テーマ:お隣さん

小さい隣人

この作品を
みんなにシェア

読者賞について

あなたが選ぶ「読者賞」

読者賞はノミネート掲載された優秀作品のなかから、もっとも読者から支持された作品に贈られます。

閉じる


一歩一歩。慎重に私はその世界の中を歩んでいく。

その時、どこかで声がした。咆哮のような、私には意味が全くつかめない声だ。
その瞬間、大きな影が私を包み込み、思わず見上げる。私の視界いっぱいに巨大な女の子の顔があった。
嬉しそうに私を見下ろしている。先ほどの声はこの女の子のものらしい。

無邪気な笑顔で少女は再び何かを言う。もちろん私にその言葉は理解できない。
しかし、私も人の親だ。何となくではあるが、この子の言わんとしていることは想像がつく。

きっと彼女はこう言っているに違いない。

「ママー?小人さんがいるよ。」

小さい隣人

ページ: 1 2 3 4 5 6

この作品を
みんなにシェア

7月期作品のトップへ