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ヒョウモントカゲモドキ(レオパ)の飼育方法や注意点

今まではペットといえば犬や猫、ハムスターなどの小動物が主流でしたが、昨今ではそれ以外の動物を飼う人も増えてきています。たとえば、狭いスペースでも飼育できるカエルやウーパールーパーなどの両生類、においが少なく騒音の心配もない、ヘビやトカゲなどの爬虫類も密かに人気です。
今回はそんな爬虫類のなかでも、かわいらしさと飼育のしやすさで人気のヒョウモントカゲモドキ(レオパ)についてご紹介します。

ヒョウモントカゲモドキ(レオパ)について

ヒョウモントカゲモドキは、ヤモリ科に属する爬虫類です。英名は「レオパードゲッコー」といい、通称「レオパ」と呼ばれています。
野生のレオパの生息地は、アフガニスタン・パキスタンなど中東の岩と砂だらけの砂漠地帯。一年を通して平均気温は約20度以上あり、最低気温が10度を下回ることはほぼありません。雨はほとんど降らないのですが、夏は高温多湿。夜になって温度が下がると行動を始める夜行性の生き物です。

  • 種類:爬虫類(ヤモリ科)
  • 和名:ヒョウモントカゲモドキ
  • 英名:leopard gecko(レオパードゲッコー)
  • 分布:アフガニスタン、インド、パキスタン、イランなど
  • 大きさ(全長):オス13~16cmほど、メス11~13cmほど
  • 寿命:約10年~20年
  • 値段:1万円前後

レオパの名前の由来

レオパの和名「ヒョウモントカゲモドキ」のヒョウモンは、漢字で「豹紋」と書きます。野生のレオパは体に豹のような黒い斑点があるため、このような名前が付けられました。モドキを漢字で書くと「擬き」。名詞のあとについて、“似て非なるもの”という意味になります。ヒョウモントカゲモドキはヤモリ科のため「体が豹柄で、トカゲに似ているけれどもトカゲではない生き物」というのが名前の由来です。

ちなみに、ヤモリは夜行性なのに対してトカゲは昼行性。ヤモリは壁を登れますが、トカゲは登れません。
レオパの英名「レオパードゲッコー」のレオパードは豹柄のこと。gecko(ゲッコー)はヤモリの意味で、こちらはシンプルに「豹柄のヤモリ」と名付けられています。

レオパの特徴や性格

ぷくっとしたしっぽ、ゆったりした動き、ときおり見せるまばたきが愛くるしいレオパは丈夫で飼いやすく、爬虫類初心者にもおすすめの品種です。においもなく、鳴き声もほとんどしないので、その点でも飼いやすいペットといえるでしょう。
レオパは爬虫類には珍しく、手のひらに乗せて触れ合うことができます。ただし、決して触られることを好んでいるわけではありません。そのため、触れ合いの時間は最小限に、夜間レオパが行動する時間に合わせておこないましょう。

レオパのメスとオスの見分け方

オスは、前肛腔から出る液を石などにこすりつけて縄張りを主張します
オスは、前肛腔から出る液を石などにこすりつけて縄張りを主張します

レオパのメスとオスの違いは、体を裏返して足としっぽの境目あたりをチェックしましょう。オスならしっぽの付け根あたりが丸く膨らみ、ギザギザの鱗が現れます。メスは、しっぽの付け根から後ろ足の裏にかけて平らです。生まれてから6カ月ほどで、オスメスの判別ができるようになります。

レオパの人気の品種(モルフ)は?

野生種は豹柄のレオパですが、選別交配や突然変異などにより、さまざまな種類が生み出されています。体色、柄、大きさなどの特徴的な形質を持った個体の表現をモルフといいます。ここでは、人気の品種(モルフ)をご紹介しましょう。
モルフの価格は、個体のグレードや通流状況によって変動するため参考程度としてお考えください。

ハイイエロー

流通量が多いため比較的安価で購入できます
流通量が多いため比較的安価で購入できます(出典:ペットの専門店 コジマ

ハイイエローは、レオパのなかでも有名な品種です。黄色の強い個体同士を交配させて、レオパ初のモルフとして1970年代に誕生しました。ベビーの時期は黄色い体に黒いバンド模様があり、成長するとバンド部分がなくなって黒い斑模様が出てきます。レオパのなかでは、比較的丈夫なモルフといわれています。
個体によって金額は異なりますが、一般的に5,000円~1万円ほどで販売されていることが多いようです。

タンジェリン

オレンジ色から赤に近い色まで個体によって色も模様もさまざま(写真はハイポタンジェリン)
オレンジ色から赤に近い色まで個体によって色も模様もさまざま(写真はハイポタンジェリン)(出典:ペットの専門店 コジマ

果物のマンダリンオレンジの一種に、タンジェリンという品種があります。レオパのタンジェリンは、まさに体色が鮮やかなオレンジ色。ハイイエローのなかでも、オレンジ色の色みが強い個体同士をかけ合わせて誕生した品種です。人気が高く、ペットショップでも見かけることが多くなっています。個体によって金額は異なりますが、一般的に1万円~3万円ほどで販売されていることが多いようです。

マックスノー

ベビー時はピンクがかっていますが、成長過程で白くなっていきます(写真はスーパーマックスノー)
ベビー時はピンクがかっていますが、成長過程で白くなっていきます(写真はスーパーマックスノー)(出典:ペットの専門店コジマ

マックスノーは、スノー系モルフの一種です。アメリカ在住のブリーダーJohn Mack氏により作出されたことから、マックスノーと呼ばれるようになりました。成長すると少し黄色みがかってきますが、同じスノー系の品種で、スーパーマックスノーになると黄色みがあまりでてきません。個体によって金額は異なりますが、一般的に1.5万円~3万円ほどで販売されていることが多いようです。

アルビノ

視力が弱いため「紫外線を避ける」「活き餌が食べづらい」などの注意が必要です
視力が弱いため「紫外線を避ける」「活き餌が食べづらい」などの注意が必要です(出典:ペットの専門店 コジマ

アルビノは、先天的にメラニンが欠乏している個体をいいます。アルビノのレオパは、色素が薄くなることで通常は黒い斑模様が薄く、茶色っぽくなります。色素が薄いため、目が赤色なのも特徴です。アルビノは視力が低い個体が多いため、動き回る生き餌よりも人工フードのほうが食べやすいようです。
個体によって金額は異なりますが、一般的に1万円~3万円ほどで販売されていることが多いようです。

ブリザード

ブリザードの特徴として、目の上が透けてやや青みがあります。1.5万円~3万円ほどで購入できます
ブリザードの特徴として、目の上が透けてやや青みがあります(出典:ペットの専門店 コジマ

ブリザードは生まれた時から黒い斑模様がほぼない、リューシスティック系のモルフの一種です。成長するにつれて体全体が白くなります。ブリザードよりもさらに白くなる、ブレイジングブリザードという種類もいます。個体によって金額は異なりますが、一般的に1.5~3万円で購入できるようです。

レオパの飼育に必要なものは?

レオパが病気になる原因は、ほとんどが飼育環境によるもの。きちんと環境を整えてお迎えしましょう。

ケージ(飼育ケース)

オールクリアケースだと、レオパのようすがよくわかります。
オールクリアケースだと、レオパのようすがよくわかります(出典:ペットの専門店 コジマ 「レプティギア365」)

飼育ケースは爬虫類用ケージのなかから、レオパに適したサイズのものを選びましょう。成長しても15cm程度なので、幅・奥行き25~30cmほどのものが人気です。
ケージ内に2個シェルターを置いたり、流木を置いたり、レイアウトしたい場合は幅60cmほどあるものがおすすめ。幅30cmサイズのケージの中心価格帯は4,000円〜8,000円程度で購入できます。レオパが外に出てきやすいように、前面ガラスが観音開きになっているものもあります。また、初心者向けにシェルターやエサ皿、温・湿度計、床材などがセットになって販売されているものもあります。

ヒーター

変温動物である爬虫類を育てるには必須となるヒーター
変温動物である爬虫類を育てるには必須となるヒーター(出典:ペットの専門店 コジマ 「レプタイルヒートS」)

レオパの飼育の一番のポイントは温度管理です。
24時間エアコンで温度管理をするのが望ましいのですが、現実的ではないので保温の補助としてヒーターを使います。ヒーターの使い方は、上から温める場合も下から温める場合も必ずケージの外から設置しましょう。

レオパは外部からの温度によって体温が変わる変温動物です。そのため、ケージ内に温度の低い場所(25度程度)と高い場所(30度程度)を作り体温調節ができる環境をつくることが重要となります。
ヒーターを下に置く場合は、ケージの底面より1/3程度のサイズを選んで、温度勾配をつけるとよいでしょう。
寒い冬はヒーターを置いていても、外気の温度によって適温にならない場合があります。日当たりのいい暖かい場所に置くなど、温度計を見ながら調整しましょう。ヒーターは5,000円前後で購入できます。

シェルター

上の窪みに水を入れることで湿度を保つことができます。ゴツゴツした表面は、脱皮サポートにも使えます
上の窪みに水を入れることで湿度を保つことができます。ゴツゴツした表面は、脱皮サポートにも使えます(出典:ペットの専門店 コジマ 「モイストロック170」)

野生のレオパは、日中岩陰や動物の巣穴に隠れて過ごします。そのため、ケージのなかにも隠れられる場所を作ってあげると、ストレスを感じずに安心して過ごせます。レオパ向けのシェルターと呼ばれる商品が販売されているので、ケージのなかに入れてあげましょう。
上に窪みがあり、そこに水を入れて湿度をあげるタイプのものもあります。2〜3個ほど交換用のシェルターを用意しておき、いつも清潔に保ちましょう。1,000円程度のものが人気です。

床材

飼育に慣れてきたら床材を変えてみましょう。排泄物のにおいを吸収してくれる素材がおすすめです
飼育に慣れてきたら床材を変えてみましょう。排泄物のにおいを吸収してくれる素材がおすすめです(出典:ペットの専門店 コジマ 「デザートソイル 2kg」)

砂を敷いたり流木を置いたりしておしゃれなケージにするのもいいですが、初心者ならキッチンペーパーを床材にするのがおすすめです。
床材を砂にした場合、生き餌や練りエサの食べこぼしと一緒に誤飲してしまったり、ミネラル不足から砂を食べてしまったりして、腸閉塞になったというケースもよくあるようです。そのため見た目のおしゃれさよりも、安心して飼育できて、汚れたらさっと取り替えできるキッチンペーパーがおすすめです。ただし、エサのにおいが染みついたキッチンペーパーを誤飲しないよう注意しましょう。

湿・温度計

脱皮時には一定の湿度がないと脱皮不全を起こしてしまうこともあるので、湿度の管理をしっかりしましょう
脱皮時には一定の湿度がないと脱皮不全を起こしてしまうこともあるので、湿度の管理をしっかりしましょう(出典:ペットの専門店 コジマ 「コードレスデジタル温湿度計」)

レオパが心地よく過ごせる適温は25〜30度。温度計を設置して温度管理しましょう。
私たち人間や犬、猫などの哺乳類は恒温動物といい、夏でも冬でも基礎体温は変わりません。しかし、爬虫類は変温動物のため、外気温から直接影響を受けます。外気温が高ければ体温が高く代謝が高まり、低くなると代謝が低くなります。代謝が低くなるとエサを食べなくなり、免疫力も低下します。適正な温度調整はレオパの飼育に一番大切なポイントなので、温度計を使ってしっかりと管理しましょう。

湿度は、およそ50%をキープするようにしましょう。湿度が不足すると脱皮不全を起こすので注意してください。日本の夏は高温多湿なので、そこまで心配はないかもしれませんが、冬にエアコンを使用すると室内が乾燥し湿度が下がります。湿度計を確認し、湿度が低いときは霧吹きや加湿器を使って調整しましょう。
価格は2,000円前後。設定した温度より下回ったり上回ったりすると、アラームでお知らせしてくれる機能付きのものもあります。

水入れ

視力が弱いレオパは、水入れに気づかないことも。その際には、床材に水皿を埋めるように設置するとよいでしょう
視力が弱いレオパは、水入れに気づかないことも。その際には、床材に水皿を埋めるように設置するとよいでしょう(出典:ペットの専門店 コジマ 「ジオディッシュ M」)

レオパも、水分を摂取しないと脱水症状になってしまいます。そのため、水入れにいつもきれいな水(水道水)を入れておきましょう。
ただし、水入れ容器に高さがあると、そこに水があると認識できない場合があります。背の低い水入れを選び、こまめに水を換えてください。水入れから水を飲むのが苦手なレオパの場合、飼育ケースの壁にスプレーで水を吹きかけてあげると、その水滴を舐めて水分を摂取します。費用の目安は1個500円程度です。

ピンセット

ピンセットは、給餌のときに欠かせません。レオパの目の前で小刻みにゆすってあげると、エサに食いついてくれます。最初はピンセットを怖がることもありますが、根気よく、諦めずに挑戦しましょう。給餌用ピンセットの料金目安は400円〜1,000円程度です。

エサ

エサの種類は、生き餌と人工フードです。最初は、購入したショップ等で与えられているエサと同じものを用意しましょう。

生き餌

レオパに与えられる生き餌は、ヨーロッパイエコオロギやミルワームなどがあります
レオパに与えられる生き餌は、ヨーロッパイエコオロギやミルワームなどがあります

レオパが好む生き餌は主にコオロギ。個体にもよりますが、とても食いつきがよいです。人気はヨーロッパイエコオロギの10mm〜15 mmくらいのサイズ。ピンセットでつまんで与えます。面倒だったり長時間留守にする場合は、数匹をケージのなかに放しておきましょう。
コオロギ1匹の値段は10円〜数十円程度。自家繁殖させることも可能です。

人工フード

生き餌よりも人口フードで育てたいのでれば、ベビー時から人口フードを食べ慣れたレオパを選びましょう
生き餌よりも人口フードで育てたいのでれば、ベビー時から人口フードを食べ慣れたレオパを選びましょう(出典:ペットの専門店 コジマ 「レオパゲル 60g」)

レオパ専用の人工フードは、昆虫を原料したドライフードです。水でふやかして与えるものや、昆虫の幼虫(アメリカミズアブ幼虫)をそのまま乾燥させたもの、ゲル状ものなどがあります。価格は60g700円~1,000円程度になります。

サプリメント

ベビーからヤングにかけての育ちざかりの時期はとくにカルシウムを与えましょう。カルシウムが不足すると骨が軟化するクル病になってしまうことも
ベビーからヤングにかけての育ちざかりの時期はとくにカルシウムを与えましょう。カルシウムが不足すると骨が軟化するクル病になってしまうことも(出典:ペットの専門店 コジマ 「カルシウム+ビタミンD3 40g」)

レオパはカルシウムが不足すると動けなくなり、骨が曲がってきたり、骨折しやすくなったり、ひどい場合は痙攣を起こす場合もあります。人工フードはもともとカルシウムが入っているものも多いので、成分表を確認しましょう。コオロギを与える際はカルシウムとビタミンDの粉末をコオロギに振りかけるなどして、カルシウム不足を補いましょう。粉末カルシウムは40gで400円程度です。

レオパの飼育方法

レオパの飼育にもっとも大切なのは、温度・湿度管理です。温度・湿度管理をしっかリマスターしたうえで次のステップに進みましょう。

エサの与え方や頻度

1日に与えるエサの量は個体差がありますが、ベビー(※)でドライフード1〜1.5粒ほど、成長して20gを超えたくらいになると3~4粒くらいが目安です。
生後1年を超えてアダルト(※)になると、毎日エサを与えなくてもよくなります。気温が上がって、食いつきのよい時期で週2回、食いつきの悪い時期は週1回で大丈夫。レオパの死因でも多いのが肥満ですので、個体に合わせて必要な量を与えましょう。目安は2〜5粒程度です。

※ベビー(孵化〜3カ月)ヤング(3カ月〜1年)、アダルト(1年~)

人工のエサだけでも大丈夫?

人工フードには成長に必要なタンパク質や脂質が含まれており、カルシウムも添加されています。そのため、人工フードだけで育てても大丈夫です。
ただし人工フードを食べなかったり選り好みしたりする個体もいますので、その場合は違う人工フードを探すか、生き餌にサプリメントを追加して与えることになります。

飼育ケースの掃除方法や頻度

日々のお手入れは床材を取り替え、水入れを洗う程度で十分です。ケージは、水垢などの汚れが気になってきたタイミングで丸洗いします。
ケージ内にスプレーして吸水、保湿した際にケージについた水滴をレオパが舐めることがあるので、絶対に洗剤は使わないでください。基本は水洗いのみで大丈夫ですが、どうしても気になる人は、爬虫類のケージ用と書かれた専用のクリーナーを使って掃除しましょう。

ハンドリングの方法

レオパを飼う楽しみの一つが、ハンドリングではないでしょうか。爬虫類には珍しく、レオパは手の上に乗ってくれます。

ただし、個体によって性格が異なるため人が触れることに強いストレスを感じるレオパもいるので注意してください。その場合は残念ですが、そっと見守るだけにしましょう。
また、レオパは上からつかまれるのを嫌います。顔の前にそっと手を差し出し、自分から乗ってくれるのを待ちましょう。一度手に乗ってくれたら、手に乗せたあとにエサをあげると「ハンドリングしたらエサをもらえる」と覚えて、次からも手に乗ってくれやすくなります。

なお、飼い主にとってはうれしいハンドリングも、レオパは好んで来てくれるわけではありません。ハンドリングの時間は長くても15分以内にしておきましょう。

レオパを飼うときの注意点

レオパによく見られるウインク。愛くるしい表情ですね
レオパによく見られるウインク。愛くるしい表情ですね

「レオパの飼育に必要なものは?」や「レオパの飼育方法」でご説明したように、レオパを飼うときの3大注意点は温度・湿度管理、カルシウム不足、肥満が挙げられます。飼育環境を整え、エサの与え方にも気を配って健康を保ちましょう。
また、それ以外にも注意しておきたいことがあります。飼う前に確認しておきましょう。

多頭飼いはしない

野生下のレオパは、1匹のオスを複数のメスが囲むハーレム状態で過ごしています。そのため、オスは縄張り意識が強く、オス同士を多頭飼いすると争いが起こります。何匹か飼いたい場合は、必ず飼育ケースを別々にしましょう。
オスとメス、メスとメスの場合でもストレスから拒食したり、自分で自分のしっぽを切ったりしてしまう場合があります。繁殖目的でオスとメスを一緒の飼育ケースに入れる場合も、交尾がおこなわれたことを確認したら、それぞれのケースに戻したほうが無難です。

脱皮不全を防ぐ

レオパは、蛇と同じように脱皮します。ただ、蛇のようにスルッと脱皮することができず、体の一部に残ったまま取れなくなる場合があります。このような症状を脱皮不全といいます。
脱皮不全が起こりやすいのは、まぶたと指先。まぶたの裏側の皮が残ると乾燥した皮が硬化し、眼球にまで食い込んで目が開かなくなります。また、指先に皮が残ると乾燥して指先に食い込み、最終的には指が壊死して落ちてしまいます。

脱皮がうまくできていない場合は、手伝ってきれいにしてあげましょう。脱皮促進のスプレーも市販されています。自分で難しい場合は、獣医さんにとってもらいます。爬虫類を診てくれる病院は少ないので、事前に探しておくといざというときに安心です。

自切を防ぐ

レオパもトカゲと同じように自分でしっぽを切ることがあり、これを「自切」といいます。あとから新しいしっぽが生えてきますが、レオパの特徴である最初のしっぽと同じ形にはなりません。飼育歴の長いベテランの飼い主でも、ある日突然飼っているレオパが自切していたということもあるそうです。
レオパにストレスを与えないように注意し、ハンドリングの際は落下させることのないよう細心の注意をはかりましょう。

エアコンで温度管理する

24時間ヒーターで温度管理していても、外気温が低すぎるときはエアコンで温度調節しましょう。でかけるときも温度を高めに設定して、エアコンをつけっぱなしにしておいてください。
特に気を付けておきたいのは夏です。年々暑くなる日本の夏、エアコンは必須といえるでしょう。リビングに飼育ケースを置いている場合、人間が快適な冷房温度がレオパには寒すぎることもあります。そうした際は夏でもパネルヒーターなどをつけて、快適な温度環境を整えましょう。

ペット不可の物件でもレオパは飼える?

爬虫類に限らず、ペットはペット可の物件でないと飼うことができません。
もともとペット可の物件に住んでいる場合でも、新たに飼い始める際には報告しなくてはならず、場合によっては敷金がプラスされることもあります。まずは、飼う前に大家さんや管理会社に相談してみましょう。

ペット不可の物件でバレたらどうなる?

ペット不可の物件にも関わらず無断でペットを飼った場合、退去させられたり違約金の支払いを命じられたりする場合があります。
代わりに飼ってくれる里親を見つけるなどして、部屋での飼育を解消すれば謝罪や話し合いで済む可能性もあるでしょう。しかし、ペットと離れたくないなら、引越しを余儀なくさせられます。レオパの飼育では考えにくいですが、ペットによって壁や床などが傷つけてしまった場合は、原状回復のための賠償金の支払いも避けられません。

不動産会社や大家さんに相談してみる

ペット不可と書かれている賃貸物件でも、騒音がなく、部屋を汚さない小動物などは飼育可能な場合があります。今住んでいる賃貸物件でレオパを飼いたいなら、まずは不動産会社や大家さんに相談してみましょう。

レオパを飼うための物件探しのポイント

ほとんどの時間を飼育ケースのなかで過ごすレオパは、ワンルームの狭い部屋でも十分に飼育が可能です。まずは、ペットの飼育が許可されている物件を探すことからはじめましょう。

ペット可(相談可)で爬虫類OKの物件を探す

引越しで部屋探しするときはペット可(相談可)の条件で絞り込み、爬虫類がOKかどうかを確認します。ただ、ほとんど鳴き声がなく、においもしないレオパは、ペット不可物件でも大家さんによって飼育を許してくれるかもしれません。
事前に住みたい部屋をいくつか探したうえで、「レオパが飼いたいけれども、爬虫類の飼育が可能かどうか確認してほしい」と不動産会社の担当者に伝えておくと、スムーズに気に入った物件を探すことができます。

飼育する部屋にエアコンがついている

冬は寒く、夏は暑い日本の気候は、レオパの生育環境に適していません。そのため、飼育する部屋にエアコンがあることは必須の条件です。ヒーターに電気を使いますので、コンセントの数や場所なども確認しておきましょう。

周辺に爬虫類も診察可能な動物病院がある

一般的な動物病院は、犬や猫の診療を主としています。爬虫類を診てもらえる動物病院の数は少ないため、事前に診察可能な病院を探しておきましょう。エキゾチックアニマル対応と書かれている病院は、爬虫類を診察してくれることが多いでしょう。

まとめ

広い飼育スペースを必要とせず、においもなく、ほとんど鳴かない爬虫類。しかも、触れ合うことができて表情や仕草も愛くるしいレオパは、知れば知るほど飼いたくなる魅力的なペットです。
とはいえ、本来の生育環境と気候がまったく違う日本で育てるので、それなりの注意は必要です。あらかじめ、本記事で解説した内容を踏まえたうえで、飼育できるかどうか検討してみてください。賃貸物件でも飼える可能性はあるかもしれませんので、まずは不動産管理会社や大家さんに相談してみるとよいでしょう。
引越しを検討している人は、ぜひ「不動産情報サイト アットホーム」を利用してペット可(ペット相談可)でレオパと暮らせる素敵な住まいを探してみませんか?

取材協力:株式会社コジマ

執筆者

小西尋子

京都ライター事務所

京都市内を拠点にフリーランスの編集ライターとして活動。大学卒業後、出版・広告業界に20年以上携わる。間取りを見ながら引越しを妄想するのが趣味。レトロ物件好きで、取り壊しのために2度の立ち退き経験あり。宅建士の資格取得に向けて勉強中。

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