このページの一番上へ

【初心者向け】うさぎの飼い方とは?飼う前の準備と特徴や注意するポイントを徹底解説

【初心者向け】うさぎの飼い方とは?飼う前の準備と特徴や注意するポイントを徹底解説
まるでぬいぐるみのようにかわいい見た目と、小さくて大人しく飼いやすいことから、根強い人気を集めるうさぎ。大きな鳴き声を出すこともなく、体臭も基本的にはないうえに、散歩も必須ではないため飼育しやすい特徴があります。今回はそんなうさぎの魅力をはじめ、具体的なお世話の仕方や飼う際の注意点などを解説します。

記事の目次

うさぎはどんな生き物?

一般的にペットとして飼われているうさぎは、元々は南西ヨーロッパ周辺を原産とするアナウサギが家畜化されて誕生しました。アナウサギが人間に飼育されて繁殖するようになったことから、現在のようにさまざまな品種が生まれたとされています。

  • 種類:ウサギ目ウサギ科
  • 学名:Oryctolagus Cuniculus(オリクトラガス キュニクラス)
  • 和名:カイウサギ(アナウサギ)
  • 英名: Rabbit(ラビット)
  • 分布:ヨーロッパ、日本、アメリカ、アフリカ など
  • 大きさ(全長):30cm~60cm
  • 体重:1.0kg~10kg(品種による)
  • 寿命:約10年
  • 値段:5,000円~10万円前後

うさぎの特徴

愛らしい姿が魅力的なうさぎですが、その生態や性格にも、次のようにさまざまな特徴があります。

記憶力がいい

うさぎは知能が高い動物で、物覚えがよくしつけもしやすい特徴があります。エサの時間や味を記憶できるうえに、言葉もある程度は聞き分けられるといわれていて、自分の好きなものと嫌いなものの単語によって反応を変えることも。きれい好きでマーキングの習性もあり、基本的にはトイレもにおいで覚えてくれます。ただしフンの我慢ができないため、トイレの場所に関係なく排せつしてしまう点には要注意。フンをトイレに入れるなどしておくと、トイレ自体は認識してくれますが、体の構造上なかなかうまくいかない部分は理解してあげましょう。

長い耳を持つ

うさぎの耳は音の集まりやすい形状に発達していて、聴覚が非常に優れている点も特徴です。左右でバラバラに動かせて、音を聞き分けられるうえに、音源の場所も遠くから特定できます。さらに耳には血管が集まっていることから、風を当てて体内から放熱する、体温調節機能もあります。このように耳はうさぎにとって大切な器官であり、むやみに触るのは絶対にNG。また警戒した時などに耳が立つなど、感情が表れやすい部分でもあります。

触覚・味覚・嗅覚が優れている

まず口や鼻の周りに生えたひげには、触覚の役割があります。ひげの根本には神経が通っていて、ひげの感覚でものとの距離を測るなど、視覚を助けています。ひげがあることで空間を把握できるため、暗闇でも身の回りにあるものを理解できます。このようにうさぎのひげは、いわば神経になっているため、切ったり抜いたりはできません。

また物覚えがよく、味覚も人間以上に発達していることから、おいしい食べ物もすぐに学習します。エサの好き嫌いもはっきりしていて、好みの味も判断できるため、自己主張が強く偏食になりやすい一面も。さらに優れた嗅覚は視力の代わりにもなっていて、人間の10倍は敏感です。1分間に20~120回ほど鼻を動かして、周囲の状況を把握すると同時に、うれしい時などに感情表現をする器官でもあります。一方で嗅覚がいい反面、飼い主のにおいに対してもかなりナイーブ。普段と違うにおいがすると、警戒して機嫌が悪くなったり攻撃的になったりする場合があります。

比較的においが気にならない

うさぎは体臭がほぼありませんが、あごの下と肛門の両脇には、体内の分泌液を出して周囲にアピールする臭腺があります。ここに分泌液が固まって溜まってしまうと、鼻につく独特のにおいがすることも。またうさぎのにおいで気になるのは、基本的にはおしっこが原因です。縄張り意識から、おしっこを飛ばしてマーキングする癖があり、あちこちに排せつされた時にはアンモニア臭が気になる場合があります。

人になつきやすい

うさぎの性格は種類ごとにさまざまで、もちろん個体差もありますが、日常的なコミュニケーションによってなつきやすい特徴もあります。日頃のお世話やスキンシップを積極的にすると、きちんと信頼関係を築くことが可能です。ただうさぎはなでられるのは好きでも、抱っこがあまり得意でないことも多く、また骨が弱く折れやすいので要注意。嫌がる子の場合は、なるべく無理に抱っこしないようにしましょう。

うさぎの感情表現

うさぎは声帯がなく大きな鳴き声は出しませんし、表情もさほど変わりません。そのためどこかポーカーフェイスにも見える動物ですが、実は感情表現も豊かです。先ほども出てきたように、飼い主の姿を見てよろこんで鼻をひくひく動かしたり、人の足や手にまとわり付いてきたり、懐くと甘える仕草も見せてくれます。その他にも以下のように、体や鼻を使って自分の気持ちを示します。

動作 足を踏み鳴らす(足ダン) 警戒している
しっぽを動かす うれしい時、怒った時、興奮した時などに上を向く
鼻を動かす 警戒している・においを嗅いでいる時はよく動く

※寝ている時やリラックスしている時はあまり動かない
鳴き声 プゥプゥ うれしい・楽しい
プスプス、ピーピー リラックスしている
キーッ 痛い・怖い
ブーブー 不満がある

うさぎでよく聞く、いわゆる「足ダン」は、警戒している時や何か不満がある時にもする行為です。「外に出たい」「おやつがほしい」など、要求を通そうとして足をダンダンと鳴らしてアピールすることがあります。またしっぽや鼻を動かすのも、感情が高ぶった時にする動作です。また鳴き声は基本的に鼻を鳴らして出るもので、うれしいと高音、不満だと低音になります。ごく稀に怯えたり痛がったりすると、大きい叫びのような「キーッ」という声を出すことも。また場合によっては、なでられてうれしい時に歯をカチカチ鳴らしたり、体調が悪くて歯ぎしりしたりするケースも見られます。

うさぎの種類

日本には、「アメリカン・ラビット・ブリーダー・アソシエーション(ARBA)」と呼ばれるアメリカのブリーダー協会によって公認された、50種類ほどのうさぎが存在しています。こうした日本の公式品種のなかでも、特に飼いやすいといわれる種類を以下からご紹介します。

ネザーランドドワーフ

ピーターラビットのモデルともいわれる大定番の品種で、つぶらな瞳と短めの耳、そして小さな体つきが特徴です。活発で感情も豊かなので飼いやすいですが、少し神経質な一面もあります。

ホーランドロップ

垂れ耳と少し下膨れ気味な顔つきがかわいらしく、人気の品種です。朗らかな性格で人懐っこく、飼い主に甘える姿もよく見られて飼いやすいといわれています。

ドワーフ ホト

ネザーランドドワーフをベースに品種改良して生まれた種類で、特に体格が小さいうさぎです。目の周りを囲うようなふち取り模様があり、気品のある顔立ちをしています。性格は比較的フレンドリーなので、気高い見た目に反して飼いやすい品種です。

アメリカンファジーロップ

垂れ耳のホーランドロップをもとに誕生した品種で、長い毛に被われているモコモコとした見た目に特徴があります。のんびりとした性格で、あまり人間を怖がらず、はじめて飼う人にもおすすめの品種です。

ジャージーウーリー

こちらもネザーランドドワーフから、長毛に品種改良されて生まれました。ネザーランドドワーフと体格にほぼ変わりはなく、性格的には少し控えめですが、人懐っこさもあるので飼いやすい種類です。

ミニウサギ(ミックスウサギ)

ミニウサギは、さまざまな種類が混ざったタイプで、見た目や性格が統一されているわけではありません。いろんな品種のうさぎの特徴を持って生まれてくるので、飼うと個性的な魅力を楽しめます。

うさぎを選ぶポイント

実際にうさぎをお迎えするにあたり、飼いはじめる前に確認しておきたいポイントについて、ご紹介していきます。

購入先を確認する

購入先となるペットショップやブリーダーでは、当然ながらうさぎの飼育環境や健康の管理は徹底されています。しかし残念ながら、なかには不正に繁殖させて販売する違法な店舗が存在しているのも事実です。不適切な状態で飼育されていると弱っている可能性も高く、いざお迎えしても、環境の変化に付いていけずお別れになってしまう場合も想定されます。そうならないためにも、まずは購入先のペットショップやブリーダーの情報を事前にしっかりと調べておくことが重要です。

また購入先に訪問した際には、実際にうさぎが生活している様子もきちんとチェック。例えば十分な飼育スペースが確保されているか、ケージのなかは清潔になっているかなど。衛生面や安全面を確認し、購入先として問題がないか判断しましょう。

うさぎの様子を確認する

  • 元気がある(瘦せすぎていない)
  • 鼻、口、歯、目、足(歩き方)の状態
  • きれいな毛並みをしている
  • 足の裏に毛が生えている、前足の毛が固まっていない
  • 耳から変なにおいがしていない・かぶれていない
  • 丸いフンをしている(おしりが汚れていない)
  • 食欲がある

健康状態が悪かったり弱っていたりすると、上記のどこかで異常が見られるケースがあります。例えば体格や毛並み、食欲などに問題がある場合には、栄養がうまく行き届いていない可能性が考えられるでしょう。鼻や口といった、顔や体の部位に異変がある時には、何か病気にかかっていることも。また皮膚炎や感染症になっていると、足の毛が薄くなったりガビガビになっていたりするケースも見られます。なおフンの状態も、健康かどうかの判断基準になります。

ちなみにうさぎの様子を見るのは、比較的活動していることが多い夕方以降だと、わかりやすいでしょう。実際に観察してみて、もし気になることがあるようなら、お店の人に相談してみるのがおすすめです。

オスとメスの違いを確認する

うさぎのオスとメスでは、性格や習性などに違いがあります。よりよい飼育環境を整えてあげるためにも、オスとメスのどちらと相性がいいのか、あらかじめ確認しておくのがベストです。ではそれぞれの違いについて、詳しく見ていきます。

オスのうさぎの特徴

オスは好奇心旺盛で活発な子が多く、甘えん坊な性格です。人懐っこく、飼い主に構ってもらいたがる傾向にあります。またオスには強い縄張り意識があり、場合によってはおしっこをスプレーのように飛ばす、マーキングをすることも。こうした問題行動や気性の荒さが見られる時には、去勢手術で緩和するのも対策の一つです。

メスのうさぎの特徴

メスはマイペースな気分屋で、比較的気が強い性格です。自分の時間やテリトリーを大切にする傾向にあり、気まぐれに甘えにくる姿が見られます。またメスは、偽妊娠をする場合があります。偽妊娠時には赤ちゃんがいないのに、子育てに向けて胸の毛や牧草などで巣作りをしたり、飼い主に反抗したりする行動も。なおメスは偽妊娠で母乳がたまったり、子宮関連の疾患を発症したりするケースも多いため、獣医と相談して避妊手術を検討するのが一般的です。

うさぎの年齢を考える

基本的に一般家庭で飼育するのは生後3カ月以降のうさぎですが、1年半あたりまではまだ成長段階です。生後半年頃までのうさぎは思春期なので、しつけやお世話に手がかかる時期ではありますが、より信頼関係は築きやすい傾向にあります。また生後2~3年になると成年になり、かなり落ち着きを見せる年齢です。もちろん成年からのしつけもできるため、どの年齢からお迎えしても、しっかりとコミュニケーションをすれば懐いてくれます。

うさぎのお世話

ここからはうさぎのお世話について、具体的に何をするのか詳しく見ていきましょう。

  • 毎日のお世話:食事(1日2回)、水の交換、トイレ掃除、ケージ掃除、
    運動(ケージから出す)、ブラッシング、健康チェック(便・体の様子・食欲)
  • 1~2カ月ごとにやるお世話:爪切り、耳のお手入れ、食器類の洗浄、トイレの丸洗い
  • 1年ごとにやるお世話:病院での健康診断

まず毎日のお世話として欠かせないのが、エサと水です。エサは朝と晩の2回、決まった時間にうさぎ専用フードのペレットを与えます。ペレットの量は、1日につき体重の1.5%~3%程度です。この時に、食欲がいつもと変わりないか確認します。そしてエサのタイミングで、水も交換しましょう。トイレは運動などの時間にシーツを取り替えて、便の状態もチェック。特ににおいが気になる時には、消臭効果の高いうさぎ専用シーツを使うのがおすすめです。さらにうさぎ専用のトイレ砂(リター)をあわせて使用すると、より万全のにおい対策ができます。なお運動(ケージから出す部屋んぽ)は、うさぎの行動が活発になる夕方~夜のあいだで1時間程度がベスト。この際にブラッシングもして、皮膚や毛、手足、耳などに異変がないか見てあげましょう。

また月1回ほどの頻度で、爪切りなどのケアをします。爪切りが難しい場合には、ペットショップや動物病院でも対応してもらうことが可能です。なお垂れ耳のうさぎは、耳のなかに汚れが溜まることがあるので、濡らした布や洗浄シートで軽く拭いてあげます。ちなみに食器類やトイレにも徐々に汚れが溜まっていくので、定期的に丸ごときれいに洗うようにしましょう。そして年1回は動物病院の健康診断を受けて、体の状態を検査して健やかな毎日を守ります。

うさぎの飼育に必要なもの

この章ではうさぎにとって適切な飼育環境にするために、あらかじめそろえておきたい用品をご紹介していきます。

ケージ

ケージはあまりに小さすぎても窮屈なので、うさぎの体格に合わせて、ゆとりのあるサイズを選ぶようにしましょう。目安としては、幅60cm・高さ50cm・奥行45cm以上で、基本的にうさぎ用として市販されているケージなら特に問題はありません。またケージは、常に人がいるリビングに置くと、コミュニケーションが取りやすくておすすめです。ケージはうさぎがもっとも長い時間を過ごすおうちなので、落ち着いて過ごせる場所にするのがベスト。出入り口・窓・家電類の付近は避けて、さらに誤飲を防ぐために植物や紙類が近い場所以外に設置するようにしましょう。

食器・エサ

食器は食べる時にひっくり返らないようケージに固定できるタイプで、うさぎがかじりにくい陶器や金属類だと長持ちします。またうさぎはペレット以外に、チモシー(牧草)を1日中自由に食べます。そのため食器はペレット用とチモシー用の2つ用意しておきましょう。主食は、今までにも出てきているペレットとチモシーです。チモシーをかじることで、歯の伸びすぎ防止にもなるので、必ず常備しておきます。緑黄色野菜・果物・おやつなども食べますが、あくまでおやつと考えて問題ありません。また、与え過ぎは肥満につながることもあるので、ブラッシングや爪切りなどのごぼうびとしてあげる程度に準備しておけばOKです。

給水器

うさぎにとって十分な水分補給は必要ですが、水に濡れるのはNGなので、こぼれないボトルタイプにします。ケージに固定できる、うさぎ専用の飲みやすい給水器も市販されていておすすめです。

トイレ・トイレ砂

うさぎは、基本的に毎回同じ場所で排せつすることが多いので、トイレは必需品です。ケージのなかに設置するため、ケージのサイズに合わせて、コーナーに置ける三角や四角などの形状を選んでいきましょう。またトイレは、背や両脇に高めの枠があるタイプだと、飛び散りが防げて衛生的です。さらに前述にもあるように、トイレと併せてトイレ砂を準備しておくと、消臭ができて清潔に保てます。

ペットシーツ

特にうさぎのおしっこは、アンモニア臭が強いといわれていて、トイレに使うペットシーツはうさぎ専用の種類を選ぶのがおすすめです。うさぎ専用のペットシーツなら、しっかりと消臭効果もあり、におい対策に便利です。

かじり木

うさぎの歯は、かじって削らないと一生伸び続けます。そこで伸びすぎ防止対策として、かじり木も用意してケージに置いておきます。いたずらを防いだり、ストレス解消ができたりなどの効果もあるので、あらかじめ準備しておきましょう。天然木かつケージに固定できるタイプだと安全です。

ブラシ

うさぎの毛は季節ごとに換毛するので、お手入れ用品のブラシも用意しておきましょう。うさぎの品種によって、適したブラシの種類も変わってくるので、購入先のスタッフに相談して選んでみるのがおすすめです。

うさぎを飼うのに必要な費用

ではうさぎの飼育の際に、どれくらいのコストがかかるのか、以下から具体的に解説していきます。

初期費用

  • 生体価格:5,000円~10万円前後
  • ケージ:1万円~1万5,000円前後
  • 食器(ペレット+チモシー):1,500円~3,000円前後
  • 給水器:1,000円~2,000円前後
  • トイレ:1,000円~2,000円前後
  • かじり木:500円~2,000円前後
  • ブラシ:500円~2,000円前後

上記の初期費用の下限額から見てみると、うさぎをお迎えするには少なくとも1万9,500円は必要になる計算です。特に生体価格は品種などによる金額差が大きいので、珍しいうさぎだと10万円になることも。主に生体価格の違いで、必要な費用は大きく変わってきますが、大まかな初期費用の目安は2万円~3万円が相場です。

病院の検診や治療代

  • 初診料:1,000円~2,000円前後
  • 爪切り・歯削り・耳掃除:各500円前後
  • 一般診察料:1,000円~2,000円前後
  • 健康診断:1,000円~1万5,000円前後(検査項目による)
  • 検査料:1,000円~2万円前後(検査項目による)
  • 治療費:1万円~15万円前後(疾病による)

年1回の健康診断は、簡単な身体検査だけであれば1,000円程度で終わりますが、例えば血液検査など詳細に調べる場合には1万円ほどかかるケースもあります。また体調不良で診察してもらい、仮にエコーやレントゲンなどをおこなった場合、診察料に加えて各検査料も加わるので要注意。手術や治療をしなくても、検査料だけでまとまった費用になるケースは珍しくありません。また重篤な病気になった場合、上記にあるように、かなり高額な医療費が必要になる可能性もあります。いざという時のためにも、きちんと医療費を確保しておくことも需要です。

月々かかる費用

  • ペレット:1,000円~2,000円前後(1パック)
  • チモシー(牧草):500円~2,000円前後(1パック)
  • トイレ砂:1,000円前後(1袋/7リットル)
  • ペットシーツ:1,000円前後(1袋/20枚~40枚)

上記を合計すると3,500円~6,000円になりますが、すべて毎月消費するわけではないので、月々の費用は変動する可能性があります。大まかな目安として、少なくとも数千円はかかると想定しておくとよいでしょう。

うさぎを飼う時の注意点

うさぎを飼う場合には、住む場所の安全面や衛生面、しつけなどにもしっかりと配慮する必要があります。なかでも特に気を付けておきたい部分について見ていきましょう。

なんでもかじる

もちろん個体差もありますが、うさぎには本能的にかじる癖があります。ケージ内にいるうちなら、さほど問題はありませんが、「部屋んぽ」をさせる際には要注意。家具や小物など、何でもかじってしまいます。なかでも電気のコードは、うさぎがかじると火災や感電の原因になるため、配線モールなどのカバーをする・うさぎが届かない場所に片付けるなどの対策が欠かせません。その他にも、ひもや小さな雑貨などは、誤飲につながる可能性があります。うさぎが飲み込んでしまうと、吐き出したり排せつしたりができずに危険なので、誤飲しそうなものは出しておかないようにしましょう。

縄張り意識が強い

おしっこをしたり臭腺をこすりつけたり、自分のにおいによって縄張りを作ろうとする習性があります。先ほども出てきたように、特にうさぎのオスはおしっこでマーキングする癖が強いので、においが気になる場合には注意が必要。後述で詳しく解説しますが、きちんとトイレのしつけすることも大切です。

トイレを覚えさせる

うさぎは自分のにおいで縄張りを作るように、トイレも同じくにおいで覚えます。またうさぎには決まった場所で排せつする習性もあり、最初のうちは少し気になるかもしれませんが、おしっこやフンをしばらくトイレに置いておくと場所を記憶してくれます。ちなみにうさぎは、トイレの場所としてあまり人目に付かないところを好むので、壁際やケージの角に置いておくと効果的です。

薄明薄暮性(はくめいはくぼせい)である

うさぎは夜行性ではありませんが、少し薄暗い程度の時間帯に活動的になります。特に明け方や夕方になると元気で、昼間や夜は寝て過ごすのが一般的です。無理に起こそうとせずに、例えばうさぎと遊ぶ時間は夕方にしてあげるなど、うさぎの生態に合わせた生活リズムにするのがベストです。

直射日光を避ける

元々野生のうさぎは、アナウサギとも呼ばれるように、土のなかの巣穴で生息する動物です。直射日光は苦手なので、ケージの置き場所として、日差しが強く当たる窓際などは避けるようにしましょう。

シャンプーは避ける

うさぎは水に濡れるのが苦手で、場合によっては体調不良や皮膚炎を引き起こす可能性があります。うさぎにとってはシャンプーやお風呂そのものがストレスになってしまうので、普段のお手入れは基本的にブラッシングだけで問題ありません。うさぎは自分で毛づくろいをするため、普段から清潔に保たれています。どうしても汚れがひどい場合には、動物病院の医師に相談してみましょう。

噛み癖をつけない

うさぎは物覚えがよく、噛み癖が付いてしまうと、何でも噛んで自分の要求を通そうとします。噛む行為を主張として覚えさせないためには、もし噛まれても知らないふりをするのが鉄則。どうしても噛む癖がひどい時には、うさぎの足ダンのように、床を叩く音を鳴らして注意するようにしましょう。

うさぎの飼育に関するよくある質問

ではうさぎを飼う場合に、気になりやすい疑問や不安をいくつか挙げて回答していきます。

ペット不可の物件でもうさぎを飼うことはできる?

基本的にはうさぎだけでなく、ペット不可の物件では動物は飼えません。ただし例外的に、貸主(不動産会社・物件オーナー)に交渉や相談をすれば、飼育できる可能性はあります。またペット可の物件でも、生き物を飼う場合には貸主への報告義務があり、敷金が追加になるケースも。いずれにしても、賃貸物件において無断でペットは飼えない点は覚えておきましょう。もし報告せずに飼いはじめたとして、バレたら契約違反で強制退去になったり、ペットを手放さなければならなくなったりすることもあります。悲しい思いをしないためにも、あらかじめうさぎを飼育する旨は必ず伝えるようにしましょう。

うさぎを残して留守にしても大丈夫?

うさぎは日中に寝て静かに過ごすため、仕事などで昼間に家を空ける分には、むしろ好都合です。ただし丸1日や1泊など、長時間のお留守番では、水・牧草・エサがなくならないように対策をしておく必要があります。自動給餌や給水ができるアイテムにしておくのが便利ですが、旅行や出張などで何日も家に帰れないケースでは、ペットホテルや知人に預けることを検討しておきましょう。また気温の厳しい夏や冬は、室温(18度~24度)を一定に維持できるように管理するのも欠かせません。

うさぎに散歩は必要?

毎日の室内での運動(部屋んぽ)は必要ですが、外での散歩はしなくてもOKです。場合によっては、屋外の環境を怖がるなど、散歩を嫌がったりストレスになったりするケースも。もちろん散歩をよろこぶ子なら問題ありませんが、無理に外に出さなくても健康に生活できます。もし散歩をするなら、ハーネスとリードに慣れさせておくなど、脱走対策は必須。また危険回避のため、カラスや犬といった他の動物とは接触させない・草むらは避ける(ダニやノミ対策)・目を離さずに誤飲誤食に注意するなど、徹底した安全管理が不可欠です。

うさぎの多頭飼いはできる?

うさぎは自分のテリトリーを強く意識する動物なので、基本的に多頭飼いは難しいといわれています。多頭飼いするにしても、ケージはもちろん1羽につき1つは必要ですし、相性が悪いと一緒に部屋んぽをしたり遊んだりはできません。特にオス同士は、縄張りの取り合いで致命的なケンカをする可能性があります。うさぎの多頭飼いは絶対にできないわけではありませんが、簡単にはできないものと考えておきましょう。

うさぎを飼うための物件探しのポイント

うさぎにとって安全かつ心地よく住める居場所を確保してあげるために、物件を選ぶ際に大切なチェックポイントをご紹介します。

ペット可(相談可)物件である

ペット可の物件なのは大前提として、うさぎの飼育が可能であるかの確認も重要です。物件によっては、飼える動物の種類を限定していることもあるため、事前にうさぎも許可されているか聞いてみましょう。

防音性の高い物件にする

うさぎは通常なら大きな声は出しませんが、足を踏み鳴らして何かをアピールしたり、部屋を走り回ったりします。足音が響く可能性があるので、壁が薄いなどの遮音性に欠けると、騒音トラブルになるケースも考えられるでしょう。特に下の階があると足音が響きやすいため、フローリングにフロアマットを敷いておくなどの対策もしておくと防音もできますし、うさぎのケガ予防にもつながります。

飼育する部屋にエアコンが付いている

うさぎは体温調節が得意ではないため、エアコンなどの空調設備で、常に過ごしやすい室温に保つことも大切です。また湿気も苦手なので、温度も湿度もともに調整できる環境がベスト。ちなみにうさぎにとって快適なのは、室温が18度~24度、湿度は40%~60%。温湿度計を置いておき、空調でしっかりとコントロールしてあげるようにします。

近隣にうさぎが受診可能な動物病院がある

動物病院といっても、どのような生き物でも診療できるわけではありません。犬や猫を診てくれる動物病院は多くありますが、うさぎには対応していないこともあります。いざという時にすぐ受診できるように、あらかじめうさぎも診療できる動物病院が近くにあるか、事前に確認することも大切。体調を崩してから探すのでは遅い場合もあるため、きちんと頼れる動物病院があるかチェックしておきましょう。

まとめ

うさぎはチャーミングな見た目の魅力だけでなく、頭がよくて記憶力もあり、毎日のこまめなお世話によって深い絆もできるペットです。家族としての関係性もしっかりと築けて、大人しいながら愛情をたっぷりと示してくれます。とはいえ小さな動物ですから、栄養・体調・衛生上の管理は欠かせないもの。できるだけ長い時間を一緒に過ごすためにも、適切な飼育環境を整えることが大切です。ぜひお部屋探しの段階から、うさぎにぴったりの物件を検討してみてください。

執筆者

たけなつ

2019年よりフリーで活動しているWebライター。
広告会社でのコピーライターを経て、現在は幅広いジャンルのコラム記事などを執筆。
愛知・東京・北海道と各地を渡り歩き、19歳からの10年で7回引越しを繰り返す好奇心旺盛人。

関連する記事を見る
近年、ペットブームがさらに盛り上がりを見せ、ペットとの生活を考える人が増えているようです。そんななか、初心者でも飼いやすいペットとして今も昔も人気なのがハムスター。この記事ではハムスターの種類や特徴、飼育上の注意点、飼育するための費用、賃貸で飼うことができるかなどご紹介します。
一人暮らしだけどペットを飼ってみたいと考えている方も多いのではないでしょうか? 本記事では、一人暮らしや賃貸物件でも飼いやすいペットについて解説していきます。定番の犬や猫だけではなく、ペットとして飼いやすい小動物について紹介していきます。
不動産お役立ち記事・ツールTOPへ戻る