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サルをペットとして飼うには?おすすめの種類や飼う時のポイント・注意点を解説

サルは人懐っこくて知能も高いため、ペットとして飼ってみたいと考える方もいるのではないでしょうか。しかし、飼育には専門的な知識や十分な設備が必要です。また、サルの種類によっては、法律で飼育が制限されていたり、飼える環境が限られていたりすることもあります。

この記事では、ペットとして人気のあるサルの種類や特徴、飼う際に準備すべきもの、さらに費用や物件選びのポイントを解説します。サルを家族に迎える前に、ぜひ参考にしてください。

サルの特徴とは?

サルはどのような特徴をもつ動物なのでしょうか
サルはどのような特徴をもつ動物なのでしょうか

サルは、人間に近い知能をもつ動物で、多様な習性や個性がみられるでしょう。ここでは、サルがどのような動物なのか主な特徴を解説します。

昼行性

サルは基本的に昼行性で、日中に活発に行動します。特に、気温が安定して過ごしやすい朝や夕方に盛んで、食べ物を探したり仲間と交流したりします。一方、夜は高い樹上で身を守りながら休息をとります。

雑食

サルは雑食性の動物で、果物や野菜、葉や花、昆虫や小動物まで幅広くエサとします。ただし、サルの種類によって食性は異なります。たとえば、リスザルは昆虫やカエルを食べる一方で、ニホンザルは樹皮や土まで摂取します。飼育下では、フルーツばかり与えると栄養不足や病気を招くため、本来の食性を理解し、バランスのとれた食事の用意が不可欠です。

寒さに弱い

寒さに弱い性質をもつサルは、25~30度前後を心地よく感じ、野生では、熱帯雨林など温暖な地域に多くみられます。なかには雪国や山岳地帯で暮らす種類もいますが、体温調節能力は低く、気温が下がると体調を崩しやすいのが特徴です。

運動能力が高い

運動能力に優れたサルは、野生では木々を駆け回り、飛び移りながら日常に多くの運動をこなします。飼育下でも、この習慣を満たす環境が必要です。高さのあるケージや止まり木、登り棒、ロープなどを設置して、自由に動けるスペースの確保が大切。種類によって必要な広さは異なりますが、最低でも数畳以上を目安にして、十分な運動量を確保できる環境づくりを心がけましょう。

高いところで生活する

多くのサルは高い場所を好み、樹上で生活する習性があります。木登りに適した鋭い爪や器用な手足を使い、枝から枝へと飛び移りながら行動します。そのため、飼育環境では地面だけでなく、高さを意識したスペースづくりが欠かせません。最低でも1m以上のケージを用意し、止まり木やロープを設置することで、自然に近い行動を再現できます。上下の動きの確保が、健康維持にもつながるでしょう。

記憶力がいい

サルは学習能力が高く、記憶力のよさが際立つ動物です。野生では、食べ物の場所や安全なルートを覚え、仲間との複雑な社会関係も記憶しています。また、人間のしぐさや行動を観察して学び、真似することも得意です。そのため、訓練やしつけには理解力を発揮しますが、その分いたずらも覚えやすいので注意が必要です。

好き嫌いがはっきりしやすい

感情表現が豊かなサルは、人間のように好き嫌いがはっきりしています。気に入った相手や物には積極的に近づきますが、嫌なことには強く反応します。特にニホンザルは多彩な表情をもち、18種類もの顔つきで感情を表すといわれています。このような性質から、サルは人間にもっとも近い野生動物ともいわれ、観察するだけでも個性の豊かさを感じとれます。

群れで生活をする

社会性の高いサルは、本来群れで生活をしています。仲間同士で毛づくろいや、遊びを通じて絆を深めます。野生では、家族単位で子育てをおこない、役割分担をしながら暮らす姿もみられます。こうした群れのつながりは、サルにとって安心感や健康を保つうえでも欠かせません。しかし、人間との飼育環境では、その欲求を十分に満たすことがむずかしく、孤独やストレスから問題行動につながる場合もあります。

サルはペットとして飼える?

サルを飼うことはできますが注意したいことがあります
サルを飼うことはできますが注意したいことがあります

サルをペットとして飼うことは可能ですが、サルの種類や国の規制によって大きく制限されています。日本では、ニホンザルやスローロリスなど一部は「特定動物」に指定されており、自治体の許可がなければ飼育できません。許可を得るためには、安全性を確保した飼育環境の整備や申請手続きが必要です。

ペットとしてのサルの輸入は違法

日本では感染症法に基づき、2005年7月1日からペット目的でのサルの輸入が全面的に禁止されました。背景には、エボラ出血熱やマールブルグ病といった海外特有の人獣共通感染症が、日本に持ち込まれるリスクを防ぐためです。そのため、国内で飼えるサルは2005年以前から飼育されている個体か、国内で繁殖されたサルに限られます。

また、多くの種類は「特定動物」に指定されており、飼育には環境省の許可や厳格な施設基準があります。違法輸入や無許可飼育は処罰の対象となるため、飼育を考える際には法令の確認が不可欠です。

ペットとしておすすめのサルの種類は?

ペットとして飼えるサルにはいくつかの種類があり、大きさや性格、寿命などに違いがみられます。以下で、代表的な種類ごとの特徴や飼育のポイントを紹介します。

リスザル

小型でペットとしても人気が高いリスザル
小型でペットとしても人気が高いリスザル

リスザルは中南米に生息する小型のサルで、ペットとして人気の高い種類です。体長は25〜37cm、体重は0.5〜1.1kgほどで、つぶらな瞳と愛らしい姿が魅力です。性格は好奇心旺盛で活発で知能も高いため、簡単な芸を覚えられます。ただし、退屈するとストレスを感じやすく、十分な運動スペースや遊び道具が欠かせません。また、寒さに弱く25~30度の快適環境を保つ必要があるため、ヒーターや紫外線ライトの設置が必要です。

体長・体重 体長:約25〜37cm/体重:0.5〜1.1kg
寿命 約15〜20年
性格 好奇心旺盛・活発・やや気分屋
エサの種類 モンキーフード・果物・野菜・昆虫など
適した環境 広い運動スペース/紫外線ライト/温度25〜30度
注意点 寒さに弱く温度管理必須/退屈によるストレス
値段 約40万〜60万円

スローロリス

大きな瞳が印象的なスローロリス
大きな瞳が印象的なスローロリス

スローロリスはクリクリした大きな瞳が特徴の、熱帯雨林に生息する夜行性の小型サルです。普段はゆっくりとした動きで枝にしがみついて過ごし、果物や昆虫などを食べます。臆病でストレスに弱く、飼育下では寿命が短くなることがあるため注意が必要です。さらに、唾液と分泌液を混ぜることで、毒をつくり出す特殊な特徴があります。人によっては、アレルギー反応を引き起こす場合もあるので注意してください。
2005年からは日本への輸入が禁止されており、国内で飼うには環境省の「登録票」が必須です。

体長・体重 体長:約20〜30cm/体重:約480〜600g
寿命 約10年(野生では15年ほど)
性格 臆病・ストレスに弱い・デリケート
エサの種類 モンキーフード・果物・野菜・昆虫・樹液
適した環境 夜行性に配慮した静かな環境/日中は暗くして休める場所
注意点 寒さに弱い/ストレスにより病気を発症しやすい/毒性あり
値段 約20万〜100万円(流通数が少なく高額)

ピグミーマーモセット

成体でも手乗りサイズのピグミーマーモセット
成体でも手乗りサイズのピグミーマーモセット

ピグミーマーモセットは、南米の熱帯雨林に生息する世界最小クラスのサルです。体長はわずか11〜17cm、体重も100〜160g程度しかありません。小さな体と愛らしい顔立ちが人気ですが、警戒心が強く、慣れるまでに時間がかかります。知能が高いため、幼い頃から適切なしつけが必要です。
寒さに弱く、常に25度前後の温度調節と湿度調整が欠かせません。また、ビタミンD不足を防ぐために紫外線ライトを設置するなど、健康維持の工夫も重要です。希少種なので、流通価値は高めに設定されています。

体長・体重 体長:約11〜17cm/体重:約100〜160g
寿命 約12年
性格 警戒心が強い・賢い・慣れると甘える
エサの種類 モンキーフード・果物・野菜・樹液
適した環境 紫外線ライト設置/25度前後・湿度50%の安定環境/高さのあるケージ
注意点 寒さに弱い/ストレスに敏感/ビタミンD不足に注意
値段 約50万〜100万円(希少種のため高額)

コモンマーモセット

白い扇状の毛並みが目を引くコモンマーモセット
白い扇状の毛並みが目を引くコモンマーモセット

コモンマーモセットは、耳の周りに扇状に広がる白い毛が特徴的な小型のサルです。原産地はブラジルの一部地域で、現在では、人間の手によって広まり世界各地でみられるようになりました。温和な性格をもつ一方で、臆病で警戒心が強いため、静かで安心できる環境づくりが欠かせません。
また、鳴き声が非常に大きく、排泄物に特有の「マーモ臭」と呼ばれる臭いがあります。寿命は10~16年ほどで、家族単位で子育てをおこなう社会性の高さも特徴です。

体長・体重 体長:約16〜21cm/体重:約230〜400g
寿命 約10〜16年
性格 温和だが臆病・警戒心が強い
エサの種類 モンキーフード・果物・野菜・樹液
適した環境 紫外線ライト設置/静かでストレスの少ない環境/多頭飼育が理想
注意点 鳴き声が大きい/排泄物の臭い(マーモ臭)/寒さに弱い
値段 約40万〜70万円(性別や年齢で変動)

ニホンザル

日本の固有種で全国に広く生息するニホンザル
日本の固有種で全国に広く生息するニホンザル

ニホンザルは日本固有の霊長類で、東北から九州まで幅広く分布しています。寒冷地の個体ほど体が大きく毛も密で、環境に応じた進化を遂げています。社会性が非常に高く、数十頭規模の群れで暮らし、複雑な社会関係を築きます。感情表現が豊かで知能も高い一方、攻撃性が強く、飼育難易度は非常に高い動物です。価格は30~60万円ほどで、特定動物のため許可なく飼育することは法律で制限されています。

体長・体重 体長:約47〜60cm/体重:オス6〜18kg、メス6〜14kg
寿命 野生:約20〜25年/飼育下:約30年
性格 感情表現が豊か・社会性が高い・攻撃的な一面あり
エサの種類 果実・葉・花・種子・キノコ・昆虫・海藻など
適した環境 群れで生活できる広い環境/寒冷地にも適応可能
注意点 力が強く危険/農作物被害や人への飛びつきなど問題行動あり/飼育には許可が必要
値段 約30万〜60万円(流通数は少ない)

フサオマキザル

サルのなかでも賢く、介護補助でも活躍するフサオマキザル
サルのなかでも賢く、介護補助でも活躍するフサオマキザル

フサオマキザルは南アメリカの熱帯雨林に生息する中型のサルで、淡褐色から黒褐色の毛並みが特徴です。体長は約50cm、体重は約4kgで、寿命は30年以上と長寿。知能が非常に高く、道具を使う能力や問題解決力に優れており、サルのなかで特に賢い種類といわれています。そのため、介護補助の「介助猿」として訓練されることもあります。

体長・体重 体長:約40〜50cm/体重:約3〜4.5kg
寿命 約30年以上
性格 賢い・活発・社交的だが力が強い
エサの種類 果物・野菜・ナッツ・昆虫・モンキーフード
適した環境 広い運動スペース/高さのあるケージ/知的刺激を与えられる環境
注意点 力が強く噛みつく可能性あり/ストレスによる問題行動/十分な刺激が必要
値段 約40万〜80万円

ショウカラゴ

小型でジャンプ力に優れたショウカラゴ
小型でジャンプ力に優れたショウカラゴ

ショウガラゴはアフリカに生息する小型の霊長類で、大きな瞳と耳が特徴です。別名「ブッシュベイビー」と呼ばれ、夜行性のため昼間は木の穴で眠り、夜になると活発に動き回ります。体長は13〜20cm、体重は90〜300gと小柄ながら、2〜3mのジャンプ力をもつ驚異的な運動能力があります。寂しがり屋で甘えん坊な性格も魅力ですが、警戒心が強いため心を開くまでに時間がかかるでしょう。国内では輸入禁止のため流通は少なく、価格は90〜160万円と高額です。

体長・体重 体長:約13〜20cm/体重:約90〜300g
寿命 野生:約3〜4年/飼育下:約10年
性格 警戒心が強いが慣れると甘えん坊・寂しがり屋
エサの種類 モンキーフード・果物・昆虫・卵・ハチミツ入り食パンなど
適した環境 夜行性に配慮した静かな環境/日中は暗くして休める場所/室温26〜28度・湿度60%/広めのケージ
注意点 臆病で大きな音に弱い/輸入禁止で入手困難/高額
値段 約90万〜160万円(国内繁殖個体のみ流通)

サルはどこで買える?

サルを迎える方法は?
サルを迎える方法は?

サルをペットとして飼う場合、一般的なペットショップではほとんど取り扱いがありません。エキゾチックアニマル専門のペットショップや、信頼できるブリーダーからの購入が主流です。国内で繁殖された個体を扱うブリーダーは、健康状態や飼育履歴を詳しく説明してくれることが多いので安心でしょう。
また、サルの多くは「特定動物」に指定されており、飼育には自治体の許可や登録票が必要です。違法な輸入個体も存在するので、必ず正規ルートから購入し、輸入前には飼育環境や必要な手続きの確認が重要です。

サルを飼う時に必要なものは?

サルを飼うための環境を整えましょう
サルを飼うための環境を整えましょう

サルを安全にかつ健康に飼育するためには、食事や水を与える基本用品だけでなく、運動や紫外線、温度管理まで配慮した設備が必要です。ここで、サルを飼う時に必要なものを紹介します。

エサ・エサ入れ

サル専用のモンキーフードや果物、野菜をバランスよく与えます。専用フードは月5,000~1万円程度が目安。清潔に保てるエサ入れを複数用意し、常に洗浄することが求められます。

水入れ

常に新鮮な水を与えるため、犬猫用の給水器やボトル型が便利です。数千円程度で購入でき、サルは遊びで水をこぼすこともあるので、転倒しにくい安定したタイプを選びましょう。

高さのある大きいゲージ

サルは運動量が多いため、高さのある大型のケージが必要です。最低でも数万円~20万円程度を見込んで準備します。止まり木や遊具を設置し、上下運動ができる空間づくりが大切です。

紫外線ライト

ビタミンD不足防止のため、爬虫類用の紫外線ライトを設置します。3,000~1万円程度で購入でき、自然光が不足しがちな室内飼育では必須アイテムです。

止まり木

木登りを好むサルのために、ケージ内に複数の止まり木を設置します。1本あたり1,000~3,000円程度。天然木を使用すると安心で、ジャンプや運動不足の解消にもつながります。

寝具

布製のハンモックや毛布など、安心して眠れる寝具を用意します。2,000~5,000円程度で購入可能。サルは寒さに弱いため、保温性のある素材を選ぶとより快適に過ごせます。

トイレ

サルは、決まった場所で排泄する習性がないためトイレトレーニングは困難です。簡易トイレを用意しつつ、ケージ周辺にペットシートを敷くとよいでしょう。月1,000〜3,000円程度の費用がかかります。

エアコン・ヒーター

サルは寒さに弱く、室温は25〜30度を保つ必要があります。エアコンやペット用ヒーターが必須で、導入費用は数万円から。電気代も月数千円かかることも想定しましょう。

リード

屋内外での散歩や運動時には、リードやハーネスの使用がおすすめです。価格は2,000〜5,000円程度。サルは力が強いので、脱走防止機能がある専用タイプの選択が重要です。

ケア用品

シャンプーやブラシ、爪切りなどのケア用品を揃えます。5,000円前後で基本セットが準備できます。サルのケアはむずかしいので、ブリーダーからアドバイスを受けて使用するとよいでしょう。

掃除道具

サルは食べ散らかしや排泄により汚れやすいため、消臭スプレーやペット用掃除機、ウェットシートを常備します。初期費用は5,000〜1万円程度で、日々の掃除が健康管理につながります。

サルを飼うための費用は?

サルを飼うのに必要な生涯費用は数百万円にものぼります
サルを飼うのに必要な生涯費用は数百万円にものぼります

サルを飼う際には、生体代に加えて飼育環境を整えるための初期費用や、日々の維持費がかかります。価格は種類によって異なり、リスザルやコモンマーモセットなどは30~60万円、スローロリスなどの希少種は100万円を超えることも。さらに、ケージ、紫外線ライト、ヒーターなどで5~10万円程度の初期費用が必要です。
毎月の食事や電気代、消耗品は1~2万円、年間では10~25万円ほどのランニングコストがかかります。寿命が10~30年の種類も多いため、サルの飼育に必要な生涯費用は、数百万円規模となるでしょう。

サルを飼う時の注意点は?

サルを飼うのには他のペット以上に気を付けなければならない点が多いです
サルを飼うのには他のペット以上に気を付けなければならない点が多いです

サルは知能が高く魅力的な動物ですが、飼育において多くの制約があります。以下で、サルを飼う時の注意点を確認しておきましょう。

種類によっては国の許可が必要な場合もある

サルのなかには「特定動物」に指定されている種類があり、飼育には自治体からの許可が必要です。スローロリスやニホンザルなどが該当し、合法的に入手された個体でなければ飼えません。許可不要な種類でも、地域独自の規制があるので事実確認が必要です。

人獣共通感染症がある

サルは人間と同じ霊長類で、風邪やインフルエンザなどの感染症が相互にうつる可能性があります。飼主、サルのどちらかが体調を崩した際は、距離を置いたりマスクを着用したりといった予防が必要です。サルの健康チェックを忘れずに、異常があれば早めに専門医に相談しましょう。

対応している動物病院が限られている

サルは犬と猫のように、どこの動物病院でも診てもらえるわけではありません。人獣共通感染症のリスクや専門知識の必要性から、診察可能な病院は全国的にも限られています。緊急時にすぐ診察できない可能性が高いため、サルを診察できる病院を必ず確認しておきましょう。場合によっては引越しの検討が必要になり、長期的な健康管理体制を整えてから飼うことが求められます。

ペット可物件でも飼えない可能性がある

賃貸物件の「ペット可」は犬や猫など一般的なペットショップで流通している動物を想定していることが多く、サルは対象外の場合があります。鳴き声や臭い、力の強さからトラブルに発展する恐れもあるため、契約前には管理会社に確認しましょう。

個人飼育のための情報が少ない

サルの飼育については研究や事例が限られており、犬や猫に比べると情報が圧倒的に少ないのが現状です。飼主自身が専門書や信頼できる機関から学ぶ必要があります。
サルにも、人間の子どもと同じように反抗期があります。特に、離乳期には「拗ねる」「泣きわめく」などの行動がみられます。飼育下でのこのような反抗期は、無理に抑え込まず見守る姿勢が大切です。

ペット不可物件でもサルは飼える?

ペット不可物件でサルを飼うのはおすすめしません
ペット不可物件でサルを飼うのはおすすめしません

ペット不可物件でサルを飼うことは、契約違反にあたります。鳴き声や臭い、力の強さなどが問題視されやすく、発覚した場合には強制退去を命じられるケースも少なくありません。特にサルは飼育の難易度が高いので、安心して暮らすためには「ペット可」「相談可」の物件を選びましょう。また先述したように、ペット可物件でもサルのような流通の少ないペットは想定されていないケースもあるため、不動産会社やオーナーへの事前の確認が大切です。

サルを飼う時の物件選びのポイント

サルと快適に暮らすための物件探しのポイントは?
サルと快適に暮らすための物件探しのポイントは?

サルを安全かつ快適に飼育するには、物件選びが非常に重要です。ペット可であることはもちろん、広さや防音性、サルを診察できる動物病院へのアクセスなどの事前確認が欠かせません。ここでは、サルを飼う時の物件選びのポイントを解説します。

ペット可(相談可)物件である

サルは、犬や猫以上に特殊な飼育環境が必要です。物件契約においては、「ペット可」や「相談可」と明記された住まいを選びましょう。契約違反によるトラブルを避け、安心して飼育できる環境整備が大切です。

広めの物件である

活発で運動量の多いサルを飼うには、十分な広さが求められます。ケージや遊び道具を置くスペースを確保し、のびのびと動ける環境を整えましょう。

防音性の高い物件である

鳴き声や物音によるトラブルを防ぐには、防音性の高い物件が適しています。鉄筋コンクリートや二重窓のある住まいなら、近隣への配慮もしやすくて安心です。

近隣にサルに対応している動物病院がある

万が一の体調不良やケガに備えて、近隣にサルの診察が可能な動物病院の有無を確認しましょう。対応している獣医師は少ないので、事前のリサーチが欠かせません。

飼育する部屋にエアコンがついている

温度管理がむずかしい物件では、体調を崩すリスクが高まります。エアコン付きの部屋であれば、夏冬を問わず25〜30度前後の環境を維持でき、安心して飼育できるでしょう。

まとめ

サルは人懐っこさや高い知能で魅力的な動物ですが、飼育には犬や猫以上の知識、設備、責任が求められます。種類によっては法的な許可が必要で、診療可能な病院や物件の条件など制約も多くあります。また、生体代や維持費も高額であり、サルの飼育費用として生涯で数百万円規模の出費を覚悟する必要があります。飼主自身の学習と十分な準備を整えてこそ、安全かつ快適にサルと暮らすことができるでしょう。

執筆者

西嶋治美

心理教育学科を卒業後、約10年間金融機関にて従事。2016年よりライター活動を開始。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦。

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