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読者賞はノミネート掲載された優秀作品のなかから、もっとも読者から支持された作品に贈られます。

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「いらっしゃいませー」
 コンビニには私たちの他に二、三組のカップルがいた。中は十分に冷やされた空気が充満していた。まとわりついていた生緩い空気が一瞬にして姿を消し、一気に全身に鳥肌が立つ。手が湿っている。蛍光灯に晒された人工物はやけに眩しく、白い。
「たくさん入ってる花火がいいー」
「二個買えば良いじゃん」
「あ、ねえアイスも買おうよ」
「そういやライター誰か持ってる?」
 ハルさんたちと一緒に花火を見ていた高橋君が振り返り、
「古川さんもどうぞ」

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