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【初心者向け】文鳥の飼い方とは?性格や必要なもの、注意すべきポイントを徹底解説

文鳥の飼い方とは?性格や必要なもの、注意すべきポイントを徹底解説
小さくてかわいらしい文鳥は、賢く人に懐きやすいため人気を集めています。鳥のなかでも小型の文鳥は、鳴き声もあまり大きくなく、においも気になりにくいことからペットとして迎えることを検討している方も多いのではないでしょうか。
この記事では文鳥の特徴や性格、基本的な飼い方と飼育に必要なもの、注意点を解説します。

記事の目次

文鳥はどんな鳥?

文鳥は体調15cm・体重25g前後の小さな鳥で、まん丸の目とそれを囲う赤い縁取りに、ピンクのしっかりとしたくちばしが特徴的です。すべすべとした羽毛がとてもきれいで、日本では古くから観賞用の小動物として親しまれてきました。ではここからは、さらに詳しく文鳥の生態を見ていきましょう。

文鳥の特徴・性格

スズメ目の小鳥(フィンチ)

文鳥はスズメ目カエデチョウ科に分類される小鳥で、飼い鳥として世界各地に広く普及しています。飼育されている個体は繁殖を続けているものの、実は野生の文鳥は絶滅危惧種ともいわれています。

熱帯地方原産で寒さに弱い

文鳥は、ジャワ島やバリ島などのインドネシアが原産国で、日本には江戸時代より愛玩鳥(あいがんちょう)としてやってきました。元々は南国の熱帯で生まれたことから文鳥の体温は約42度と高く、寒い環境が苦手な鳥でもあります。

寿命は平均7~8年ほど

文鳥の寿命は10年に満たないほどで、セキセイインコといった他の小鳥とさほど変わりません。

水浴びを好む

文鳥は水遊びが好きで、じゃぶじゃぶと水浴びをするのがストレス解消にもなります。またきれい好きでもあり、水を浴びて羽毛を清潔に保っている一面もあります。

人に懐きやすく寂しがり屋

文鳥は頭が良く甘えん坊で、スキンシップを好みやすい鳥です。手や肩に乗って遊ぼうとしたり、自分の名前を覚えて呼ばれると擦り寄ってきたり、かなり人懐っこい性格でもあります。

好き嫌いが激しく嫉妬深い

愛情深い反面、警戒心が強く、かなりナイーブなのも文鳥の特徴。人や環境、さらに別の文鳥に対しても、好き嫌いが顕著な傾向があります。できないわけではありませんが、複数飼いや繁殖をしようとしても、文鳥同士の相性が悪くて喧嘩になるケースもあります。

文鳥の種類・色

文鳥の種類・色

文鳥には、主に色の違いから、次のような種類分けがされています。

ノーマル文鳥 原産の個体に近く、並文鳥とも呼ばれる種類で、黒い顔に白い頬、顔から下全体がグレーになった定番の文鳥です。
白文鳥 愛知の弥富(やとみ)市で生まれたとされる突然変異種で、頭の先からしっぽまで全身がきれいなホワイトの羽毛になった文鳥です。
桜文鳥 ノーマル文鳥が白くまだらになった文鳥で、その模様が桜のように見えることから名付けられたとされています。ノーマル文鳥と白文鳥の交配で生まれた種類です。
シナモン文鳥 頭部と尾羽が濃い茶色で腹や胸、羽毛部分が薄めの茶色になった文鳥。また、メラニン色素を持っていないため、目が赤いのもシナモン文鳥の特徴の一つです。
シルバー文鳥 ノーマル文鳥をベースに、黒やグレーの羽毛部分がさらに淡くなり、銀色のように見える文鳥です。色の濃さは個体によって異なります。

文鳥のオス・メスの違い

文鳥のオス・メスの違い

文鳥を含め、多くの鳥類ではヒナの時期にオスかメスか判断するのは難しいとされています。成鳥になってくると、体の大きさなどにも差が出てきて、ようやく違いが判別できるようになるケースが多く見られます。では実際に成鳥になってわかりやすくなる、文鳥のオスとメスの見分け方を以下から見ていきましょう。

  オス メス
全身 足や爪が大きく、体重も重たくがっしりとした体つき 細身で体全体が小さく、足や爪も華奢
平らに近い形 こんもりと丸い形
くちばし 根本から大きく盛り上がり、赤みが濃い 細長く、色味も淡い
赤い縁取りが濃く、アーモンド形 縁取りが薄ピンクで、丸いつぶらな目
行動 歌のようなさえずり(ぐぜり)、求愛ダンス(ジャンプする) しっぽを振る、甲高く短い鳴き声、無精卵の産卵
性格 明るく活発ながら警戒心が強く、情感が豊か
人に懐きやすい
マイペースで好奇心が強く、気分屋
スキンシップが好き

文鳥を選ぶポイント

文鳥を実際に飼いはじめる際には、次のようなポイントを覚えておくと、よりスムーズにお迎えできます。

何週齢の文鳥にするか考える

文鳥は最初の換羽期に飼い主のことを覚えやすく、より人慣れさせたい場合には、ヒナから飼育するのがおすすめです。ただしヒナのうちはまだ体をつくっている途中で、徹底した体調管理をしないと命を落としてしまう危険も。お世話が大変な分、絆は深まりやすいですが、こうしたリスクもきちんと考慮しておく必要があります。一方で成鳥になれば鳥としての身体機能もできているので、毎日の丁寧なお世話は欠かせませんが、ヒナに比べると多少手はかからなくなります。成鳥になってからでも、しっかりと愛情を注いで根気よくコミュニケーションを取れば、手乗りするほどに懐くともいわれています。

ペットショップやブリーダーを探す

文鳥をお迎えするルートとしては、やはりペットショップやブリーダーです。インターネットで検索してみると出てくるので、いくつか探してみましょう。なお一般的に文鳥のヒナは、秋から春にかけて誕生します。ただ冬は寒さの厳しい気温で体調を崩しやすいため、はじめて文鳥を飼う場合には、秋のはじめか春に飼いはじめるのがおすすめです。

文鳥の様子を確認する

以下の健康状態もしっかりとチェックしておくと安心です。

【ヒナの場合】

  • 元気がある、人に近寄ってくる
  • 後頭部などの羽根が抜けていない
  • 足が太い、頭が大きい
  • 目がぱっちり開いている
  • 「そのう」に艶がある
  • フンが水っぽくない

【成鳥の場合】

  • 元気がある、人に近寄ってくる
  • 目の周り(アイリング)が赤い
  • クチバシが赤い
  • 羽根にハリとツヤがある
  • 鼻水が出ていない、クシャミをしていない
  • フンが水っぽくない
  • 尾脂腺の腫れや肝臓肥大がない

文鳥の飼育に必要なもの

どのような生き物でも、お迎えする前には、まず飼育環境を整えておくことが欠かせません。では文鳥の場合は何を準備するのか、次から具体的にご紹介します。

ケージ

文鳥は手のひらサイズの小鳥ですが、なるべくゆとりのあるタイプを選ぶのがベスト。いわゆる一般的な鳥かごなら特に問題はありませんが、大きさは幅・奥行き30cm以上×高さ40cm前後にするのが妥当です。4,000円~1万5,000円前後で購入できます。

理想的なケージの置き場所

文鳥のケージは、リビング内の適度に日光が入る場所が理想的です。文鳥は寂しがり屋なので、基本的には人がいる部屋にいないとストレスになります。また日光浴は文鳥の健康にいいので、窓の近くに置いておくのがおすすめ。ただ太陽光に当たりすぎても体調を崩してしまうため、直射日光を避け、適度に日影ができる温度変化の少ない場所に置くとよいでしょう。

止まり木

止まり木

ケージのなかで飛んで遊んだり、爪やくちばしを研いだりするために、文鳥の足でつかめるサイズの止まり木を用意します。プラスチックではなく自然の木材で、直径は12mmくらいのものを選びましょう。止まり木は1,000円程度で買えます。

エサ入れ・エサ

エサ入れは、文鳥のご飯を入れることができれば何でも構いません。透明で1日分のエサが入るようなタイプにしておくと、管理しやすくて便利です。また文鳥の主食となるエサは、シード、またはペレットです。シードはヒエやアワなどのミックス穀物で、ペレットは穀物を含んだ総合栄養食を指します。ペレットには文鳥が必要とする栄養素が網羅的に配合されていますが、シードではビタミンなどが不足するので、副菜(ボレー粉や青菜など)も一緒に与えるようにしましょう。

なお一般的に文鳥は、成鳥になる前から摂取していた食べ物を好みます。飼いはじめてからエサが変わると、それを食べてくれない可能性が高いため、必ずペットショップやブリーダーが与えていたエサを確認しましょう。文鳥のエサは量にもよりますが大体1,000円、エサ入れは500円~1,000円で購入できます。

菜差し・ボレー粉入れ

前述に出てきたシードの副菜を入れる容器です。ちなみに副菜の青菜となるのは、小松菜・チンゲン菜・水菜・大根の葉など。またボレー粉とは、カキの貝殻を砕いた粉末フードです。菜差しは葉野菜が入る筒状の容器、ボレー粉はエサ入れと似たようなもので構いません。いずれにしても500円~1,000円程度で買えます。

水入れ(給水器)

水入れは簡単に倒れないように、ケージに取り付けるタイプがおすすめです。ケージに設置する給水器でも、500円前後で購入できます。

水浴び器

水浴び器

前述にもあるように、文鳥は水浴びをして遊ぶので、そのスペースもきちんと確保しておきます。飲み水の入れ物とは別に、文鳥の体がすっぽり入るような水浴び器を用意しましょう。小鳥の水浴び専用の容器も市販されていて、1,000円~1,500円程度で買えます。

ヒーター

文鳥は寒さに弱いので、きちんと暖を取れるようにヒーターも準備しておきましょう。ケージに設置できるタイプだと、安全で便利なのでおすすめです。小鳥用のヒーターは、5,000円程度で購入できます。

温湿度計

文鳥は、気温も湿気も高い南国生まれなので、徹底した温度・湿度管理も不可欠です。快適かつ健康的な住環境にするためにも、温湿度計を用意して適切に温度・湿度を維持するようにしましょう。1,000円~2,000円程度で購入可能です。

おもちゃ・ブランコ

おもちゃ・ブランコ

ケージのなかで遊んでストレス解消ができるように、くちばしでつつけるおもちゃや、飛んで止まれるブランコを用意しておくとよいでしょう。ケージの天井から吊り下げられるロープやビーズ、小鳥専用のブランコなどがおすすめです。
ただし文鳥は警戒心が強く、おもちゃを怖がる可能性があり、必ずなくてはならないものではありません。ケージの近くに置いておき、外に出た時に興味を示すようであれば、おもちゃを与える程度でOKです。反対に嫌がる時には、無理に設置しないようにします。ちなみに小鳥用のおもちゃは、500円前後で買えます。

ケージカバー(遮光布)

ケージカバーは、夜に文鳥が落ち着いて眠れる暗い環境を作るのに必要です。特にリビングなどの夜間でも明るい部屋で飼う場合には、照明を遮るカバーを被せるようにしましょう。夏なら風の通る薄手のもの、冬は保温ができる厚手のもので使い分けるようにします。ケージカバーは2,000円~3,000円程度で購入できます。

キャリーケース

病院や災害時などの移動時に必要なもので、あらかじめ慣れされておくことも重要です。例えば部屋のなかで遊ばせる時に、キャリーケースを遊具のようにして入れるようにしておき、怖くない場所と覚えてもらうようにしましょう。なおキャリーケースは、2,000円~4,000円前後で市販されています。

体重計(キッチンスケール)

体重計(キッチンスケール)

太りすぎや痩せすぎを防いで健康管理をするために、キッチンスケールなど、0.1gごとに重さを測れる体重計を用意しておきます。なお体重測定は、なるべく毎日するようにしましょう。体重計は1,000円~3,000円程度で購入できます。

文鳥のヒナの飼育方法

ヒナの段階では、体の機能が未発達だったり、一人でエサを食べられなかったりします。成鳥とは飼育方法が異なるため、ヒナからお迎えする際に必要なものや注意点なども、以下から見ていきましょう。

ヒナの飼育に必要なもの

  • 給餌器具:200円~300円
  • ヒナ用のエサ(粟玉、栄養剤):200円~700円
  • 巣箱(保温プラケース、升箱):1,000円~8,000円

文鳥のヒナを飼う場合には、先ほどまでにご紹介した飼育用品に加えて、上記のものも準備します。なお文鳥のヒナにとっての適温は28度前後なので、温湿度計で管理しながら、状況に応じて保温することも重要です。室温が低くなりそうな場合には、巣箱をタオルやヒーターで温めて調整しましょう。

ヒナの飼育の注意点

  • 保温保湿を徹底する(温度28度前後、湿度50%~60%程度)
  • 生後1カ月頃までは朝から晩までの12時間程度で3時間ごとに挿し餌
  • 挿し餌は粟玉と栄養剤を人肌程度のお湯でといたものを用意
  • 生後1カ月を過ぎたら少しずつ一人餌へ移行
  • そのう(頬のすぐ下)が炎症していないか確認

ヒナは成鳥よりも温度や湿度の変化に敏感なので、適性に保てるように管理します。またヒナのうちは自分でエサを食べられないため、上のリストに表記したとおり挿し餌を与えて、生後1カ月を超えてきたら成鳥用に慣れさせましょう。また挿し餌が多すぎたり熱すぎたりなど、与えるエサの状態が適していないと、「そのう」という消化器官が腫れて炎症を起こすケースがあります。そのうに問題が起きていないか、必ず毎日こまめにチェックしましょう。

文鳥を飼うのに必要な費用

文鳥の飼育費用としては、大きく分けて飼う際の初期費用・月々かかる費用・病院での費用の3つが想定されます。ではそれぞれの詳細について、次からご紹介します。

初期費用

文鳥の生態価格は種類にもよりますが、2,000円~9,000円程度です。先述した飼育用品を合わせると、成鳥なら初期費用は2万2,000円~4万7,500円は用意しておくと無難でしょう。さらにヒナの場合は、専用の飼育用品を加えると1,400円~9,000円ほど上乗せになる計算になります。

月々かかる費用

毎月の主な飼育費用は、エサ代と電気代が中心です。基本的にエサはまとめて購入するので、月単位にすると500円程度でしょう。さらに毎月の電気代がかかるとしても、月々2,000円程度で飼育できるのが一般的です。

病院での治療費

文鳥は犬や猫のような決まった予防接種や定期健診などはありませんが、体調管理のために自主的に健康診断を受けることも。ちなみに文鳥の健康診断は、5,000円前後から受診できるのが一般的ですが、検査項目によってはさらに数千円ほどかかる場合もあります。また疾患時の治療費は、症状のある器官などで異なりますが、年間数千円で済むケースもあれば、数万円や数十万円に上ることも。いざという時に通院できるように、準備をしておくことも大切です。

文鳥の鳴き声としぐさ

文鳥の鳴き声やしぐさには、それぞれに違う感情や意味が次のように込められています。

鳴き声 「ピッピ」「チッチ」
(短い鳴き声)
飼い主を呼びたい時、
挨拶や返事
「キューキュー」
「キュルルル」
甘えたい時、
遊んでほしい時
「ピチューイ」「ピーヨ」(オスからメスへの求愛) 甘えたい時、
遊んでほしい時
「ギュルルルル」
(長く低い鳴き声)
怒っている時、
機嫌が悪い時
「ゲッゲッゲ」
(短く低い鳴き声)
威嚇している時、
警戒している時
動作  飼い主をつつく、甘噛み 甘えたい時
 喉を鳴らす 機嫌がいい時
 しっぽを揺らす 満足している時、
発情している時(メス)

文鳥の換羽期と発情期

文鳥にとって、秋から翌年の春までは繁殖期にあたり、発情期にもあたる時期です。この期間は多頭飼いしている場合の不用意な繁殖だけでなく、過剰な発情にも要注意。飼い主とのスキンシップや発情相手(人形などのおもちゃ)によって、発情が加速してしまい、体力を大きく消耗してしまいます。また長時間明るい場所にいたり、カロリーの高い食事をしていたりすると、発情を促してしまうことがあるのでなるべく避けるようにしましょう。

そして発情期が終わる初夏から夏までは、文鳥の換羽期になります。換羽期は文鳥が疲れやすく、休んでいる時間が長くなるので、できるだけリラックスさせてあげることが大事。イライラすることも多くなるため、あまり構いすぎず、そっとしておくようにしましょう。

文鳥を飼う時の注意点

文鳥となるべく長く一緒に過ごすためにも、次の点にはしっかりと配慮して、安全かつ健康な飼育環境を作ってあげましょう。

寒さに注意する

ここまでにも出てきているように、文鳥は気温が比較的高い国が原産のため、寒い環境が苦手で、体調不良にもつながってしまいます。もちろん暑すぎても熱中症になってしまいますが、特に気温が下がりやすい冬は要注意。成鳥なら20度~25度が適温なので、維持できるようにこまめに調節しましょう。

幼鳥のうちにさまざまなことに慣れさせる

例えば、エサ・放鳥・おもちゃ・キャリーケースなど、幼鳥のうちから慣れさせておくことも大切。文鳥は警戒心が強いため、慣れないことを怖がったり拒んだりする傾向にあります。特に食べたり遊んだりなどの生活習慣は、幼鳥時からしつけをしておきましょう。また爪切りの際の保定(手で握って固定する)といった、お手入れにも慣れさせておきます。

放鳥の時間を設ける

ずっと狭いケージのなかにいてはストレスになってしまうので、必ず部屋の中で自由に遊ぶ放鳥の時間を作りましょう。放鳥の時には、名前を呼んで声をかけてあげたりスキンシップをしたりして、しっかりと一緒に遊ぶようにします。積極的にコミュニケーションを取ることで、信頼関係も築きやすくなりますよ。

放鳥中は必ず窓を閉める

放鳥した際に窓や玄関から外に出てしまい、迷子になってしまうケースも少なくありません。必ず戸締りをしてから、ケージの外に出して放鳥するようにしましょう。場合によっては、狭い隙間に入って出てこられなくなることもあるので、放鳥時は目を離さないようにしましょう。

アロマや煙に注意する

文鳥のような体の小さい生き物にとっては、たとえ人間には無害でも、危険な有害物となることも多いため注意しましょう。特にアロマ・香水・たばこ・調理中の煙などは、文鳥が吸い込むと中毒症状を引き起こす可能性があります。アロマや香水など香りの強いものの利用を避けたり、煙が届かないところにケージを置くようにしましょう。

病気や怪我を見逃がさない

文鳥をはじめとした小鳥は、天敵から身を守るために、病気やケガを隠す習性があります。ちょっとした変化にもすぐに気付けるように、日頃からの体重測定やくちばし・目の周りのチェックをしたり、羽毛の下の皮膚の状態を見たりこまめに確認することが重要。また息切れやくしゃみなど、普段の様子も細かく見ておくようにします。

文鳥の飼育に関するよくある質問

ではここからは、文鳥を飼う際によく見られる疑問や不安にお答えしていきます。

手乗り文鳥にするにはどうすればいい?

SNSなどでは、人の手に慣れた手乗り文鳥の姿をよく見かけますが、どの個体も手乗りになるわけではありません。基本的にはヒナから飼い、段階を踏んで人の手に慣れさせるのが一般的です。ただ成鳥から飼っても、最初はおやつを手で与える・ケージから出す時に触る、文鳥が嫌がることはしないなど、徐々に慣れさせていく方法があります。
かなり時間はかかりますが、しっかりと懐いてくれれば、手乗り文鳥になることも。とはいえ性格にも個体差があるため、場合によっては何年かかっても手乗りしないケースも少なくありません。そうした場合には無理に手乗りさせず、個性として受け止めてあげてください。

文鳥の「荒鳥(あらとり)」とは?

荒鳥(あらとり)とは、なかなか人慣れせずに、ケージで暴れたり噛んだりする状態を指します。文鳥は比較的懐きやすい鳥といわれていますが、なかには警戒心が非常に強く、気性の荒い文鳥も。こうした荒鳥になっている文鳥には、なるべく怖がらせないことが大切です。最初は無理に触ったり近づいたりせず、目に見える範囲から積極的に声かけをしたり近づいてくるのを待ったり、焦らず懐いてくれるようにコミュニケーションしていきましょう。

文鳥と一緒に飼えないペットはいる?

絶対に飼えないわけではありませんが、狩猟本能のある犬や猫との同居は避けたほうが無難です。犬や猫などにとって、文鳥が捕食対象に見えてしまう可能性があり、興奮して捕えようとするケースも想定されます。穏やかな大型犬なら相性は悪くないとされていますが、文鳥にとっても犬にとってもストレスを増長させてしまう存在になりかねないので要注意です。また草食動物のウサギは比較的相性がいいとされていますが、文鳥は寂しがり屋なので、ウサギに構いすぎると飼い主が取られたと感じてストレスになるケースもあります。

文鳥は一羽飼いと多頭飼いどちらがおすすめ?

文鳥を多頭飼いすると、他の文鳥に構っている時にやきもちを妬いてしまう可能性があります。また反対に文鳥同士でコミュニティを作り、飼い主にはあまり関心を示さなくなることも。はじめて文鳥を飼うなら、しっかりとお世話ができるように、一羽飼いのほうがいいかもしれません。

文鳥を残して留守にしても大丈夫?

仕事などで日中留守にする分には問題ありませんが、旅行や出張といった長期間一人にすることはできません。毎日のお世話もありますし、しばらく一羽にさせてしまうと、人間を嫌がるようになる可能性があります。もし何日も自宅に帰れないケースが想定されるのであれば、あらかじめ預かり先(知人やペットホテルなど)を探しておくようにしましょう。

ペット不可の物件でも文鳥を飼うことはできる?

基本的にペット不可の物件では、どのような生き物も飼えません。もちろん文鳥のように、比較的大人しい小動物もNGです。ただし管理会社やオーナーに交渉や相談をすれば、許可してもらえる場合もあるので、飼育を始める前に、一度問い合わせてみるのがいいかもしれません。またペット可の物件でも、何か飼育する際には報告義務があり、敷金が追加になる可能性があります。

もし報告せずに飼いはじめて、あとからバレてしまった時には、ペットを手放したり強制退去になったりすることも。悲しい思いをしないためにも、賃貸でペットを飼う際には、必ずルールを守ってお迎えするようにしましょう。

文鳥を飼うための物件探しのポイント

ペット可(相談可)物件である

前述にもあるように、文鳥の飼育を検討しているなら、最初からペット可(相談可)の物件を選ぶのは大前提です。ペット可(相談可)の物件でも動物の種類によっては飼育が認められない場合があるので、管理会社やオーナーに確認を取りましょう。文鳥に限らず、何か生き物を飼いたい時には、ペット可を優先条件にしておくのが無難です。

エアコンなどで温度調節ができる

文鳥のように体の小さい動物は、ちょっとした温度変化でも体調を崩しやすい傾向にあります。気温の厳しい夏や冬は、空調によって適切な室温に保つことが大切。エアコンがないと、温度調節は難しいので、あらかじめ空調設備のある物件を選びましょう。

近隣に鳥を診ることができる動物病院がある

動物病院といっても、各施設で診療できる生き物には違いがあります。鳥が診療外になっている場合も少なくないので、あらかじめ文鳥を診療できる動物病院を探しておき、いざという時にすぐ頼れるようにしましょう。

【動物病院に関する体験談】
幼鳥の頃にまったくエサを食べなくなってしまったことがあり、急きょ動物病院で診てもらって助かったことがありました。文鳥は成鳥になると比較的丈夫な鳥といわれていますが、ヒナから飼育するケースでは、急な体調不良も起こりがち。体調を崩しているなかでの長距離移動は負担になってしまうので、徒歩やタクシーで行ける場所に文鳥の診療が可能な動物病院があると何かと安心です。

まとめ

コロコロとした見た目がかわいい文鳥は、人懐っこく甘えん坊で、飼い主との信頼関係もしっかり築いてくれる動物です。また鳥のなかでも小さい種類で、性格的にも身体的にも繊細な一面があります。まずはきちんと、文鳥にとって快適な飼育環境を整えてあげることが大切。文鳥と仲良く暮らしていくためにも、日頃のこまめなお世話とたっぷり愛情を注ぐコミュニケーションを心がけていきましょう。

執筆者

たけなつ

2019年よりフリーで活動しているWebライター。
広告会社でのコピーライターを経て、現在は幅広いジャンルのコラム記事などを執筆。
愛知・東京・北海道と各地を渡り歩き、19歳からの10年で7回引越しを繰り返す好奇心旺盛人。

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