【初心者向け】クワガタムシの飼い方ガイド!特徴やお世話のポイントをわかりやすく解説

記事の目次
クワガタはどんな生き物?
クワガタは、オスに発達したハサミのように大きな顎がある点が特徴の昆虫です。世界中に1,500にもおよぶ種類が存在するといわれており、日本でもカブトムシと並んで人気があります。
クワガタの寿命
クワガタの寿命は、種類によって大きく異なります。例えば、ミヤマクワガタやノコギリクワガタなどで3カ月~半年、オオクワガタのように寿命の長い種類は3年以上も生きることがあるようです。その他、飼育環境などによっても、クワガタの寿命は左右されます。
クワガタの成長過程

クワガタは産卵後、10~20日程度でふ化します。その後、脱皮を繰り返しながら少しずつ成長し、長ければ2年ほどの幼虫期を過ごしてサナギとなるでしょう。そして、サナギになってから4~8週間ほど経つと、羽化して成虫となります。
越冬(えっとう)する種類もいる
カブトムシは越冬しませんが、クワガタには越冬する種類が少なくありません。越冬とは冬を越すことですが、幼虫期だけでなく成虫期に越冬することもあります。なお、越冬期間は種類によるものの、主には11~4月頃です。
クワガタの代表的な種類
クワガタは、世界中に1,500もの種類が存在するといわれています。ここでは、国内でも手に入りやすい代表的な5種類をご紹介しましょう。
オオクワガタ

体長:オス25~70mm程度、メス25~45mm程度
分布:日本のほぼ全域
日本産のクワガタのなかでは最大の種類です。光沢のある黒色で、背中に薄い縦筋の線があります。
コクワガタ

体長:オス20~55mm程度、メス20~40mm程度
分布:北海道、本州、四国、九州、伊豆諸島など
都市部でも公園や神社、街路樹などで見つけられることがあるでしょう。顎には中央部に一対のみ、トゲのような内歯があります。
ノコギリクワガタ

体長:オス25~75mm程度、メス25~40mm程度
分布:北海道、本州、四国、九州など日本全国
大型は湾曲した長くて大きな顎を持ち、小型は顎が直線的でトゲのような内歯がノコギリ状になります。身体は赤褐色や黒褐色です。
ミヤマクワガタ

体長:オス40~75mm程度、メス25~45mm程度
分布:北海道、本州、四国、九州
ノコギリクワガタに見た目が似ていますが、大あごが二つに分かれており、頭に冠のような突起があるのが特徴です。主に、標高の高い山などに生息しています。
ヒラタクワガタ

体長:オス40~75mm程度、メス20~40mm程度
分布:本州、四国、九州など
オスの顎には先端付近に細かな歯がいくつもあり、体は黒色です。体が大きくずっしりしており、クワガタのなかでも気性の荒い種類とされています。
クワガタの飼育に必要なもの
クワガタを飼育する際には、以下のものを用意しましょう。
飼育ケース(虫かご)

クワガタの家となる飼育ケースを用意しましょう。個体に適した大きさを選び、虫かごで代用することもできます。
昆虫マット

飼育ケース内に昆虫マットを敷き詰めます。3カ月を目安に、昆虫ゼリーや排泄物などで水分を多く含んでいるような状態が見られたら交換してください。なお、マットの上に落ち葉を10~20枚濡らして入れておくと、クワガタがマットと落ち葉の間で休息できるのでおすすめです。
エサ(昆虫ゼリー)

クワガタのエサは、専用の昆虫ゼリーが販売されています。時間が経つと腐ってしまうので、たとえ食べ残しがあっても、2~4日に1回は交換してください。
エサ台

エサはひっくり返らないよう、エサ台を使って飼育ケース内に設置しましょう。
朽ち木、樹皮

飼育ケースの中に、朽ち木や樹皮を敷きましょう。樹皮は転倒防止に役立つほか、クワガタの隠れ家になります。また、コクワガタやオオクワガタなどは朽ち木に産卵するため、繁殖を考えているなら必須です。
登り木

クワガタは、ひっくり返るとうまく起き上がることができません。そうした際の足がかりになったり、止まって休んだり隠れたりするのに、登り木も用意しておきましょう。
クワガタを飼うのに必要な費用
クワガタを飼うためには、以下の費用が必要です。
初期費用
- 生体価格:5,000円~50,000円※種類や大きさによる
- 飼育ケース:500円~1,000円
- 昆虫マット:300円程度
- エサ:500~1,000円程度(50個)
- エサ台:100~500円程度
- 朽ち木、樹皮:1,000円程度(5リットル)
- 登り木:200~1,000円程度
クワガタを飼い始めるには、少なくとも7,600円ほど必要になる計算です。生体価格は、種類によっても大きく変わるので、あらかじめ飼いたい種類のクワガタがどのくらいの価格なのか調べておくことがおすすめです。
月々にかかる費用
幼虫期は飼育ケースと幼虫用マットのみで、特に月々かかる費用はないでしょう。成虫になるとエサが必要になる他、汚れ具合に応じて昆虫マットの交換が必要になります。それぞれにかかる費用は、以下を目安に考えてください。
- 飼育ケース:500円~1,000円
- 幼虫用マット:300円程度
- エサ:500~1,000円程度(50個)
- 昆虫マット:300円程度
クワガタに必要なお世話

クワガタを飼育する際は、以下のようなお世話を心がけましょう。
エサをきらさないようにする
エサは切らさないようにします。また、時間が経つと腐ってしまうため、残っていても2~4日に1回は交換しましょう。特に、暑い時期はエサが悪くなりやすいため注意してください。
飼育ケース内の湿度を一定に保つ
クワガタは適度な湿度がないと生きられないため、週1回程度を目安に土などの湿度を確認しましょう。乾燥しているようなら、霧吹きなどを使って土を湿らせます。ただし、湿度が高すぎると害虫が発生したり、土や木が腐ったりする原因になります。そのため、土の表面が軽く湿っている程度にとどめてください。
飼育ケース内の室温を一定に保つ
クワガタは暑さに弱く、30度を超えると死んでしまうこともあります。そのため、室温は25度前後を目安として一定に保ちましょう。
飼育ケースは蓋を閉める
クワガタは飛ぶことができます。特に夜間は光に反応して飛ぶことがあるため、飼育ケースの蓋は必ず閉めておきましょう。知らない間に飼育ケースから逃げ出してしまう可能性があります。
クワガタを飼う時の注意点

クワガタを飼育する際には、以下の点に注意してください。
直射日光が当たらないようにする
クワガタは暑さに弱いため、日陰など日の当たり過ぎない涼しい場所で飼育しましょう。特に直射日光は、ケース内の温度が急に上がりやすいので避けた方が無難です。
スイカやメロンを与えるのを避ける
エサとしてスイカやメロンを与える人がいますが、これらは水分量が多いため、下痢などで弱ってしまう可能性があるので避けましょう。
クワガタの成虫は大きくならない
クワガタは羽化した時点で個体の大きさが決まるため、たとえエサをたくさん食べたとしても、成虫になったあとに大きくなることはありません。
同じケースの中にクワガタを入れすぎない
クワガタを飼う場合、1つの飼育ケースに1ペア(オス1匹とメス1匹)のみが基本です。オスを複数入れてしまうと、ケンカして怪我したり、死んでしまったりする可能性があります。なお、オスとメスでも攻撃してしまうことがあるため、繁殖させない場合は1匹のみでの飼育がおすすめです。
冬眠中でもエサを入れておく
冬眠中は基本的にエサを食べません。しかし、気温によっては目を覚まして食べることがあるため、冬眠中もエサは切らさないよう置いておきましょう。ただし、冬眠中に食べる量は少ないため、例えば昆虫ゼリーなら1つではなく半分にしておくと、飼育費用を抑えられます。
クワガタは夜行性
クワガタは夜行性のため、夜になると活発に動きます。寝室の近くなどに飼育ケースを置いておくと、その動き回る音が気になってしまうかもしれません。そのため、玄関先など、音が気にならない場所で飼育するのがおすすめです。
クワガタの産卵と幼虫の飼い方
クワガタが産卵したり、繁殖を目的として飼育したりする場合の産卵から幼虫期までの飼い方についてご説明します。
産卵時の様子
クワガタの産卵期は7~9月頃です。朽ち木に産卵するため、3時間程度を目安に水へ浸した朽ち木を飼育ケース内に敷き、昆虫マットをその間や上に乗せましょう。数週間で卵からふ化し、幼虫となって1~2年を朽ち木で過ごします。
幼虫の飼育方法
- STEP 110月~11月頃に、昆虫マットの下から朽ち木を取り出して静かに割り幼虫を取り出す
- STEP 2くぬぎマットを入れた瓶(ガラスコップなど)に幼虫を1匹ずつ入れて蓋をする
- STEP 3羽化したら1カ月程度は掘り起こさない
- STEP 4入れていた瓶の状態がよければ成虫が自然に外に出てくるのを待ち、飼育ケースに移す
※幼虫の成長に合わせて大きい瓶に入れ替える
※瓶の劣化やカビが見られた場合には慎重に掘り起こして、くぬぎマットを敷いたケースに移し、様子を見る
ステップ②と③の間は、早くて6カ月、遅くても2年程度でサナギになるでしょう。
クワガタについてよくある質問

クワガタに関してよくある質問について、回答を以下にまとめました。
クワガタとカブトムシの違いとは?
クワガタはクワガタ科ですが、カブトムシはコガネムシ科に属する昆虫です。また、顎の特徴が大きく異なり、クワガタはハサミのような2本の顎があるのに対し、カブトムシは角が生えています。
クワガタの幼虫はオス・メス見分けられる?
クワガタの幼虫は、頭の大きさ雌斑(めすはん)という器官があるかで見分けられます。メスはオスに比べて全体的に小さく、お尻付近に一対の雌斑があります。雌斑はクリーム色から黄色のような色の斑点なので、よく見てみてください。
クワガタは多頭飼いできる?
クワガタは1つのケースに1匹、もしくはオスとメスの1ペアが基本です。オスを複数入れるとケンカしてしまい、怪我したり死んでしまったりする可能性があります。また、オスとメスのペアで入れても、攻撃することがあるので、繁殖させない場合は1匹のみで飼育しましょう。
クワガタに触ってもいい?
人間に触れられることは、クワガタにとってストレスとなります。そのため、長く生きて欲しいと考えるのであれば、できるだけクワガタには触れないようにしてください。
ペット不可の物件でもクワガタは飼える?
クワガタのように小さな昆虫なら、犬や猫などと異なり、ペット不可の物件でも黙って飼育できると考える方がいるかもしれません。しかし、基本的には昆虫を含め、どのペットも「ペット不可物件」では飼えません。クワガタは夜行性で、夜になると活動します。その活動音が近隣に聞こえて、迷惑になる可能性も考えられるでしょう。このようなトラブルの原因になりかねませんので、ペット不可の物件での飼育は避けてください。
どうしてもクワガタを飼育したいなら、まずは大家さんや管理会社へ相談してみましょう。ペット不可の物件でも、場合によっては昆虫なら許可してもらえるかもしれません。ただし、それでも飼育を許可してもらえなければ、諦めるかペット可物件への引越しを考えてください。引越しを機にクワガタを飼うのなら、あらかじめペット可の物件を探し、不動産会社へ確認しておくと安心です。
まとめ

クワガタの飼い方について、詳しく解説しました。クワガタは初心者でも飼育しやすく、カブトムシと並んで人気のある昆虫です。湿度や気温を一定に保つなど工夫は必要ですが、その他は定期的なエサやりなどのみで飼育できます。
ただし、クワガタを飼育するなら1つの飼育ケースに1匹、もしくはオス・メス1ペアで飼育してください。たくさん飼いたいと思うかもしれませんが、オス同士を複数一緒にすると、ケンカする可能性があります。また、手に乗せるなどクワガタに触れたくなっても、ストレスとなって寿命を縮める要因となるためできるだけ避けましょう。クワガタの飼育については、本記事で解説した内容をぜひ参考にしてください。
クワガタを飼いたいなら、ペット可の物件を選ぶのがいいでしょう。これから引越ししてカブトムシを飼おうと検討している方は、あらかじめペット可の物件を選び、不動産会社に確認してから住み始めるのがおすすめです。
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