リノリウムの床とは?塩ビとの違い、向いている場所、活用実例を紹介
この記事では、リノリウムとは何か、リノリウムの歴史や特徴、メリット・デメリット、使用する部屋の向き不向きを解説します。塩化ビニルとの違いやリノリウムを採用した実例も紹介するので、マイホーム購入やリフォームを検討している方はぜひ参考にしてください。
記事の目次
リノリウム床材とは

リノリウムは、亜麻仁油や石灰石、ロジン(松脂)、木粉など、燃焼しても有害物質が出ない自然素材からできている床材です。
また、地中に埋めると土に還る生物分解性を持つため、地球環境への配慮から近年再注目されています。特に主原料である亜麻仁油には、抗菌性や抗ウイルス性があり、衛生的な機能も期待できます。
リノリウムの床材は、適切にメンテナンスを施せば20年以上もつともいわれており、原材料に色素が直接混ぜ込まれているため、色褪せしにくいのも特徴です。こうした理由から、サステナブル観点からも人気を集めています。
リノリウム床材の歴史

リノリウムの歴史は意外と古く、160年以上の歴史があります。1860年代のイギリスで発明され、塩化ビニル製品が20世紀半ばに登場するまで、ヨーロッパでは床材や壁材として広く普及していました。
リノリウム床材と塩ビ(塩化ビニル)シート・クッションフロアとの違い

リノリウムとよく比較される床材に、塩ビ(塩化ビニル)シート・クッションフロアがあります。ここでは、それぞれの特徴を紹介しつつ、違いを解説します。
素材
塩ビのクッションフロアが塩化ビニル樹脂からできているのに対し、リノリウムは亜麻仁油などの自然素材からできています。塩化ビニル樹脂はプラスチックの一つですが、主な原材料は塩素とエチレンであり、実は石油由来成分の割合はそれほど多くありません。
デザイン
塩ビのクッションフロアは、プリントによって表面に色柄をつけるため、さまざまなデザインがあります。一方、リノリウムは色素を直接混ぜて製造することから、無地やマーブル調などシンプルなデザインが中心でした。しかし最近では、リノリウム材もデザインの幅が広がりつつあるため、好みのものを探してみましょう。
耐久性
耐久性では、リノリウムに軍配が上がります。ヨーロッパでは土足の場所に使用されてきた床材でもあり、その耐久性は実証済みです。一方で柔らかさもあるため重い家具などを長時間置いた場合には跡も残りますが、すぐに修復します。塩ビのクッションフロアはへこみやすく、家具の重みで跡がついてしまう場合もあります。
価格
特殊な製造技術が必要なリノリウムは、塩ビに比べると高価です。塩ビのクッションフロアは1平方メートルあたり2,000~4,000円が中心であるのに対し、リノリウムの床材5,000~8,000円です。
素材の特徴
塩ビはお手入れしやすく、耐水性があます。リノリウムは水濡れに弱いものの耐久性・抗菌性に優れています。それぞれの素材の特徴に合わせて、使用する部屋を決めるとよいでしょう。
リノリウム床材のメリット

リノリウムの床材には、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、代表的なメリットを5つ紹介します。
人や環境への負荷を抑えられる
リノリウムは、人や環境への負荷を低減できるのが魅力です。比較的耐久性が高く、適切にお手入れをすれば長期に渡って使用できるうえ、廃棄する際に有害物質を出しません。地中に埋めれば土に還る、サステナブルな素材である点もメリットです。また、有害物質を含まないリノリウムは、人体にも優しく、シックハウス症候群の発症を低減できるでしょう。
抗菌・抗ウイルス効果が期待できる
リノリウムの製造においてベースとなる亜麻仁油には、成分の一つとしてオメガ6系リノール酸が含まれています。全国三星床工事業協会によると、天然の抗菌・抗ウイルス作用があり、黄色ブドウ球菌、O-157を含む大腸菌、ノロウイルスなどを抑える効果があることが実証されています。また、アンモニア臭も脱臭してくれるため、トイレの床材としてもおすすめです。
高い耐久性・摩耗性がある
リノリウムの床材は、耐久性・摩耗性に優れ、傷やへこみが付きにくい特徴を持っています。その寿命は、20年とも30年ともいわれているほどです。また、適度に弾力性がありそれほど固い素材ではないため、万が一転倒しても怪我をしにくいでしょう。
デザイン性に優れている
自然素材ならではの質感や風合いは、シンプルでモダンなスタイルによく合います。かつては無機質な印象が強かったリノリウムですが、最近ではデザイン性の高いものも揃っています。
簡単にお手入れができる
天然素材であるリノリウムは静電気を帯びにくく、ホコリや汚れが付きにくい特性を持っています。表面が滑らかなで清掃をしやすく、水拭きも可能なため、お手入れも比較的簡単です。
リノリウム床材のデメリット

マイホームにリノリウムの採用を検討する際は、デメリットがある点も理解しておきましょう。ここでは、注意すべきポイントを4つ紹介します。
水濡れ・湿気に弱い
リノリウムは湿気や水濡れに弱く、水を含んだ状態が長く続くと変色や膨れが生じ、劣化を早めてしまいます。水拭き程度であれば問題ありませんが、水濡れしにくい部屋や空間での採用を検討しましょう。
アルカリ性に弱い
リノリウムはアルカリ性に弱いため、洗剤を使って清掃する際は注意が必要です。必ず中性洗剤を薄めて使うようにし、ワックスがけはしないほうがよいでしょう。
天然素材由来の特有の臭い
リノリウムは、亜麻仁油が持つ独特な臭いがします。時間とともに薄れていきますが、初期は臭いが強く、不快に感じる可能性もあるでしょう。
紫外線による変色が起こりやすい
リノリウムは自然素材のため、比較的紫外線の影響を受けやすく、退色してしまうことがあります。日当たりがよい場所に採用する際は、カーテンや窓に貼るフィルムを活用して、変色しないように工夫しましょう。
リノリウム床材が向いている場所

リノリウムを採用するとしたら、どのような空間が向いているのでしょうか。ここでは、リノリウムの床材をおすすめしたい場所を紹介します。
子ども部屋
有害物質を発生しにくく、抗菌性も持ち合わせているリノリウムの床材は、子ども部屋に向いています。また滑りにくい素材なので転倒を防ぎやすい面も。さらに適度に柔軟性もあり、万が一転倒した際にもけがをしにくいため特に小さいお子さんがいる家族におすすめです。
ベッドルーム
リノリウム材には天然の抗菌・抗ウイルス作用だけでなく防音性もあるため、複数人で同じベッドルームの場合でも、睡眠の妨げになりにくいでしょう。また、リノリウム材はほこりが付着しにくいため、布団などのほこりが発生しやすいベッドルームにおすすめです。
廊下・玄関
耐摩耗性の高いリノリウム材は人の往来の多い廊下や玄関にも適しているでしょう。また、脱臭効果もあるため、玄関先の気になるにおいを抑えてくれる効果も見込めます。
書斎
リノリウムは塩ビに比べると高価な床材ですが、比較的コンパクトな空間である書斎であれば採用しやすいのでしょう。また先述のしたように防音性もあるため、集中して作業をするのに適した床材と言えるでしょう。
リノリウム床材が向いていない場所

設置場所によっては、リノリウム材のデメリットが目立ってしまうかもしれません。ここでは、リノリウムの床材が向いていない空間を紹介します。
キッチン
湿気や水分に弱いリノリウムは、水仕事をするキッチンにはあまり向いていません。ただし、リノリウムには燃えにくい性質もあるため、どちらを優先させるかで採用するか否かを決めましょう。
トイレ
湿気が溜まりやすいトイレは、リノリウムが不向きである面もありますが、アンモニア臭を脱臭できるリノリウムのメリットを活かせる空間でもあります。採用する際はお手入れに注意し、湿気を逃すためにも換気を心がけましょう。
洗面所・脱衣所
繰り返しになりますが、リノリウム材は湿気や水分に弱いため、洗面所や脱衣所にも不向きです。水回りには、耐水性の高い塩ビのクッションフロアのほうが向いています。
リノリウム床材の活用実例

視覚的な効果と設備を配置する場所を工夫して、専有面積以上の広がりを実現したリノベーションの実例です。
収納や寝室、サニタリーをすべて同じモジュールの壁や建具の中に収めることで、生活感を出さないよう配慮しました。また床にフローリングやタイルを使わず、長尺のリノリウム材を用いることで、空間がどこまでも続いているかのように見せています。
抗菌性と柔軟性のあるリノリウムは、小さなお子さんにも優しい素材なため、ハイハイする様子も安心してみていられるそうです。さらに脱臭性もあるため、ペットとの暮らしにもぴったりでしょう。
南北にバルコニーがある角部屋は明るく、視界を遮る外廊下がないこともあり、50平方メートルとは思えない開放感が魅力の物件です。リノベーション次第で、開放感や快適さは手に入れられるのだと感じさせてくれます。
まとめ
最後に、リノリウム材についておさらいします。
リノリウム材とは
リノリウムとは、亜麻仁油や石灰石、ロジン(松脂)、木粉など、燃焼しても有害物質が出さない自然素材からできています。1860年代のイギリスで発明され、塩化ビニル製品が20世紀半ばに登場するまで、ヨーロッパでは床材や壁材として広く普及していました。
リノリウム材のメリット・デメリットは?
リノリウムは、人や環境への負荷が抑えられるサステナブルな素材であり、抗菌・抗ウイルス効果も期待できる、耐久性にも優れた建材です。適切にメンテナンスを施せば、20年以上もつともいわています。
以前は色柄の選択肢が少なく、地味な印象でしたが、最近では色柄も増え、デザイン性にも優れた製品もあります。
一方で水濡れや湿気、アルカリ性、紫外線に弱く、お手入れには注意が必要です。また亜麻仁油の独特な臭いがするため、臭気に敏感な方は、慣れるまでに時間がかかるかもしれません。
リノリウム材が適している場所は?
リノリウム材はその特性から、子ども部屋やベッドルーム、玄関・廊下、書斎などが適しています。抗菌や抗ウイルス、脱臭の効果を期待したい場所へ採用しましょう。ただし、湿気や水濡れに弱いため、キッチンやトイレに使用する際はこまめなお手入れが重要です。
また、リノリウムの床材は、どこでも扱っているわけではないため、使用したい場合は取り扱っている施工会社を探しましょう。
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