。寝室に季節の寝具やパジャマ、小物など、多くの物を収納する場所があると便利です。しかし、収納スペースを過剰に設置すると動線が悪くなったり、圧迫感を与えたりします。寝室を快適な空間にするためにも、季節の寝具や将来的に増える可能性のあるアイテムも含め、必要な収納量を見積もっておきましょう。収納量が把握できれば、設置すべき収納スペースの大きさも判断しやすくなります。
ベッド下を収納で利用する、壁面に小物の収納棚を設置するなどうまくスペースを活用し、すっきりとした空間をつくりあげましょう。
窓の種類や配置を考える
寝室を設計する際は、窓の種類や配置を検討します。窓のなかには、開閉時に動線や家具配置に影響を及ぼすものがあります。例えば、掃き出し窓であればバルコニーに出るといった動線や家具配置に影響しやすいですが、縦すべり窓や横滑り窓、FIX窓であれば出入りできないため影響は与えません。
また、配置によっては街灯や太陽の光が強く入り過ぎてしまう、冷たい空気が入り込みやすくなるというトラブルが発生します。窓の種類と配置は動線や家具配置、睡眠の質に影響を及ぼすため、ハウスメーカーの担当といったプロに相談しつつ設計するとよいでしょう。
シアタールームにするのであればスクリーンの位置やサイズを考慮に入れる
寝室をシアタールームにするなら、スクリーンの位置やサイズを考慮しましょう。一般的に、シアターの視聴距離は画面サイズの1.5~2倍程度必要とされています。あまりにも近いと見づらくなるため、適切な距離が確保されているか確認します。ただし、ソファとベッド視聴では視聴するのに高さや角度が異なるため、距離を測定する位置には注意が必要です。
また、スクリーンの電源と配線スペースの確保も忘れないようにしましょう。シアターとして活用する場合、通常の寝室設計とは異なる点を理解し、後悔のない間取りを目指してください。
まとめ
最後に、夫婦の寝室設計についてポイントを簡単に整理します。
夫婦で寝室が別々の場合のメリットは?
夫婦で寝室が別々の場合のメリットとしては、睡眠の質が向上することや、生活リズムやライフスタイルの違いに対応できること、プライベート空間を確保できることなどが挙げられます。夫婦ともに同じ生活リズムとは限らず、プライベート空間を分けたいと考える方もいます。状況や考えが夫婦間で異なる場合、寝室を別室にするメリットを活かせるでしょう。
夫婦におすすめのベッドサイズは?
夫婦におすすめのベッドサイズは、設計する時期によって異なります。たとえば、新婚期であれば幅140cm程度のダブルベッド、子育て期であれば幅160cm程度のクイーンサイズが適しています。ただし、これはあくまで一般的な目安であり、将来のライフステージも考慮してベッドを選ぶことが大切です。
後悔しないための夫婦の寝室をつくるためのポイントは?
後悔しないための夫婦の寝室をつくるための主なポイントは、「ベッドの配置とサイズを考える」「 動線をシミュレーションする」「収納の有無を検討する」などです。寝室にはベッドを配置するスペースや布団を敷くスペースが必要となり、着替えや身支度のための収納スペースの確保も不可欠です。このことから、通行できるスペースが限られるため、動線までシミュレーションして設計する必要があります。
寝室を設計する際は、夫婦にとってどのような場所が最適かをよく検討することが大切です。検討を重ねていくうちに、寝室を同室にするか別室にするかが明確になってくるでしょう。寝室の設計は睡眠の質に直結するため、家族の健康を守る重要な部屋と捉え、夫婦それぞれの意見をしっかりと確認したうえで進めてください。
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