テーマ:ご当地物語 / 長野県長野市

花が咲く街

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読者賞はノミネート掲載された優秀作品のなかから、もっとも読者から支持された作品に贈られます。

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午後2時になった、風に乗って『カンカンカンカンカン』と遮断機の音が響いてくる。それに続いて『ガタンゴトン、ガタンゴトン』と電車が近ずいてくる心地よい音も響いてきた。小さな頃から聞いてきた音。咲子にとってはなぜか落ち着く、癒される音だった。この時間はまだ乗客は少ないだろう。
息子が帰るまであと1時間。のどかなひととき、おばさまはいつものようにフクフクした顔で大好きな紅茶を入れてくれている。ダージリンのすてきな香りが部屋いっぱいにひろがった。

花が咲く街

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