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【2025年】内窓のリフォームで受け取れる補助金とは?最新制度と申請の注意点を解説

光熱費の高騰や結露に悩んでいるものの「内窓リフォームは費用が高そう」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。実は、内窓リフォームには補助金制度があり、工事費用の負担を軽くできます。

この記事では、内窓リフォームに使える4つの補助金制度の概要や申請方法、注意点を詳しく解説します。補助金を活用して、快適な住環境を手に入れましょう。

内窓のリフォームに使える補助金とは?

内窓のリフォームに補助金が出る理由は?
内窓のリフォームに補助金が出る理由は?

住まいの快適性を高める内窓リフォームには、工事費用がお得になる補助金制度があります。ここでは制度の全体像と、なぜ支援が受けられるのかを解説します。

補助制度の概要

内窓のリフォームは主に既存の窓の室内側にもう一枚サッシとガラスを取り付けて、二重窓にするリフォームのことです。壁を壊す必要がないため、工期が比較的短く、一戸建て・マンションいずれでも施工できます。内窓を設置することで、断熱・防音、結露防止や防犯対策になるのがメリットです。

現在、このような内窓のリフォームに補助金が支給される制度が設けられており、窓のサイズや性能等級に応じて数千円~数十万円が還元されます。制度ごとに適用条件や申請期間が設けられていますが、うまく活用すればお得にリフォームすることが可能です。

内窓のリフォームで補助金を受け取れる理由

補助金が交付されるのは、内窓を設置することで冷暖房の稼働を抑えられ、エネルギー価格の高騰や国が推し進めるカーボンニュートラルの対策になるためです。内窓リフォームをおこなえば光熱費が抑えられ、結露や騒音を減らせるだけでなく、CO2削減による環境の保護が期待できます。

内窓のリフォームに使える補助金一覧

内窓のリフォームで活用できる補助金一覧
内窓のリフォームで活用できる補助金一覧

内窓リフォームに使える補助金は以下の表をご覧ください。

補助金制度名 補助金額
(上限)
申請期限
先進的窓リノベ2025事業 200万円
(一戸あたり)
2025年3月31日~12月31日
(ただし、予算に達し次第終了)
子育てグリーン住宅支援事業 40万円~160万円 2025年3月31日~12月31日
(ただし、予算に達し次第終了)
既存住宅における断熱リフォーム支援事業 15万円~120万円
(工事費用の1/3以内 )
実施時期により異なる
長期優良住宅化リフォーム推進事業 80万円~210万円
(工事費用の1/3以内 )
【Ⅰ期】
一戸建て住宅:2025年5月30日~9月30日
【Ⅱ期】
Ⅰ期終了後~2025年12月22日
(申請状況により切り上げて終了の場合あり)

内窓リフォームに使える補助制度は、「先進的窓リノベ2025事業」、「子育てグリーン住宅支援事業」、「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」、「長期優良住宅化リフォーム推進事業」の4つです。

次の章からは、各制度の概要や申請条件、申請期限などを紹介します。

先進的窓リノベ2025事業

先進的窓リノベ2025事業とは
先進的窓リノベ2025事業とは

先進的窓リノベ2025事業は、既存住宅の窓やドアを高断熱仕様へ改修する内窓リフォームを支援する補助金制度です。窓のグレードやサイズによって補助金額が異なります。

申請条件

主な申請条件は以下のとおりです。

  • 工事対象が住宅(人の居住の用に供する家屋)として利用されている
  • 建築から1年が経過した既存住宅である
  • 対象製品を使用する
  • 登録事業者が施工する
  • 合計補助額が5万円以上である

ただし、新築住宅や2024事業で交付済みの窓は対象外です。

補助金額

先進的窓リノベ2025事業の補助金額は、性能グレード×サイズで決まります。内窓1枚あたりの補助金額の目安はSSグレードで1.2万円~22万円、Sグレードで7,000円~14.9万円、Aグレードで5,000円~11.7万円です。また、一戸当たりの補助額の上限は200万円です。

申請期限

交付申請の予約受付期間:2025年3月31日~ 予算上限に達するまで(遅くとも2025年11月14日)
交付申請の受付期間:2025年3月31日~ 予算上限に達するまで(遅くとも2025年12月31日)

申請方法・給付までの流れ

補助金の申請は、制度へ登録済みの施工会社が施主の代理でおこないます。リフォームの完了後に施工会社が申請をし、補助金の交付が決定すると補助金を受け取れます。

必要書類

申請の際に主に必要な書類は以下のとおりです。

  • 工事請負契約書
  • 補助金同意書
  • 施主の本人確認書(運転免許証や住民票の写しなど)
  • リフォームをおこなった住宅に関する書類(登記事項証明書など)
  • 対象窓の性能証明書
  • 工事前後の写真

※ケースによっては別の書類が必要になることもあります。詳しくは公式の事業概要をご覧ください。

補助金の還元方法

補助金の還元方法は以下の2つです。

  • 契約代金に充当する方法
  • 現金で支払う方法

交付申請時に合意した方法で還元されるため、事前に還元方法を確認しておきましょう。

出典:環境省「先進的窓リノベ2025 事業概要

子育てグリーン住宅支援事業

子育てグリーン住宅支援事業とは
子育てグリーン住宅支援事業とは

子育てグリーン住宅支援事業は、省エネ性の高い新築住宅やリフォームをおこなった世帯が、最大160万円の補助金を受け取れる制度です。

申請条件

主な申請条件は次のとおりです。

  • 基礎以降の工事を2024年11月22日以降に着工している
  • 工事対象が所有者みずから居住する住宅である
  • 延床面積が50平方メートル以上240平方メートル以下である
  • 土砂災害警戒区域内などのエリアに該当していない
  • 子育て世帯または若者夫婦世帯である(長期優良住宅またはZEH水準住宅の場合)

子育て世帯とは、18歳未満の子がいる世帯、若者夫婦世帯とは、夫婦のいずれかが39歳以下の世帯を指します。

補助金額

補助金額は新築住宅とリフォームで異なります。新築住宅はGX志向型住宅が160万円、長期優良住宅が80万円、ZEH水準住宅40万円です。

長期優良住宅とZEH水準住宅は建て替え前の家の除却を同時におこなえば、それぞれ20万円が上乗せされます。GX志向型住宅とは、ZEH水準住宅よりも高い省エネ性能と創エネ性能を満たし、居住した際に使うエネルギーを実質ゼロ以下へ抑える水準を目指した住宅です。

リフォームは必須工事をすべておこなえば上限60万円、必須工事(開口部の断熱改修、躯体の断熱改修、エコ住宅設備)のうちいずれか2つをおこなえば40万円が上限です。ただし、窓断熱・高効率給湯器など工事項目ごとに補助金額が定められているため、見積もり時に必ず確認しましょう。

申請期限

交付申請の予約受付期間:2025年3月31日~ 予算上限に達するまで(遅くとも2025年11月14日)
交付申請の受付期間:2025年3月31日~ 予算上限に達するまで(遅くとも2025年12月31日)

申請方法

申請は、事業に登録されている施工会社がオンラインでおこなってくれます。新築住宅の場合は基礎工事完了後に、リフォームの場合は完了前後に工程写真を提出して申請、交付決定後に補助金が受け取れます。

必要書類

申請に必要な主な書類は下記のとおりです。

  • 工事請負契約書または不動産売買契約書
  • 補助金同意書
  • 確認済証・建築確認申請書(新築住宅の場合)
  • 施主の本人確認書(運転免許証や住民票の写しなど)
  • 新築・リフォームをおこなった住宅の性能証明書
  • 工事前後の写真

※ケースによっては別の書類が必要になることもあります。詳しくは公式の事業概要をご覧ください。

補助金の還元方法

補助金は施工会社が事務局から受領後、交付申請時に合意した方法で施主へ還元されます。施工会社からどのように還元されるかを、あらかじめ確認しておきましょう。

出典:国土交通省「子育てグリーン住宅支援事業 事業概要

既存住宅における断熱リフォーム支援事業

既存住宅における断熱リフォーム支援事業とは
既存住宅における断熱リフォーム支援事業とは

既存住宅における断熱リフォーム支援事業とは、断熱性能を高める建材を使用したリフォームに使える補助制度です。

申請条件

主な申請条件は以下のとおりです。

【共通】

  • 対象となる製品を使用したリフォームである
  • 一戸建て所有者・集合住宅の区分所有者・集合住宅の管理組合のいずれかである

【トータル断熱】

  • 最低改修率以上である(一戸建て)
  • 住宅の外壁や屋根、窓に触れる断熱材やガラスはすべてリフォームする(一戸建て)
  • すべての部屋の天井の断熱材をリフォームする(一戸建て)
  • すべての窓やガラスをリフォームする(集合住宅)
  • 外壁や屋根に接する部分すべての断熱材をリフォームする(集合住宅)

【居間だけ断熱】

  • 居間の窓をすべてリフォームする

補助金額

補助金額は、断熱リフォームにかかった費用の1/3以内で、一戸建ての上限が120万円、集合住宅の上限は15万円(玄関ドアも改修する場合は20万円)。リフォームする部位ごとに単価が決まっており、グレードが高い製品ほど単価が上がる仕組みです。

申請期限

2025年6月公募の申請期限は2025年6月26日~8月8日でした。これまでも複数回公募がおこなわれているため、今後も実施される可能性があります。詳しくは公式の事業概要をご覧ください。

申請方法

施主本人が、支援事業をおこなう北海道環境財団へ交付申請書と添付書類を郵送またはオンラインで提出します。審査をクリアし、交付決定通知書が発行されてから工事の契約・着工します。交付決定通知書の発行前に着工した場合、助成対象にならないため、注意が必要です。

必要書類

申請時の主な必要書類は次のとおりです。

  • 交付申請書
  • 総括表
  • 明細書
  • 平面図
  • 住民票

※ケースによっては別の書類が必要になることもあります。また、リフォーム完了後にも所定の書類を提出する必要があります。詳しくは公式の事業概要をご覧ください。

補助金の還元方法

補助金はリフォーム工事の完了後、交付額確定通知書が発行されてから施主へ直接入金されます。

参考:公益社団法人北海道環境財団「【全国対象】既存住宅の断熱リフォーム支援事業

長期優良住宅化リフォーム推進事業

長期優良住宅化リフォーム推進事業とは
長期優良住宅化リフォーム推進事業とは

長期優良住宅化リフォーム推進事業とは、既存住宅を⻑期優良住宅相当へ底上げするためのリフォームをした際に利用できる補助制度です。

申請条件

主な申請条件は下記のとおりです。

  • 1階の床面積が40平方メートル以上、かつ延べ面積が55平方メートル以上である
  • インスペクション(住宅診断)を実施する
  • リフォーム工事の内容が「住宅の性能基準に適合させるための工事」「三世代同居対応改修工事及び子育て世帯向け改修工事並び防災性」「レジリエンス性向上改修工事」のいずれかである
  • リフォーム後の住宅が評価基準に適合する

※適合させる必須の性能項目は「躯体構造等の劣化対策」「耐震性」「省エネルギー対策」の3つです。

補助金額

補助金額は事業タイプで異なります。評価基準型は上限80万円、認定長期優良住宅型は上限160万円です。さらに、以下に該当する場合は上記に加え、50万円を上限に加算されます。

  • 三世代同居対応改修工事を実施する場合
  • 若者・子育て世帯が改修工事を実施する場合
  • 既存住宅を購入し改修工事を実施する場合

補助率は対象工事費の1/3で、インスペクション費用やリフォーム瑕疵保険の保険料補助対象です。

申請期限

2025年度の交付申請はⅠ期とⅡ期が設定されています。

【Ⅰ期】
認定長期優良住宅型

  • 一戸建て住宅:2025年5月30日~9月30日
  • 共同住宅:2025年6月13日~9月30日

評価基準型

  • 一戸建て住宅:2025年6月13日~9月30日
  • 共同住宅:2025年6月27日~9月30日

【Ⅱ期】

  • Ⅰ期終了後~2025年12月22日

申請方法

申請は事業者登録済みの施工会社がおこなってくれます。まずインスペクションと施工計画を策定し、住宅登録後に交付申請をする流れです。事前に登録がされていない住宅や着工済みの工事は対象外になるため注意しましょう。

必要書類

申請の際の主な必要書類は以下のとおりです。

  • 交付申請書
  • 工事請負契約書または不動産売買契約書
  • 住民票などの写し(子育て世帯または若者が改修工事を実施する場合)
  • インスペクション報告書
  • 住宅性能基準の適合確認書
  • 現況検査チェックシート
  • リフォーム工事前の平面図・立面図・写真

※ケースによっては別の書類が必要になることもあります。詳しくは公式の事業概要をご覧ください。

補助金の還元方法

補助金の還元方法は「工事代金充当」または「現金振込」のいずれかで、施主と施工会社が同意した方法で還元されます。工事完了後数カ月後に入金されるのが一般的です。

参考:国土交通省「令和7年度長期優良住宅化リフォーム推進事業

内窓のリフォームで補助金を利用する際の注意点

補助金を利用する際に気をつけるべきポイントがあります
補助金を利用する際に気をつけるべきポイントがあります

内窓リフォームの補助金は魅力的な制度ですが、制度ごとに異なるルールや手続きがあるため、注意が必要です。ここでは、補助金制度を利用する際に気をつけるべきポイントを紹介します。

申請条件は制度によって異なる

補助金の申請条件は制度ごとに異なることを理解しておきましょう。例えば、先進的窓リノベ2025事業では「対象製品を用いたリフォームをおこなわなければならない」「建築から1年が経過した既存住宅でなければならない」など要件が定められています。

一方で、既存住宅における断熱リフォーム支援事業は「省エネ効果15%以上の達成する必要がある」「複数の部位を改修しなければならない」などの条件があります。

提出する書類も制度ごとに異なるため、混同しないように注意しましょう。申請に不備があると、補助金を活用できないだけでなく、工期が遅れてしまう可能性もあります。

着工前の申請手続きが求められる

内窓リフォームの補助制度では、基本的に着工前の申請手続きが必要です。多くの制度では登録事業者が工事請負契約後に交付申請をおこない、交付決定通知を受けてから着工する流れが一般的となっています。そのため、工事完了後に事後申請しても制度の適用は認められません。

内窓リフォームの補助を受ける場合、申請手続き期間も含めた余裕を持ったスケジュールを組むようにしましょう。

申請の受付期間中に終了するケースもある

内窓リフォームの補助制度では、申請の受付期間中であっても予算上限に達すると終了することがあります。例えば、2022年に実施されたこどもみらい住宅支援事業では、予算が予定よりも4カ月以上も早く上限に達したため、前倒しで終了しました。

各制度の公式サイトでは予算の消化率が随時更新されているため、進捗状況を定期的にチェックしましょう。特に年度後半は申請が集中する傾向にあるため、なるべく早く申請することを心がけてください。

すべての補助金が併用できるわけではない

内窓リフォームの補助制度は、すべての補助金が併用できるわけではありません。同一工事・同一部位への重複申請は禁止されています。例えば、内窓の設置工事では先進的窓リノベ2025事業と、子育てグリーン住宅支援事業の両方に申請できません。

ただし、内窓は内窓先進的窓リノベ2025事業、外壁断熱は子育てグリーン住宅支援のように、施工箇所が異なれば併用できます。もっとも得をする組み合わせを見つけるためには、施工会社に対象部位が重複しない併用プランを相談し、契約書に補助金別の工事明細を明記してもらうとよいでしょう。

まとめ

最後に、内窓リフォームの補助金によくある質問をまとめます。

内窓のリフォームで補助金を受けられる理由は?

内窓のリフォームをすると、冷暖房の稼働が抑えられ、エネルギー価格の高騰やカーボンニュートラルの対策になります。国はCO2排出削減の目標を掲げているため、財政支援で導入を後押ししています。

内窓のリフォームに使える補助金の一覧は?

内窓リフォームの補助金一覧は以下のとおりです。

  • 先進的窓リノベ2025事業
  • 子育てグリーン住宅支援事業
  • 既存住宅の断熱リフォーム支援事業
  • 長期優良住宅化リフォーム推進事業

内窓のリフォームで補助金を利用する際の注意点は?

内窓のリフォームで補助制度を活用する場合は、申請条件が制度によって異なる点や着工前に申請する必要がある点に気をつけましょう。また、申請期限が決められていても予算が上限に達すると前倒しで終了したり、補助金が併用できなかったりする点にも注意しなければなりません。

内窓リフォームをおこなえば断熱性や防音性が高まるため、快適に暮らせます。そこで、内窓リフォームに使える補助制度を利用することで、経済的な負担も軽減されるでしょう。お得に内窓リフォームをしたいと考えている方は、この記事を参考に補助金の活用を検討してみてください。

杉山 明熙

執筆者

杉山 明熙

不動産特化ライター

元不動産営業のWebライター。宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、賃貸不動産経営管理士。12年間の不動産営業を経験後、不動産特化ライターとして大手メディアや不動産会社のオウンドメディアで、住まいや不動産投資に関する記事を多く提供している。不動産業界経験者にしかわからないことを発信することで「実情がわかりにくい不動産業界をもっと身近に感じてもらいたい」をモットーに執筆活動を展開中。

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